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2章 王子とペット

11.【満月】(2) sideレオン *

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「あ……レオ……ッ……おねが…ぃ」

 押し付けられた腰を掴むと、またラシャが震える。
 寝巻きの下を脱がせると、とろとろに濡れそぼったラシャのモノがあった。

 感じているにしてはぐったりと力なく横たわっているが、その先からはトロトロと蜜を流していた。
 その蜜を絡めてそこを指で弄ると、ラシャは気持ちよさそうに体をビクビクと震わせる。

 これだけ感じていて立っていないのも不思議だが、レオンはそこには頓着せず、蜜を絞るように緩く抜いた。
 抜いている指に蜜が絡みつき、ポトポトと溢れてシーツを濡らす。
 蜜で濡れた手を舐めると、やはりこれも甘い。

「も……」

 荒い息を吐くラシャが、蜂蜜のように甘く潤んだ金色の目でレオンを見上げた。

「……もっと」

 レオンはねだられるままに、ラシャのそこを可愛がるために舌を這わせる。
 そこを指でいじりながら、トロトロと流れ落ちる蜜を舐めることに抵抗はなかった。

 レオンは甘くぼんやりする思考のまま、ラシャの太ももに側頭をのせ、目の前にあるそれを舐めたり咥えたりといじった。
 舐めながら腕を伸ばして乳首もいじると、またラシャはビクンと体を震わせながら蜜をこぼした。

「ふ……ぅあッン」

 レオンの体は熱くなり服を脱ぐが、それでも頭は甘い快感でぼんやりと霞みがかっていた。
 ラシャも色白の裸体が赤く染まり、シーツを汗と蜜で湿らせていた。

 レオンの股間のものは早々に立ち上がり、先走りで濡れている。
 レオンのそれをラシャの内腿に擦り付けて少しの快感を得ながら、ラシャの口にかみつき舌を絡める。
 音を立てながら舌を絡ませて味わい、顔を離すとラシャの快感に濡れた目と見つめあった。

「……レオンのが……ほしい……」

 レオンに男との経験はないが、知識はあった。そして快感で緩んだ思考の今、そこに触ることに抵抗はなかった。
 ラシャが自ら足を持ち上げて開くと、ラシャの後ろの蕾が前から伝い落ちた蜜でトロトロに濡れている。
 いや、レオンが触ると吸い付くようにクプクプと開き、そこからも蜜をこぼしていた。

「あぁ……あ! あぅ………………」

 ヌルヌルとレオンの指を受け入れる蕾に、レオンは指を引き抜き、股間のものの先端を押し付ける。
 ツプリと簡単に先端が埋まり、それだけでレオンに快感が生まれる。
 迎えられるままに奥まで押し込むと、ラシャの嬌声と共にそこをぎゅうと締め付けられた。

「ッあぁ……!」

 ギリギリまで抜いてまた奥に突き刺すと、ラシャは快感に顔を歪めながら涙をこぼした。
 ゆっくり何度も腰を揺らすうちに、ラシャは耐えきれないように身悶えた。

「はぁっ! ……きもちい……もッ…と……はげしくして……ッん」

 その言葉にレオンは喉を鳴らした。
 激しく打ちつけると、ラシャはレオンの腰に足を巻き、もっととねだるように体を揺らす。

「あ!…ん!…ぁあぁ!ーーッあ…ン!」

 肉のぶつかる音と粘液のかき混ぜられる音のリズムが早くなり、ラシャの嬌声も切れ切れに上がる。
 パサパサとシーツを打つラシャの黒髪が綺麗で、蜂蜜のように甘い金色の目は色っぽい。
 レオンにしがみつく足と腕はしっとりしていて気持ちよく、ほんのり赤く染まる肌は扇情的だ。

「あ…あん!……レオッ!~~~ッンゥ!」

 快感が高まり、レオンが中に精液を注ぎ込んだ。ラシャの中はそれを搾り取るようにギュウギュウと絞まる。

「は……あぁ………ァ…」

 ラシャに締められる快感に、レオンは最後まで注ぎ込むように腰を動かした。
 ラシャは気持ちよさそうな甘い息を吐き、締まりのない口からは唾液が伝う。

 レオンは射精の快感に蒸気した頭のまま、吸い寄せられるようにラシャの唾液を舐め、その唇にまた舌入れてかき混ぜた。
 ラシャもレオンの首に手を回し、優しく髪を撫でながら舌を絡める。
 ラシャの甘い舌を吸ううちに、またレオンのものが力を増す。

「…ン……もっと……ほし……ぃ」

 ラシャの声に煽られるように、それを再び打ち込むと、また気持ちの良さそうなラシャの嬌声が上がった。

「ひぁ……ッ!」

 レオンは月が沈むまでその甘い汁を啜った。




「ごめん! 本当にごめん!!」

 普段は体力の有り余るレオンだが、流石にぐったりとしながら湿り気のあるベッドに横たわっていた。
 甘い匂いに侵された思考は消えたが、疲労で今度はどんよりと思考が重かった。
 昨夜の狂気的な行為は覚えている、が……疲れて何も考えられない。

「レオンは性奴隷でもないし、あんなことする気はなかっただろ? 全部俺が悪い……俺が誘ってしまった。……でも俺も、満月の夜は淫魔の血が暴走して催淫の能力の抑えが効かなくなるんだ! …………俺もキミも不可抗力だった、ということで忘れてくれ!」

 残念ながら、思考は重いのに、記憶ははっきりくっきり残っていた。
 それも中毒になりそうなほどの快感の夜だったと。

「これからは満月の夜には近寄らないで欲しい……! ……うああぁー!! ペットにあんなプレイをさせるなんて……ッ! 自己嫌悪だ!!」

 ブルブル震えながらシーツに顔を埋めているラシャの向こうに、この元凶が顔をのぞかせた。

「わ~~! 酷い有り様だね! シャワーくらい浴びたら?」
「フェルディナン! なんでこんなことをしたんだ! ちゃんとペットは預かるはずだったろ?!」
「だって面倒だよ~~。近くにいる相手に隠れてずっと耐える気だったの? 手近の相手で性欲処理するのが合理的でしょ」
「ロマンチックゼロ! この合理主義者め!」

 ラシャの怒りの枕がフェルディナンに飛んだが、当人は難なく枕をキャッチする。

「愛玩犬がバター犬に昇格したね」
「降格だ! ばかっ」

 しばらくラシャとレオンの関係がギクシャクした。
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