精霊の森に魅入られて

丸井竹

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17.遊べない友達

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森の中に突如として現れた空き地に、小高い雪山が出来ていた。
その正面はつるつるに磨かれ、滑り台のようになっている。
裏側に回ると、足で踏み固められた階段もあった。

ゼインは隣で得意げな顔で立っているアルノを見た。
きらきらと目を輝かせて、うずうずと足踏みをしている。

「これを一人で?」

「そうよ。滑ってみたい?」

どう見ても子供用の滑り台であり、全くやってみたいとは思わなかったが、ゼインは階段を慎重に上った。
アルノがうれしそうについてきて、ゼインの腰に抱き着いた。
頂きに立ってみると、それなりに高く、木立を抜ける風が吹き上げてくる。

まるで精霊たちが遊んでいる大人達を見学に来たように感じ、ゼインは周辺に目を向ける。
するりとその脇をアルノが通り抜けた。

あっという間もなく、アルノが坂を滑り降りていく。
急いでゼインもそれを追いかける。
雪は十分固められており、お尻に固い感触が当たる。

足を開いてアルノを拾い上げ、腕にアルノをしっかり抱きしめる。
少し盛り上がった部分を跳ね、柔らかな雪の中に着地した。

ずぶりと埋まった雪の中から、ゼインは上を見た。
丸くくり抜かれたような灰色の空が、先ほどよりもはるか頭上にある。

なんて無意味な時間なのかと思ったが、アルノは笑顔でゼインの上で回転し、押し倒すようにゼインの胸の上に四つん這いになる。

「ここの近くに仕事場があるの。だから、いつもここを登って滑り下りてから行くの」

雪を被ったアルノの頭を引き寄せ、ゼインはその唇を素早く奪った。
胸に引き寄せ、大人になりきれない子供のアルノをしっかり抱きしめる。

「雪の中なのに暖かい」

ゼインの胸にぴたりと寄り添い、アルノは目を閉じた。

「アルノ?」

静かになったアルノに、まさか眠ってしまったのかと思いゼインは体を起こした。
まだ目を開けていたアルノを急いで抱き起こす。

「丘を下りたら、そこが今日の目的地」

ゼインの腕を飛び出し、アルノは子犬のように雪の中を走り出す。
子守をしにきた大人の気分でゼインはその後ろを追いかける。

木立の中に、折れた大木が現れた。
根元に大きな洞がある。

アルノはお尻を突き出し、もうその洞の中に潜り込もうとしていた。
それを追いかけ、ゼインも四つん這いになる。

中は思ったより広く、温かかった。
高い天井から外の光が差し込み、穴の中央を照らしている。
土で出来た壁際に、小さな石臼や鍋のような入れ物、マカの実を入れておく容器など、宣誓液を作るための道具が並んでいる。

「ここが……」

ゼインは持ってきたランタンに灯りを入れる。
床は完全に土だったが、壁は土の部分と樹皮の部分が混ざっている。
突き出した木の根が絡まりながら柱のように地面に突き立っている場所もある。

外よりはましだが、寒さも十分に防げないし、湿っていてかびくさい。
寝床になりそうな場所もないし、どうやって食事をとっているのかもわからない。

「ここで仕事を?まさかここで何日も過ごすのか?」

「マカの実を全部宣誓液にしてしまうまでいるの。この間は一カ月近くかかったかな。ここは、師匠に教えられた場所だけど、その前の契約師もその前の契約師も、ずっとここを使って来たのよ」

「俺が……ここに入ってはいけない気がする」

息苦しさを感じ、ゼインは胸を押さえ、外に這い出した。

新鮮な空気を吸い込むと、息苦しさが少しずつ消えていく。
呼吸を整え、ゼインはもう一度洞の中に潜り込んだ。

今度はもうなんともなかったが、静かに座り込んでいるアルノを見て、ゼインはやはり洞の外に這い出した。
そこはやはり、契約師の神聖な仕事場であり、いるべきではないと感じたのだ。


アルノはゼインが去った気配を感じながら、慣れ親しんだ洞の中に座り込んでいた。
友達というからには、ニルドとしていたようなことがゼインとも出来るのではないかと考えたが、それは少しもうまくいかなかった。

結局ニルドとの思い出を辿るばかりで、目の前にいるゼインのことは全く考えられない。

よく考えれば、アルノはニルド以外の人との付き合い方を知らないのだ。

空き地の滑り台は子供の頃、ニルドと作っていたものであり、今ではアルノが一人で作り続けている。
その当時の喜びを思い出し、アルノは唇を噛みしめた。

着地に失敗し、雪に埋もれたアルノを助けにきたニルドはまだ少年の顔だった。
アルノを持ち上げようとして、ニルドは重いと文句を言ったのだ。
喧嘩しながら、立ち上がり、洞の中で寄り添って暖をとった。
ゼインとはそんな風にはいかなかった。

十年も妄想の中で愛を育んできたニルドの存在は、あまりにも大きすぎる。
嘘偽りない体を見せてくれたお礼に、アルノもゼインに大切な場所を見せたつもりだったが、ゼインは少しもうれしそうではなかった。
ゼインとニルドは性格も全然違うし、仲良くなる方法も違うのかもしれない。

ニルドは自分勝手で、強引なタイプだから、何も考えずに一緒にいられたが、ゼインは距離感を探るようにアルノに近づいてくる。

友達としては相性が悪いのではないだろうかと考えてみるが、比べられるほどの友達もいない。
相性が悪いというなら、ハンナやロタ村の人たちとの方が合わない。

「はぁ……」

もう子供ではないのだから、滑り台では遊ばないのだと、ゼインの反応を見て、アルノはやっと気が付いた。
アルノの中には、まだ遊びたい気持ちが残っている。
腰を屈めて立ち上がり、アルノは穴を這い出した。

ゼインが洞の入り口を守るように、後ろ向きに立っていた。

「アルノ」

穴から出てきたアルノに、ゼインが手を差し出す。
その手を握り、完全に外に出たアルノは、膝についた土と、上半身の雪を払った。

ばさばさと音を立て、近くの木から雪が落ちてきた。
素早く身構えるゼインの手を、アルノが掴んだ。

大きな雪狼がゆっくりと近づいてくる。

「また大きくなったのね」

アルノは巨大な雪の固まりのような雪狼に体当たりをするように抱き着く。
見上げるばかりに大きな体は馬の二倍はある。

巨大な牙を覗かせ、雪狼はアルノの顔を舌で舐めた。

「冷たいっ」

笑いながら、アルノは分厚い毛の中に顔を埋める。
その様子を見て、ゼインは剣から手を放す。
雪狼は足を止めることなく、悠然とゼインの隣を通り過ぎ、雪の滑り台の向こうに去っていく。

アルノは追いかけることなくそれを見送り、警戒するように雪狼の後姿を見ているゼインに近づいた。

「ゼイン、帰ろう」

そのまま先に立って歩こうとしたアルノは、ふと足を止め、ゼインの手を握った。
二人は並んで、静かな森の中を歩きだした。



ぎこちなく始まったゼインとアルノの友達ごっこはなんとか順調に続いたが、契約した恋人のふりだけはうまくいかなかった。
アルノはどうしても警戒心を解くことが出来ず、ゼインも強引なことをして嫌われることを恐れた。

そんな微妙な二人のことを放りだし、クシールは城を建設するための準備があると言い残し、二人の前から姿を消した。

アルノの日常はゼインと友達になろうが、クシールが来なくなろうが、あまり変わらなかった。

一カ月留守にすることはなかったが、五日森にこもり、戻ってきたら契約紙を二日かけて完成させ、一日休んでまた森に入るという生活を繰り返した。
ゼインはアルノの留守の間に契約紙をパラスの町にある大聖堂に届けに行き、戻ってくると、いつアルノが帰って来ても良いように家を整え、剣の訓練に勤しみ、周囲の警備にもあたった。


長い冬が終わりに近づいたころ、どこからともなくクシールが戻ってきた。

大荷物を載せたそりを裏に止めたクシールは、ゼインに荷物の運搬を頼み、疲れたように椅子に座り込んだ。

「もっと早くことが進むと思ったのですが、なかなか難しい作業でしたね」

懐から折り畳んだ紙の束を取り出し、クシールはそれを丁寧にテーブルに並べ始めた。

「もう冬も終わりですが、ようやく工事を始められることになりました。どうします?ロタ村の人たちに声をかけたいとか仰っていませんでした?」

テーブルに置かれたその紙の束は、全て城を完成させるための書類で、城の部分ごとの設計図に建設方法や必要資材など事細かな情報が書き込まれていた。
さらに業者への指示書らしき書類もあり、そこには見たこともない数式や、精霊言語まで詰め込まれていた。
その難解な書類を覗き込み、ゼインは難しい表情で上の一枚を手に取った。

全ての書類の右端に、王国印が押してある。

「建設許可がとれたのですね。大変でしたね」

「中央教会では許可が下りず、王城まで行ってきました。それから契約紙の審査会の話ですが、今のところ予備審査が終わり、なんとか入選作品に選ばれるよう画策しましたが、やはり既に優勝する契約師は決まっているようでした」

「教会側ですか?それとも国王側?」

「教会側ですが、それをよく思わない勢力もいますから、そこはなんとか……」

言葉を濁し、クシールはアルノを見上げた。

「アルノさん、契約紙を見せてください」

すぐに出窓の引き出しのところに行き、アルノは一番上の契約紙を持ってきた。
それをクシールは慎重に灯りにかざした。

「質の低下はありませんね。ゼイン様には、一度戻ってもらわなければならないと思います。年に一度の専属世話人の更新日が迫っていますから」

暗い表情で、ゼインが黙り込む。
教会に戻るということは、組織に組み込まれることを意味している。
自由はなく、子供時代のように権力を持つ者に囚われることになる。

アルノにはわからない会話をしているゼインとクシールを見て、アルノはテーブルから離れ、寝室に姿を消すと、外出用の服に着替えて出てきた。

「二人は私に聞かれたくない話があるのでしょう?その間に、町に行ってくる。ハンナに会って、元ロタ村の人たちの中で、ここで働きたい人がいるか聞いてくれるように話してくる」

「一人で町に?」

ゼインが急いで壁から外套を取り上げる。

「一人で平気よ?」

クシールがテーブルに積まれた書類の山から一枚取り上げ、アルノに差し出した。

「必要人数と、支払える給料、それから労働期間などが書いてあります。持っていってください。
それから、そりを使って町まで行ったら、帰りは門の内側でまっていてください。ゼインが迎えに行きます」

「ゼインが来る前は、護衛なんていなかったのに」

「状況が違います」

断固としたクシールの態度に、アルノは渋々頷き、扉に手をかける。
その腕をゼインが掴んだ。

「アルノ、俺が迎えに行くまで絶対に町を出るな」

財布をアルノの手に押し付けると、ゼインはアルノを抱き寄せ唇を重ねた。
少しだけ、アルノは体を強張らせ、扉の方に背中を引いた。

そのぎこちない二人の様子をクシールは黙って観察し、アルノを見送るために立ち上がった。

アルノがそりで斜面を滑り降りていくと、二人はすぐに家に引き返した。

「まさかと思いますが……。まだ友人止まりですか?」

扉を閉め席に着いたクシールに、ゼインは苦笑し、向かいの椅子に腰をかけた。


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