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グルドフ旅行記・12 オオカミ親分の涙
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ドラゴンのリュウは次々とオオカミ親分の動く先を狙って炎を吐きだした。
しかしオオカミ親分はその昔、タツと戦いの訓練を重ねた経験から、ドラゴンの炎にはある程度慣れていたし、ダバインから相手をよく観察してそれに適した方法で戦うということも教わっていた。
タツの時と違ってリュウは本気でオオカミ親分を丸焼きにするつもりだったが、親分は炎を十分な間合いを見切ってかわし続けた。
オオカミ親分は隙を見てリュウの背中に取り付こうとした。そこはドラゴンの弱点だった。炎の合間を縫って後ろに回り込んだ。
背にある翼を掴もうとした時、その翼が大きく動いてリュウは空に舞い上がった。
リュウは空から親分を狙って炎を吐く。
オオカミ親分はそれを器用に避けながら地面の石を拾い、リュウに向かって投げた。
リュウは慌ててそれをかわす。
そして炎を放つ。
親分は炎を避けながら石を拾い投げる。
(子供の喧嘩のようになってきたな)
いつの間にか姿を見せたキング・ナイトが二体の争いを見ながら言った。
(オヤブン、がんばれー)
いつもオオカミ親分のそばにいる小さなコウモリ型の魔物のドラ吉が、パタパタとキング・ナイトの近くを飛びながら応援する。
(今回こそはオオカミ親分の方が分が悪いと思ったが、そうでもなさそうだ)
(そりゃそうよ。オヤブンにかなう奴なんていないっす。勇者以外には)
(親分より強い勇者とやらを一度見てみたいものだな)
キング・ナイトが言った。
オオカミ親分とリュウはしばらく地上と空でやり合っていたが、いつまで経っても埒が明かないので、それとなく炎を吐くのも石を投げるのもやめてリュウは地上に降りた。
(確かにおまえは強い。タツが見込んだだけのことはある)
リュウが言った。
(それがどうした?)
(なぜ、おまえは多くの魔物を従えようとしているのだ? ダバインとやらが果たせなかった世界征服の野望をお前は持っているのか?)
(は? 世界征服? 何のことだ? 俺はただ・・)
(親分、親分! てえへんだ!)
親分のもとにパタパタと急いで飛んできたのはドラ吉と同じコウモリ型のドランだった。
(どうした?)
(例の勇者がやってきただ!)
(何だと!)
オオカミ親分は一瞬身を震わせた。
(どうした?)
リュウが尋ねる。
(タツ様とダバイン様を殺した勇者が来る)
そう言うとオオカミ親分はドランが飛んできた方向へと駆け出した。
(おい)
リュウたちドラゴンを始め、オオカミ親分の子分たちも慌てて後を追った。
しかしオオカミ親分はその昔、タツと戦いの訓練を重ねた経験から、ドラゴンの炎にはある程度慣れていたし、ダバインから相手をよく観察してそれに適した方法で戦うということも教わっていた。
タツの時と違ってリュウは本気でオオカミ親分を丸焼きにするつもりだったが、親分は炎を十分な間合いを見切ってかわし続けた。
オオカミ親分は隙を見てリュウの背中に取り付こうとした。そこはドラゴンの弱点だった。炎の合間を縫って後ろに回り込んだ。
背にある翼を掴もうとした時、その翼が大きく動いてリュウは空に舞い上がった。
リュウは空から親分を狙って炎を吐く。
オオカミ親分はそれを器用に避けながら地面の石を拾い、リュウに向かって投げた。
リュウは慌ててそれをかわす。
そして炎を放つ。
親分は炎を避けながら石を拾い投げる。
(子供の喧嘩のようになってきたな)
いつの間にか姿を見せたキング・ナイトが二体の争いを見ながら言った。
(オヤブン、がんばれー)
いつもオオカミ親分のそばにいる小さなコウモリ型の魔物のドラ吉が、パタパタとキング・ナイトの近くを飛びながら応援する。
(今回こそはオオカミ親分の方が分が悪いと思ったが、そうでもなさそうだ)
(そりゃそうよ。オヤブンにかなう奴なんていないっす。勇者以外には)
(親分より強い勇者とやらを一度見てみたいものだな)
キング・ナイトが言った。
オオカミ親分とリュウはしばらく地上と空でやり合っていたが、いつまで経っても埒が明かないので、それとなく炎を吐くのも石を投げるのもやめてリュウは地上に降りた。
(確かにおまえは強い。タツが見込んだだけのことはある)
リュウが言った。
(それがどうした?)
(なぜ、おまえは多くの魔物を従えようとしているのだ? ダバインとやらが果たせなかった世界征服の野望をお前は持っているのか?)
(は? 世界征服? 何のことだ? 俺はただ・・)
(親分、親分! てえへんだ!)
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(どうした?)
(例の勇者がやってきただ!)
(何だと!)
オオカミ親分は一瞬身を震わせた。
(どうした?)
リュウが尋ねる。
(タツ様とダバイン様を殺した勇者が来る)
そう言うとオオカミ親分はドランが飛んできた方向へと駆け出した。
(おい)
リュウたちドラゴンを始め、オオカミ親分の子分たちも慌てて後を追った。
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