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手紙が空からゆらゆらと落ちてくる。
下では村沢と平が待ち構えている。
村沢がジャンプして手紙を手に取ろうとしたとき、横から平に体当たりをされて地面に倒れ込んだ。
平が手紙を掴み走り出す。
「てめー!」
村沢は起き上がり、平を追って走り出した。
グラウンドに走り出た大雄と河原は平に気づき、そちらへと走る。
平は銀杏の木の下まで走り大崎と合流した。
「こいつは破ってもいいのか?」
「ダメだ。中を検分する」
そう言って大崎は走りながら平から手紙を受け取る。
「お前ら、ふざけんじゃねえ!」
大雄が怒鳴りながら走ってくる。
ドローンの周りに集まっていたサッカー部員たちは大雄の声を聞いてそちらへと走り出した。
薄暮れていく中、校舎の壁際に立つ青山と友人の田中未悠がグラウンドの喧騒を眺めている。
そこから少し離れたところでは、村沢の投げ捨てたリュックを持つ麻衣が、同じようにグラウンドを見ている。
「一体何してるんだろ」
事情を知らない田中が言った。
「バカみたい。もう帰ろ」
青山が言う。
「うん」
「麻衣ちゃんも一緒に帰ろ。バカどもは放っておいて」
麻衣がとトットットッと二人のところへ走り寄ってきた。
「あいつらを引き留めておけ」
走りながら大崎が平に言う。
「へ?」
平はそれでも肩でゼイゼイ息をしながら振り返り、身構えた。
そこへ村沢が飛び込み、二人はもつれてひっくり返る。
大崎はグラウンドの端へと走っていく。
そこに自転車に乗った河原がやってくる。
「こっちこっち」
大崎は河原に代わって自転車にまたがった。
グラウンドを走って大崎を追いかけていた大雄は後ろを振り返る。
「山田! ボール貸せ!」
大雄の声を聞いた山田は、ネットに入れて持っていたボールを出して大雄の方へ投げた。
必死になって自転車をこぐ大崎は、グラウンドを出て校門へと向かっている。
大雄はボールを足元に置くと、大崎の進む先を狙って蹴った。
ボールはわずかにカーブしながら飛び、自転車に乗る大崎の後頭部に命中した。
大崎はバランスを崩して、ヨロヨロと生け垣に突っ込む。
大崎の持っていた手紙は、その手を離れて生け垣の向こうへと飛んでいった。
大崎のところに走り寄った大雄は、生け垣の向こうにある川を覗き込んだ。
コンクリートに囲まれた川のフェンスから数メートル下の水面を、手紙はゆらゆらと漂い流れていく。
大雄は生け垣を乗り越え、その先のフェンスを掴み、よじ登ろうとする。
「よせ!」
村沢が大雄に飛びつく。
「手紙!」
「もう無理だ、諦めろ」
村沢に続き、山田たち数人も大雄や村沢にしがみつく。
やっと諦めた大雄はヘナヘナとその場に座り込んだ。
近くにいた大崎がコソコソと逃げ出そうとしている。
「おい、待て大崎!」
村沢が呼び止めた。
大崎は蛇に睨まれたカエルのようにその場で固まった。
「もういいよ」
大雄は手であっちに行けと合図した。
下では村沢と平が待ち構えている。
村沢がジャンプして手紙を手に取ろうとしたとき、横から平に体当たりをされて地面に倒れ込んだ。
平が手紙を掴み走り出す。
「てめー!」
村沢は起き上がり、平を追って走り出した。
グラウンドに走り出た大雄と河原は平に気づき、そちらへと走る。
平は銀杏の木の下まで走り大崎と合流した。
「こいつは破ってもいいのか?」
「ダメだ。中を検分する」
そう言って大崎は走りながら平から手紙を受け取る。
「お前ら、ふざけんじゃねえ!」
大雄が怒鳴りながら走ってくる。
ドローンの周りに集まっていたサッカー部員たちは大雄の声を聞いてそちらへと走り出した。
薄暮れていく中、校舎の壁際に立つ青山と友人の田中未悠がグラウンドの喧騒を眺めている。
そこから少し離れたところでは、村沢の投げ捨てたリュックを持つ麻衣が、同じようにグラウンドを見ている。
「一体何してるんだろ」
事情を知らない田中が言った。
「バカみたい。もう帰ろ」
青山が言う。
「うん」
「麻衣ちゃんも一緒に帰ろ。バカどもは放っておいて」
麻衣がとトットットッと二人のところへ走り寄ってきた。
「あいつらを引き留めておけ」
走りながら大崎が平に言う。
「へ?」
平はそれでも肩でゼイゼイ息をしながら振り返り、身構えた。
そこへ村沢が飛び込み、二人はもつれてひっくり返る。
大崎はグラウンドの端へと走っていく。
そこに自転車に乗った河原がやってくる。
「こっちこっち」
大崎は河原に代わって自転車にまたがった。
グラウンドを走って大崎を追いかけていた大雄は後ろを振り返る。
「山田! ボール貸せ!」
大雄の声を聞いた山田は、ネットに入れて持っていたボールを出して大雄の方へ投げた。
必死になって自転車をこぐ大崎は、グラウンドを出て校門へと向かっている。
大雄はボールを足元に置くと、大崎の進む先を狙って蹴った。
ボールはわずかにカーブしながら飛び、自転車に乗る大崎の後頭部に命中した。
大崎はバランスを崩して、ヨロヨロと生け垣に突っ込む。
大崎の持っていた手紙は、その手を離れて生け垣の向こうへと飛んでいった。
大崎のところに走り寄った大雄は、生け垣の向こうにある川を覗き込んだ。
コンクリートに囲まれた川のフェンスから数メートル下の水面を、手紙はゆらゆらと漂い流れていく。
大雄は生け垣を乗り越え、その先のフェンスを掴み、よじ登ろうとする。
「よせ!」
村沢が大雄に飛びつく。
「手紙!」
「もう無理だ、諦めろ」
村沢に続き、山田たち数人も大雄や村沢にしがみつく。
やっと諦めた大雄はヘナヘナとその場に座り込んだ。
近くにいた大崎がコソコソと逃げ出そうとしている。
「おい、待て大崎!」
村沢が呼び止めた。
大崎は蛇に睨まれたカエルのようにその場で固まった。
「もういいよ」
大雄は手であっちに行けと合図した。
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