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9.リーアンからの頼まれごと
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青く澄み渡る空の下、王宮からの騎士団が到着した。
第三騎士団のユリウスは馬からおりてくると、シーリアの荷物を受け取り、丁寧な口調でシーリア嬢はどこにいるのかと問いかけた。
第五霊薬研究所がヴェイルスのハーレムであることはよく知られている話であり、そこから霊薬師の女性が来るともなればそれは美女だと信じて疑わなかった。
それ故、ヴェイルスの研究棟に相応しくない容姿のシーリアは荷物持ちの召使だと思われたのだ。
一応上質なドレスを着こんでいたが、なにせ顔が地味過ぎてぱっとしなかった。
「シーリアは私です……」
小さな声で答えたシーリアに、ユリウスが慌てて謝罪したが、ヴェイルスが出てきて間違えるのも無理はないと言い放った。
「私の研究棟には美女しかいないとされているのに、お前はそうではないからな。間違われて当然だ」
「なっ!美女とはいきませんが、その、愛らしい顔立ちだと思います」
女性の容姿のことを口にするのは失礼なことではあったが、ユリウスは落ち込むシーリアに気を使って必死に褒めた。どう聞いても美女ではないことのダメ押しといった感じではあったが、シーリアは顔を上げにっこりとした。
「そうですよね。研究棟の皆が私を頑張って飾り付けてくれました。めげずに行きます」
ほっとしたユリウスは、シーリアが馬車に乗り込み扉を閉めると、すぐに隊員全員に、シーリアが第五研究棟内で特別容姿が悪い研究員であり、容姿についてはあまり落ち込ませるようなことを言わないようにと伝達した。
馬車が出発すると、ヴェイルスはその隣に座り込んだシーリアに腕を絡めとられた。
「ヴェイルス様、皆が私をきれいに飾ってくれたのです。どうですか?」
ヴェイルスは窓から外を眺め、大きく欠伸をした。
昨夜はしばらく研究棟を離れるため、美女達と裸でお別れの挨拶をしていたのだ。とにかく寝不足だった。
「良いのではないか?それより俺は寝る。起こすなよ」
シーリアは心得て静かになった。ヴェイルスは安心して眠りについた。
浅くなった眠りの中で、ヴェイルスは馬車が止まっていることに気が付いた。
目を開けると、隣に座っていたはずのシーリアの姿がない。
慌てて馬車の扉を開けると、周囲には騎士団の若き戦士達が馬にのって控えていた。
即座に隣の騎士がヴェイルスに寄ってくる。
「どうされましたか?」
「シーリアがいない。ここはどこだ?なぜ馬車が止まっている?」
「ここはロンダの町です。シーリア様が立ち寄りたい店があるとのことで、ユリウス隊長が付き添って行きました。三名隊員を連れていっておりますから安全です。シーリア様が戻り次第出発します」
途端に、ヴェイルスはシーリアが男娼のリーアンのところへ行きたいと言っていたことを思いだした。ユリウスに規格外の威力を持つ勃起薬のことを知られては厄介だった。
「俺も行く。連れていけ!」
ヴェイルスは馬車から飛び出した。
青の娼館の緋色の部屋にはリーアンとシーリアが机を挟んで座り、その後ろにユリウスが立っていた。
体調は良いか、薬は足りているかなどを確認すると、シーリアはこれから王都に行くのだとリーアンに告げた。
「王都に行かれるのですか……」
どこか懐かしそうに微笑んだリーアンの手をシーリアが両手で握った。
「何か他に出来ることはない?」
リーアンは手元に視線を落とした。シーリアの手が離れるとリーアンの手の上に硬貨の山が築かれていた。細かい物から大きな額のものまで混在している。
リーアンはにっこりと微笑んだ。
「ありがとうございます。本当に助かります」
「それでね、休暇を買って欲しいの。お休み、自分で自分の時間を買えば休めるでしょう?」
はっとしてリーアンはシーリアの笑顔を見返した。
「そうですね。考えたこともありませんでした。そうしてみます」
どうしてもぱっと晴れないリーアンの顔色にシーリアは心配した。
「何か心配なことがあるのではないの?」
リーアンは申し訳なさそうに頷いた。
それは王都に置いてきたリーアンの愛する女性のことだった。
「借金は私が肩代わりしたはずですが、彼女の家は小さな商会で父親が無理な借金をまた重ねているのではないかと心配なのです。その……もし彼女が身を売るようなことになっていたら、その借金を私に回してほしい」
驚愕してシーリアは立ち上がった。
「駄目よ!女性にも辛いことだけど、あなただって辛いはず。これ以上は働けない」
「私は男ですから……耐えればなんとかなります。シーリア様の薬もあります。でも、彼女は子供を身ごもる可能性もある。そうした薬は高価で、この娼館で働く者たちも苦労しています。それに、彼女が他の男の世話をするなど考えられない。守りたいのです。彼女の心を」
シーリアの後ろで鼻すすったのはユリウス隊長だった。
「男娼というのはもっとなよなよとして、正直恥ずべき仕事だと思っていたが、こうした事情で働くものもあるのだな。見事な男ぶりだ」
ユリウスの言葉に恥ずかしそうにリーアンは顔を赤く染めとんでもないと軽く首を振った。シーリアは立ち上がり、リーアンの両肩に手を添えた。
「わかった。王都に行ったら様子を見てくる」
直後に、扉が鳴った。店の者の声だった。
「リーアン、客が来ている。男客だ。急いで部屋を開けろ」
男の客と聞き、リーアンは一瞬苦痛の表情を浮かべた。それでも、ぐっと奥歯を噛みしめ。凛とした声を出した。
「わかりました。すぐに準備します」
シーリアは急いで立ち上がり、椅子とテーブルを片付けるのを手伝った。それから扉を開けて外に出ると、店の者の案内で男が一人あがってきた。
「こちらになります」
にこにこと手を揉んで店の男が上がってくると、その後ろから不機嫌そうな表情の黒髪の美男子が現れた。
「え?!ヴェイルス様?!」
シーリアの声にリーアンも顔を出した。ユリウスが無言で目を見張る。
ヴェイルスは当然客ではないが、リーアンの部屋に連れていけと告げると、勝手に客扱いされてしまったのだ。
ヴェイルスは三人の驚きの表情を階下から見上げ、大きな誤解を生んでいることに気が付いた。
「ち、違うぞ!」
あたふたとヴェイルスが言い訳をし始める前に、リーアンがにこにこと扉を開けた。
「ヴェイルス様でしたか、お世話になっているお礼が出来るなら私もうれしいです」
「外でお待ちしております」
すかさず何も見なかったことにしようとユリウスがシーリアの手を取り逃げるようにそこを通り過ぎようとした。
シーリアはユリウスに手を引かれ、すれ違いざま横目にヴェイルスを睨んだ。
「ヴェイルス様!いくら面食いだからって男性も好きだなんて、私の立場がどんどん低くなるじゃないですか!」
「だ、だから違うと言っている!お前を迎えにきたのだ!」
リーアンがヴェイルスの手を取った。
「大丈夫です。意外と男もいいものだと分かっていただけるように努力しますから」
緋色の部屋の奥へ連れ込まれそうになり、ヴェイルスはその手に銀貨を押し付けた。
「違うと言っている!今夜はシーリアを抱くことになっている。こんなところで出すわけにはいかない!」
うっかり叫んだヴェイルスの言葉にシーリアが飛んで戻ってきた。
「ヴェイルス様!本当ですか!」
シーリアがそのままヴェイルスの腕に抱き着いた。
店の者は混乱したようにこの来客者たちを見比べていたが、金が支払われたというなら言うこともないと下がっていった。
リーアンは少し残念そうに微笑み、ユリウスは本当に違うのだろうかと疑うようにちらりとヴェイルスに視線を向けたが、知らないそぶりを決め店を出た。
誤解が解けたかどうかはわからないが、なんとかヴェイルスは尻を掘ったり掘られることもなく馬車に戻ってきた。
ヴェイルスが一息つく間もなく、シーリアがリーアンからの頼まれごとについて語り始めた。
それは王都に残してきた恋人の様子を見てきて欲しいというものだった。
「王都のカナの木通りにあるレイニン商会という店だそうです。主に糸や反物の扱いをしているのだとか」
車輪の規則正しい音にまた眠気を誘われながら、ヴェイルスは腕の中にシーリアを抱いてその退屈な話に耳を傾けた。
「まさかと思うが、規格外の勃起薬の効果のことを話題に出してユリウスに気づかれるようなことはなかっただろうな?」
はっとしてシーリアはリーアンと話した内容を思い出そうとするようなそぶりを見せたが、恐らく大丈夫だと頷いた。
「大丈夫です。薬が足りているかどうかを尋ねただけです」
「いいか、お前はとにかく変わっているし、いろいろ問題を起こしがちだ。勝手に俺から離れるな」
シーリアが顔を赤くした。
「ヴェイルス様、私の事が心配なのですね」
大きくため息をつくと、ヴェイルスは右手を振って少し離れろとシーリアに合図した。
シーリアは少ししょんぼりしながら窓際に寄り、退屈そうに窓の外を眺めた。
灰色の空の向こうに見えていた山並みは遠ざかり、今度は森が見えてきた。
王都までの旅はまだ始まったばかりだった。
第三騎士団のユリウスは馬からおりてくると、シーリアの荷物を受け取り、丁寧な口調でシーリア嬢はどこにいるのかと問いかけた。
第五霊薬研究所がヴェイルスのハーレムであることはよく知られている話であり、そこから霊薬師の女性が来るともなればそれは美女だと信じて疑わなかった。
それ故、ヴェイルスの研究棟に相応しくない容姿のシーリアは荷物持ちの召使だと思われたのだ。
一応上質なドレスを着こんでいたが、なにせ顔が地味過ぎてぱっとしなかった。
「シーリアは私です……」
小さな声で答えたシーリアに、ユリウスが慌てて謝罪したが、ヴェイルスが出てきて間違えるのも無理はないと言い放った。
「私の研究棟には美女しかいないとされているのに、お前はそうではないからな。間違われて当然だ」
「なっ!美女とはいきませんが、その、愛らしい顔立ちだと思います」
女性の容姿のことを口にするのは失礼なことではあったが、ユリウスは落ち込むシーリアに気を使って必死に褒めた。どう聞いても美女ではないことのダメ押しといった感じではあったが、シーリアは顔を上げにっこりとした。
「そうですよね。研究棟の皆が私を頑張って飾り付けてくれました。めげずに行きます」
ほっとしたユリウスは、シーリアが馬車に乗り込み扉を閉めると、すぐに隊員全員に、シーリアが第五研究棟内で特別容姿が悪い研究員であり、容姿についてはあまり落ち込ませるようなことを言わないようにと伝達した。
馬車が出発すると、ヴェイルスはその隣に座り込んだシーリアに腕を絡めとられた。
「ヴェイルス様、皆が私をきれいに飾ってくれたのです。どうですか?」
ヴェイルスは窓から外を眺め、大きく欠伸をした。
昨夜はしばらく研究棟を離れるため、美女達と裸でお別れの挨拶をしていたのだ。とにかく寝不足だった。
「良いのではないか?それより俺は寝る。起こすなよ」
シーリアは心得て静かになった。ヴェイルスは安心して眠りについた。
浅くなった眠りの中で、ヴェイルスは馬車が止まっていることに気が付いた。
目を開けると、隣に座っていたはずのシーリアの姿がない。
慌てて馬車の扉を開けると、周囲には騎士団の若き戦士達が馬にのって控えていた。
即座に隣の騎士がヴェイルスに寄ってくる。
「どうされましたか?」
「シーリアがいない。ここはどこだ?なぜ馬車が止まっている?」
「ここはロンダの町です。シーリア様が立ち寄りたい店があるとのことで、ユリウス隊長が付き添って行きました。三名隊員を連れていっておりますから安全です。シーリア様が戻り次第出発します」
途端に、ヴェイルスはシーリアが男娼のリーアンのところへ行きたいと言っていたことを思いだした。ユリウスに規格外の威力を持つ勃起薬のことを知られては厄介だった。
「俺も行く。連れていけ!」
ヴェイルスは馬車から飛び出した。
青の娼館の緋色の部屋にはリーアンとシーリアが机を挟んで座り、その後ろにユリウスが立っていた。
体調は良いか、薬は足りているかなどを確認すると、シーリアはこれから王都に行くのだとリーアンに告げた。
「王都に行かれるのですか……」
どこか懐かしそうに微笑んだリーアンの手をシーリアが両手で握った。
「何か他に出来ることはない?」
リーアンは手元に視線を落とした。シーリアの手が離れるとリーアンの手の上に硬貨の山が築かれていた。細かい物から大きな額のものまで混在している。
リーアンはにっこりと微笑んだ。
「ありがとうございます。本当に助かります」
「それでね、休暇を買って欲しいの。お休み、自分で自分の時間を買えば休めるでしょう?」
はっとしてリーアンはシーリアの笑顔を見返した。
「そうですね。考えたこともありませんでした。そうしてみます」
どうしてもぱっと晴れないリーアンの顔色にシーリアは心配した。
「何か心配なことがあるのではないの?」
リーアンは申し訳なさそうに頷いた。
それは王都に置いてきたリーアンの愛する女性のことだった。
「借金は私が肩代わりしたはずですが、彼女の家は小さな商会で父親が無理な借金をまた重ねているのではないかと心配なのです。その……もし彼女が身を売るようなことになっていたら、その借金を私に回してほしい」
驚愕してシーリアは立ち上がった。
「駄目よ!女性にも辛いことだけど、あなただって辛いはず。これ以上は働けない」
「私は男ですから……耐えればなんとかなります。シーリア様の薬もあります。でも、彼女は子供を身ごもる可能性もある。そうした薬は高価で、この娼館で働く者たちも苦労しています。それに、彼女が他の男の世話をするなど考えられない。守りたいのです。彼女の心を」
シーリアの後ろで鼻すすったのはユリウス隊長だった。
「男娼というのはもっとなよなよとして、正直恥ずべき仕事だと思っていたが、こうした事情で働くものもあるのだな。見事な男ぶりだ」
ユリウスの言葉に恥ずかしそうにリーアンは顔を赤く染めとんでもないと軽く首を振った。シーリアは立ち上がり、リーアンの両肩に手を添えた。
「わかった。王都に行ったら様子を見てくる」
直後に、扉が鳴った。店の者の声だった。
「リーアン、客が来ている。男客だ。急いで部屋を開けろ」
男の客と聞き、リーアンは一瞬苦痛の表情を浮かべた。それでも、ぐっと奥歯を噛みしめ。凛とした声を出した。
「わかりました。すぐに準備します」
シーリアは急いで立ち上がり、椅子とテーブルを片付けるのを手伝った。それから扉を開けて外に出ると、店の者の案内で男が一人あがってきた。
「こちらになります」
にこにこと手を揉んで店の男が上がってくると、その後ろから不機嫌そうな表情の黒髪の美男子が現れた。
「え?!ヴェイルス様?!」
シーリアの声にリーアンも顔を出した。ユリウスが無言で目を見張る。
ヴェイルスは当然客ではないが、リーアンの部屋に連れていけと告げると、勝手に客扱いされてしまったのだ。
ヴェイルスは三人の驚きの表情を階下から見上げ、大きな誤解を生んでいることに気が付いた。
「ち、違うぞ!」
あたふたとヴェイルスが言い訳をし始める前に、リーアンがにこにこと扉を開けた。
「ヴェイルス様でしたか、お世話になっているお礼が出来るなら私もうれしいです」
「外でお待ちしております」
すかさず何も見なかったことにしようとユリウスがシーリアの手を取り逃げるようにそこを通り過ぎようとした。
シーリアはユリウスに手を引かれ、すれ違いざま横目にヴェイルスを睨んだ。
「ヴェイルス様!いくら面食いだからって男性も好きだなんて、私の立場がどんどん低くなるじゃないですか!」
「だ、だから違うと言っている!お前を迎えにきたのだ!」
リーアンがヴェイルスの手を取った。
「大丈夫です。意外と男もいいものだと分かっていただけるように努力しますから」
緋色の部屋の奥へ連れ込まれそうになり、ヴェイルスはその手に銀貨を押し付けた。
「違うと言っている!今夜はシーリアを抱くことになっている。こんなところで出すわけにはいかない!」
うっかり叫んだヴェイルスの言葉にシーリアが飛んで戻ってきた。
「ヴェイルス様!本当ですか!」
シーリアがそのままヴェイルスの腕に抱き着いた。
店の者は混乱したようにこの来客者たちを見比べていたが、金が支払われたというなら言うこともないと下がっていった。
リーアンは少し残念そうに微笑み、ユリウスは本当に違うのだろうかと疑うようにちらりとヴェイルスに視線を向けたが、知らないそぶりを決め店を出た。
誤解が解けたかどうかはわからないが、なんとかヴェイルスは尻を掘ったり掘られることもなく馬車に戻ってきた。
ヴェイルスが一息つく間もなく、シーリアがリーアンからの頼まれごとについて語り始めた。
それは王都に残してきた恋人の様子を見てきて欲しいというものだった。
「王都のカナの木通りにあるレイニン商会という店だそうです。主に糸や反物の扱いをしているのだとか」
車輪の規則正しい音にまた眠気を誘われながら、ヴェイルスは腕の中にシーリアを抱いてその退屈な話に耳を傾けた。
「まさかと思うが、規格外の勃起薬の効果のことを話題に出してユリウスに気づかれるようなことはなかっただろうな?」
はっとしてシーリアはリーアンと話した内容を思い出そうとするようなそぶりを見せたが、恐らく大丈夫だと頷いた。
「大丈夫です。薬が足りているかどうかを尋ねただけです」
「いいか、お前はとにかく変わっているし、いろいろ問題を起こしがちだ。勝手に俺から離れるな」
シーリアが顔を赤くした。
「ヴェイルス様、私の事が心配なのですね」
大きくため息をつくと、ヴェイルスは右手を振って少し離れろとシーリアに合図した。
シーリアは少ししょんぼりしながら窓際に寄り、退屈そうに窓の外を眺めた。
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