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君がいる今 5話
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―アキラー
今日の様子だと南ちゃんは、サッカー部のマネージャーになるようだ。
さっき部活中に新太に「南ちゃんも見てるからね!」と言った。
それも計算のうちだ。
が、これからどういう風にして、新太に自分の気持ちに気づいてもらうかが、大事だ…
あーどうしよう。
作戦が何も思いつかねぇ~
こういう事1人でできねーよ。
ほんとあのクソ悪魔じじいは…
ピンポーン
家のインターホンが鳴った。
こんな時に誰だ?
ガチャ
「はーい」
「アキラくん、つとむだけど…」
バン
ドアを開けると、新太と仲良くしていた眼鏡の真面目そうなつとむという男子がいた。
驚きすぎて、ドアを閉めてしまった。
なんで、あいつが来てるんだ。
クラス違うから、持ってくるプリントとかないはずなんだけど…
しかし、いきなりドアを閉めたのはまずかった。
とりあえず、つとむが何しに来たのかだけを聞こう。
ガチャ
「あ、出てきてくれた」
ドアを開けるとまだ待っていてくれた。
「ごめん。なんかいきなりで驚いちゃって」
「僕の方こそ、いきなりごめん」
つとむは、何度も頭を下げた。
ペコペコして、なんかかわいいな。
「で、何しに来たの?」
「実は、昨日南さんと話しているの聞いちゃって…」
なっ!?
昨日聞かれてたのか!?
どこからどこまで知ってしまったんだ…
どうすればいいんだ…
「べ、別に誰にも言う気はないから安心して!僕秘密は守るほうだから!」
「それはありがたいけど、あの話を他の人に聞かれたらやばいから、中に入ってお茶でもしながら話そうぜ」
「あ、うん」
どう説明をすればいいのか何もわからず、俺はつとむを中に入れてしまった。
「おじゃまします。部屋、とってもきれいだね」
「そうか?」
「少なくとも、僕やあらたの部屋よりはきれいだよ」
「それは、どうも。そこら辺、てきとーに座っていいから。あとさ、最初に聞くのはあれだけど、なんでそんなにトマト持ってんの?」
ずっと気になっていたつとむが手に持っているトマトのことについて触れた。
普通持つような量じゃないくらいのたくさんのトマトだ。
「これ?実は、秘密を知ってしまったから、なにかされると思って…」
なにかされる?
馬鹿じゃないのこいつ。変なやつ。
「つとむ面白すぎ!」
「ふぇ?」
「大丈夫だよ!そういうただの偏見なんか嫌だなーあははー」
「それはごめん。なんか変な心配して損したかも」
損ってなんだよ…
まさかほんとに自分が消せれるとかでも思ってたのかこいつ。
俺にそんな力ないっつーの。
あの人なら、そういう力もってそうだけど。
「俺が話してたの聞いてたって事は、俺の将来の事とかも知ってるってことか?」
「うん、全部聞いてた」
こいつ…全部って。
でも、新太と仲のいいこいつを味方にすればこれからが少し楽になるかも。
「なぁ、つとむ」
「は、はい!」
「俺たち組まないか?」
「組む?」
「っていうか俺の味方になってほしい!!」
「味方?秘密を知ってしまったから、その代わりになるなら、別にいいですけど、何をすれば?」
「俺は2人をくっつけるためにあらたに自分の気持ちを気づかせなければならない。だから、俺はサッカー部に入った。つとむには、時々南ちゃんへの気持ちを聞いたり、勉強会とか開いて2人の距離を縮めてほしい。」
何話してんだ俺、こんなただの人間に。
あったばかりの変なやつの言うことなんて聞くはずが…
「僕にできるか分からないけど、できたらやってみます!」
え…やってみる?
人間じゃないやつのことを聞くというのか?
「アキラくんどうしました?」
まぁ、いっか。
「なにもない。味方になってくれてありがとうつとむ。」
「はい!」
「いやー最初は驚いたけど、味方ができたのはうれしーなー。話変わるけどさ、つとむは何部に入るんだ?」
「漫研です」
「漫研?!つとむってオタクだったのか?」
「別にオタクってわけでは…」
「その反応、絶対オタクじゃん!」
「そろそろ、親が心配するので帰ります…」
つとむは少しムッとしながら、立ち上がった。
「あーごまかそうとした!」
「だから、そういうわけでは…あれ?そういえば、アキラくんの両親は?」
「両親…」
親が心配?俺の両親?
「お前のせいでかずよがぁぁ!!」
「やめてください!お父様!」
「アキラ、お前だけでも逃げろ!」
「お、お父さん!そんなことできないよ!」
「いうことを聞け!アキラ!!」
「私たちのせいでごめんね。アキラ…」
「お母さん!お父さん!」
「アキラくん?」
遠い昔の記憶がまた戻ってきた。
生きていて、一番嫌な記憶。
生まれてこなければよかったと思う記憶。
「俺の両親俺のせいで死んじゃってさ。この家は、遠い親戚に買ってもらったんだ。」
「そうだったんですか…」
俺、何あったばかりのやつに話してんだ。
でも、少しつとむには、安心する。
この感じなんだ…
「やばい!こんな時間だ!すみません!僕、塾があるので、今日はここで。じゃあ、また!」
時間を見たつとむは、慌てて部屋を出ていった。
何故か俺はすぐ玄関へと向かった。
「つとむ!」
「はい?」
「やっぱなんもないや!またな!」
「うん!おじゃましました」
「はーい」
俺はほんとのことを言うつもりだったけどやめた…
つとむが味方になってくれたおかげでこれからいい感じに行動できそうだ。
今日の様子だと南ちゃんは、サッカー部のマネージャーになるようだ。
さっき部活中に新太に「南ちゃんも見てるからね!」と言った。
それも計算のうちだ。
が、これからどういう風にして、新太に自分の気持ちに気づいてもらうかが、大事だ…
あーどうしよう。
作戦が何も思いつかねぇ~
こういう事1人でできねーよ。
ほんとあのクソ悪魔じじいは…
ピンポーン
家のインターホンが鳴った。
こんな時に誰だ?
ガチャ
「はーい」
「アキラくん、つとむだけど…」
バン
ドアを開けると、新太と仲良くしていた眼鏡の真面目そうなつとむという男子がいた。
驚きすぎて、ドアを閉めてしまった。
なんで、あいつが来てるんだ。
クラス違うから、持ってくるプリントとかないはずなんだけど…
しかし、いきなりドアを閉めたのはまずかった。
とりあえず、つとむが何しに来たのかだけを聞こう。
ガチャ
「あ、出てきてくれた」
ドアを開けるとまだ待っていてくれた。
「ごめん。なんかいきなりで驚いちゃって」
「僕の方こそ、いきなりごめん」
つとむは、何度も頭を下げた。
ペコペコして、なんかかわいいな。
「で、何しに来たの?」
「実は、昨日南さんと話しているの聞いちゃって…」
なっ!?
昨日聞かれてたのか!?
どこからどこまで知ってしまったんだ…
どうすればいいんだ…
「べ、別に誰にも言う気はないから安心して!僕秘密は守るほうだから!」
「それはありがたいけど、あの話を他の人に聞かれたらやばいから、中に入ってお茶でもしながら話そうぜ」
「あ、うん」
どう説明をすればいいのか何もわからず、俺はつとむを中に入れてしまった。
「おじゃまします。部屋、とってもきれいだね」
「そうか?」
「少なくとも、僕やあらたの部屋よりはきれいだよ」
「それは、どうも。そこら辺、てきとーに座っていいから。あとさ、最初に聞くのはあれだけど、なんでそんなにトマト持ってんの?」
ずっと気になっていたつとむが手に持っているトマトのことについて触れた。
普通持つような量じゃないくらいのたくさんのトマトだ。
「これ?実は、秘密を知ってしまったから、なにかされると思って…」
なにかされる?
馬鹿じゃないのこいつ。変なやつ。
「つとむ面白すぎ!」
「ふぇ?」
「大丈夫だよ!そういうただの偏見なんか嫌だなーあははー」
「それはごめん。なんか変な心配して損したかも」
損ってなんだよ…
まさかほんとに自分が消せれるとかでも思ってたのかこいつ。
俺にそんな力ないっつーの。
あの人なら、そういう力もってそうだけど。
「俺が話してたの聞いてたって事は、俺の将来の事とかも知ってるってことか?」
「うん、全部聞いてた」
こいつ…全部って。
でも、新太と仲のいいこいつを味方にすればこれからが少し楽になるかも。
「なぁ、つとむ」
「は、はい!」
「俺たち組まないか?」
「組む?」
「っていうか俺の味方になってほしい!!」
「味方?秘密を知ってしまったから、その代わりになるなら、別にいいですけど、何をすれば?」
「俺は2人をくっつけるためにあらたに自分の気持ちを気づかせなければならない。だから、俺はサッカー部に入った。つとむには、時々南ちゃんへの気持ちを聞いたり、勉強会とか開いて2人の距離を縮めてほしい。」
何話してんだ俺、こんなただの人間に。
あったばかりの変なやつの言うことなんて聞くはずが…
「僕にできるか分からないけど、できたらやってみます!」
え…やってみる?
人間じゃないやつのことを聞くというのか?
「アキラくんどうしました?」
まぁ、いっか。
「なにもない。味方になってくれてありがとうつとむ。」
「はい!」
「いやー最初は驚いたけど、味方ができたのはうれしーなー。話変わるけどさ、つとむは何部に入るんだ?」
「漫研です」
「漫研?!つとむってオタクだったのか?」
「別にオタクってわけでは…」
「その反応、絶対オタクじゃん!」
「そろそろ、親が心配するので帰ります…」
つとむは少しムッとしながら、立ち上がった。
「あーごまかそうとした!」
「だから、そういうわけでは…あれ?そういえば、アキラくんの両親は?」
「両親…」
親が心配?俺の両親?
「お前のせいでかずよがぁぁ!!」
「やめてください!お父様!」
「アキラ、お前だけでも逃げろ!」
「お、お父さん!そんなことできないよ!」
「いうことを聞け!アキラ!!」
「私たちのせいでごめんね。アキラ…」
「お母さん!お父さん!」
「アキラくん?」
遠い昔の記憶がまた戻ってきた。
生きていて、一番嫌な記憶。
生まれてこなければよかったと思う記憶。
「俺の両親俺のせいで死んじゃってさ。この家は、遠い親戚に買ってもらったんだ。」
「そうだったんですか…」
俺、何あったばかりのやつに話してんだ。
でも、少しつとむには、安心する。
この感じなんだ…
「やばい!こんな時間だ!すみません!僕、塾があるので、今日はここで。じゃあ、また!」
時間を見たつとむは、慌てて部屋を出ていった。
何故か俺はすぐ玄関へと向かった。
「つとむ!」
「はい?」
「やっぱなんもないや!またな!」
「うん!おじゃましました」
「はーい」
俺はほんとのことを言うつもりだったけどやめた…
つとむが味方になってくれたおかげでこれからいい感じに行動できそうだ。
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