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2.食いしん坊の神様?
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真っ白な世界に取り残され、途方に暮れる。
「なんで?ただ普通に友人と楽しく過ごしてただけ……なのに、なんでこんなことに……」
自分がいた世界の神様だという少年はすでに姿を消しているし、その場でじっとしているのも怖くなり、当てもなく歩き始めた。
しかし、何処までいっても真っ白で何もなく、どれぐらい歩いたかもわからない。足が棒になっている。
もう、歩けない……
「うゔ……お母さん、お父さん……」
今朝までは何事もなかったのに。
蚊やゴキブリ、アリなんかは殺したことがあるかもしれないけれど、私は基本的にいい子だと思う。
くたくたになっていても電車の中だと老人や怪我人には席を譲るし、学校の宿題や、掃除、雑用も断ることなくきちんとやってきた。
それなのに……朱音が、友人が神様の思い通りに動かないからと、まるで八つ当たりのようにこんな場所に捨てられるなんて酷すぎる。
もう、家族に会えないのだろうか?
朱音や祐樹、真琴、秀次……母や父、仲のいい友人達の顔が頭に浮かんでは消えていく。
気づけば、ポロポロと涙がこぼれ落ち、声を張り上げて泣いていた。
どれぐらい泣いたのだろう?
ヒックッヒックとまだ涙は溢れているけれども、どれほど悲しい時でも人の生理現象は起きるもの。泣いて、喉が渇いてきた。ここにくる時、唯一手に持っていた鞄の中から水筒を出し、コクンと飲んだ。冷たい紅茶が喉を通っていく。
麦茶が苦手な私のために、母が毎日作ってくれる特別ブレンドの紅茶でどんな食べ物にも合うというスペシャルティーだ。どれほど尋ねても母は教えてくれなかった。自分では調合できない、本当に母1人のレシピだった。
もう、これも飲めないの?
そんなことを考えると、ウルリとまた涙がこぼれ落ちる。けれど、少し気分は落ち着いてきた。
鞄の中を覗き込む。筆記用具と携帯、お昼のお弁当、教科書とたくさんの物が詰まっている。
その中から、クッキーの入った袋を取り出す。歩いて疲れたので、少し休憩だ。
袋の口を開けると、クッキーのいい香りがそこら中に広がる気がした。
1枚取り出し、パクリと食べた。
朝の味見の時と同じ、香ばしく甘い……
「なあなあ、なに食べてるんだ?」
「!!?」
ライオンのたてがみの様な髪、褐色の肌、こちらに興味深々なことがわかる、クリクリした目。
にぱっと笑うと、八重歯が見える。青年がこちらを見ていた。
あの少年が本当に神で此処が常世だと言うのならば、この青年も神なのだろうか?
そんなことよりも、自分以外の人に出会えたことが嬉しくて、青年が興味を持っているものを差し出した。
「えっと、クッキーです」
「食っていいのか?!」
「は、はい。どうぞ」
青年は、ガサゴソと大きな手で沢山掴んでヒクヒクとクッキーの香りを嗅ぐと、大きな口を開けてバクリ。ムシャムシャと食べて目を更に輝かせた。
「うまー!!いいな、この甘さ、美味いぞ!!」
「気に入っていただけて嬉しいです」
よほど気に入ったのか、次から次へと袋に手を伸ばし、中身がなくなると名残惜しそうに手についたカスまで舐めている。そこまで気に入ってもらえたと思うと、なんだか嬉しくて微笑んでしまった。
「そーいや、お前、なんでここにいるんだ?」
「実は……」
青年は美味しいものを食べて満足したのか、それを差し出した私にも興味を持ったようで、ここにいる理由を真面目に聞いてくれた。
「ふーん、なるほどなぁ」
理由を話し終わると、ポリポリと頭を描きながら青年は言う。
「よっしゃ。じゃあお前、俺の世界にこいよ」
「え?」
「ぶっちゃけ、あいつのとこの住人ってさ、一芸に秀でてる奴が多くて面白いんだよなぁ」
「あー……好きなことには夢中になってしちゃう人種ですね」
「そうなんだよ。だから、あいつの世界の住人って人気があってなぁ。結構みんな、気に入ったやつをスカウトしたり、攫ったりしてたんだよ」
え、それって俗にいうトリップとか、異世界転移とかいうやつですか?本当にあったのか……
「そしたらさー、世界予定が狂うってキレやがってな。多分、お前を追い出したのも俺たちがそうやって引き抜いた奴らが多過ぎた所為もあるだろうし、何より、俺はお前が気に入った!」
太陽のような笑みで頭を撫でられ、気が緩んだのか、ポロリと涙がこぼれ落ちた。
この人が悪い訳でもないのに、勝手に言葉が溢れ出てくる。
「わ、私、何も悪いことしてないのにっ!」
「うんうん」
「急に、真っ白なとこ、連れてこられ、て、責められて、辛く、て……歩いても、歩いても、なにも、ひっく、なくて……」
「そうか、そうか、辛かったなー。俺のところなら大丈夫だぞー」
「ひぅく、う、うわぁーーーん」
青年は根気よく私を慰めて、ぽんぽんと背中を叩いて落ち着かせてくれた。
いや、青年に見えるだけで神様だっけ?
こんな態度とったらダメだよね……
「ズビ…、すみません……」
「いいって。それより、俺の世界に来るのは問題ないか?」
「はい。お母さんや、お父さん、友人のことは気になるけど……戻ることは出来ないんですよね?」
「ああ、多分、あいつの事だからもうお前の存在自体を抹消している筈だ」
「……。なら、お世話になります」
「おう!お世話してやる!!」
存在自体を抹消って……なに?
私の居た記憶は全部消されてしまったってこと?酷い……。私が何をしたっていうんだ!
でも、文句を言っても始まらないし……きゅっと舌を噛んで、お願いする。
こんな所で死にたくないっ!
彼は、私の返事を聴き、胸を張ってそういうと腕をがしりと掴むと空へと飛び立った。
「は、え、え、ぃやぁーーーー!!!」
「ははは!元気だなぁ。俺の世界まで、ちょっと距離があるからな、近道だ!近道!!」
そういうと何度も飛び跳ねて辿り着いた場所も、私の目にはなにもない、白い空間だ。
遊園地の下手なジェットコースターよりも怖かった。
へたへたと腰を抜かしながら座り込んだ私の様子なんて気にもせず、青年は言う。
「だらしないなぁ。そうだ!いい事を思いついたぞ!」
「いいこと……?」
「おう!お前が俺の世界に住む条件だ!!」
にっこりと笑う青年に私は蒼ざめた。
どんな条件を出すと言うのだろう?私に出来ることなのかな?それに、もし断ったらまた、この白い空間に置いてけぼり??怖い、怖いよう……
血の気が引いていくのがわかる。
けれど青年は、そんな私の様子を構うことなく胸を張って告げた。
「毎日、美味いものを俺に捧げろ!」
「え?」
「なんだよ、ダメなのか?」
「いや、美味しいものを捧げるってどうすれば……??」
「ん?普通に祭壇を作って、供えすればいい」
「成る程」
条件ってそれ?
私の趣味はお料理だし、別にいいけれど……どうやって捧げるの?
祭壇?なるほど、家の神棚と同じようにすればいいのか。
でも……
「あの」
「なんだ??」
「私、貴方の世界がどんな世界なのか知らないですし、台所事情とかもわからないのですが……」
「あーそんなことか!よし、任せておけ!!」
「え」
「それと、お前、弱っちそうだし、死んだら困るから精霊に好かれるようにしてやろう」
「せ、精霊?」
「おう、こんな奴らだ」
そういって私の目の前に現れたのは小さな掌サイズの幼い子ども。しかも、蝶々のような羽をパタパタとさせている。
「か、可愛い!!」
「こいつらは何処にでもいるからな。なんかあったら助けを求めたら良いぞ。こいつらも、美味いもん好きだから、手伝ったお礼をやれば、喜んでするだろうしな」
「え、あ、は、はぁ」
「で、最初の条件の毎日美味いもの!いけるか??」
「えっと、その世界での素材とか材料とかにもよりますけど、私も美味しいものが食べたいので努力します!」
「よく言った!!安心しろ。欲しいものはちゃんと手に入るよう手配できるところに飛ばしてやるからな」
そういうと足元にポッカリと穴が空いた。
「んじゃあなー!美味いもの、宜しく頼むぜ!!」
「っ!!!んぎゃーーーーー!!!!!!」
先程よりも更に酷い浮遊感に私は思いっきり叫んだ。
「なんで?ただ普通に友人と楽しく過ごしてただけ……なのに、なんでこんなことに……」
自分がいた世界の神様だという少年はすでに姿を消しているし、その場でじっとしているのも怖くなり、当てもなく歩き始めた。
しかし、何処までいっても真っ白で何もなく、どれぐらい歩いたかもわからない。足が棒になっている。
もう、歩けない……
「うゔ……お母さん、お父さん……」
今朝までは何事もなかったのに。
蚊やゴキブリ、アリなんかは殺したことがあるかもしれないけれど、私は基本的にいい子だと思う。
くたくたになっていても電車の中だと老人や怪我人には席を譲るし、学校の宿題や、掃除、雑用も断ることなくきちんとやってきた。
それなのに……朱音が、友人が神様の思い通りに動かないからと、まるで八つ当たりのようにこんな場所に捨てられるなんて酷すぎる。
もう、家族に会えないのだろうか?
朱音や祐樹、真琴、秀次……母や父、仲のいい友人達の顔が頭に浮かんでは消えていく。
気づけば、ポロポロと涙がこぼれ落ち、声を張り上げて泣いていた。
どれぐらい泣いたのだろう?
ヒックッヒックとまだ涙は溢れているけれども、どれほど悲しい時でも人の生理現象は起きるもの。泣いて、喉が渇いてきた。ここにくる時、唯一手に持っていた鞄の中から水筒を出し、コクンと飲んだ。冷たい紅茶が喉を通っていく。
麦茶が苦手な私のために、母が毎日作ってくれる特別ブレンドの紅茶でどんな食べ物にも合うというスペシャルティーだ。どれほど尋ねても母は教えてくれなかった。自分では調合できない、本当に母1人のレシピだった。
もう、これも飲めないの?
そんなことを考えると、ウルリとまた涙がこぼれ落ちる。けれど、少し気分は落ち着いてきた。
鞄の中を覗き込む。筆記用具と携帯、お昼のお弁当、教科書とたくさんの物が詰まっている。
その中から、クッキーの入った袋を取り出す。歩いて疲れたので、少し休憩だ。
袋の口を開けると、クッキーのいい香りがそこら中に広がる気がした。
1枚取り出し、パクリと食べた。
朝の味見の時と同じ、香ばしく甘い……
「なあなあ、なに食べてるんだ?」
「!!?」
ライオンのたてがみの様な髪、褐色の肌、こちらに興味深々なことがわかる、クリクリした目。
にぱっと笑うと、八重歯が見える。青年がこちらを見ていた。
あの少年が本当に神で此処が常世だと言うのならば、この青年も神なのだろうか?
そんなことよりも、自分以外の人に出会えたことが嬉しくて、青年が興味を持っているものを差し出した。
「えっと、クッキーです」
「食っていいのか?!」
「は、はい。どうぞ」
青年は、ガサゴソと大きな手で沢山掴んでヒクヒクとクッキーの香りを嗅ぐと、大きな口を開けてバクリ。ムシャムシャと食べて目を更に輝かせた。
「うまー!!いいな、この甘さ、美味いぞ!!」
「気に入っていただけて嬉しいです」
よほど気に入ったのか、次から次へと袋に手を伸ばし、中身がなくなると名残惜しそうに手についたカスまで舐めている。そこまで気に入ってもらえたと思うと、なんだか嬉しくて微笑んでしまった。
「そーいや、お前、なんでここにいるんだ?」
「実は……」
青年は美味しいものを食べて満足したのか、それを差し出した私にも興味を持ったようで、ここにいる理由を真面目に聞いてくれた。
「ふーん、なるほどなぁ」
理由を話し終わると、ポリポリと頭を描きながら青年は言う。
「よっしゃ。じゃあお前、俺の世界にこいよ」
「え?」
「ぶっちゃけ、あいつのとこの住人ってさ、一芸に秀でてる奴が多くて面白いんだよなぁ」
「あー……好きなことには夢中になってしちゃう人種ですね」
「そうなんだよ。だから、あいつの世界の住人って人気があってなぁ。結構みんな、気に入ったやつをスカウトしたり、攫ったりしてたんだよ」
え、それって俗にいうトリップとか、異世界転移とかいうやつですか?本当にあったのか……
「そしたらさー、世界予定が狂うってキレやがってな。多分、お前を追い出したのも俺たちがそうやって引き抜いた奴らが多過ぎた所為もあるだろうし、何より、俺はお前が気に入った!」
太陽のような笑みで頭を撫でられ、気が緩んだのか、ポロリと涙がこぼれ落ちた。
この人が悪い訳でもないのに、勝手に言葉が溢れ出てくる。
「わ、私、何も悪いことしてないのにっ!」
「うんうん」
「急に、真っ白なとこ、連れてこられ、て、責められて、辛く、て……歩いても、歩いても、なにも、ひっく、なくて……」
「そうか、そうか、辛かったなー。俺のところなら大丈夫だぞー」
「ひぅく、う、うわぁーーーん」
青年は根気よく私を慰めて、ぽんぽんと背中を叩いて落ち着かせてくれた。
いや、青年に見えるだけで神様だっけ?
こんな態度とったらダメだよね……
「ズビ…、すみません……」
「いいって。それより、俺の世界に来るのは問題ないか?」
「はい。お母さんや、お父さん、友人のことは気になるけど……戻ることは出来ないんですよね?」
「ああ、多分、あいつの事だからもうお前の存在自体を抹消している筈だ」
「……。なら、お世話になります」
「おう!お世話してやる!!」
存在自体を抹消って……なに?
私の居た記憶は全部消されてしまったってこと?酷い……。私が何をしたっていうんだ!
でも、文句を言っても始まらないし……きゅっと舌を噛んで、お願いする。
こんな所で死にたくないっ!
彼は、私の返事を聴き、胸を張ってそういうと腕をがしりと掴むと空へと飛び立った。
「は、え、え、ぃやぁーーーー!!!」
「ははは!元気だなぁ。俺の世界まで、ちょっと距離があるからな、近道だ!近道!!」
そういうと何度も飛び跳ねて辿り着いた場所も、私の目にはなにもない、白い空間だ。
遊園地の下手なジェットコースターよりも怖かった。
へたへたと腰を抜かしながら座り込んだ私の様子なんて気にもせず、青年は言う。
「だらしないなぁ。そうだ!いい事を思いついたぞ!」
「いいこと……?」
「おう!お前が俺の世界に住む条件だ!!」
にっこりと笑う青年に私は蒼ざめた。
どんな条件を出すと言うのだろう?私に出来ることなのかな?それに、もし断ったらまた、この白い空間に置いてけぼり??怖い、怖いよう……
血の気が引いていくのがわかる。
けれど青年は、そんな私の様子を構うことなく胸を張って告げた。
「毎日、美味いものを俺に捧げろ!」
「え?」
「なんだよ、ダメなのか?」
「いや、美味しいものを捧げるってどうすれば……??」
「ん?普通に祭壇を作って、供えすればいい」
「成る程」
条件ってそれ?
私の趣味はお料理だし、別にいいけれど……どうやって捧げるの?
祭壇?なるほど、家の神棚と同じようにすればいいのか。
でも……
「あの」
「なんだ??」
「私、貴方の世界がどんな世界なのか知らないですし、台所事情とかもわからないのですが……」
「あーそんなことか!よし、任せておけ!!」
「え」
「それと、お前、弱っちそうだし、死んだら困るから精霊に好かれるようにしてやろう」
「せ、精霊?」
「おう、こんな奴らだ」
そういって私の目の前に現れたのは小さな掌サイズの幼い子ども。しかも、蝶々のような羽をパタパタとさせている。
「か、可愛い!!」
「こいつらは何処にでもいるからな。なんかあったら助けを求めたら良いぞ。こいつらも、美味いもん好きだから、手伝ったお礼をやれば、喜んでするだろうしな」
「え、あ、は、はぁ」
「で、最初の条件の毎日美味いもの!いけるか??」
「えっと、その世界での素材とか材料とかにもよりますけど、私も美味しいものが食べたいので努力します!」
「よく言った!!安心しろ。欲しいものはちゃんと手に入るよう手配できるところに飛ばしてやるからな」
そういうと足元にポッカリと穴が空いた。
「んじゃあなー!美味いもの、宜しく頼むぜ!!」
「っ!!!んぎゃーーーーー!!!!!!」
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