様々な恋の行方 短編集

原口源太郎

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巡り巡る日

巡り巡る日

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 秋絵の姿を認めてドキッとした。
 夕方の駅前通り。翔太は流れる人混みの中で立ち止まった。
 秋絵はクラスの中で一番輝いている。この人混みの中でも、秋絵は特別だった。
 無意識のうちに、翔太は秋絵の姿を追って足を踏み出していた。
 翔太の横を通り過ぎようとした若いサラリーマンが、不意に動き出した翔太とぶつかって二人はそこに倒れた。
 倒れるとき、サラリーマンは近くのかわいい女子高生の胸を掴んだ。
 かわいい女子高生は「キャッ」とかわいい悲鳴を上げて、バシッとサラリーマンをひっぱたき、後ろに飛び退いた。
 女子高生は後ろを通りかかった荷物を持った自転車の男にぶつかった。
 自転車はひっくり返り、投げ出された紙袋が空を飛んで、近くを歩いていた美人OLの頭の上に落ちた。
 紙袋を頭からすっぽりと被ったOLはびっくりして、思わず手に持っていたハンドバッグを振り回した。

 騒ぎを聞きつけた秋絵が翔太の近くまで来ていた。
 OLの振り回したバンドバッグが秋絵のおしりに命中した。
 悲鳴を上げて、秋絵は起き上がりかけていた翔太に抱きつくようにそこに倒れ込んだ。
 翔太はバランスを崩して、起き上がりかけていた若いサラリーマンにぶつかった。

 ◎
 サラリーマンは再びひっくり返り、青くなっていたかわいい女子高生の胸を掴んだ。
 女子高生は再び「キャッ」とかわいい悲鳴を上げて、バシッとサラリーマンをひっぱたいて後ろに飛び退いた。
 女子高生は、OLの頭から取り戻した紙袋を持った自転車の男に再びぶつかった。その拍子に紙袋が男の手を離れて空を飛び、再びOLの頭に被さった。
 OLはびっくりして、再びハンドバッグを振り回した。
 ハンドバッグは再び、起き上がりかけていた秋絵のおしりに命中した。
 秋絵は再び翔太の上に倒れ込んだ。
 翔太は再びバランスを崩してサラリーマンにぶつかった。

 ------さて、ここで前の◎に戻って再び読んでください。ただし、『再び』を『みたび』に変えて読んでください。読み終えたら、次を読んでください。

 ------前の◎に戻って、みたび読んでください。ただし『みたび』を『よたび』に変えて・・・・・

 ------結局、翔太はとってもいい思いをした。

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