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プロローグ

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「こんな俺でも娘が欲しいんだ!」
 プロローグ
 
 俺は山戸高等学校1年生の水澤翔、 ごく普通の男子高校生だ。
 山戸高校に入学して1ヶ月が過ぎようとしている。
 突然だが質問がある、
「娘が欲し~」と考えたことはあるだろうか。俺は数え切れないほどある。
 道ゆく女子小学生を目で追ったり。
 自転車の前かごに乗っている赤ちゃんを目で追ったり。
 スーパーに母親と歩いている幼稚園児を目で追ったり。
 するとつい俺は「娘が欲し~」と考えてしまうのだ。 
 え?俺がロリコンだって?おいおい勘違いするなよ。決して如何わしい気持ちは1ミリも無い。俺はただ「娘」が欲しいだけだ。
 産まれた直後の娘を抱き抱えてみたいし。
 娘が喋れるようになって「パパ」だなんて呼ばれてもみたいだけ。
 みんなも俺の言い分を聞いて少しは「娘が欲し~」と思ったり俺を性犯罪者じゃないと確信をもったりしたはずだ。
 そしてこの俺は今悩んでいる、それは、娘が欲しい俺には必須の結婚相手が見つかりそうに無いからだ、
 え?高校生で結婚相手がいないのが普通?
 確かにそうだ、高校生で結婚相手がいないのが普通だろう。だがその前に大きな壁がある今にはじまったことではないが俺は、
 「人見知り」である、中学生の頃は、女友達もそれなりにいたが、その女友達全員は小学校からの付き合いだったから躊躇なく話すことができたが今は違う、女子は全員、他の中学校からの生徒だ。
 そして、山戸学校に入学して1ヶ月、
 俺はまだ女子とはまともに喋っていない(男子とも)。女子と最後に話したことは、パソコンを使う授業で隣の席にいた女子に、
「ねぇねぇ、大文字ってどうやって打つの?」急に女子に喋りかけられた俺は優しい言葉遣いと笑顔で(自分では笑顔でいるつもりだが、実際は口角が上がっておらず、死んだ魚の目だったかもしれない)
「shiftキーを押しながら打てば…」
「あっ できた ありがとう!」
 この会話(これは進歩と呼んでいい)が最後だ。
 俺はマズイと思った、だがまだ間に合う。大学生、社会人となっても必要になる、
 コミュニケーション能力だ、そして、コミュニケーション能力を高めて、女友達をたくさんつくることだ。
 女友達ができれば結婚に直接つながるとは、思っていないが、ある程度のコミュニケーション能力が備わっていなければ、大学生、社会人になっても、結婚したい相手に振られてしまうと思う。
 だから俺は決心した、
 『絶対に高校で女子に毎日喋りかけられるようなコミュニケーション能力を持ち、女子と深い関係になるぞ!』
 一言で表すと、
 『女子と親密な関係になって彼女にして、結婚して娘が欲し~』

 これは娘が欲し~が、女子とまともに喋ることのできない俺の、娘が誕生するまでの
『ラブコメ』である。
(ラブコメになって欲しい)
   
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みんなの感想(1件)

花雨
2021.08.15 花雨

作品登録しときますね(^^)

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