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7章 暗躍ランス
41.チャーシューにしかみえない
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監視対象者の男は、昼の大聖堂の警備中にも見かけることがある。
そして夜の店での振る舞いも良く知っている。
ただ、ウォーレンと同じくこの男が昼間の俺を認識している可能性は低い。
聖堂騎士の俺と、ショーダンサーの俺が同一人物だとは気づかないだろう。
……というのは、楽観的すぎるか?
でも、あれだけ一緒にいてもウォーレンは気づかないんだ。強気で行こ!
あの男の夜の店での振る舞いで気づいたこともある。その仕込みのため、倉庫で道具を手に入れて、俺はもうひとつのVIPルームへ向かった。
ミーシャに抱き込まれている黒服を伴って部屋をノックする。
開いた扉の中にはバシリオ神官しかいなかった。だけど、黒服からは連れが来る予定と聞いた。その前に遊ぼうというつもりらしい。
入室した俺を見ると、中にいたバシリオ神官は怪訝そうにこちらを見た。
「大変お待たせして申し訳ありません。ミーシャが体調不良のため、こちらのランスがお相手いたします」
黒服に紹介されて前に出ると、バシリオ神官の目が粘っこく俺の全身を見る。
「ミーシャとはだいぶ毛色が違うなぁ。私の好みじゃあ無いが……」
「ミーシャの体調が戻りましたら、チェンジさせていただきます」
「そうか、わかった」
案外すんなり納得したな。でも、それも俺の勘の裏付けになった。
こいつ、俺のことが好みじゃないとか言いながら、めっちゃ気になってる。舐めるような視線も舞台の上で感じるものだし、緊張で口の中が乾いたのか酒を飲み干した。
「ランスだ。よろしくな。あんたの接客は初めてだけど、いつもショーを見てくれてるから知ってるだろ?」
「ま、まぁな。おまえは目立つから」
目立つってのはどういう意味でしょうかね? 昼間の騎士の時は目の端にも入ってなかったようですけど?
黒服が退室し、俺はバシリオに近寄る。
こいつは見下ろすくらいに背が低い。頭のてっぺんが薄らいできているのも見える。
そばに立つ俺に、緊張したように体がこわばっている。
この緊張は恐怖じゃない。期待からだ。
「俺も前からあんたのこと見てたんだ。だからもしかして……と思ったんだけど」
たるみのある顎をぎゅっと掴んで持ち上げてやる。
「本当は、もっとハードなプレイがしてみたいんだろ? ミーシャみたいな貧弱な体力じゃぁできない、ハ~~~ドなやつ」
俺の手の中で、バシリオ神官の肉が同意するようにプルプル震えた。
「このカーテン、開けた方が見晴らし良くなるんじゃねぇ?」
「だ、だめだっ! こんな姿を見られたらどうするっ」
「なんだ? 興奮してイっちゃうってのか?」
なかなかバルコニーのカーテンを開ける隙がない。さりげなく開けた時はすぐに閉められたし、許可を得ようにも強固に反対されている。
その本人は、天井の梁に吊るされたロープで全身を縛られて、『ハードなプレイ』続行中だ。
普段からそんな匂いがぷんぷんしていたけど、思った通りのドMだった。倉庫からSMプレイの道具をカバンに詰めて持ち込んだのが大正解。
裸にロープをかけてやると、ギンギンに興奮させて身を委ねてくる。
意外と可愛いドM豚になってくれた。チャーシューにしか見えない。
「私も立場がある身……見られるのは困る!」
たしかに、やりすぎたのかもしれない。
SM講習会での勉強の成果が発揮できる、と気合を入れすぎた。
「立場なんか忘れて、遊びに来たんだろ? ほらほら、こんなとこにこんなもん咥え込んでさぁ。はしたなく抜けそうだぜ」
あらぬところの杭をグリグリ押し込んでやると、動物のような鳴き声を上げて喜ぶ。
「んほぉぉぉお」
いやいや、いつまでも遊んでいるわけにもいかない。
カーテンだ。どうしよう。
そのとき、扉からノックが聞こえた。
一瞬、待ち合わせの相手が来たのかと思ったが、こんなプレイ中なら黒服がまず中の様子を確認するだろう。
「あぁ、黒服があんたの様子を見にきたのかもな。あんたのできあがった姿を見てもらおうか」
「な、なにぃ!」
「恥ずかしくないように目隠ししといてやるよ」
ささっとタオルで目隠しすると、さらに興奮したのか全身がピクピク震えている。
「こ、こんな姿を……っく、黒服だけだぞ!」
「へいへい」
恥ずかしがってるのかわいいかわいい。
雑に褒めながら扉を開いた。
目の前の人物に心臓が飛び出るかと思った。
ウォーレンがいた。
「ッ!」
てっきり黒服だと思ったのに、突然のウォーレンは心臓に悪い。
なんとか持ち直して目の前の綺麗な顔に顔を近づけてヒソヒソ声でたずねた。
「どうした」
「カーテンがなかなか開かないから心配した。だから様子を見に来たら黒服が下に降りていくのが見えてな。この隙にあなたの無事を確認しようと思ったんだ。無事でよかった」
ミーシャ配下の黒服のやつ、扉前でずっと見張ってたのか。でも下に降りていったってことは……もうすぐ連れの客が来るのかもしれない。
「わかった。でもカーテンを開けるのは難しい。だから静かに俺の後に続いて入室するんだ。中に隠してやる」
「ッ?! ……わかった」
緊張した顔でうなずくウォーレンを招き入れた。
「は~い。黒服さんが来ましたよ。あんたの可愛い姿を余すことなく見てもらおうね~」
吊り下がったバシリオ神官をクルクル回してやる。興奮で赤くなった肉がクルクル回る。
「ふぉぉぉ~」
それを見て、俺の後ろにいるウォーレンの方がショックを受けて顔面蒼白だ。まぁ、同僚のこんな姿を見たらなぁ。
それでもなんとか足音を消して後ろに続くウォーレンを風呂場の扉の中へ隠れさせた。
また入り口の扉をバタンと開け閉めして退室したように見せかけた。
「さぁ、もうすぐお連れさんがくるから、ずーっと我慢していたあんたのココ、解放してあげようか」
待ち合わせ相手の存在を思い出して、また肉を震わせたバシリオ神官は、慌てたようにコクコク頷く。
最後の仕上げに鞭で軽く叩いてイカせると、縄を解いてやった。
恍惚に床に座り込むバシリオ神官だけど、すぐにノックの音がして、慌てて服を着始めた。
「あ~~~ちょっと待って、まだ――」
扉を開けて、また心臓が飛び出るかと思った。
黒服の向こうにいるバシリオ神官の待ち合わせの相手。
ウォーレンの義弟じゃないか。
つい先日、王宮で顔を合わせた相手だ。
フードで半分隠れていてもわかる。覆面慣れした俺が間違えるはずない。印象的な口元のホクロも合致した。
ウォーレンの義弟グレンだ。
そして夜の店での振る舞いも良く知っている。
ただ、ウォーレンと同じくこの男が昼間の俺を認識している可能性は低い。
聖堂騎士の俺と、ショーダンサーの俺が同一人物だとは気づかないだろう。
……というのは、楽観的すぎるか?
でも、あれだけ一緒にいてもウォーレンは気づかないんだ。強気で行こ!
あの男の夜の店での振る舞いで気づいたこともある。その仕込みのため、倉庫で道具を手に入れて、俺はもうひとつのVIPルームへ向かった。
ミーシャに抱き込まれている黒服を伴って部屋をノックする。
開いた扉の中にはバシリオ神官しかいなかった。だけど、黒服からは連れが来る予定と聞いた。その前に遊ぼうというつもりらしい。
入室した俺を見ると、中にいたバシリオ神官は怪訝そうにこちらを見た。
「大変お待たせして申し訳ありません。ミーシャが体調不良のため、こちらのランスがお相手いたします」
黒服に紹介されて前に出ると、バシリオ神官の目が粘っこく俺の全身を見る。
「ミーシャとはだいぶ毛色が違うなぁ。私の好みじゃあ無いが……」
「ミーシャの体調が戻りましたら、チェンジさせていただきます」
「そうか、わかった」
案外すんなり納得したな。でも、それも俺の勘の裏付けになった。
こいつ、俺のことが好みじゃないとか言いながら、めっちゃ気になってる。舐めるような視線も舞台の上で感じるものだし、緊張で口の中が乾いたのか酒を飲み干した。
「ランスだ。よろしくな。あんたの接客は初めてだけど、いつもショーを見てくれてるから知ってるだろ?」
「ま、まぁな。おまえは目立つから」
目立つってのはどういう意味でしょうかね? 昼間の騎士の時は目の端にも入ってなかったようですけど?
黒服が退室し、俺はバシリオに近寄る。
こいつは見下ろすくらいに背が低い。頭のてっぺんが薄らいできているのも見える。
そばに立つ俺に、緊張したように体がこわばっている。
この緊張は恐怖じゃない。期待からだ。
「俺も前からあんたのこと見てたんだ。だからもしかして……と思ったんだけど」
たるみのある顎をぎゅっと掴んで持ち上げてやる。
「本当は、もっとハードなプレイがしてみたいんだろ? ミーシャみたいな貧弱な体力じゃぁできない、ハ~~~ドなやつ」
俺の手の中で、バシリオ神官の肉が同意するようにプルプル震えた。
「このカーテン、開けた方が見晴らし良くなるんじゃねぇ?」
「だ、だめだっ! こんな姿を見られたらどうするっ」
「なんだ? 興奮してイっちゃうってのか?」
なかなかバルコニーのカーテンを開ける隙がない。さりげなく開けた時はすぐに閉められたし、許可を得ようにも強固に反対されている。
その本人は、天井の梁に吊るされたロープで全身を縛られて、『ハードなプレイ』続行中だ。
普段からそんな匂いがぷんぷんしていたけど、思った通りのドMだった。倉庫からSMプレイの道具をカバンに詰めて持ち込んだのが大正解。
裸にロープをかけてやると、ギンギンに興奮させて身を委ねてくる。
意外と可愛いドM豚になってくれた。チャーシューにしか見えない。
「私も立場がある身……見られるのは困る!」
たしかに、やりすぎたのかもしれない。
SM講習会での勉強の成果が発揮できる、と気合を入れすぎた。
「立場なんか忘れて、遊びに来たんだろ? ほらほら、こんなとこにこんなもん咥え込んでさぁ。はしたなく抜けそうだぜ」
あらぬところの杭をグリグリ押し込んでやると、動物のような鳴き声を上げて喜ぶ。
「んほぉぉぉお」
いやいや、いつまでも遊んでいるわけにもいかない。
カーテンだ。どうしよう。
そのとき、扉からノックが聞こえた。
一瞬、待ち合わせの相手が来たのかと思ったが、こんなプレイ中なら黒服がまず中の様子を確認するだろう。
「あぁ、黒服があんたの様子を見にきたのかもな。あんたのできあがった姿を見てもらおうか」
「な、なにぃ!」
「恥ずかしくないように目隠ししといてやるよ」
ささっとタオルで目隠しすると、さらに興奮したのか全身がピクピク震えている。
「こ、こんな姿を……っく、黒服だけだぞ!」
「へいへい」
恥ずかしがってるのかわいいかわいい。
雑に褒めながら扉を開いた。
目の前の人物に心臓が飛び出るかと思った。
ウォーレンがいた。
「ッ!」
てっきり黒服だと思ったのに、突然のウォーレンは心臓に悪い。
なんとか持ち直して目の前の綺麗な顔に顔を近づけてヒソヒソ声でたずねた。
「どうした」
「カーテンがなかなか開かないから心配した。だから様子を見に来たら黒服が下に降りていくのが見えてな。この隙にあなたの無事を確認しようと思ったんだ。無事でよかった」
ミーシャ配下の黒服のやつ、扉前でずっと見張ってたのか。でも下に降りていったってことは……もうすぐ連れの客が来るのかもしれない。
「わかった。でもカーテンを開けるのは難しい。だから静かに俺の後に続いて入室するんだ。中に隠してやる」
「ッ?! ……わかった」
緊張した顔でうなずくウォーレンを招き入れた。
「は~い。黒服さんが来ましたよ。あんたの可愛い姿を余すことなく見てもらおうね~」
吊り下がったバシリオ神官をクルクル回してやる。興奮で赤くなった肉がクルクル回る。
「ふぉぉぉ~」
それを見て、俺の後ろにいるウォーレンの方がショックを受けて顔面蒼白だ。まぁ、同僚のこんな姿を見たらなぁ。
それでもなんとか足音を消して後ろに続くウォーレンを風呂場の扉の中へ隠れさせた。
また入り口の扉をバタンと開け閉めして退室したように見せかけた。
「さぁ、もうすぐお連れさんがくるから、ずーっと我慢していたあんたのココ、解放してあげようか」
待ち合わせ相手の存在を思い出して、また肉を震わせたバシリオ神官は、慌てたようにコクコク頷く。
最後の仕上げに鞭で軽く叩いてイカせると、縄を解いてやった。
恍惚に床に座り込むバシリオ神官だけど、すぐにノックの音がして、慌てて服を着始めた。
「あ~~~ちょっと待って、まだ――」
扉を開けて、また心臓が飛び出るかと思った。
黒服の向こうにいるバシリオ神官の待ち合わせの相手。
ウォーレンの義弟じゃないか。
つい先日、王宮で顔を合わせた相手だ。
フードで半分隠れていてもわかる。覆面慣れした俺が間違えるはずない。印象的な口元のホクロも合致した。
ウォーレンの義弟グレンだ。
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