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橋爪 裕翔

第十八話

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なんとかゴールデンウィーク課題終わったなぁ。みんな頭いいし助かる。晴美は意外と苦戦してたみたいだけど
またみんなで放課後に学校のカフェテリアとか誰かの家で集まって勉強会するのもいいかも。別荘じゃなくて普通に家でお泊まり会してもいいしね
母さんも自慢の庭に人を呼ぶのは嬉しいだろうし!
社交界に出てない僕が友達連れてくるの見ると母さんも機嫌よくなるしね!


─────コンコンコンっ


こんな時間に誰だろ?
もう寝ようかと思ってたんだけどなぁ

そろそろ恭介がベットに座り色々と考えていた時、部屋の扉がノックされた

「はーい、どうぞー」
「……失礼します」

裕翔?
どうしたんだろ、なんか目の下赤くなってるけど……

「ど、どうしたの?泣いてるの?」
「はい、泣いていました」
「……なにか辛いことでもあったの?」
「いえ、逆です。凄く嬉しいことがありました。そして、自分の本当の気持ちに気づきました」
「本当の気持ち……?」

裕翔はベット脇に立っている恭介に一歩二歩と近づきその手を取った

「俺はあなたが好きだ。」
「え……?」

す、好きって友達として好きってこと?
でもでも、それならこんな感じでは言わないよね!?
これってもしかって恋愛的な意味で……?

「戸惑うのも分かります。同性からの告白なんてやっぱり気持ち悪いですよね……」

裕翔はすこし悲しくなって俯いた

「ううん!そんなことない!すっごい嬉しいよ!」
「……本当ですか?」
「うん!そりゃ多少はびっくりしたけど、気持ち悪いなんてことない!絶対に!」
「やっぱりあなたは天使だ」

裕翔は恭介の手を引いてすこし体勢を崩させるとすこし強引に、口付けをした。それは唇と唇を合わせるだけの簡単なものだった

え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
僕、また男の人にキスされた!?
まだ人生二回目なのにぃぃぃ!!

「俺はこの恋が実らなくてもいい。けどせめて少しだけでも考えてくれたら嬉しいです」
「う、うん!わ、分かった、考えとく!」
「ありがとう、大好きです」

少しの間気まづくなり、沈黙の時間が流れた

「あ、あの、そろそろ僕寝ようかな」
「はい、じゃあ俺も部屋に戻りますね。おやすみなさい」
「お、おやすみなさい」

裕翔はゆっくりとドアを閉めて恭介の部屋から出ていった。

恭介がこの夜、告白された余韻のせいであまり眠れなかったのはここだけの話だ



恭介がこの告白に『Yes』と答えるか『No』と答えるかはまだ分からない。
恭介にとって出来事が決して忘れられないものになったことは間違いのないことだ



END




─────────────────

完結遅くなって本当に申し訳ありません!
元々この『橋爪裕翔』編は十二話完結だったものを作者が思いつきで引き伸ばしたせいでこうなってしまいました笑
これにて『学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語』は完結となります
『西条 誠』編と『橋爪 裕翔』編は完結していないように見えるかもしれませんが、作者は的にはこの先も戸惑いながらも恭介くんは学院生活を歩んでいくんだと思います。読者の皆様もどうか彼らの先の未来を頭の中で描いてみてくださいませ


ではまた逢う日を願って          紅林
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