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勇者ダルガム
冒険に出る者・1
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しばらくして勇者ダルガムの気分も落ち着き、再び激しい稽古を行うようになった。
そのころ、勇者キルガムは王様に呼ばれ、城に行った。
「また冒険を頼みたい。だが、そなたの息子ダルガムも勇者になった。どちらに頼んだらよいかな?」
王様はキルガムに尋ねた。
「息子に行かせたいと思います」
「まだ引退を決め込むには早いぞ」
「いえいえ、そんなつもりは。王様もダバイン王国のことはお耳に入っているかと思います。反乱を企てたとされる武道家をダバインは殺しました。このままで済むとは思えません。もし何か要請でもあった時にダバイン王国に行けるよう備えていたいと思います」
「ダバインは只物ではないぞ」
「だからこそ私がこの町に残ろうかと」
「息子を危険な目に合わせたくないと?」
「それもあります。すでにダルガムの剣の腕は私以上であります。しかしダバインと剣を交えたら、まず勝ち目はないでしょう」
「ではそなたがダルガムの代わりに犠牲になると?」
「いえいえ。そんなつもりはありません。私一人で戦うわけではありませんから。私たちはいつもみんなで協力して魔物を倒したり、困難な問題を解決してきました。今回もそんな経験が役に立つかと思います。」
「そうか。確かにダルガムはまだ経験が不足しておるな。では明日、ダルガムに城に来るよう伝えてくれ」
「わかりました」
勇者キルガムは礼をしてその場を離れた。
そのころ、勇者キルガムは王様に呼ばれ、城に行った。
「また冒険を頼みたい。だが、そなたの息子ダルガムも勇者になった。どちらに頼んだらよいかな?」
王様はキルガムに尋ねた。
「息子に行かせたいと思います」
「まだ引退を決め込むには早いぞ」
「いえいえ、そんなつもりは。王様もダバイン王国のことはお耳に入っているかと思います。反乱を企てたとされる武道家をダバインは殺しました。このままで済むとは思えません。もし何か要請でもあった時にダバイン王国に行けるよう備えていたいと思います」
「ダバインは只物ではないぞ」
「だからこそ私がこの町に残ろうかと」
「息子を危険な目に合わせたくないと?」
「それもあります。すでにダルガムの剣の腕は私以上であります。しかしダバインと剣を交えたら、まず勝ち目はないでしょう」
「ではそなたがダルガムの代わりに犠牲になると?」
「いえいえ。そんなつもりはありません。私一人で戦うわけではありませんから。私たちはいつもみんなで協力して魔物を倒したり、困難な問題を解決してきました。今回もそんな経験が役に立つかと思います。」
「そうか。確かにダルガムはまだ経験が不足しておるな。では明日、ダルガムに城に来るよう伝えてくれ」
「わかりました」
勇者キルガムは礼をしてその場を離れた。
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