残酷で幸福な愛の話

丸井竹

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15.丸腰の戦い

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 王は絶対に安全な場所にいた。
ヤーナを犯した後、王は虜囚たちから離れ、立派な椅子に戻って寝そべっていた。
寵姫たちを裸にし、互いの性器や胸を舐めさせている。
それらは王を守る盾になる。

さらに広間には、先ほど一度姿を消した騎士達が戻ってきていた。
花を摘みに行った騎士達も十分な量の花を持って戻ってきた。
彼らは完全武装し、剣を帯びた王の犬だ。

広間には不気味な音ばかりが響いている。

ヤーナが虜囚たちの体にお絵描きをしているのだ。
絵の具を混ぜ合わせ、ぺたぺたと色を塗る。
床の血も混ぜ合わせる。

四人の虜囚たちは相変わらず後ろ向きに並べられ、手を床につき、尻を突き上げた姿勢で押さえ込まれている。
その尻の穴には殺された仲間の指が突っ込まれ、奇妙な飾りになっている。
こんな辱めを受けたことのない男達はすすり泣き、悔しさに手の指を折り曲げ、爪先から血を流している。

「うっ……」

何より、命を懸けて共に戦った仲間の死体がまだ隣にあり、切り取られた指の付け根から流れる血も止まっていない。その指先がどこにあるのか考えるだけで頭が狂いそうだった。

ヤーナは虜囚達の体に王を讃える言葉を書き、さらに負け犬という言葉も書き添えた。
ベメが喜ぶと、ヤーナはさらに虜囚たちに屈辱を与える遊びを思いついた。

「犬たちに舐めさせてもいいですか?」

ヤーナが連れてきた離宮の犬たちはまだそこにいて、お行儀よくお尻を突き上げて並んでいる。
騎士達が摘んできた花をヤーナは自分の犬たちのお尻に一本ずつさしていた。

「花瓶みたいできれいだわ」

ベメはヤーナの提案に満面の笑みを浮かべた。
尻に花を飾った犬たちの間抜けな姿も気に入ったし、ヤーナが王のために虜囚たちを辱めようとするその姿勢にも満足だった。
屈辱に震え、歯を食いしばって耐える、まっとうな男達を薬も無しにどこまで壊せるだろう。

ベメは舌なめずりしながら、ヤーナの提案を受け入れた。

自分に逆らった者達を簡単に死なせるわけがない。
この男達に希望を託した人々の前で、ヤーナが提案した屈辱的な処刑を行うのだ。

さっそく裸の犬たちがお尻を上げたまま四つん這いで移動を始め、反乱軍の指導者だった男達の尻の前に並ぶ。
人々の希望を背負ったその雄姿は見る影もなく辱められ、屈強な男達は恥辱に泣き、舌を噛まんばかりの屈辱に震えながら耐えている。

「さあ、私の可愛い犬たち、目の前のそれを大きくしなさい。早く立ち上げた子にご褒美をあげるわ」

軽快なヤーナの声が響く。
ベメは笑い出した。

反乱軍の中にあっては、人々の先頭に立ち、勇ましく戦った男達だ。
女にももてただろう。弱きものを守り、抱いて欲しいと田舎の女達には迫られたに違いない。

そんなご立派な男達が、尻を突き出した姿勢で、人間から犬に落ちたような男達に股間をしゃぶられるのだ。
しかも尻を突き出し、顔を股の間に入れているため、その様子も自分で見ることになる。
これ以上ない屈辱だ。

さらにそんな犬たちに舐められて喘ぎながら果てることになったら、それこそ無様だ。

ヤーナは面白い遊びを本当によく思いつく。
これはぜひ処刑台の上でもやるべきだと考えながら、ベメは上機嫌で椅子の周りに侍る寵姫の一人を抱き上げた。

寵姫は皆きれいに手入れされ、その指先までも磨かれている。
その肌に無遠慮に手を這わせながら、ベメは尻に花を挿して花瓶に扮している、ヤーナの残りの犬たちに視線を向けた。

本物の家具のように美しく磨かれたヤーナの犬たちに体毛は無い。
花の香油まで使われ、爪の先までよく手入れをされている。

ヤーナは自分の犬を本当に大切に管理しているのだ。
毎日かかさず、剃刀や短剣で全部の犬の毛をきれいに剃り、石鹸で磨いて良い匂いがするように心がけている。

肌艶がよくないと、自分の食事を与え、果実まで食べさせる。
眠るときは互いのあれをくわえさせながら、いつでも興奮していられるように工夫し、口をきかないように躾ている。

うまく出来なかった時のお仕置きを見たことがあるが、それも楽しい光景だった。
口に棒をくわえさせられ、全身を他の犬たちに舐められるのだ。
男の舌に全身を舐められ、身をよじり、泣いて嫌がる犬に落ちた男の情けない姿をヤーナは手を叩いて喜ぶ。

乳首が赤くなるまで嬲られると、ヤーナはそこに紐を繋ぎ、その先を股間の物に縛り付けた。
たっている時は良いが、力なく垂れ下がると紐が引っ張られて乳首は赤く腫れあがる。
そんな状態で、犬の尻を舐めさせ、ほらたたせてごらんと声をかけるのだ。

不思議なことに、泣いて嫌がっている犬たちは、そのうちお仕置きまでも喜ぶようになる。

一度だけ、ベメはヤーナの大切な犬を殺したことがあった。
大切にしている犬が殺されそうな時も、ヤーナは王を止めようとしなかった。

ヤーナもまた王の従順な犬であり、王がやることを邪魔したりしない。
犬を使って楽しく遊ぶヤーナを後ろから眺め、王は斜め後ろに立つ薬師に問いかけた。

「コーデル、ヤーナは狂っていると思うか?」

コーデルは、ヤーナが自分の犬たちに、虜囚の股間の物を舐めるように教えている様子を眺めながら丁寧に答えた。

「三年で教育されたことが染みついているのでしょう。
行動のほとんどは無意識だと思います。幻惑の実も薬酒もかなりの量が減っています。
自己を保つのは難しいでしょう。しかし、強烈な記憶は残るものです。
見る限り、それは犬ですね。心の隙間を犬で遊ぶことで埋めていたのかもしれません。
それ故、いろいろ犬に関することを思いつくのです。
犬への執着はあるが、記憶障害は深刻です。だから犬に個別の名前を付けるのも難しい。
陛下に仕える事、それから犬。彼女の頭にはそれしかありません。
洗脳するなら、一番良い状態といえます」

コーデルの返答にベメは満足げに頷いた。
多くの人間を壊してきたが、ヤーナのような壊れ方をした寵姫はいない。

洗脳とは意外と技術がいることなのだ。
完全な廃人を作ることは簡単だが、物を考え判断し、会話ができるように壊すのは難しい。
しかもそれがベメが望む形に壊れるということは稀なことだ。
騎士達のようにただの忠実な殺人鬼に育てる方がよっぽど簡単だ。

「ヤーナ、お前の気に入りの犬を一頭選べ」

ベメが声を発した。
笑顔のヤーナが振り返る。
その目に涙が溢れる。

王の選べという命令は、命の選別を意味する。
大切な犬を一頭取られてしまうかもしれない。

「どれも同じだけ好きな犬です。でも……」

ヤーナは自分の犬たちを振り返る。

尻を突き出し、両手を床についたデイヴィスは犬となった男に股間を舐められながらヤーナを見ようとした。
視線を合わせ、俺を選べと訴える。
仲間の指をくわえこまされ、花を飾られている。
体中に落書きをされ、男に物を舐められ恥辱の限りを尽くされている。

もう限界だ。仲間の誰も失うわけにはいかない。
同じ部屋に王がいる。
剣を帯びた完全武装した騎士達に囲まれ、丸腰だが、デイヴィスは覚悟を決めた。
わずかな隙を作ることができれば、あとは仲間達に託せる。

ヤーナは笑いながら泣いている。
誰のこともわかっていないように、磨いてきた可愛い犬たちのお尻を撫でる。
ヤーナが守ってきた犬たちは全員指がちゃんとそろっている。

鞭もあまり使っていないし、傷だらけの犬もいたが、それはヤーナの犬になるまえに出来た傷だ。きれいに手入れしてきた大切な犬たちなのだ。

だけど、犬もまた王のものだ。
自分を差し出せば、王は怒ってヤーナを斬るだろう。
そういう女は求めていないのだ。
冷酷で残虐な女でなければ生き残れない。

お尻にたくさんの指をくわえこんでいる犬を一頭選んだ。
頭を胸に抱き、愛し気にその背中を撫でる。

「最後に上手に芸を見せてくれる?」

犬はしゃがみこみ、一本ずつ指を落として前進する。
王は笑い、それに従い周囲の騎士達や薬師コーデルも笑った。

尻からひり出された指は縦にきれいに並んでいく。
一本、二本、三本、四本、五本。

犬の死が近づき、その瞬間を楽しもうと王が口を閉ざすと、周囲もやはりそれにならった。
一瞬、広間が静まり返った。

と、その時、甲高い音が床で鳴り響いた。

反射的に、王の視線が動く。

壁際に並ぶ王の騎士達の前で、銀色の何かが固い床を跳ね、回転し始めた。
それは小刻みに震えながら、次第に正体を現していく。

ちゃりんと音を立て、動きを止めたのは一枚の銀貨だった。

なぜ?と王が怪訝な顔をした瞬間もまた、動き出した流れの上にあった。

音によって王の注意が逸れた瞬間、デイヴィスは低い姿勢から強引に体を回転させ、走り出していた。
すぐに洗脳されている騎士がデイヴィスを押さえ込もうと動いたが、その騎士にヤーナの犬たちがおそいかかった。

他の騎士達に押さえ込まれていた虜囚たちも、猛然と立ち上がり戦闘を開始する。
彼らの手には、股間を舐めに来たヤーナの犬たちに渡された短剣やかみそり、ペンまでが握られていた。

重い甲冑を身に着けた騎士達の動きより裸の虜囚たちの方が速かった。
手にした武器で敵を牽制し、あっという間に腰の剣を奪いとる。

背後にいた騎士を殺し、残りの男達もデイヴィスの背中を追いかけた。

しかしその距離は遠かった。
王は余裕の笑みを浮かべ、全裸で突っ込んでくる愚かな男達を眺めた。
銀貨の音で注意が削がれたのは一瞬だ。

その一瞬で武器を奪い、走り出したところで王の周りには大勢の騎士がいる。
五人の裸の戦士とヤーナに躾けられた十匹程度の裸の犬。

完全武装をした王の騎士三十人にはどうやっても敵わない。
服を着ていない遺体は処理が楽で良いと王はのんびりと考える。

壁際に控えていた騎士達が二手にわかれた。
数人が王の前に並び、壁になる。

残りは裸の男達に向かっていく。
激しい戦闘音が広間に響き渡る。

目の前に並んだ騎士達のせいで、王にはその様子を見ることができなかったが、血に染まる騎士達の足は見えていた。

まるで雨でも降っているかのように、視界にある床が全て真っ赤に染まっていく。

悲鳴と怒号が飛び交い、剣が肉を断つ鈍い音が続く。
王は寵姫の一人を盾のように前に抱き上げた。

唐突に、広間に響き渡っていた様々な音がぴたりと止んだ。

「終わったか」

ベメはふとヤーナはどうなっただろうかと考えた。

ヤーナの犬が反抗的な態度をとったことには多少驚いたが、それをヤーナの指示とは思っていなかった。
既にヤーナは狂っている。犬と遊ぶことと王への忠誠心しかその頭には残っていないはずだ。

犬たちの中に良からぬ考えを持った者が混ざっていたのだ。
今度はもっと壊れた犬を与えようとベメは考えた。

沈黙が続く中、ベメの視界を遮っていた騎士達の壁が開いた。
床は赤く染まり、血だまりが沼のように広がっている。

その中央に無残な死体がいくつも転がっている。
満足そうにそれに目を向けたベメは、その違和感に気が付いた。

その転がっている死体は服を着ていたのだ。
それどころか立派な甲冑を身に着けている。

その甲冑に刻まれた王の印が血に濡れている。

「なっ!」

驚いて体を起こしたベメは、突然視界に迫った全裸の男に目を見張った。
男が手にしていたのは短剣ではない。
騎士から奪った長剣だ。

いや、しかしベメの左右には騎士達がいる。
王の忠実な犬たちだ。

「こ、ころせ!」

その命令を遮るように、不気味な声があがった。

「が……があああ……」

王の斜め後ろに控えていた薬師のコーデルの口から大量の血が噴き出した。
その胸からは赤く染まった長剣の先が突き出している。
さっとその剣先が引き抜かれた。

ばたりと音を立ててコーデルが後方に倒れる。
背後から現れたのは長剣を持った、やはり全裸の男だ。

「ど、どういうことだ?な、なぜ、お前達、早く奴らを殺せ!」

青ざめたベメがうわずった声で叫ぶ。
しかし、王の洗脳された騎士達は動かなかった。

黙ってその兜を落とした。
現れた騎士達の素顔は洗脳された人間の顔ではなかった。

その目には強い意思が宿り、表情には王への激しい憎悪がある。
王の忠実な騎士の姿はどこにもない。

その時、裸の男達の背後に唯一の味方が見えた。

「ヤーナ!」

王が叫ぶ。
血だまりの中にヤーナがいた。
全裸で座り込み、血の池に沈む騎士達の死体の指を確認している。

しかしヤーナが剣を取って王を助けに駆け付けてくるということはなかった。
ヤーナは既に壊れてしまっていたのだ。

何が起こったのかわからぬまま、ベメは腰の剣を抜こうとした。

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