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本編
宮殿に潜む者たち
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宮内省に所属する宮中女官である本林子爵夫人は自らの主である里子内天王の元へ向かっていた
(殿下の血圧の数値が良くないと報告を受けたけれど、近頃はそんなのばっかりで心配だわ……)
今朝、仕事用の携帯端末に医官から送られてきた健康チェックの報告はあまり良いものとはいえなかった。里子内天王は先々代天帝の妹にあたる人物で今年89歳になる帝室の最年長者だ。普段から健康には人一倍気を使っているので足腰や視力に全く問題はなかったのだが、ここ数年は心臓の血管にいくつかの問題が見つかり治療に専念している
(阪原伯も不安そうにしていたし、また上に報告するべきかもしれないわね)
そんな心配をしつつも本林夫人は里子内天王の部屋の前にたどり着く
(警護の者はどこにいるのかしら?)
夫人はいつもいるはずの警備兵が居ないことに気がついた。普段であれば扉を開けてくれるが、今日は一人もいないようだ
(全員席を外しているの?)
そんなことはあってはならないのだが周囲に護衛の気配は全くない。彼女は不思議に思いながらも部屋の扉を開けた
「いと尊き里子内天王殿下に拝謁致します。本日も天の祝福がありますように」
本林夫人は胸に手を当て頭を深く下げた
すると窓際のウッド調の椅子に腰掛けていた老齢の女性が微笑みを浮かべ、壁に立てかけていた杖を手に取りゆっくりとした足取りで立ち上がった
「おはようございます。本日は本林宮子が身の回りのお世話をさせて頂きます」
「頼みましたよ」
ゆっくりとした口調で頷いた里子内天王は部屋の中央に設置されているソファーに腰かけた
「本林夫人、今日は護衛騎士がいないようね」
「殿下に断りもなく居なくなるとは……。すぐに確認致します。少々お待ちくださいませ」
本林夫人は携帯端末を使って宮内省の宮殿警備隊に内線を繋いだ
『はい、こちら宮殿警備隊本部です』
「里子内天王殿下付き女官の本林です。今すぐに殿下のお部屋の警備兵を元の配置に戻してください」
『は?それはどういう……』
電話に出た男は困惑気味に聞き返してきた
「殿下のお部屋の前にはいつも十人ほど警備兵が居たはずです。なぜ今日はいないのです?何かあってからでは遅いのですよ」
『つ、つまり!今殿下のお部屋付きの警備兵がいないということですか?』
「何度言わせるつもりですか!貴方では話になりません!とにかく兵を派遣しなさい!そして今すぐ責任者に電話を代わりなさい!」
「かしこまりました!」
すぐに上司の男が出てきたがその男も護衛に持ち場を離れる指示は出ていないようだ
「宮殿全域の警戒レベルを最大まで引きあげてください。第一モノレールから第八モノレールまで全てのモノレールの運行を停止し、宮殿に繋がる全ての出入口を封鎖することを要請します」
『……かしこまりました。おい!宮殿警備隊特別権限における警戒警報レベル8を発令!宮殿全体の自動案内軌条式旅客輸送システムの電源を落とせ!』
携帯端末の向こう側からは上司の男が大声で指示を飛ばす音声が聞こえてきた
『宮殿の全ての出入口を封鎖し、華族であろうとも通してはいかん!敷地内の五十あるヘリポートも全て閉鎖しろ!監視ドローンを全て起動して宮殿内の警戒に当らせろ!』
「……」
『女官殿、ひとまず貴女は内天王殿下の傍にいてください。すぐに監視ドローンを向かわせます』
「急いでください。最悪の事態を想定して我々も動きます」
通話はそこで終了し夫人は急いで里子内天王の元へ戻る
(せめてドローンだけでもきてくれれば)
本林夫人は窓からドローン基地がある西側の空を見上げて祈るしか無かった
太平天帝国は世界一発展した先進国であり現存する世界最古の文明国である。大天族が住まう中央宮殿を初めとした江流波宮殿の敷地は非常に広大で様々な時代の建築物があるため、文化的価値を持つ物も多くある。そのため文化財保護法の観点から最新鋭の防犯カメラや警備システムを導入できないという欠点がある。それを解決するために空から敷地内を監視するために帝国空軍が30兆ルダという莫大な資金を投じて開発したのが監視ドローンだ。平時は宮殿警備隊の隊員が直接本部から操作しているが緊急事態であれば帝国中央政府のメインコンピューター『無天快』が合計一万台近くある監視ドローンを同時操作することも可能で、命中率が非常に高いライフルが装備されている。
「夫人、今は大人しく待ちましょう」
「……かしこまりました」
◆◇◆
「伯爵閣下!宮殿内の指揮系統が混乱しております!」
普段は平和そのものである宮内省の大臣執務室に側近の男が焦った様子で駆け込んできた
「どういう事だ?」
部屋の主、川端健伯爵はデスクのノートパソコンから顔を上げた
「先程、宮殿警備隊から連絡がありました。宮殿内の各施設の警備隊員に上層部ではない何者かによる命令文が携帯端末に対して送信されており、宮殿警備に混乱をきたしています」
「警備長官の対応は?」
「本林子爵夫人からの報告を受け警戒警報レベル8を発令。全ての自動案内軌条式旅客輸送システムの電源を落として宮殿の全ての門を閉鎖、離陸可能な監視ドローンを全て起動させたとの事です」
「よし、すぐに携帯端末に対して偽の情報を送り込んだ者を特定しろ」
「かしこまりました!」
男が部屋を出ていくと入れ替わるように側近の女が部屋に入ってきた
「ご報告申し上げます。約五分前に港湾施設に繋がる極秘通路から多数の侵入者を確認しました」
「は?あそこは宮内省の中でも上層部の人間しか知らない場所だぞ!何を馬鹿な……!」
「一時間ほど前に華族委員会本部に部外者が入り込んだ報告は受けておられますか?」
「あぁ、檜山警視正から報告を受けた」
「……犯人たちは華族委員会では特に何もしなかったとされていたのですがオフィスにあるパソコンにUSBメモリーが付けられており、そこからコンピューターウイルスがメインサーバーに入り込んだものと思われます」
「無天快がその程度のウイルスで?」
確かにコンピューターウイルスは非常に厄介な存在だが、帝国の情報通信産業省が総力をあげて作り上げたスーパーコンピューターである無天快には防衛システムも組み込まれているためその程度ではビクともしないはずなのだ
「それが、上位管理者パスコードを用いたとの報告が……」
「なんだと……!」
上位管理者パスコードとは無天快に対してある程度の操作権を持つ人物に与えられたパスコードだ。とはいえ基本的に無天快を操作するにはIT知識が必要であるため、これはあくまで名誉的な意味合いが強いものだ。
「……誰のパスコードだ」
「……」
側近の女は口に出すのが恐れ多いのかジャケットの内ポケットに閉まっていた紙を取り出して伯爵に手渡した
「っ……!これは確かなのだろうな?」
そこに記された者は被疑者として名前をあげるにはとても恐れ多い相手だった
「……情報通信産業省のシステム管理部の責任者が五回ほど確認したそうです。最終確認の際には海田事務次官と大丸副大臣も同席されたそうです。恐らく、間違いはないかと」
「他人にパスコードを利用された可能性もある。注意して捜査しろ。そして宮殿警備隊にこのお方の屋敷に赴き、身柄を拘束するように伝えろ」
「かしこまりました」
宮殿は第三次世界大戦中かのように大騒ぎになったのであった
(殿下の血圧の数値が良くないと報告を受けたけれど、近頃はそんなのばっかりで心配だわ……)
今朝、仕事用の携帯端末に医官から送られてきた健康チェックの報告はあまり良いものとはいえなかった。里子内天王は先々代天帝の妹にあたる人物で今年89歳になる帝室の最年長者だ。普段から健康には人一倍気を使っているので足腰や視力に全く問題はなかったのだが、ここ数年は心臓の血管にいくつかの問題が見つかり治療に専念している
(阪原伯も不安そうにしていたし、また上に報告するべきかもしれないわね)
そんな心配をしつつも本林夫人は里子内天王の部屋の前にたどり着く
(警護の者はどこにいるのかしら?)
夫人はいつもいるはずの警備兵が居ないことに気がついた。普段であれば扉を開けてくれるが、今日は一人もいないようだ
(全員席を外しているの?)
そんなことはあってはならないのだが周囲に護衛の気配は全くない。彼女は不思議に思いながらも部屋の扉を開けた
「いと尊き里子内天王殿下に拝謁致します。本日も天の祝福がありますように」
本林夫人は胸に手を当て頭を深く下げた
すると窓際のウッド調の椅子に腰掛けていた老齢の女性が微笑みを浮かべ、壁に立てかけていた杖を手に取りゆっくりとした足取りで立ち上がった
「おはようございます。本日は本林宮子が身の回りのお世話をさせて頂きます」
「頼みましたよ」
ゆっくりとした口調で頷いた里子内天王は部屋の中央に設置されているソファーに腰かけた
「本林夫人、今日は護衛騎士がいないようね」
「殿下に断りもなく居なくなるとは……。すぐに確認致します。少々お待ちくださいませ」
本林夫人は携帯端末を使って宮内省の宮殿警備隊に内線を繋いだ
『はい、こちら宮殿警備隊本部です』
「里子内天王殿下付き女官の本林です。今すぐに殿下のお部屋の警備兵を元の配置に戻してください」
『は?それはどういう……』
電話に出た男は困惑気味に聞き返してきた
「殿下のお部屋の前にはいつも十人ほど警備兵が居たはずです。なぜ今日はいないのです?何かあってからでは遅いのですよ」
『つ、つまり!今殿下のお部屋付きの警備兵がいないということですか?』
「何度言わせるつもりですか!貴方では話になりません!とにかく兵を派遣しなさい!そして今すぐ責任者に電話を代わりなさい!」
「かしこまりました!」
すぐに上司の男が出てきたがその男も護衛に持ち場を離れる指示は出ていないようだ
「宮殿全域の警戒レベルを最大まで引きあげてください。第一モノレールから第八モノレールまで全てのモノレールの運行を停止し、宮殿に繋がる全ての出入口を封鎖することを要請します」
『……かしこまりました。おい!宮殿警備隊特別権限における警戒警報レベル8を発令!宮殿全体の自動案内軌条式旅客輸送システムの電源を落とせ!』
携帯端末の向こう側からは上司の男が大声で指示を飛ばす音声が聞こえてきた
『宮殿の全ての出入口を封鎖し、華族であろうとも通してはいかん!敷地内の五十あるヘリポートも全て閉鎖しろ!監視ドローンを全て起動して宮殿内の警戒に当らせろ!』
「……」
『女官殿、ひとまず貴女は内天王殿下の傍にいてください。すぐに監視ドローンを向かわせます』
「急いでください。最悪の事態を想定して我々も動きます」
通話はそこで終了し夫人は急いで里子内天王の元へ戻る
(せめてドローンだけでもきてくれれば)
本林夫人は窓からドローン基地がある西側の空を見上げて祈るしか無かった
太平天帝国は世界一発展した先進国であり現存する世界最古の文明国である。大天族が住まう中央宮殿を初めとした江流波宮殿の敷地は非常に広大で様々な時代の建築物があるため、文化的価値を持つ物も多くある。そのため文化財保護法の観点から最新鋭の防犯カメラや警備システムを導入できないという欠点がある。それを解決するために空から敷地内を監視するために帝国空軍が30兆ルダという莫大な資金を投じて開発したのが監視ドローンだ。平時は宮殿警備隊の隊員が直接本部から操作しているが緊急事態であれば帝国中央政府のメインコンピューター『無天快』が合計一万台近くある監視ドローンを同時操作することも可能で、命中率が非常に高いライフルが装備されている。
「夫人、今は大人しく待ちましょう」
「……かしこまりました」
◆◇◆
「伯爵閣下!宮殿内の指揮系統が混乱しております!」
普段は平和そのものである宮内省の大臣執務室に側近の男が焦った様子で駆け込んできた
「どういう事だ?」
部屋の主、川端健伯爵はデスクのノートパソコンから顔を上げた
「先程、宮殿警備隊から連絡がありました。宮殿内の各施設の警備隊員に上層部ではない何者かによる命令文が携帯端末に対して送信されており、宮殿警備に混乱をきたしています」
「警備長官の対応は?」
「本林子爵夫人からの報告を受け警戒警報レベル8を発令。全ての自動案内軌条式旅客輸送システムの電源を落として宮殿の全ての門を閉鎖、離陸可能な監視ドローンを全て起動させたとの事です」
「よし、すぐに携帯端末に対して偽の情報を送り込んだ者を特定しろ」
「かしこまりました!」
男が部屋を出ていくと入れ替わるように側近の女が部屋に入ってきた
「ご報告申し上げます。約五分前に港湾施設に繋がる極秘通路から多数の侵入者を確認しました」
「は?あそこは宮内省の中でも上層部の人間しか知らない場所だぞ!何を馬鹿な……!」
「一時間ほど前に華族委員会本部に部外者が入り込んだ報告は受けておられますか?」
「あぁ、檜山警視正から報告を受けた」
「……犯人たちは華族委員会では特に何もしなかったとされていたのですがオフィスにあるパソコンにUSBメモリーが付けられており、そこからコンピューターウイルスがメインサーバーに入り込んだものと思われます」
「無天快がその程度のウイルスで?」
確かにコンピューターウイルスは非常に厄介な存在だが、帝国の情報通信産業省が総力をあげて作り上げたスーパーコンピューターである無天快には防衛システムも組み込まれているためその程度ではビクともしないはずなのだ
「それが、上位管理者パスコードを用いたとの報告が……」
「なんだと……!」
上位管理者パスコードとは無天快に対してある程度の操作権を持つ人物に与えられたパスコードだ。とはいえ基本的に無天快を操作するにはIT知識が必要であるため、これはあくまで名誉的な意味合いが強いものだ。
「……誰のパスコードだ」
「……」
側近の女は口に出すのが恐れ多いのかジャケットの内ポケットに閉まっていた紙を取り出して伯爵に手渡した
「っ……!これは確かなのだろうな?」
そこに記された者は被疑者として名前をあげるにはとても恐れ多い相手だった
「……情報通信産業省のシステム管理部の責任者が五回ほど確認したそうです。最終確認の際には海田事務次官と大丸副大臣も同席されたそうです。恐らく、間違いはないかと」
「他人にパスコードを利用された可能性もある。注意して捜査しろ。そして宮殿警備隊にこのお方の屋敷に赴き、身柄を拘束するように伝えろ」
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(他サイトに2021年〜掲載済)
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