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明太子職人

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第二話

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シアの朝は早かった。
まだ日の出が出たばかりの時間帯。シアは眠たいのを我慢しなが寝室のドアを開ける。寝室を開けた先には、ミアが朝ごはんを作って待っていた。
2人の楽しい時間。だが時間は瞬く間に過ぎていき、離れ離れの時間がやってくる。シアはミアに見送られながら、まだ静まり返った街の中を片道1時間以上かけて、とある会場にたどり着く。
会場にはすでに15人ほどが並んでいた。やはり街で1番稼げるだけあってか、人気が窺われる。
待つこと数時間後、会場の入口から職員が出てきた。
そして職員は一人一人に整理券を配る。列に並んでる人たちは整理券を受け取っていくが、30番以降の人には整理券が配布られない。
どうやら会場に入れるのは1日30人までの決まりがあるらしい。しかし31番目に並んでいたおじさんが「俺の方が早かった、こいつが割り込んだ」とここに来て前の人にイチャモンをつける。
だがもう整理券は配られた。どれほど泣こうが喚こうが、皆それぞれの事情を抱えて朝早く並んでいるのに、遅れた人にああだこうだと言われる筋合いはない。
だからみんなおじさんのことなど無視して会場の中に入って行く。
まず職員に案内されたのは控室ダッグアウトと呼ばれる場所だった。目の前には闘技場が広がる。
そして職員は、全員分の防具に着替えさせると、闘技場の真ん中に立たせて一つの注意を述べた。
いかなる理由があろうとも決して避けてはいない。
その注意を破れば、避けた時点でポイントは支払われないというものだった。
その事に疑問を思った何人かの新参者が口を開いた。
「俺たちの仕事は防具の耐久テストだろう。なんで避けたらポイント支払われないだ」
確かに耐久テストなのに、避けたらポイントが支払われないのはおかし過ぎる。嫌な予感を抱くのはシアも同じだった。
すると、闘技場に鳴り響くは鐘の音。それと同時に、豪華な衣装に身を包んだ上級階級とみられる紳士淑女の人達が観客席に顔を出す。
見る見るうちに観客席が埋まっていき、そして最後の席が埋まると、ファンファーレが鳴り響いた。
一瞬にして闘技場がパレードと化し、シアたちの向かえにも控室がある。その控室には、シアたちとは明らかに身分が違う、観客席と同じ上級階級の人達が武器を構えて、闘技場の地に足をつけた。
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