【完結】淫魔属性の魔族の王子は逃亡奴隷をペットにする 〜ペットが勇者になって復讐にきた〜

鳥見 ねこ

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6章 再生

49.【逆流】sideレオン *

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 ラシャはレオンの腰にまたがったまま、笑って首をかしげた。

「レオンが目を覚さないから、仕方なく?」
「はは!酷いゴシュジンサマだな」

 レオンの上に乗ったまま、ラシャが顔を近づけてくる。いつものキスだろうとそのまま受け入れると、いつもとは違った。
 ラシャから甘いものが流れ込んでくる。

「ん……? 今は満月なのか?」
「どうして?」
「ラシャのキスが甘い。催淫が出ているみたいに。でもラシャは平気そうだな」

 そう言いながらも、窓から差し込む光は明るく昼間のようだった。満月は夜しか出ない。
 ラシャは困ったように眉を寄せた。

「満月ではないよ。今は催淫もしてないし……ちょっと違うと思うけどな~。もう1回キスしてみる?」

 言われた通りに、もう一度ラシャの頭を引き寄せて、舌を絡めた。
 甘いラシャの舌を味わううちに、ちょっと違うと言う意味がわかってきた。
 満月の夜のラシャは、体液の甘さに引き寄せられて異常な性欲に体が操られる。

 今は、舌を通じてラシャから甘い力が流れ込み、体の気力が湧いてくるようだった。
 ただ、違いはわかっても、美味しくて離れがたいことに変わりはない。レオンは長くラシャとキスを続けた。
 疲れたのか、息を荒げたラシャが身を起こして離れた。

「はぁ……わかった?」
「あぁ、なんとなく。でもこれ、キスだけじゃもの足りないんだけど」

 ラシャのキスを味わっているうちに腰が疼きだし、ラシャの中に収まったモノの硬度がましていた。
 ラシャの尻を撫でると、ラシャの顔が赤く染まる。

 ラシャは少し困った顔をしたが、レオンにまたがるために下だけ脱いでいたラシャは、そのまま上の服も脱いでくれた。
 オッケーということだと判断する。

 全身を晒したラシャの体は少し痩せたように見えたが、怪我などの気になる点はない。逆に顔の包帯は幾重にも巻かれて異様さを際立たせていた。
 白い肌を赤く染めたラシャは艶っぽく、いつにも増して綺麗に見えた。
 気になることは多いが、レオンはそのラシャに性欲を覚えるほうが先で、疼く腰を下から動かした。

「アッ……」

 レオンの動きに促されて、ラシャもレオンの腕に支えられながら腰を上下させた。
 いつから入っていたのかわからないが、既に柔らかくなっていたラシャの蕾は湿った音をたてながらレオンのモノを柔らかく包んでいた。
 ラシャが動くと繋がった場所からレオンに甘いものがジワジワ滲んでくる。

「はぁ……はぁ……ンッ!」

 少しずつ早く動き出したラシャは、顔を快感に歪ませながら達して、レオンの腹に蜜を落とした。
 そのとたん、ドッとレオンに甘い力が流れ込んできた。その快感に腰がびくつき、レオンも達していた。

 ドクッドクッとレオンのモノをラシャの中に注ぎ込む。ラシャは息を荒げて蒸気した顔でレオンを見下ろした。
 ただ、何度もしているこの行為に、いつもと違う違和感が残る。

(この甘いものはなんだ?)

 でも、レオンはそれを聞くのが恐ろしく感じた。怖いもの知らずのレオンとは思えないほどに、心を冷たいものが通り抜けて震える。

「ラシャ」

 まだ動かしにくい体を動かして、レオンはラシャを体の下に組み敷く。
 ラシャの頬に指で触れるとピクッと震えた。
 長い伏し目がちのまつ毛の下で、ラシャの金色の目が蜂蜜のようにとろけてみえる。もう片方の目が包帯に隠れたままなのが惜しい。

 目元にキスを何度もすると、ラシャがくすぐったそうに笑った。
 それにすこしホッとする。
 このおかしな感覚は、寝起きだからかもしれない。それか、ラシャの体調の問題かも。

「レオン、もっとして」

 ラシャが赤くなりながら首に腕を回してくる。
 レオンはラシャの目元にキスを落としながら、ラシャの胸に触れる。

「あっ……」

 胸をもみ、その中心の尖をはじくとラシャが声を上げる。乳輪をたどるようになで、ツンと立つ乳首を何度もはじくと、そのたびにラシャは身をよじらせて感じていた。
 そこを口に含むと、固く芯のある乳首を舐め上げる。

「あぅ……」

 唾液をからめて吸うと、ラシャの体に力が入る。音をたてながら舐めていると、だんだんラシャの痙攣が頻繁になってきて、声も抑えられなくなるようだった。

「あ……ぁんっ」

 乳首を吸ったり舌で転がしたりしながらラシャの下に手を伸ばすと、ラシャのモノから溢れた蜜が、ラシャの尻の方へ垂れて濡れていた。
 それをラシャ自身に塗りつけながら、トロトロになったモノを抜く。
 ラシャは大きく震えてまた蜜を滴らせると、ベッド に横になり弛緩した。

「あ……はぁ……はぁ」

 さっきよりも火照って赤くなった体はしっとり汗ばみ、レオンの手に吸い付くように馴染む。

「レオン……後ろにもして」
「でも、後ろは……」

 さっきの多幸感がよぎり、その快感にレオンの股間はラシャが欲しいと疼く。

「いいから、してよ」

 ラシャが自分の足を持ち上げ、後ろの蕾を見せた。ラシャとレオンのモノで濡れたソコは、物欲しげにひくついている。

「ん……ここも欲しがってる」

 ラシャの指がクプと埋まった。溢れ出た蜜を絡めながらそこに飲み込まれていく指の卑猥さに、レオンの股間のモノも勢いを増す。
 ラシャの指を抜くと、レオン自身のものをそこに埋めた。
 グッと腰を押しつけて埋め込んでいくと、ラシャが白い喉を晒して喘ぐ。

「あ、あ……~~ッ」

 レオンはラシャの脚を抱え、激しく腰を振った。ラシャの蕾から流れ出たものがその勢いに泡立って流れ落ちていく。
 ラシャはシーツを握りしめてレオンの激しさに耐えながら、息を途切れさせていた。
 レオンの快感が増していき、震えたとたん、レオンの先からラシャの中へ流れ込む。
 ラシャも体を震わせながら前から蜜を流した。

 そしてやはり、ラシャからドッと流れ込んできた甘いものが体を巡り、多幸感へつながる。
 怖い……でも欲しい。
 なぜこんなに矛盾した感覚に翻弄されるのか。
 レオンはラシャから自身を引き抜くと、ラシャの横に横たわる。ラシャの体を引き寄せて抱きしめた。

「ラシャ……俺が寝てるあいだもそばにいてくれたのか?」
「あぁ、レオンは長いこと寝ていたんだ。でもペットの世話は主人の権利だから。レオンは気にしなくていい」

 ラシャはレオンの前髪を後ろにかきあげた。
 その手つきで気づいたが、記憶にあるよりもレオンの前髪が伸びていた。よほど長く寝ていたのかもしれない。

「ありがとう。こんどこそ死んだかと思った。またラシャが手を回して助けてくれたんだろ?」
「ふふ、いいんだ。俺もレオンにはよく助けられていたから」
「そうか……そうだな。これからも、あんたのそばで守るよ」

 ラシャは困った顔でレオンの頬をつまんだ。

「どちらかというと、守られてばかりな気がする。情けないな」

 ラシャの手がレオンの額に触れる。
 疲労が溜まっているのか、レオンを強い眠気が襲ってきた。瞼が落ちそうになる。

「レオンはもう俺を守る必要はない。……ペット契約は解消だよ」
「な、に……?」

 強い眠気で頭が鈍い。

「もう、わかっているだろ? 俺はレオンから精気が取れなくなった。むしろ俺の精気をレオンに取られてしまう。それは契約違反だ」
「じょう…だん……」

 レオンはそう笑おうとしたが、笑顔が引きつった。

「レオン、今までありがとう」

 ラシャに額にキスされたのを最後に、必死に抵抗しても抗えず、レオンの意識がプツリと途切れた。
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