35 / 89
第二章 託された女
35.初体験の男
しおりを挟む
翌日、リーンは黒板とチョークを持って町に下りた。
職業斡旋所の列に並び、仕事を探していると黒板に書いた。
話せないリーンを蔑むように見た窓口の男は、リーンが提示した紋章に目をみはった。
「まさか……騎士の奥様ということですか?」
途端に周囲の人々の視線がリーンに集まる。
誰かがそういえばと囁きだした。
「風呂屋に騎士が飛び込んできた騒ぎがあったと聞いたことがある」
「騎士様までたらしこむとはなかなか優秀な性接待奴隷だったのではないか?」
リーンは聞こえないふりをして黒板に書いた字に付け足した。
『接待以外の仕事をお願いします』
窓口の男は困惑したようにリーンに顔を近づけた。
「いくら立派な騎士の夫を持っているとはいえ、あなたのような経歴の方は誰も雇いたがらないと思います」
リーンは肩を落とし、丘の上の小屋に戻った。
教会の厨房で皿洗いや野菜の下ごしらえを手伝っていたが、報酬はわずかな野菜くずだった。
だいたい敷地内に家賃も払わず、寄付もせず住んでいるのだ。
野菜くずでももらえるだけ有難い話だった。
グレアムのお金に頼らないと生きていけない自分にがっかりし、リーンは寝台に寝そべり、ドナンが板に描いた彫刻の絵を眺めた。
こんなにきれいに笑っていただろうかと、リーンは自分の顔ながら見惚れ、その彫り込まれた凹凸を指でなぞった。
(もうこんな風に笑えないよ……。ドナン……)
涙を浮かべながら、リーンはその彫刻の絵を胸に抱きしめた。
翌日、リーンは再び仕事を探しに行ったが、やはり仕事斡旋所から断られ、その帰り道で怪しい男から声をかけられた。
「町の人間が使えるような場所ではなく、もっと身分の高い方が出入りする娼館があります。そちらはどうですか?」
リーンは鼻に皺をよせ、不快な顔をすると走って逃げた。
丘をかけあがり、ドナンのお墓の前に戻ってくると、リーナはしゃがみ込んで唇をかみしめた。
涙があふれだすと、リーンは袖で目元を拭った。
鼻をすすり、顔を上げた時、斜面を登ってくる男の姿が見えた。
数日ぶりの懐かしい顔に驚き、立ちあがると、丘を登ってきた男がリーンに気づき、軽く手を挙げた。
目が合った途端、リーンは逃げるように小屋に走った。
扉を閉めると、寝台の中にもぐりこむ。
しばらくして、扉が鳴り丘を登ってきた男が入ってきた。
「リーン、すまない。遅くなった……」
グレアムの声は沈んでいた。自分と目を合わせた途端、リーンは逃げるように小屋に戻ってしまったのだ。
よくわからないが、とにかくリーンは怒っているのだと思った。
リーンが寝台の上にうずくまっているのを確認し、グレアムは担いできた荷物を床におろし、物入れの前に座り込む。
扉を開けると、躊躇いがちに胸のポケットを探り小さな物を取り出した。
それを拳に握りしめ、奥に隠してある袋を取り出そうと手を伸ばす。
不意に、床を歩く軽い音が近づき、グレアムは手を止めて振り返った。
目の前に黒板が突き出される。
『それなに?』
さっき逃げて行ったリーンが、今は隣に立っていた。
「こ、これは……」
黒板に書かれた質問に答えようとして口ごもったグレアムは、おずおずと拳を開いた。
大きな手に包まれていたのは美しい獣の牙だった。
その表面に赤い花が描かれている。
「その……角狼の牙だ。北の村で作られている工芸品で、描かれている花がきれいだった……。その……」
歯切れ悪く説明し、グレアムは声を小さくすると俯いた。
グレアムに売り飛ばされたリーンは、何一つ自分の物を持てなかった。
服一枚自由に着る事さえ許されなかったのだ。
そんな境遇に追いやった自分が、今更身を飾る物を買ってくるなんて身勝手すぎるとグレアムはわかっていた。
それでも外で小さな土産物を目にするたびに、リーンを思い出し買ってしまうのだ。
首飾りやスカーフ、小さな首飾り、ちょっとした装飾品を買ってきて渡せないまま物入れに隠してあった。
「こんなもので……許されるとは思っていない。ただ、似合いそうだと……いや。俺の自己満足だ……。すまない」
ドナンが彫ったリーンの絵以上の贈り物はこの世界に存在しない。
毛皮を暖炉で焼こうとしたみたいに、リーンは怒ってグレアムからの贈り物を投げ捨ててしまうかもしれない。
お前にだけはこんなことをされたくないと、黒板に書きなぐり、暴れだすかもしれない。
リーンを怒らせたくないと思いながらも、グレアムはその距離を縮めたくてたまらなかった。
何かせずにはいられなかったのだ。
黒板にチョークで字を書く音が聞こえ、うなだれていたグレアムは顔をあげた。
『私の?』
掲げられた黒板の字に、グレアムは小さく頷いた。
大きなグレアムの手は震えている。
リーンはその手の上から角狼の牙の首飾りをつかみ上げた。
グレアムの手の中にはすっぽりおさまっていたのに、リーンが握ると拳の上下から牙の一部がはみ出した。
表面を細かく削り、花の形が描かれている。
その上から赤い絵の具で色が塗られていた。
牙の上部には穴が空けられ、首からさげられるように紐がついている。
リーンはそれを首にかけた。
赤い花が胸元で咲いたようにぶら下がった。
グレアムは目を潤ませそれを見上げ、小さな声で「ありがとう」と呟いた。
あとはいつも通りだった。粗末な食事を共に食べると、リーンが先に毛布に潜り込んだ。
「リーン、お休み」
最後に灯りを消したのはグレアムだった。
テーブルのランプを消すと、暖炉の炎が残された。
薪を奥に追いやり、自然に火が消えるように調整すると、グレアムは自分の寝床に戻ろうとした。
その腕をほっそりとした手が掴んだ。
薄暗い炎の灯りにリーンの顔が浮かび上がる。
「眠れないのか?」
何か言いたいことがあるのだと思い、グレアムはテーブルから黒板とチョークを取り上げた。
リーンはグレアムの腕を掴んだまま、寝台に座り、グレアムをじっと見上げている。
黒板を枕元に置きながら、グレアムはリーンの言葉をさぐるようにその瞳を覗き込んだ。
リーンの手がグレアムの腕を滑り、大きな手に重なった。
グレアムは驚いたが、リーンの力に逆らおうとはしなかった。
リーンは両手でグレアムの片手を持ち上げ、引っ張ると、そっと豊かな胸の上に置いた。
吸い付くような柔らかな感触がグレアムの手のひらに伝わる。
生唾をごくりと飲みこみ、グレアムは震えながら手を引こうとした。
「リーン……駄目だ……」
グレアムの口から掠れた声がこぼれた。
長旅を終えて戻ってきた男の体にはあまりにも強い刺激だ。
距離を縮めたいと願ってきた女性の体であればなおさらだ。
リーンの豊かな胸の上から逃げようとするグレアムの手をリーンが上から押さえつけた。
グレアムの手の下で柔らかな胸が形を変え、指が沈み込む。
必死に耐えるグレアムは警告するように名前を呼んだ。
「リーン……」
リーンが伸びあがって、グレアムの唇に唇を重ねた。
例えようもない甘美な感触に、グレアムの喉がもう一度鳴った。
唇を離すと、リーンはようやく黒板に書いた。
『私は汚い?』
消えかけた暖炉の火に浮かび上がるその字を目にした瞬間、グレアムは押さえ込んできた想いを爆発させた。
獣のようにグレアムはリーンの体を寝台に押し倒し、夢中で抱きしめる。
「リーン……きれいだ。本当にきれいだ。リーン……」
何度も名前を呼びながら、グレアムはリーンの胸に顔を埋め、手で触れ、舌で味わい、それから張り詰めたズボンの紐を解いた。
その間にリーンは慣れた仕草で服を全部脱ぎ捨てる。
グレアムは薄暗い炎の灯りに照らし出されるリーンの体を見おろし、感嘆のため息をついた。リーンが上半身を起こし、小さな舌を出してグレアムの体を愛撫しようとするのをグレアムは引き離し、自分がリーンの体に舌を這わせた。
「あ……ああ……」
グレアムの腰が入れてもいないのに動き出し、リーンは急いで大きく股を開いた。
熱を持った大きな手がリーンの体を優しく撫でるが、それ以上のことはせず、グレアムは戸惑ったように喘ぎながら腰を揺らすばかりだ。
リーンはグレアムの張り詰めた肉棒に手を添えて、場所を教えた。
「リーン……初めてなんだ。すまない。あんまりうまくできそうにない」
限界を告げる男の情けない声に、リーンは驚きながら、丁寧にグレアムを導いた。
グレアムの物がリーンの中に入った途端、それはあっという間にはじけ、グレアムの艶っぽい声がこぼれた。
「ああ……」
すぐに熱を取り戻したそれは、今度こそリーンの中で動き始めた。
リーンの名前を何度も呼ぶグレアムは苦しそうに目を閉ざし、必死にリーンの唇を探している。
その唇は震え、どうしていいのか分からない様子で開いたり閉じたりして舌を動かしている。
まだリーンの唇に触れてもいないのに。
口づけも初めてなのだろうかと思いながら、リーンはグレアムの首を抱いた。
夢中で腰を振り、唇を貪り、さらに胸をもみ、リーンの体中に触れたグレアムは、本能のままに何度も欲望を吐き出し、最後に深く体を重ねると、リーンを腕に抱いて気を失ったように眠りに落ちた。
あまりにもせわしない交わりだったが、初めてであれば上出来だった。
リーンは枕元に立てかけていた彫刻の絵をうしろ向きにすると、グレアムの腕の中で目を閉じた。
職業斡旋所の列に並び、仕事を探していると黒板に書いた。
話せないリーンを蔑むように見た窓口の男は、リーンが提示した紋章に目をみはった。
「まさか……騎士の奥様ということですか?」
途端に周囲の人々の視線がリーンに集まる。
誰かがそういえばと囁きだした。
「風呂屋に騎士が飛び込んできた騒ぎがあったと聞いたことがある」
「騎士様までたらしこむとはなかなか優秀な性接待奴隷だったのではないか?」
リーンは聞こえないふりをして黒板に書いた字に付け足した。
『接待以外の仕事をお願いします』
窓口の男は困惑したようにリーンに顔を近づけた。
「いくら立派な騎士の夫を持っているとはいえ、あなたのような経歴の方は誰も雇いたがらないと思います」
リーンは肩を落とし、丘の上の小屋に戻った。
教会の厨房で皿洗いや野菜の下ごしらえを手伝っていたが、報酬はわずかな野菜くずだった。
だいたい敷地内に家賃も払わず、寄付もせず住んでいるのだ。
野菜くずでももらえるだけ有難い話だった。
グレアムのお金に頼らないと生きていけない自分にがっかりし、リーンは寝台に寝そべり、ドナンが板に描いた彫刻の絵を眺めた。
こんなにきれいに笑っていただろうかと、リーンは自分の顔ながら見惚れ、その彫り込まれた凹凸を指でなぞった。
(もうこんな風に笑えないよ……。ドナン……)
涙を浮かべながら、リーンはその彫刻の絵を胸に抱きしめた。
翌日、リーンは再び仕事を探しに行ったが、やはり仕事斡旋所から断られ、その帰り道で怪しい男から声をかけられた。
「町の人間が使えるような場所ではなく、もっと身分の高い方が出入りする娼館があります。そちらはどうですか?」
リーンは鼻に皺をよせ、不快な顔をすると走って逃げた。
丘をかけあがり、ドナンのお墓の前に戻ってくると、リーナはしゃがみ込んで唇をかみしめた。
涙があふれだすと、リーンは袖で目元を拭った。
鼻をすすり、顔を上げた時、斜面を登ってくる男の姿が見えた。
数日ぶりの懐かしい顔に驚き、立ちあがると、丘を登ってきた男がリーンに気づき、軽く手を挙げた。
目が合った途端、リーンは逃げるように小屋に走った。
扉を閉めると、寝台の中にもぐりこむ。
しばらくして、扉が鳴り丘を登ってきた男が入ってきた。
「リーン、すまない。遅くなった……」
グレアムの声は沈んでいた。自分と目を合わせた途端、リーンは逃げるように小屋に戻ってしまったのだ。
よくわからないが、とにかくリーンは怒っているのだと思った。
リーンが寝台の上にうずくまっているのを確認し、グレアムは担いできた荷物を床におろし、物入れの前に座り込む。
扉を開けると、躊躇いがちに胸のポケットを探り小さな物を取り出した。
それを拳に握りしめ、奥に隠してある袋を取り出そうと手を伸ばす。
不意に、床を歩く軽い音が近づき、グレアムは手を止めて振り返った。
目の前に黒板が突き出される。
『それなに?』
さっき逃げて行ったリーンが、今は隣に立っていた。
「こ、これは……」
黒板に書かれた質問に答えようとして口ごもったグレアムは、おずおずと拳を開いた。
大きな手に包まれていたのは美しい獣の牙だった。
その表面に赤い花が描かれている。
「その……角狼の牙だ。北の村で作られている工芸品で、描かれている花がきれいだった……。その……」
歯切れ悪く説明し、グレアムは声を小さくすると俯いた。
グレアムに売り飛ばされたリーンは、何一つ自分の物を持てなかった。
服一枚自由に着る事さえ許されなかったのだ。
そんな境遇に追いやった自分が、今更身を飾る物を買ってくるなんて身勝手すぎるとグレアムはわかっていた。
それでも外で小さな土産物を目にするたびに、リーンを思い出し買ってしまうのだ。
首飾りやスカーフ、小さな首飾り、ちょっとした装飾品を買ってきて渡せないまま物入れに隠してあった。
「こんなもので……許されるとは思っていない。ただ、似合いそうだと……いや。俺の自己満足だ……。すまない」
ドナンが彫ったリーンの絵以上の贈り物はこの世界に存在しない。
毛皮を暖炉で焼こうとしたみたいに、リーンは怒ってグレアムからの贈り物を投げ捨ててしまうかもしれない。
お前にだけはこんなことをされたくないと、黒板に書きなぐり、暴れだすかもしれない。
リーンを怒らせたくないと思いながらも、グレアムはその距離を縮めたくてたまらなかった。
何かせずにはいられなかったのだ。
黒板にチョークで字を書く音が聞こえ、うなだれていたグレアムは顔をあげた。
『私の?』
掲げられた黒板の字に、グレアムは小さく頷いた。
大きなグレアムの手は震えている。
リーンはその手の上から角狼の牙の首飾りをつかみ上げた。
グレアムの手の中にはすっぽりおさまっていたのに、リーンが握ると拳の上下から牙の一部がはみ出した。
表面を細かく削り、花の形が描かれている。
その上から赤い絵の具で色が塗られていた。
牙の上部には穴が空けられ、首からさげられるように紐がついている。
リーンはそれを首にかけた。
赤い花が胸元で咲いたようにぶら下がった。
グレアムは目を潤ませそれを見上げ、小さな声で「ありがとう」と呟いた。
あとはいつも通りだった。粗末な食事を共に食べると、リーンが先に毛布に潜り込んだ。
「リーン、お休み」
最後に灯りを消したのはグレアムだった。
テーブルのランプを消すと、暖炉の炎が残された。
薪を奥に追いやり、自然に火が消えるように調整すると、グレアムは自分の寝床に戻ろうとした。
その腕をほっそりとした手が掴んだ。
薄暗い炎の灯りにリーンの顔が浮かび上がる。
「眠れないのか?」
何か言いたいことがあるのだと思い、グレアムはテーブルから黒板とチョークを取り上げた。
リーンはグレアムの腕を掴んだまま、寝台に座り、グレアムをじっと見上げている。
黒板を枕元に置きながら、グレアムはリーンの言葉をさぐるようにその瞳を覗き込んだ。
リーンの手がグレアムの腕を滑り、大きな手に重なった。
グレアムは驚いたが、リーンの力に逆らおうとはしなかった。
リーンは両手でグレアムの片手を持ち上げ、引っ張ると、そっと豊かな胸の上に置いた。
吸い付くような柔らかな感触がグレアムの手のひらに伝わる。
生唾をごくりと飲みこみ、グレアムは震えながら手を引こうとした。
「リーン……駄目だ……」
グレアムの口から掠れた声がこぼれた。
長旅を終えて戻ってきた男の体にはあまりにも強い刺激だ。
距離を縮めたいと願ってきた女性の体であればなおさらだ。
リーンの豊かな胸の上から逃げようとするグレアムの手をリーンが上から押さえつけた。
グレアムの手の下で柔らかな胸が形を変え、指が沈み込む。
必死に耐えるグレアムは警告するように名前を呼んだ。
「リーン……」
リーンが伸びあがって、グレアムの唇に唇を重ねた。
例えようもない甘美な感触に、グレアムの喉がもう一度鳴った。
唇を離すと、リーンはようやく黒板に書いた。
『私は汚い?』
消えかけた暖炉の火に浮かび上がるその字を目にした瞬間、グレアムは押さえ込んできた想いを爆発させた。
獣のようにグレアムはリーンの体を寝台に押し倒し、夢中で抱きしめる。
「リーン……きれいだ。本当にきれいだ。リーン……」
何度も名前を呼びながら、グレアムはリーンの胸に顔を埋め、手で触れ、舌で味わい、それから張り詰めたズボンの紐を解いた。
その間にリーンは慣れた仕草で服を全部脱ぎ捨てる。
グレアムは薄暗い炎の灯りに照らし出されるリーンの体を見おろし、感嘆のため息をついた。リーンが上半身を起こし、小さな舌を出してグレアムの体を愛撫しようとするのをグレアムは引き離し、自分がリーンの体に舌を這わせた。
「あ……ああ……」
グレアムの腰が入れてもいないのに動き出し、リーンは急いで大きく股を開いた。
熱を持った大きな手がリーンの体を優しく撫でるが、それ以上のことはせず、グレアムは戸惑ったように喘ぎながら腰を揺らすばかりだ。
リーンはグレアムの張り詰めた肉棒に手を添えて、場所を教えた。
「リーン……初めてなんだ。すまない。あんまりうまくできそうにない」
限界を告げる男の情けない声に、リーンは驚きながら、丁寧にグレアムを導いた。
グレアムの物がリーンの中に入った途端、それはあっという間にはじけ、グレアムの艶っぽい声がこぼれた。
「ああ……」
すぐに熱を取り戻したそれは、今度こそリーンの中で動き始めた。
リーンの名前を何度も呼ぶグレアムは苦しそうに目を閉ざし、必死にリーンの唇を探している。
その唇は震え、どうしていいのか分からない様子で開いたり閉じたりして舌を動かしている。
まだリーンの唇に触れてもいないのに。
口づけも初めてなのだろうかと思いながら、リーンはグレアムの首を抱いた。
夢中で腰を振り、唇を貪り、さらに胸をもみ、リーンの体中に触れたグレアムは、本能のままに何度も欲望を吐き出し、最後に深く体を重ねると、リーンを腕に抱いて気を失ったように眠りに落ちた。
あまりにもせわしない交わりだったが、初めてであれば上出来だった。
リーンは枕元に立てかけていた彫刻の絵をうしろ向きにすると、グレアムの腕の中で目を閉じた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる