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ダメなんだ、ダメ、ダメ
ダメなんだ、ダメ、ダメ
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目覚めた時、布団の中が妙に暖かく感じた。
これはもしや、小学生の時以来の・・・・いや、小学生の時だって、おもらしなどしたことはないはずだ。
じゃ、なんなんだ?
その時、すぐそばからすやすやとした寝息が聞こえてきた。
何だかものすごくいい匂いがする。
薄明りの中で、黒く波打つ髪が見えた。
「ん?」
僕は激しく痛む頭で、昨夜のことを考えた。
仲間たちと飲みに行ったのは確かだ。だけど途中からの記憶がない。
長い髪を見せていた女が寝返りを打ち、目を開けた。
「誰?」
僕の問いかけに、女は眉を曇らせて、毛布で顔を隠した。だが一瞬見せた表情はとても美しかった。
「昨日自己紹介したじゃない」
毛布の中から女が言った。
昨日、昨日。二日酔いのガンガンする頭でもう一度考えてみる。
二次会か三次会で、隣の席にいた女子会のグループと盛り上がったのは覚えている。ただそれ以降は・・・・
どうやって部屋まで帰ってきたのか、それにこの部屋に帰ってきてから何をしたのか、まったく思い出せなかった。
「覚えてないの?」
女が毛布から半分顔を出して、つぶらな瞳で僕を見た。
「何も覚えてないなぁ」
「ええ? じゃあ、昨日の夜、あんなに燃え上がったのに?」
「燃え上がった? 燃え上がったって、いったい何を?」
僕はびっくりして復唱した。
「いっぱい愛し合ったじゃない」
女は茶目っ気を出して言った。化粧をしていなくても可愛いというか、綺麗というか、とにかくいい女だった。
「本当に愛し合ったの?」
僕はうろたえながら尋ねた。
「うそ。あなたは私に指一本触れなかった」
「そうだよな」
僕はほっと胸を撫で下ろした。大変な過ちを犯してしまうところだった。
「あなたって、うぶなの?」
「うぶ? そうかも」
「私だってほとんど経験ないけれど、あなた二枚目だし、性格もよさそうだったから、私はそのつもりで勇気を出してここまで来たのに」
「ええ? そうなの?」
女が睨むように僕を見た。
「何なら今からでもいいわよ」
「ちょ、ちょっと待った」
途端に僕の中に激しい嫌悪感が湧き上がってきた。
「ごめん、僕ダメなんだ」
「何がダメよ?」
女のフニャフニャした体。
僕が憧れているのは、硬く締まった筋肉質の男の体。
「僕は女に興味がない」
「え? もしかしたら男が好きなの?」
「そう」
「そういう経験があるの?」
「いや、別に変なことをしたことがあるわけじゃないけど」
「でも私、このままじゃ気が済まないわ」
「そう言われても」
「ええい、こうしてやる!」
女が僕に跳びかかってきた。
「何をする!」
「えいっ! えいっ! えいっ!」
「うわ、おいっ!やめろ、ダメ、ダメ! やめろー!」
それが今、僕の隣であの時のようにすやすやと寝息を立てている奥さん。
あの時のことがなければ、今頃僕の隣に寝ているのは、ガーガーいびきをかいている大男だったかもしれないね。
これはもしや、小学生の時以来の・・・・いや、小学生の時だって、おもらしなどしたことはないはずだ。
じゃ、なんなんだ?
その時、すぐそばからすやすやとした寝息が聞こえてきた。
何だかものすごくいい匂いがする。
薄明りの中で、黒く波打つ髪が見えた。
「ん?」
僕は激しく痛む頭で、昨夜のことを考えた。
仲間たちと飲みに行ったのは確かだ。だけど途中からの記憶がない。
長い髪を見せていた女が寝返りを打ち、目を開けた。
「誰?」
僕の問いかけに、女は眉を曇らせて、毛布で顔を隠した。だが一瞬見せた表情はとても美しかった。
「昨日自己紹介したじゃない」
毛布の中から女が言った。
昨日、昨日。二日酔いのガンガンする頭でもう一度考えてみる。
二次会か三次会で、隣の席にいた女子会のグループと盛り上がったのは覚えている。ただそれ以降は・・・・
どうやって部屋まで帰ってきたのか、それにこの部屋に帰ってきてから何をしたのか、まったく思い出せなかった。
「覚えてないの?」
女が毛布から半分顔を出して、つぶらな瞳で僕を見た。
「何も覚えてないなぁ」
「ええ? じゃあ、昨日の夜、あんなに燃え上がったのに?」
「燃え上がった? 燃え上がったって、いったい何を?」
僕はびっくりして復唱した。
「いっぱい愛し合ったじゃない」
女は茶目っ気を出して言った。化粧をしていなくても可愛いというか、綺麗というか、とにかくいい女だった。
「本当に愛し合ったの?」
僕はうろたえながら尋ねた。
「うそ。あなたは私に指一本触れなかった」
「そうだよな」
僕はほっと胸を撫で下ろした。大変な過ちを犯してしまうところだった。
「あなたって、うぶなの?」
「うぶ? そうかも」
「私だってほとんど経験ないけれど、あなた二枚目だし、性格もよさそうだったから、私はそのつもりで勇気を出してここまで来たのに」
「ええ? そうなの?」
女が睨むように僕を見た。
「何なら今からでもいいわよ」
「ちょ、ちょっと待った」
途端に僕の中に激しい嫌悪感が湧き上がってきた。
「ごめん、僕ダメなんだ」
「何がダメよ?」
女のフニャフニャした体。
僕が憧れているのは、硬く締まった筋肉質の男の体。
「僕は女に興味がない」
「え? もしかしたら男が好きなの?」
「そう」
「そういう経験があるの?」
「いや、別に変なことをしたことがあるわけじゃないけど」
「でも私、このままじゃ気が済まないわ」
「そう言われても」
「ええい、こうしてやる!」
女が僕に跳びかかってきた。
「何をする!」
「えいっ! えいっ! えいっ!」
「うわ、おいっ!やめろ、ダメ、ダメ! やめろー!」
それが今、僕の隣であの時のようにすやすやと寝息を立てている奥さん。
あの時のことがなければ、今頃僕の隣に寝ているのは、ガーガーいびきをかいている大男だったかもしれないね。
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