様々な恋の行方 短編集

原口源太郎

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見上げた空に

あの日の月

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 君の瞳に月が浮かんでいる。
 僕は何でそんな風に見えるのかと不思議に思ってその月を見つめた。
 空を見上げていた君がふいに僕を見た。
 僕は慌てて夜空の中で光を放つ月を見上げた。
「何見てるのよ」
 君が言った。
「その・・・・」
 君の瞳に月が映っていて、何でそれが僕に見えたのか不思議に思って見ていた。なんてめんどくさいこと、うまく伝えられそうにない。
「その、何となく見てた」
「何となく? ・・・・えへへ」
 君が小さく笑った。
「何?」
「何でもない」
 微笑んだ君が、僕から逃げるように背を向けて歩き出した。
 僕もその背中を追いかけるようにして歩く。
 満月に近いお月さまが辺りを照らす明るい夜だった。
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