【完結】覆面セクシーダンサーは昼職の上司に盲愛される

鳥見 ねこ

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2章 VIPルームへご招待

11.モブのアドバンテージ発揮

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 あ~~~ドキドキした!
 嫁に勧められるような若い娘さんっていくつだ? 神官長も30歳はいってなかったと思うからまだいけるんじゃね?
 って、神官長って嫁貰えるの? 神官って独身聖職者が前提じゃなかったっけ?

「断りづらいルートから話がきたら一度くらい食事へ、となって面倒だろう。だからハッキリ本人に断っておいた方がいいのか悩んでいる」
「なるほどな~。う~ん、ウォーレンくん。真面目なのは感心するけど、そういうのはハッキリしちゃダメだぞ。若輩者ながらアドバイスすると、知らないふりをしながら、第三者から相手にちょっと嫌な噂を流してもらうことだね。縁談は全て断っているらしい、とか、ゲイ向けショーパブに出入りしているらしい、とかさぁ」
「んんッ?! いや……うむ、参考にしよう」

 神官長が焦った顔でグビグビ酒を煽り出した。
 焦ってんの楽しい~!

「あとは~、ここは色んなプレイも楽しめる店だね。キャストと合意の上なら個室でしっぽり。お望みならSMに強いキャストもいるぜ? ミーシャってやつなんだけど」
「えすえむ……?」
「知らないか? ムチで……ゴニョゴニョ……したり、蝋燭で……ゴニョゴニョ……したりさぁ」
「………………拷問か?」
「他には、スカトロとか……ゴニョゴニョ……で、……ゴニョゴニョ……なわけだよ」
「………………えっ………………」

 無になって固まる神官長おもしろ~!
 さぁ、そろそろやばい所だ退散しよう、って気になってきたかな?!
 な? なぁ?!

「……そんな遊びばかりではあるまい。私はショーを見るだけでも新鮮で楽しいと思えた。そのために来ても良いだろう?」

 手強いッ! 正論であるッ!
 やっぱり頭の良いやつを言い負かすってキツイな。
 冷静にこっちの粗を見抜いてくるんだわ。
 それはつまり……冷静にさせなければ良いってことか?

「そーか、今日はショーを見て楽しんでくれてたんだ。そういえば、上演中に目があったんだけど気づいた?」

 目を隠した覆面だから、本当は目が合うはずない。
 わかっているけど、舞台の上からみた神官長とは、何度も目が合う瞬間を感じた。

「俺、あんたに向けてダンスをしたんだぜ? 昨日はずっとテーブルのグラスを見てたのに、今日はずっと俺を見てた。それが嬉しくってさぁ」

 ウォーレンの膝に置かれたお行儀の良い白い指に、指を絡めた。

「あんた、本当はどんなことが楽しいのか、まだ全然わかってねぇんだろ? 俺と一緒に探してみないか?」
「……探す?」
「ダンスを見ている時、どこが熱くなる? 頭? 心臓? それとも――」

 指を絡めたまま、ウォーレンの太ももを服の上からなぞり上げていく。緊張からか、握っているウォーレンの指に力が入った。
 ソコは直接触らず、足の付け根を指でなぞるにとどめる。
 それでもくすぐるように触れているだけで、ウォーレンの手がジワジワ熱くなるのを感じた。

「ランス……」

 その声に応えず、景気付けにまた酒を一気に煽った。
 ウォーレンも焦ってるけど、こっちだって全身熱い。酒のせいか、緊張のせいか、興奮のせいか。

 昨夜までは、嫌われているならそれなりに認識されているもんだと思っていた。それも自意識過剰だったか。
 神官長にとっては俺もリックと同じ、モブなわけだ。

 モブならモブの楽しみ方がある。
 いや、もしかすると……モブだからこそ、か?
 このお堅い神官の鎧を剥ぎ取れるのかもしれない。知り合いの前では絶対に脱げないだろう鎧を。

 禁欲的な服の中のエロスを。
 冷たい表情の裏の可愛げを。
 環境によって、押し込められたナニカを解放してみたい。

「なぁ、あんたがダンス以外の何に興奮するのか、暴いてみたいんだけど?」
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