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第3章 軍人編
第48話 対デンマーク戦争(2) ~ハンブルク奪還~
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ハンザ都市連合艦隊を率いるリューベック市長ヨハン・ヴィッテンボルクが挨拶にやってきた。
「この度はご助成かたじけなく存じます。しかも、あの名高い暗黒騎士団とは」
「ああ。私を使わせた皇帝に感謝することだな」
「で、今回はどのような作戦で?」
「我々がデンマーク軍を町から追い出す。やつらは海上へと逃走するだろうからあなたは艦隊で追撃してくれ」
「そんな簡単におっしゃりますが、相手はほぼ10倍の数の敵ですぞ」
「なに。暗黒騎士団に問題はない」
「はあ…」
ヴィッテンボルクは単なる若造の強がりなのか、根拠があってのことなのか計りかねているようだ。
──実戦を見ればわかることさ。
続いてホルシュタイン伯のテオドール・フォン・バードヴィーデンも挨拶にやってきた。
ハンブルグは自由都市であるが位置的にはホルシュタイン伯領内にある。しかし、ホルシュタイン伯領はデンマーク王ヴァルデマーⅡ世に実効支配されている状態で、事実上の権力は持っていなかった。
「これはツェーリンゲン卿。ご加勢痛み入る」
「なに。私を使わせた陛下の御心に感謝することですな」
「全くそのとおりで…」
──なんだか冴えないおっさんだな…。だが権力を持っていないのだからしょうがあるまい。
◆
いよいよデンマーク軍との戦いだ。
部隊をあらかじめ打ち合わせておいた配置につかせる。
それを目視したデンマーク軍の見張りは、想定より早い援軍の到着に右往左往している。今がチャンスだ。
騎馬の活躍の場面が少ないので、今回は第1・第2中隊は歩兵である。
第1中隊長のアダルベルトと第2中隊長のカロリーナに指示を出す。
「私が町の門を破壊したら突撃だ。敵と適当に戦ったら上手く偽装敗走してくれよ」
「「了解しました」」
皆が配置に着いたことを確認し、フリードリヒはエクスプロージョンの魔法を発動する。
ハンブルクの町の門は大爆発し、爆音がこだました。爆発の煙がモクモクと天高く昇っていく。
門周辺にいた敵は爆風を受けて多くの者が傷つき、混乱している。
「突撃せよ!」
アダルベルトを先頭に、第1・第2中隊が鬨の声をあげながら穴の開いた門めがけて突撃していく。
先頭が門を抜け接敵した。
アダルベルトはアロンダイトで次々と敵を切り伏せ、無双している。
その頃、ようやく外壁の上の敵が体制を整え、突入途中の味方に対して矢を放ち始めた。
ホムンクルスのマリーが時空反転フィールドで矢を反転させると、反転してきた矢に敵は傷つき、目を白黒させている。
アダルベルトが指示を出す。
「ローラとキャリーは壁の上の敵を頼む」
「「了解」」
2人は時空魔法で空中に瞬間的に足場を作り、反復横跳びの要領で空中に駆け上がると壁の上に降り立った。
弓兵は驚き、剣を抜いてかかってくるが、弓兵の剣など2入に通用するものではない。
2人は集中して半眼になると、背中合わせになり、互いの背を守りながら2刀流で次々と敵を切り伏せていった。
フィリップ・リストの伍は、マリー、ローザ、タラサ、エディタをメンバーとし第1中隊の中でも一際強かった。
フリップは技に物を言わせて次々と敵を屠っていく。
マリーはフリードリヒ譲りの2刀流で無双していた。
ローザ、タラサ、エディの3人は力技である。ローザとエディが大剣を一振りすると、柔な剣など砕いて一撃で敵を切り伏せていく。
タラサは、超重量級のモルゲンスタインを左右の手に持ち、有無を言わさず剣や鎧もろとも敵を砕いていく。
「おめえらこんなもやしっ子相手に何やってんだよ」
身長2メートルは超えていると思われる筋骨隆々としたマッチョ男が両手にバトルアックスを持って襲ってきた。
いかにもヴァイキングの末裔といった感じの残忍そうな男だ。
タラサが男に一撃を加えるが、男はモルゲンスタインを簡単に受け止めた。
──タラサの一撃を止められる者がいるとは!
伍のメンバーは驚愕した。
そこにアダルベルトが割って入る。
大男と打ち合っているがアダルベルトが押され気味に見える。
──あの赤髪のアダルが?
フィリップは違和感の正体をすぐに理解した。そろそろ潮時ということだ。
フィリップは伍のメンバーに目配せをするとメンバーもその意図を理解したようだ。
そのままじりじりと後退して行く。
「こいつらやっと疲れてきやがった」
「ああ。あんな調子で戦っちゃあいつまでも持たないさ」
敵軍からそんな会話が聞こえる。
ガキンと一際大きな打ち合いの音がすると、アダルベルトは打ち合っていた大男と距離をとった。
「このままでは埒が明かない。いったん撤退だ!」
「「「了解」」」
「そうはいくか。追撃して殲滅してくれる。俺に続け!」
と命令を下しているバトルアックスの大男は中隊長か何かだったようだ。
アダルベルトとフィリップの伍が殿を務めながら敗走を偽装しつつ撤退していく。
どうやら上手く騙されてくれたようだ。
デンマーク軍が追撃し、町の門の外まで釣り出されると、第1・第2中隊は突然左右に展開した。
デンマーク軍の正面に現れたのはダークナイトの軍団であった。
始めてみる異形の姿に恐怖したデンマーク軍の足が止まった。
恐怖に引きつるデンマーク軍の兵士をダークナイトは無慈悲に屠っていく。
「突撃! 敵を削れ」
ヴェロニアの一声で、両脇からはバイコーン騎兵が突撃をかけてくる。
バトルアックスの大男は啞然としていたところを、ヴェロニアのバイコーンに蹴散らされ、そこを狙ったダークナイトに一刀両断に切り伏せられて絶命した。
追撃してきたデンマーク軍は隊長をやられて混乱に陥っている。
ここでフリードリヒはペガサス騎兵を投入する。
「ペガサス騎兵はこれ以上の援軍が来ないよう足止めしろ」
「了解しました」
ペガサス騎兵は門から出ようとしているデンマーク軍を襲う。
「炸裂弾、投下!」
投下位置付近にいる敵兵は爆風や破片を浴びて血まみれになって助けを求めている。
「続けて弓放て!」
ペガサス騎兵から矢の雨が敵に降り注ぐ。
これに牽制されて敵の増援は門から出ることができない。
1時間もすると門の外に釣り出されたデンマーク軍は制圧された。これで敵軍の2割、千人ぐらいは削ったはずだ。
フリードリヒは攻勢に出る。
「よしっ。反転攻勢に転じる。ダークナイトを前面に押し出し、再突入せよ!」
「「「おーっ!」」」
「ペガサス騎兵と魔道小隊は空から援護だ!」
「「「おーっ!」」」
今度はヴェロニアの第3中隊も下馬して歩兵となり、全軍で町へ突入する。
ダークナイトは身長2メートルを超える体格のうえアダマンタイト級の剣技を持っている。並みの兵士ではとても歯がたたない。
また、魔力が尽きるまで動き続けることができ疲れを知らない。
デンマーク軍は防戦一方となった。
さて、こんなときは敵の指揮官の首を狩るのが一番だ。
フリードリヒは千里眼で敵の指揮官の位置を探る。
見つけた。最後尾で震えているかと思えば、前線に近いところで指揮をしているではないか。ここは指揮官を打ち取れば敵の士気はガタ落ちに違いない。
だが、ここからだと弓の射線も通りそうにない。
こんなときこそあれの出番だ。
フリードリヒはマジックバッグから聖剣クラウ・ソラスを取り出した。
「行け! クラウ・ソラス。敵指揮官を打ち取れ!」
クラウ・ソラスは敵をかい潜ると光のような速さで敵指揮官に向かっていき、その心臓を貫いた。
指揮官の心臓から鮮血がほとばしる。
周りにいた副官らが慌てて体を支えるが、既に絶命していた。
これで副官は撤退を決意したようだ。
デンマーク軍は港に向けて撤退していく。
これを容赦なくダークナイトが追撃し、空からはペガサス騎兵の矢が、魔道小隊の魔法が雨のように降り注ぐ。
これでトータル3割ぐらいの敵を削っただろう。
しかし、敵は抜かりなく艦船を用意していたらしく、次々と乗り込んでは海上へ逃れていく。
──これで終わりだと思うなよ。
これも想定内。事前の準備が生きるというものだ。
二度と帝国に攻め込むことがないよう、完膚なきまで叩いてやる。
「この度はご助成かたじけなく存じます。しかも、あの名高い暗黒騎士団とは」
「ああ。私を使わせた皇帝に感謝することだな」
「で、今回はどのような作戦で?」
「我々がデンマーク軍を町から追い出す。やつらは海上へと逃走するだろうからあなたは艦隊で追撃してくれ」
「そんな簡単におっしゃりますが、相手はほぼ10倍の数の敵ですぞ」
「なに。暗黒騎士団に問題はない」
「はあ…」
ヴィッテンボルクは単なる若造の強がりなのか、根拠があってのことなのか計りかねているようだ。
──実戦を見ればわかることさ。
続いてホルシュタイン伯のテオドール・フォン・バードヴィーデンも挨拶にやってきた。
ハンブルグは自由都市であるが位置的にはホルシュタイン伯領内にある。しかし、ホルシュタイン伯領はデンマーク王ヴァルデマーⅡ世に実効支配されている状態で、事実上の権力は持っていなかった。
「これはツェーリンゲン卿。ご加勢痛み入る」
「なに。私を使わせた陛下の御心に感謝することですな」
「全くそのとおりで…」
──なんだか冴えないおっさんだな…。だが権力を持っていないのだからしょうがあるまい。
◆
いよいよデンマーク軍との戦いだ。
部隊をあらかじめ打ち合わせておいた配置につかせる。
それを目視したデンマーク軍の見張りは、想定より早い援軍の到着に右往左往している。今がチャンスだ。
騎馬の活躍の場面が少ないので、今回は第1・第2中隊は歩兵である。
第1中隊長のアダルベルトと第2中隊長のカロリーナに指示を出す。
「私が町の門を破壊したら突撃だ。敵と適当に戦ったら上手く偽装敗走してくれよ」
「「了解しました」」
皆が配置に着いたことを確認し、フリードリヒはエクスプロージョンの魔法を発動する。
ハンブルクの町の門は大爆発し、爆音がこだました。爆発の煙がモクモクと天高く昇っていく。
門周辺にいた敵は爆風を受けて多くの者が傷つき、混乱している。
「突撃せよ!」
アダルベルトを先頭に、第1・第2中隊が鬨の声をあげながら穴の開いた門めがけて突撃していく。
先頭が門を抜け接敵した。
アダルベルトはアロンダイトで次々と敵を切り伏せ、無双している。
その頃、ようやく外壁の上の敵が体制を整え、突入途中の味方に対して矢を放ち始めた。
ホムンクルスのマリーが時空反転フィールドで矢を反転させると、反転してきた矢に敵は傷つき、目を白黒させている。
アダルベルトが指示を出す。
「ローラとキャリーは壁の上の敵を頼む」
「「了解」」
2人は時空魔法で空中に瞬間的に足場を作り、反復横跳びの要領で空中に駆け上がると壁の上に降り立った。
弓兵は驚き、剣を抜いてかかってくるが、弓兵の剣など2入に通用するものではない。
2人は集中して半眼になると、背中合わせになり、互いの背を守りながら2刀流で次々と敵を切り伏せていった。
フィリップ・リストの伍は、マリー、ローザ、タラサ、エディタをメンバーとし第1中隊の中でも一際強かった。
フリップは技に物を言わせて次々と敵を屠っていく。
マリーはフリードリヒ譲りの2刀流で無双していた。
ローザ、タラサ、エディの3人は力技である。ローザとエディが大剣を一振りすると、柔な剣など砕いて一撃で敵を切り伏せていく。
タラサは、超重量級のモルゲンスタインを左右の手に持ち、有無を言わさず剣や鎧もろとも敵を砕いていく。
「おめえらこんなもやしっ子相手に何やってんだよ」
身長2メートルは超えていると思われる筋骨隆々としたマッチョ男が両手にバトルアックスを持って襲ってきた。
いかにもヴァイキングの末裔といった感じの残忍そうな男だ。
タラサが男に一撃を加えるが、男はモルゲンスタインを簡単に受け止めた。
──タラサの一撃を止められる者がいるとは!
伍のメンバーは驚愕した。
そこにアダルベルトが割って入る。
大男と打ち合っているがアダルベルトが押され気味に見える。
──あの赤髪のアダルが?
フィリップは違和感の正体をすぐに理解した。そろそろ潮時ということだ。
フィリップは伍のメンバーに目配せをするとメンバーもその意図を理解したようだ。
そのままじりじりと後退して行く。
「こいつらやっと疲れてきやがった」
「ああ。あんな調子で戦っちゃあいつまでも持たないさ」
敵軍からそんな会話が聞こえる。
ガキンと一際大きな打ち合いの音がすると、アダルベルトは打ち合っていた大男と距離をとった。
「このままでは埒が明かない。いったん撤退だ!」
「「「了解」」」
「そうはいくか。追撃して殲滅してくれる。俺に続け!」
と命令を下しているバトルアックスの大男は中隊長か何かだったようだ。
アダルベルトとフィリップの伍が殿を務めながら敗走を偽装しつつ撤退していく。
どうやら上手く騙されてくれたようだ。
デンマーク軍が追撃し、町の門の外まで釣り出されると、第1・第2中隊は突然左右に展開した。
デンマーク軍の正面に現れたのはダークナイトの軍団であった。
始めてみる異形の姿に恐怖したデンマーク軍の足が止まった。
恐怖に引きつるデンマーク軍の兵士をダークナイトは無慈悲に屠っていく。
「突撃! 敵を削れ」
ヴェロニアの一声で、両脇からはバイコーン騎兵が突撃をかけてくる。
バトルアックスの大男は啞然としていたところを、ヴェロニアのバイコーンに蹴散らされ、そこを狙ったダークナイトに一刀両断に切り伏せられて絶命した。
追撃してきたデンマーク軍は隊長をやられて混乱に陥っている。
ここでフリードリヒはペガサス騎兵を投入する。
「ペガサス騎兵はこれ以上の援軍が来ないよう足止めしろ」
「了解しました」
ペガサス騎兵は門から出ようとしているデンマーク軍を襲う。
「炸裂弾、投下!」
投下位置付近にいる敵兵は爆風や破片を浴びて血まみれになって助けを求めている。
「続けて弓放て!」
ペガサス騎兵から矢の雨が敵に降り注ぐ。
これに牽制されて敵の増援は門から出ることができない。
1時間もすると門の外に釣り出されたデンマーク軍は制圧された。これで敵軍の2割、千人ぐらいは削ったはずだ。
フリードリヒは攻勢に出る。
「よしっ。反転攻勢に転じる。ダークナイトを前面に押し出し、再突入せよ!」
「「「おーっ!」」」
「ペガサス騎兵と魔道小隊は空から援護だ!」
「「「おーっ!」」」
今度はヴェロニアの第3中隊も下馬して歩兵となり、全軍で町へ突入する。
ダークナイトは身長2メートルを超える体格のうえアダマンタイト級の剣技を持っている。並みの兵士ではとても歯がたたない。
また、魔力が尽きるまで動き続けることができ疲れを知らない。
デンマーク軍は防戦一方となった。
さて、こんなときは敵の指揮官の首を狩るのが一番だ。
フリードリヒは千里眼で敵の指揮官の位置を探る。
見つけた。最後尾で震えているかと思えば、前線に近いところで指揮をしているではないか。ここは指揮官を打ち取れば敵の士気はガタ落ちに違いない。
だが、ここからだと弓の射線も通りそうにない。
こんなときこそあれの出番だ。
フリードリヒはマジックバッグから聖剣クラウ・ソラスを取り出した。
「行け! クラウ・ソラス。敵指揮官を打ち取れ!」
クラウ・ソラスは敵をかい潜ると光のような速さで敵指揮官に向かっていき、その心臓を貫いた。
指揮官の心臓から鮮血がほとばしる。
周りにいた副官らが慌てて体を支えるが、既に絶命していた。
これで副官は撤退を決意したようだ。
デンマーク軍は港に向けて撤退していく。
これを容赦なくダークナイトが追撃し、空からはペガサス騎兵の矢が、魔道小隊の魔法が雨のように降り注ぐ。
これでトータル3割ぐらいの敵を削っただろう。
しかし、敵は抜かりなく艦船を用意していたらしく、次々と乗り込んでは海上へ逃れていく。
──これで終わりだと思うなよ。
これも想定内。事前の準備が生きるというものだ。
二度と帝国に攻め込むことがないよう、完膚なきまで叩いてやる。
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