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初追跡!
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白のメルセデスは、中央自動車道から首都高速4号線、その後11号線に入りレインボーブリッジを走行していた。
妻は、夫は千葉県のゴルフ場でプレーをすると聞いているらしかった。
このまま走行を続けていけば、湾岸道路から東京湾アクアラインを通り、千葉県の木更津に渡ることができる。
なんだただの妻の思い過ごしではなかったのか、それか今回は本当にゴルフ場に行くのかもしれない。
私はレインボーブリッジの上から見える、晴海や豊洲のベイアリアの絶景を見ながらそんな甘っちょろい考えを巡らせた。
白のメルセデスはレインボーブリッジを渡り切ると、私の考え虚しく台場インターで高速を降りた。
佐藤は私にビデオを撮るように命じ、私は台場インターで降りる白のメルセデスを撮影した。
高速を降りて一般道に入り、しばらく走行していると、信号がちょうど黄色から赤に変わった。
横断歩道には早朝ランナーが青信号になるのを今か今かと待ち構えており、佐藤も無理はできなかった。
白のメルセデスは私達から遠ざかっていく。
だが、しばらくすると白のメルセデスは左側にウィンカーを出し、ハザードランプも点灯させて停車した。
私達は白のメルセデスを追い越し、しばらく先で停車し、待機した。
サイドミラー越しで夫を見ると、携帯電話をいじっているように見えた。
そののち白のメルセデスは動き出し、すぐ先の信号を右折した。
我々も後を追った。
デックス東京ビーチの前を通り過ぎてしばらく進むと、お台場海浜公園の駐車場がある。
夫はそこに車を停め、我々も時間差をつけて駐車場に入った。
雲一つない気持ちの良い朝だ。
ここでこのお台場の景色を見ながらコーヒーでも一杯飲みたくなった。
夫はしばらく公園を歩いていたが、やがてベンチに腰を下ろした。
それから30分ほどだった8時半頃、30代半ばくらいの女性が夫のいるベンチへとやってきた。
二人はリラックスした表情で楽しそうに散歩を始めた。
しばらくすると二人はデックス東京ビーチのカフェへ入って行った。
望遠レンズ付きの一眼レフで一部始終を記録した。
あまり良い気分ではなかった。
しばらく二人はカフェで過ごしていた。
私達はカフェの中を見渡せる、道路の反対側の歩道で、待機した。
佐藤は先程からスマートフォンで、インターネットのショッピングサイトで洋服を見ていた。
見失ったらどうするのか、大丈夫なのかと思ったが、ふと佐藤が
「そろそろですね。」
と顔を上げていった。
カフェの中の二人を見ると、いまだ楽しそうに談笑していたが、しばらくすると夫が女性の飲んでいたコーヒーカップも同じトレーに載せ、下げ場に持っていった。
見ていないようで見ている。
休める時にうまく休み、手を抜ける時にうまく手を抜く。
佐藤はそれがうまかった。
藤本や岩出が私に佐藤をつけたのがわかったような気がした。
これからの私には必要な感覚になるであろう。
二人はカフェを出て、今度は手を繋ぎながら再びお台場海浜公園を通り抜け、駐車場に泊めてあった白のメルセデスに乗り込んだ。
妻は、夫は千葉県のゴルフ場でプレーをすると聞いているらしかった。
このまま走行を続けていけば、湾岸道路から東京湾アクアラインを通り、千葉県の木更津に渡ることができる。
なんだただの妻の思い過ごしではなかったのか、それか今回は本当にゴルフ場に行くのかもしれない。
私はレインボーブリッジの上から見える、晴海や豊洲のベイアリアの絶景を見ながらそんな甘っちょろい考えを巡らせた。
白のメルセデスはレインボーブリッジを渡り切ると、私の考え虚しく台場インターで高速を降りた。
佐藤は私にビデオを撮るように命じ、私は台場インターで降りる白のメルセデスを撮影した。
高速を降りて一般道に入り、しばらく走行していると、信号がちょうど黄色から赤に変わった。
横断歩道には早朝ランナーが青信号になるのを今か今かと待ち構えており、佐藤も無理はできなかった。
白のメルセデスは私達から遠ざかっていく。
だが、しばらくすると白のメルセデスは左側にウィンカーを出し、ハザードランプも点灯させて停車した。
私達は白のメルセデスを追い越し、しばらく先で停車し、待機した。
サイドミラー越しで夫を見ると、携帯電話をいじっているように見えた。
そののち白のメルセデスは動き出し、すぐ先の信号を右折した。
我々も後を追った。
デックス東京ビーチの前を通り過ぎてしばらく進むと、お台場海浜公園の駐車場がある。
夫はそこに車を停め、我々も時間差をつけて駐車場に入った。
雲一つない気持ちの良い朝だ。
ここでこのお台場の景色を見ながらコーヒーでも一杯飲みたくなった。
夫はしばらく公園を歩いていたが、やがてベンチに腰を下ろした。
それから30分ほどだった8時半頃、30代半ばくらいの女性が夫のいるベンチへとやってきた。
二人はリラックスした表情で楽しそうに散歩を始めた。
しばらくすると二人はデックス東京ビーチのカフェへ入って行った。
望遠レンズ付きの一眼レフで一部始終を記録した。
あまり良い気分ではなかった。
しばらく二人はカフェで過ごしていた。
私達はカフェの中を見渡せる、道路の反対側の歩道で、待機した。
佐藤は先程からスマートフォンで、インターネットのショッピングサイトで洋服を見ていた。
見失ったらどうするのか、大丈夫なのかと思ったが、ふと佐藤が
「そろそろですね。」
と顔を上げていった。
カフェの中の二人を見ると、いまだ楽しそうに談笑していたが、しばらくすると夫が女性の飲んでいたコーヒーカップも同じトレーに載せ、下げ場に持っていった。
見ていないようで見ている。
休める時にうまく休み、手を抜ける時にうまく手を抜く。
佐藤はそれがうまかった。
藤本や岩出が私に佐藤をつけたのがわかったような気がした。
これからの私には必要な感覚になるであろう。
二人はカフェを出て、今度は手を繋ぎながら再びお台場海浜公園を通り抜け、駐車場に泊めてあった白のメルセデスに乗り込んだ。
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