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逃げる人
逃げる人
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男は通りを走っていた。
その少し後方で、手にした財布を覗いていた男が顔を上げ、男を追いかけて走り出した。
「待って、待って!」
追いかけた男の近くにいたジャージ姿の男が、その言葉に反応した。
「おい! 待て! 待ちやがれ!」
ジャージ姿の男も追いかける男と一緒に走り出した。
先を走っていた男は振り返り、驚いた表情で時計を見た。そしてものすごい勢いで追いかける男たちから逃げ出した。
「あっ! コノヤロー! 待ちやがれ!」
ジャージの男が大声で叫んだ。
通りを歩いていた数人の若者が顔を上げ、逃げる男を追って走り出した。
逃げる男の走りは速かった。
後ろとの距離が徐々に開いていく。
交番の前を走り抜けると、警官が何事かと顔を出した。
何人もの男が待て、待てと言いながらこっちへ走ってくるのを見て、警官も先へ行く男を追いかけた。
ピー。
大きな笛の音を鳴らす。
「待ちなさーい!」
そして大きな声で叫んだ。
それでも逃げる男は走り続けた。
不意に、逃げる男は横から激しい衝撃を受け、地面に倒れ込んだ。
遠くから悲鳴が聞こえたのを最後に、男は気を失った。
三十分前・・・・
大地はタクシーの窓から流れていく通りの景色を眺めていた。
この前の時は白髪の老人だった。
目の前を歩いていた老人がいきなり倒れた。
大地は老人のところに行き、手を差し伸べて立ち上がるのを助けた。
「ありがとう。済まないね」
そう言う老人を残して、大地は歩いていった。
少しして振り返ると、ちょうど老人がまた歩道に倒れるところだった。
大地は再び老人のところに駆け寄った。
「大丈夫ですか? どこかに行くところですか?」
「済まないね。足が痛くて。この先の病院へ診てもらいに行くところで」
「歩けますか?」
立ち上がった老人の体を支えながら大地は尋ねた。
「うむ。無理かな」
「タクシーでなら病院に行けますか?」
「ああ」
大地は通りを走るタクシーを止め、老人を乗せた。
「済まないね」
老人を乗せたタクシーは走り去った。
大地は慌てて電話をかけた。
「ごめん、ちょっと遅れる・・・・」
「私、帰ります」
電話の向こうの春奈の声は怒りを帯びていた。
老人の前の時は小さな子供だった。
歩いていく先のほうで、まだ三、四歳の子供が泣いていた。近くを通りすぎていく人たちは不審そうに子供を見るが、誰も話しかけようとはしなかった。
大地もそのまま歩いて子供をやり過ごそうとした時、くすんくすん泣く子供が顔を上げ、大地と目が合った。
すがりつくような子供の目を見て、大地は足を止めた。
「どうしたの?」
「おうち、かえりたい」
たどたどしく子供が言った。
「お家はどこ?」
子供は首を左右に振った。
「誰か大人と一緒にここに来たの?」
「ううん。わからない」
「じゃ、どっちの方向から来たの?」
子供の指さした方向へ、大地は子供の手を引いて歩いた。
「もっとこっちから来たの?」
「わからない」
子供は首を傾けて言った。
泣きながら歩いてきたのだろうから、どこをどうやって来たのかなんて覚えていないのだろう。
しばらく辺りを歩き回ったが、親か誰かの姿を見つけることはできなかった。
大地はスマホで近くの交番を探し、子供を連れていった。
一度途中で事情を説明し、遅れると電話をした時、春奈は待っていると言った。
交番で子供を預けてすぐに待ち合わせの場所に行くつもりだったのに、色々と聞かれてすっかり遅くなってしまった。
子供の親にはしばらくして連絡が付いた。
「おじちゃん、ありがとう」
かわいい顔で言う子供に、手を振って大地は交番を出た。
すぐに春奈に電話をかけた。
「ごめんなさい、今日はもう帰ります」
そう言って春奈は電話を切った。
約束の時間から一時間半が過ぎていた。
子供の前は犬だった。
川沿いの道で何人かが川を覗いていた。
「誰かお願いです」
そんな声が聞こえた。
大地が近づいて川を見ると、子犬がバタバタしながら流れていくのが見えた。
「お願いです、ワンちゃんを助けて」
中年の女性が周りの人に呼びかけながら、犬を追いかけて下流へと歩いていく。
周りにいる人は皆、年配の人たちで、若い男は大地だけだった。
女性が大地を見つけた。
「お願いします」
大地は川下へ走り、柵を乗り越えて、川底に降りられる階段を下った。
川の水はひざ下くらいしかなかった。
犬の流れてくるところを見定めて、大地は川の中へ進んだ。ぬめぬめした川底のコンクリートに足を滑らせ何度か転び、びしょ濡れになった。
それでも犬が流れてくるのに間に合い、無事拾い上げることができた。
飼い主の女性が引き留めるのを、急ぎの用があるからといって振り切り、大地は急いで家に帰った。濡れた服で春奈に会うわけにはいかなかった。
スマホはびしょ濡れのズボンの中にずっといたおかげで電源が入らなくなっていた。
着替えを済ませて待ち合わせの場所に着いたのは、約束の二時間後で、そこに春奈の姿はなかった。
だから今日こそは遅れるわけにはいかない。待ち合わせの場所まで歩いていこうとすると、ろくな事がない。そう思って今回はわざわざタクシーを頼んだ。
信号待ちでタクシーがスピードを落とした時、歩道を歩く人のポケットから財布が落ちるのを見た。
大地は一瞬迷ったが、このまま見過ごすわけにはいかなかった。
「運転手さん、停めて。ここで降ります」
支払いを済ませてタクシーを降り、先ほど見たところに行くと、財布はまだあった。
財布を落とした人はすでにはるか先に行ってしまっている。
大地は財布を拾い上げ、走って男を追いかけた。
足立は若い男に呼び止められて振り返った。
「財布を落としました」
男が差し出した財布を見て、ズボンのポケットに手をやった。
ポケットはぺちゃんこだった。
「申し訳ない。何かお礼を」
足立は今度、新築する家の手付金を銀行に下しに行くところだった。
先ほど一度下しに来たのだが、めったに使わないキャッシュカードの暗証番号を忘れ、適当にあたりをつけて打ち込んだ番号が違っていた。下手に何度も間違えるとカード自体が使えなくなってしまうので、一度自宅に戻り、暗証番号を確かめてきたところだった。
財布の中には、ほぼ全財産を預けてある銀行のカードと暗証番号を書いた紙が一緒に入っている。悪用されたら大変なことになるところだった。
若い男は急用があるからと、足立に財布を渡すと元来た道を駆け出した。
「あ、待って」
足立はそう言いながら財布の中を確認した。カードも現金もちゃんとある。
これは是が非でもきちんとお礼をしなければならないと思った。
「待って! 待って!」
足立はそう言いながら若い男を追いかけた。
近くでその様子を何気なく見ていたジャージ姿の男が一緒になって走り出した。
「おい! 待て! 待ちやがれ!」
足立は走りながら、この男は何か勘違いをしているなと思った。
ジャージ姿の男の声を聞いて、他の何人かの通行人も若い男を追って駆けだした。
一人遅れていく足立は慌てて叫んだ。
「ちょっと待って。その人はただ財布を拾ってくれただけなんです!」
先を走る男たちに、その声は届かなかった。
大地は走りながら後ろを振り向いた。
何人もの男が追いかけてくる。
時計を見ると、約束の時間まであと五分しかない。待ち合わせの場所まであと少しだ。ここで立ち止まって相手をしている暇はない。
今度約束の時間に一秒でも遅れたら絶交だと言われている。一秒たりとも遅れるわけにはいかない。
大地は必死に走った。
大学でラグビーをしている優也は、店を出た時に遠くから声がするのに気が付いた。
一人の男がこちらに走ってくる。
その向こうで警察官らしい男が待ちなさいと怒鳴っている。さらにその後ろに男を追いかけている男たちが見えた。
優也は何げないそぶりで走ってくる男に背を向け、間合いを測った。
下は硬いコンクリートだし、走ってくる男は素人な上にかなりのスピードで走ってくる。慎重にやらなければ怪我をさせてしまうと思った。
横を走り抜けようとした瞬間、優也は振り向いて男にタックルをした。
大地はすぐに気が付いた。周りを大勢の人が取り囲み、大地を見ている。
一番近くに、春奈の涙を浮かべた顔があった。
「やっと逢えた」
大地はたんこぶのできた頭をさすりながら言った。
「バカ。あなたって本当にお人好しだから。でもそこが・・・・」
春奈は周りの多くの人の目に気が付いて、それ以上言うことができなかった。
その少し後方で、手にした財布を覗いていた男が顔を上げ、男を追いかけて走り出した。
「待って、待って!」
追いかけた男の近くにいたジャージ姿の男が、その言葉に反応した。
「おい! 待て! 待ちやがれ!」
ジャージ姿の男も追いかける男と一緒に走り出した。
先を走っていた男は振り返り、驚いた表情で時計を見た。そしてものすごい勢いで追いかける男たちから逃げ出した。
「あっ! コノヤロー! 待ちやがれ!」
ジャージの男が大声で叫んだ。
通りを歩いていた数人の若者が顔を上げ、逃げる男を追って走り出した。
逃げる男の走りは速かった。
後ろとの距離が徐々に開いていく。
交番の前を走り抜けると、警官が何事かと顔を出した。
何人もの男が待て、待てと言いながらこっちへ走ってくるのを見て、警官も先へ行く男を追いかけた。
ピー。
大きな笛の音を鳴らす。
「待ちなさーい!」
そして大きな声で叫んだ。
それでも逃げる男は走り続けた。
不意に、逃げる男は横から激しい衝撃を受け、地面に倒れ込んだ。
遠くから悲鳴が聞こえたのを最後に、男は気を失った。
三十分前・・・・
大地はタクシーの窓から流れていく通りの景色を眺めていた。
この前の時は白髪の老人だった。
目の前を歩いていた老人がいきなり倒れた。
大地は老人のところに行き、手を差し伸べて立ち上がるのを助けた。
「ありがとう。済まないね」
そう言う老人を残して、大地は歩いていった。
少しして振り返ると、ちょうど老人がまた歩道に倒れるところだった。
大地は再び老人のところに駆け寄った。
「大丈夫ですか? どこかに行くところですか?」
「済まないね。足が痛くて。この先の病院へ診てもらいに行くところで」
「歩けますか?」
立ち上がった老人の体を支えながら大地は尋ねた。
「うむ。無理かな」
「タクシーでなら病院に行けますか?」
「ああ」
大地は通りを走るタクシーを止め、老人を乗せた。
「済まないね」
老人を乗せたタクシーは走り去った。
大地は慌てて電話をかけた。
「ごめん、ちょっと遅れる・・・・」
「私、帰ります」
電話の向こうの春奈の声は怒りを帯びていた。
老人の前の時は小さな子供だった。
歩いていく先のほうで、まだ三、四歳の子供が泣いていた。近くを通りすぎていく人たちは不審そうに子供を見るが、誰も話しかけようとはしなかった。
大地もそのまま歩いて子供をやり過ごそうとした時、くすんくすん泣く子供が顔を上げ、大地と目が合った。
すがりつくような子供の目を見て、大地は足を止めた。
「どうしたの?」
「おうち、かえりたい」
たどたどしく子供が言った。
「お家はどこ?」
子供は首を左右に振った。
「誰か大人と一緒にここに来たの?」
「ううん。わからない」
「じゃ、どっちの方向から来たの?」
子供の指さした方向へ、大地は子供の手を引いて歩いた。
「もっとこっちから来たの?」
「わからない」
子供は首を傾けて言った。
泣きながら歩いてきたのだろうから、どこをどうやって来たのかなんて覚えていないのだろう。
しばらく辺りを歩き回ったが、親か誰かの姿を見つけることはできなかった。
大地はスマホで近くの交番を探し、子供を連れていった。
一度途中で事情を説明し、遅れると電話をした時、春奈は待っていると言った。
交番で子供を預けてすぐに待ち合わせの場所に行くつもりだったのに、色々と聞かれてすっかり遅くなってしまった。
子供の親にはしばらくして連絡が付いた。
「おじちゃん、ありがとう」
かわいい顔で言う子供に、手を振って大地は交番を出た。
すぐに春奈に電話をかけた。
「ごめんなさい、今日はもう帰ります」
そう言って春奈は電話を切った。
約束の時間から一時間半が過ぎていた。
子供の前は犬だった。
川沿いの道で何人かが川を覗いていた。
「誰かお願いです」
そんな声が聞こえた。
大地が近づいて川を見ると、子犬がバタバタしながら流れていくのが見えた。
「お願いです、ワンちゃんを助けて」
中年の女性が周りの人に呼びかけながら、犬を追いかけて下流へと歩いていく。
周りにいる人は皆、年配の人たちで、若い男は大地だけだった。
女性が大地を見つけた。
「お願いします」
大地は川下へ走り、柵を乗り越えて、川底に降りられる階段を下った。
川の水はひざ下くらいしかなかった。
犬の流れてくるところを見定めて、大地は川の中へ進んだ。ぬめぬめした川底のコンクリートに足を滑らせ何度か転び、びしょ濡れになった。
それでも犬が流れてくるのに間に合い、無事拾い上げることができた。
飼い主の女性が引き留めるのを、急ぎの用があるからといって振り切り、大地は急いで家に帰った。濡れた服で春奈に会うわけにはいかなかった。
スマホはびしょ濡れのズボンの中にずっといたおかげで電源が入らなくなっていた。
着替えを済ませて待ち合わせの場所に着いたのは、約束の二時間後で、そこに春奈の姿はなかった。
だから今日こそは遅れるわけにはいかない。待ち合わせの場所まで歩いていこうとすると、ろくな事がない。そう思って今回はわざわざタクシーを頼んだ。
信号待ちでタクシーがスピードを落とした時、歩道を歩く人のポケットから財布が落ちるのを見た。
大地は一瞬迷ったが、このまま見過ごすわけにはいかなかった。
「運転手さん、停めて。ここで降ります」
支払いを済ませてタクシーを降り、先ほど見たところに行くと、財布はまだあった。
財布を落とした人はすでにはるか先に行ってしまっている。
大地は財布を拾い上げ、走って男を追いかけた。
足立は若い男に呼び止められて振り返った。
「財布を落としました」
男が差し出した財布を見て、ズボンのポケットに手をやった。
ポケットはぺちゃんこだった。
「申し訳ない。何かお礼を」
足立は今度、新築する家の手付金を銀行に下しに行くところだった。
先ほど一度下しに来たのだが、めったに使わないキャッシュカードの暗証番号を忘れ、適当にあたりをつけて打ち込んだ番号が違っていた。下手に何度も間違えるとカード自体が使えなくなってしまうので、一度自宅に戻り、暗証番号を確かめてきたところだった。
財布の中には、ほぼ全財産を預けてある銀行のカードと暗証番号を書いた紙が一緒に入っている。悪用されたら大変なことになるところだった。
若い男は急用があるからと、足立に財布を渡すと元来た道を駆け出した。
「あ、待って」
足立はそう言いながら財布の中を確認した。カードも現金もちゃんとある。
これは是が非でもきちんとお礼をしなければならないと思った。
「待って! 待って!」
足立はそう言いながら若い男を追いかけた。
近くでその様子を何気なく見ていたジャージ姿の男が一緒になって走り出した。
「おい! 待て! 待ちやがれ!」
足立は走りながら、この男は何か勘違いをしているなと思った。
ジャージ姿の男の声を聞いて、他の何人かの通行人も若い男を追って駆けだした。
一人遅れていく足立は慌てて叫んだ。
「ちょっと待って。その人はただ財布を拾ってくれただけなんです!」
先を走る男たちに、その声は届かなかった。
大地は走りながら後ろを振り向いた。
何人もの男が追いかけてくる。
時計を見ると、約束の時間まであと五分しかない。待ち合わせの場所まであと少しだ。ここで立ち止まって相手をしている暇はない。
今度約束の時間に一秒でも遅れたら絶交だと言われている。一秒たりとも遅れるわけにはいかない。
大地は必死に走った。
大学でラグビーをしている優也は、店を出た時に遠くから声がするのに気が付いた。
一人の男がこちらに走ってくる。
その向こうで警察官らしい男が待ちなさいと怒鳴っている。さらにその後ろに男を追いかけている男たちが見えた。
優也は何げないそぶりで走ってくる男に背を向け、間合いを測った。
下は硬いコンクリートだし、走ってくる男は素人な上にかなりのスピードで走ってくる。慎重にやらなければ怪我をさせてしまうと思った。
横を走り抜けようとした瞬間、優也は振り向いて男にタックルをした。
大地はすぐに気が付いた。周りを大勢の人が取り囲み、大地を見ている。
一番近くに、春奈の涙を浮かべた顔があった。
「やっと逢えた」
大地はたんこぶのできた頭をさすりながら言った。
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