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10章 崩壊と再生(最終章)
66.ただのカマ野郎ですけどぉ
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部屋に入ってきた男は5人。こっちは2人。人数差は大きい。
ただ、ここはそれなりに広い部屋だけど、武器を振り回して5人で襲い掛かるには狭い。順番に1人2人を相手取るなら俺と向こうの技量差次第では何とかなるだろう。
ただこっちに武器がないのがとっても痛いけど。
それでもこんな状況でパニックにならないウォーレンが後ろに控えているのは心強い。
さすが、元冒険者だけある。
「えーと、戦力確認として聞くんだけど、白魔法士ってのは何ができるんだ? 前に気絶させる魔法があるって聞いた気がするんだけど」
「こういう場面で使うには不向きだな。あの時は気絶とは言ったが、実際には神の力を借りる大規模攻撃魔法だから、下手すると店ごと吹き飛ぶレベルで制御が効かない。他に私が使える攻撃魔法は死霊モンスターにしか効果がない。それと回復魔法、補助魔法が少し使える」
「店ごと吹き飛ばすのは最終手段でお願いします」
「あぁ、補助魔法でサポートしよう」
スッと背後の空気が動いた気配がした。とたんに、体が軽くなる。ウォーレンの魔法による身体強化のバフかな。
剣を構える5人の男のうち、一番後ろの男は明らかに毛色が違う。フードを目深に被っていて人相は見えないけどそれでもわかる気配。
階下の男達もこの部屋に乱入してきた他の4人の男達も立ち振る舞いが粗暴で荒削りな無頼漢といったところだ。
なのにその男は動きに隙がないし、前の男達を盾にした位置取りで身を守っている節がある。
つまりあれがリーダーの可能性大ってことだ。
「ははっ! 後ろのおにーさん? あんたがこいつらのボスか? ならあんたらに勝ち目はないからサッサと引いてくんないかな?」
8割デタラメだけど、ビビってくれたら御の字だ。ただ、騎士の俺ならともかく、無手の半裸男じゃ信憑性がなさすぎだった。
あっさりリーダー格の男に嘲笑された。
でもなんだ? その声に聞き覚えがあるような。
「馬鹿な。そんな格好で大口を叩けるとは肝が座った奴だな。おまえが後ろの男を置いてバルコニーから飛び降りるなら見逃してやる」
「ははは~! それはできない相談だったな。こちらさまはお客さまで神さまだぞ!」
お客様は神さまだってセリフ、知ってるだろ?
「それなら後ろの男の添え物としてまとめて串刺しだ。神官長と男娼の串刺しを城門に飾ってやったらさぞ世を騒がす醜聞になるだろうな」
こいつ、神官長って呼んだな。
ウォーレンの素性もばっちりわかった上での襲撃な訳だ?
ってかこの声、やっぱり聞き覚えがあるな~。
「ウォーレンの知り合いか? やけに恨まれてるぞ」
「………………義弟、だな」
義弟ってのは役人の方の義弟グレンか。言われてみれば、フードから覗く口元のホクロに見覚えがある。
なるほど、孤児を奴隷として他国に売っていたバシリオ神官と共謀していた義弟が、事件発覚の逆恨みで以前から嫌いだった義兄を襲撃、というところか。
杜撰な計画すぎて呆れるぜ。
「やれ! 下賤な男娼を切り刻め!」
その声を合図に敵の2人が剣先を向けて近寄ってくる。防御する術を持たないと思い込んでいるその油断に付け入る隙がある。
俺は手近の椅子を持ち上げ先制した。
椅子を横ざまにぶつけてひとりの剣先を逸らして懐に入ると、その腕を捻り上げもうひとりへ体ごとぶつけた。
「ぐあッ!」
もんどり打って倒れた2人の剣を奪う。その2本の剣で床に倒れた2人のとどめをさした。
そのまま1本の剣を翻して立ち上がり、敵3人への牽制に構えた。
「な……ッ! このカマ野郎が……ッ!」
「あらたーいへん、まだあと3人もいるのねぇ」
俺を見る襲撃者の顔色が変わっている。思わぬ伏兵の存在にようやく気づいたらしい。
もっと油断してくれたほうがこっちはやりやすいんだけどな?
「あらぁ? 顔色が悪いわよぉ? 最近の男娼は色々な心得があるって知らないのかしらん?」
「ク……ッ! 慎重にいけッ! 軽口に惑わされるな!」
口調でさらにからかったけど、今度は安易に突っ込んでこない。
さすがにそこまでバカじゃないか。
残りの無頼漢は俺に剣を向けながらジワジワと左右に別れた。左右から挟み撃ちにするつもりなのが見え見えだ。
でも俺がその想定通りに動く義理はない。挟み撃ちにされるまで待つ義理もは。尻込みして動きが遅いうちに、こっちが先に動けば虚をつける。
「ハッ!」
片方の間合いに素早く入り、その剣先をはじいて連撃を浴びせた。はじかれた剣を戻す間も無く、目の前の男は体に剣を浴びた。
「がぁぁッ!」
もう1人の男は俺の後ろに周り、死角から剣を振り下ろしてくる。
ただ、素人くさい足音だけで見なくても位置は丸わかりだ。
男の振り下ろした剣を横にかわして、振り向きざま横薙ぎに剣をふるうと、剣に弾かれて男はあっさり手の中の武器を手放した。
武器を無くした男に俺が負けるはずがない。容赦なく剣を向けて床に沈めた。
「な……こんな……ッ?!」
「いい線いってたんだけどなぁ。こんなショーパブの襲撃だから、適当な荒くれ者を雇ったんだろ? 俺が出勤日じゃなかったらさ、いい線いってたのになぁ?」
「貴様ッ! 何者だ?!」
「何者って、ただのカマ野郎ですけどぉ?」
おちゃらけてからかってやると、フードから見える口元を怒りに噛み締めていた。
「きさま……やはり兄上の策略で潜入しているスパイか! ただの男娼がこれほどの手練れなはずがないッ! ずっと顔を隠しているのも怪しかったんだ!」
当たらずとも遠からず。協力者ではあるけど、スパイではないんだけどな。
「んえ? まさか俺も恨まれてる? そんで俺とウォーレンがいる時にショーパブへ襲撃しにきたわけ?」
「俺をこけにしたんだ! 許せるはずがないッ!」
いやいや、逆恨みでしょ。
後ろから呆れたようなため息が聞こえた。
「グレン、いい加減にしろ。こんなことをしてどうなる? おまえは父上の庇い立てのおかげで、不正をもみ消してもらい、領地に戻る。これによっておまえの名誉が著しく損なわれることもないだろう。妥当どころかおまえに優しすぎる処分だと思うが?」
ウォーレンの言葉に正体がバレていると悟ったのか、リーダー格の男がフードを脱いだ。 その下は思った通り、端正なイケメンだ。でも、その表情は前に王宮で見た時の貴公子っぷりからは想像できないほど歪んでいた。
ただ、ここはそれなりに広い部屋だけど、武器を振り回して5人で襲い掛かるには狭い。順番に1人2人を相手取るなら俺と向こうの技量差次第では何とかなるだろう。
ただこっちに武器がないのがとっても痛いけど。
それでもこんな状況でパニックにならないウォーレンが後ろに控えているのは心強い。
さすが、元冒険者だけある。
「えーと、戦力確認として聞くんだけど、白魔法士ってのは何ができるんだ? 前に気絶させる魔法があるって聞いた気がするんだけど」
「こういう場面で使うには不向きだな。あの時は気絶とは言ったが、実際には神の力を借りる大規模攻撃魔法だから、下手すると店ごと吹き飛ぶレベルで制御が効かない。他に私が使える攻撃魔法は死霊モンスターにしか効果がない。それと回復魔法、補助魔法が少し使える」
「店ごと吹き飛ばすのは最終手段でお願いします」
「あぁ、補助魔法でサポートしよう」
スッと背後の空気が動いた気配がした。とたんに、体が軽くなる。ウォーレンの魔法による身体強化のバフかな。
剣を構える5人の男のうち、一番後ろの男は明らかに毛色が違う。フードを目深に被っていて人相は見えないけどそれでもわかる気配。
階下の男達もこの部屋に乱入してきた他の4人の男達も立ち振る舞いが粗暴で荒削りな無頼漢といったところだ。
なのにその男は動きに隙がないし、前の男達を盾にした位置取りで身を守っている節がある。
つまりあれがリーダーの可能性大ってことだ。
「ははっ! 後ろのおにーさん? あんたがこいつらのボスか? ならあんたらに勝ち目はないからサッサと引いてくんないかな?」
8割デタラメだけど、ビビってくれたら御の字だ。ただ、騎士の俺ならともかく、無手の半裸男じゃ信憑性がなさすぎだった。
あっさりリーダー格の男に嘲笑された。
でもなんだ? その声に聞き覚えがあるような。
「馬鹿な。そんな格好で大口を叩けるとは肝が座った奴だな。おまえが後ろの男を置いてバルコニーから飛び降りるなら見逃してやる」
「ははは~! それはできない相談だったな。こちらさまはお客さまで神さまだぞ!」
お客様は神さまだってセリフ、知ってるだろ?
「それなら後ろの男の添え物としてまとめて串刺しだ。神官長と男娼の串刺しを城門に飾ってやったらさぞ世を騒がす醜聞になるだろうな」
こいつ、神官長って呼んだな。
ウォーレンの素性もばっちりわかった上での襲撃な訳だ?
ってかこの声、やっぱり聞き覚えがあるな~。
「ウォーレンの知り合いか? やけに恨まれてるぞ」
「………………義弟、だな」
義弟ってのは役人の方の義弟グレンか。言われてみれば、フードから覗く口元のホクロに見覚えがある。
なるほど、孤児を奴隷として他国に売っていたバシリオ神官と共謀していた義弟が、事件発覚の逆恨みで以前から嫌いだった義兄を襲撃、というところか。
杜撰な計画すぎて呆れるぜ。
「やれ! 下賤な男娼を切り刻め!」
その声を合図に敵の2人が剣先を向けて近寄ってくる。防御する術を持たないと思い込んでいるその油断に付け入る隙がある。
俺は手近の椅子を持ち上げ先制した。
椅子を横ざまにぶつけてひとりの剣先を逸らして懐に入ると、その腕を捻り上げもうひとりへ体ごとぶつけた。
「ぐあッ!」
もんどり打って倒れた2人の剣を奪う。その2本の剣で床に倒れた2人のとどめをさした。
そのまま1本の剣を翻して立ち上がり、敵3人への牽制に構えた。
「な……ッ! このカマ野郎が……ッ!」
「あらたーいへん、まだあと3人もいるのねぇ」
俺を見る襲撃者の顔色が変わっている。思わぬ伏兵の存在にようやく気づいたらしい。
もっと油断してくれたほうがこっちはやりやすいんだけどな?
「あらぁ? 顔色が悪いわよぉ? 最近の男娼は色々な心得があるって知らないのかしらん?」
「ク……ッ! 慎重にいけッ! 軽口に惑わされるな!」
口調でさらにからかったけど、今度は安易に突っ込んでこない。
さすがにそこまでバカじゃないか。
残りの無頼漢は俺に剣を向けながらジワジワと左右に別れた。左右から挟み撃ちにするつもりなのが見え見えだ。
でも俺がその想定通りに動く義理はない。挟み撃ちにされるまで待つ義理もは。尻込みして動きが遅いうちに、こっちが先に動けば虚をつける。
「ハッ!」
片方の間合いに素早く入り、その剣先をはじいて連撃を浴びせた。はじかれた剣を戻す間も無く、目の前の男は体に剣を浴びた。
「がぁぁッ!」
もう1人の男は俺の後ろに周り、死角から剣を振り下ろしてくる。
ただ、素人くさい足音だけで見なくても位置は丸わかりだ。
男の振り下ろした剣を横にかわして、振り向きざま横薙ぎに剣をふるうと、剣に弾かれて男はあっさり手の中の武器を手放した。
武器を無くした男に俺が負けるはずがない。容赦なく剣を向けて床に沈めた。
「な……こんな……ッ?!」
「いい線いってたんだけどなぁ。こんなショーパブの襲撃だから、適当な荒くれ者を雇ったんだろ? 俺が出勤日じゃなかったらさ、いい線いってたのになぁ?」
「貴様ッ! 何者だ?!」
「何者って、ただのカマ野郎ですけどぉ?」
おちゃらけてからかってやると、フードから見える口元を怒りに噛み締めていた。
「きさま……やはり兄上の策略で潜入しているスパイか! ただの男娼がこれほどの手練れなはずがないッ! ずっと顔を隠しているのも怪しかったんだ!」
当たらずとも遠からず。協力者ではあるけど、スパイではないんだけどな。
「んえ? まさか俺も恨まれてる? そんで俺とウォーレンがいる時にショーパブへ襲撃しにきたわけ?」
「俺をこけにしたんだ! 許せるはずがないッ!」
いやいや、逆恨みでしょ。
後ろから呆れたようなため息が聞こえた。
「グレン、いい加減にしろ。こんなことをしてどうなる? おまえは父上の庇い立てのおかげで、不正をもみ消してもらい、領地に戻る。これによっておまえの名誉が著しく損なわれることもないだろう。妥当どころかおまえに優しすぎる処分だと思うが?」
ウォーレンの言葉に正体がバレていると悟ったのか、リーダー格の男がフードを脱いだ。 その下は思った通り、端正なイケメンだ。でも、その表情は前に王宮で見た時の貴公子っぷりからは想像できないほど歪んでいた。
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