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7章 暗躍ランス
44.俺の推しカプ
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ベッドの上で疲れた体を伸ばすと、ウォーレンにぎゅっと抱きしめられた。
ウォーレンの髪が顔に当たってくすぐったい。
抱きついたまま俺の胸に頰をひっつけているウォーレンはあまり見たことのない姿だ。
義弟が不正の片棒を担いでいたことで心に傷を負った姿に見えて、慰めてやりたくなる。
俺、もしかしてママみがあるほうなのか?
ただ、義弟の件は知らない前提なんだから、よけいな慰めはできない。言葉をかけられない分、ウォーレンの髪を優しく撫でてやった。
「ウォーレンには愛人とか稚児とかいるのか? 聖職者っていっても、そういうのは許されてるんだろ」
「そういう話を聞かないわけではないが、私には必要ないな」
「そうか? なんか色々と抱えすぎてるように見えるけど。グチったり慰められたりとかできる相手は必要じゃないか?」
「……私にとってはあなたがそうだな」
て、照れるぜ~。
やっぱり店の男娼と客って関係だ。そこには相手に話せない一線があるのは当然だ。
クラレンスは知っていても、ランスが知らないことだって色々とある。
不正をしている義弟がいるとか、義家族とめちゃくちゃ険悪とかについてはウォーレンがランスに話すことはないだろう。
「それは光栄だけど……それじゃ気になる相手とかは? 俺以外でね」
ウォーレンが押し黙った。そんなに考えないとならないほど、思い当たる相手がいないのか?
神官長付き副官の名前すらも、すぐに出なかったのは嬉しい誤算だけど。
「……そうだな、最近、よく顔を合わせる男が……悪戯してきて困っている。女好きらしいが、女がいない職場だから私に構ってくるんだろうか、とか考えてしまうのは、彼に惑わされているんだろうか」
ムズムズしてきた。なんか身に覚えのある話だな。
「へ、へぇ~~~、悪戯ってどんな?」
「……2人きりになると体を触られたりとか」
「なるほど、気持ちはわかる。俺も今、触って悪戯したくなってきた」
「おい、まてっ」
慌てて身を離そうとするウォーレンに襲いかかってくすぐると、すぐに笑い声が漏れた。
脇腹の大きな傷にキスをすると、また笑いが漏れてウォーレンの腹が引きつった。
「そこ、すっかりくすぐったくなってしまった」
脇腹を舐めたりキスしたりしていじめていると、ウォーレンに顎を持ち上げられてキスされた。
「今はこっちにほしい」
「りょーかい」
濃厚に、心まで繋がりそうなキスをした。
「……そういえば、彼はあなたに声が似ている」
正解でーーーす! それは俺でーーーす!! とは言えない! もどかしい!
「だから、どこか惹かれている気持ちがあるのかもしれない。あなたに不誠実だろうか」
「店を出れば俺とは関係ないんだから、好きにすればいいさ」
不誠実? 全然、そんなことありません! そっちも俺だからね!!
クラレンスの時は、状況と欲望に動かされるままに動いていた。それが神官長を惑わせる結果になっていたとは。
セクシーダンサーのランスとの関係は監視が終われば切れるんだ。
それなら、もっと騎士のクラレンスが頑張ればいいんじゃね?
ウォーレンが俺の唇を撫でる。その指の滑らかさにゾクゾクする。
「そういえば、その騎士に従兄弟がいるそうなんだが……もしやあなたなんだろうか」
「お客様、キャストの個人情報は明かせません」
ウォーレンは目を丸くした後、少し笑った。
「そうか、それは失礼した」
だいたい、このお綺麗な神官長とセクシーダンサーの組み合わせなんて月にすっぽんすぎる。
やっぱり、お相手には騎士のクラレンスがふさわしい……よな?
ウォーレン×クラレンスで押しカプしていけばいいよな?
ウォーレンの髪が顔に当たってくすぐったい。
抱きついたまま俺の胸に頰をひっつけているウォーレンはあまり見たことのない姿だ。
義弟が不正の片棒を担いでいたことで心に傷を負った姿に見えて、慰めてやりたくなる。
俺、もしかしてママみがあるほうなのか?
ただ、義弟の件は知らない前提なんだから、よけいな慰めはできない。言葉をかけられない分、ウォーレンの髪を優しく撫でてやった。
「ウォーレンには愛人とか稚児とかいるのか? 聖職者っていっても、そういうのは許されてるんだろ」
「そういう話を聞かないわけではないが、私には必要ないな」
「そうか? なんか色々と抱えすぎてるように見えるけど。グチったり慰められたりとかできる相手は必要じゃないか?」
「……私にとってはあなたがそうだな」
て、照れるぜ~。
やっぱり店の男娼と客って関係だ。そこには相手に話せない一線があるのは当然だ。
クラレンスは知っていても、ランスが知らないことだって色々とある。
不正をしている義弟がいるとか、義家族とめちゃくちゃ険悪とかについてはウォーレンがランスに話すことはないだろう。
「それは光栄だけど……それじゃ気になる相手とかは? 俺以外でね」
ウォーレンが押し黙った。そんなに考えないとならないほど、思い当たる相手がいないのか?
神官長付き副官の名前すらも、すぐに出なかったのは嬉しい誤算だけど。
「……そうだな、最近、よく顔を合わせる男が……悪戯してきて困っている。女好きらしいが、女がいない職場だから私に構ってくるんだろうか、とか考えてしまうのは、彼に惑わされているんだろうか」
ムズムズしてきた。なんか身に覚えのある話だな。
「へ、へぇ~~~、悪戯ってどんな?」
「……2人きりになると体を触られたりとか」
「なるほど、気持ちはわかる。俺も今、触って悪戯したくなってきた」
「おい、まてっ」
慌てて身を離そうとするウォーレンに襲いかかってくすぐると、すぐに笑い声が漏れた。
脇腹の大きな傷にキスをすると、また笑いが漏れてウォーレンの腹が引きつった。
「そこ、すっかりくすぐったくなってしまった」
脇腹を舐めたりキスしたりしていじめていると、ウォーレンに顎を持ち上げられてキスされた。
「今はこっちにほしい」
「りょーかい」
濃厚に、心まで繋がりそうなキスをした。
「……そういえば、彼はあなたに声が似ている」
正解でーーーす! それは俺でーーーす!! とは言えない! もどかしい!
「だから、どこか惹かれている気持ちがあるのかもしれない。あなたに不誠実だろうか」
「店を出れば俺とは関係ないんだから、好きにすればいいさ」
不誠実? 全然、そんなことありません! そっちも俺だからね!!
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セクシーダンサーのランスとの関係は監視が終われば切れるんだ。
それなら、もっと騎士のクラレンスが頑張ればいいんじゃね?
ウォーレンが俺の唇を撫でる。その指の滑らかさにゾクゾクする。
「そういえば、その騎士に従兄弟がいるそうなんだが……もしやあなたなんだろうか」
「お客様、キャストの個人情報は明かせません」
ウォーレンは目を丸くした後、少し笑った。
「そうか、それは失礼した」
だいたい、このお綺麗な神官長とセクシーダンサーの組み合わせなんて月にすっぽんすぎる。
やっぱり、お相手には騎士のクラレンスがふさわしい……よな?
ウォーレン×クラレンスで押しカプしていけばいいよな?
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