55 / 215
第3章 軍人編
第38話 ライン河畔の会戦 ~再びの軍功~
しおりを挟む
先般のリューネブルク会戦では、ザクセン公がホーエンシュタウフェン家に寝返ることが約束された。
次の目標はライン宮中伯のハインリヒ・フォン・ヴェルフェンである。
宮中伯とは、本来、皇帝の側近で、現代でいう大臣に相当し、担当する部署において政務を処理していた。
やがて地方において諸侯が台頭すると、その力を抑えるために各地に宮中伯が派遣されるようになる。
ヴェルフェン宮中伯領は、下ロートリンゲン地方のライン川下流域を版図としている。
ヴェルフェンは現皇帝オットーⅣ世の兄である。
宮中伯として、自ら選帝侯のひとりでもあったが、皇帝選挙の際は、ライン諸侯の意向のとりまとめに奔走した。
いわば下ロートリンゲンにおけるキーマンであるが、皇帝の兄であるだけに、政治交渉や金銭による買収では味方につけることが難しい。
結局、軍事的に解決する道をホーエンシュタウフェン公は選択した。非軍事的交渉に時間を割いていては、ザクセン公が寝返った今のタイミングを逃してしまうと判断したのである。
◆
館のリビングルームにフリードリヒと女子連中が集まっていた。
ベアトリスが口を開く。
「フリードリヒ様。また戦争なのですね」
「今はホーエンシュタウフェン家が帝位を得られるかどうかの瀬戸際だからな。ホーエンシュタウフェン公も必死なのだ」
「私は修道女ですから、できるだけ平和的な解決をしてほしいのですが…」
「平和的な手段を尽くしてから最後の手段として戦争というのは正論ではあるがいつも正しいとは限らない。
戦争は仕掛けるタイミングも重要だ。成立が困難な交渉を長々とやっている間に相手に体制を整えられると、かえって損害が増えるということもある。
私は今回のホーエンシュタウフェン公の判断は妥当だと思うぞ」
「確かに人が死ぬ数は少ないことに越したことはありません。でも死者はでてしまうのですよね?」
「そこは攻めてくる者たちがいる以上、武力は手放せないというのが現実だな」
フリードリヒは前世の記憶で、これから何百年経っても戦争というものはなくならないことを知っている。それどころか、世界大戦時の国家総力戦のようにむしろエスカレートしていくのだ。
それに比べたらこの時代の戦争のスケールなどかわいいものだ。
が、最悪と比較してまだましという考え方も卑怯な考え方だ。それでは正当化はできていない。
しかし、前世の知識はベアトリスには言えない。
それに彼女は人が死ぬことへの良心の呵責のことを言っているのだ。それに対しては人間の業の深さとしか言いようがない。
「とにかく。我々が軍人という宮仕えである以上、上の命令には従わなければならない」
女子連中たちの表情はさえない。
フリードリヒ自身、社会的な階段を上る早道として軍人になることを選んだのだ。改めて覚悟せねばなるまい。
「なに湿気た面してやがる。あたいたちは旦那を信じてどこまでもついていくだけだ!」
ヴェロニアが発破をかける。
「そうね。考えて結論が出るような問題でもないし…。フリードリヒ様を信じるだけだわ」
とローザが答えた。
皆も少し気を持ち直したようだ。
◆
ハインリヒ・フォン・ヴェルフェン宮中伯軍は、自軍1,500に加え、近隣の諸侯の援軍2,500を併せた4,000だ。
これに対してホーエンシュタウフェン軍は前回と同じく第4・第5騎士団1,000で当たる。やはり、これ以上の数を割くことは難しいのだ。
今回は寄せ集めの軍とはいえ4倍の敵を相手にすることになる。厳しい戦いが予想される。
マイツェン第5騎士団長は、輜重の輸送などの兵站線の確保については、タンバヤ商会に委託してきた。前回の会戦で評判が良かったらしい。
タンバヤ商会で手配した輜重部隊には、今回も戦闘に手練の者を選んである。前回もそれなりに役にたったし、用心に越したことはないからだ。
フリードリヒ中隊は、今回も最右翼に配置されると事前通告があったので、全員が騎馬である。馬匹はもちろんバイコーンだ。
アウクスブルクを出発して2週間後。いよいよ会戦の地に到着した。場所はライン川東岸に広がる平原である。
事前の諜報活動により、ヴェルフェン宮中伯が自ら出陣することが判明している。向こうも必死なのだろう。
会戦の時刻となり。両軍が対峙した。
両軍とも横陣を組んでおり、正面対決の様相を呈している。
フリードリヒ中隊は、予告どおり最右翼に陣取っている。
フリードリヒは、出陣の合図に備え白銀のマスクを着けた。
敵軍は、ヴェルフェン宮中伯の本軍を中央に、その左右を諸侯軍が固める形をとっている。
フリードリヒは4倍の数の敵を相手にするのであれば、相手の陣形を崩す必要があると考えた。
まずは敵左軍の右翼に回り包囲すると見せかけて相手の出方を見ることにする。
「突撃!」
ホーエンシュタウフェン軍本陣から突撃の命令があった。
「敵左軍を包囲する形をとる! 我に続け!」
そう叫ぶとフリードリヒは先陣をきってバイコーンを疾走させる。
敵が包囲の形をとる場合、守備側では3パターンの対応がある。1つ目は包囲の更に外側から逆包囲する。2つ目は包囲を防ぐため後列から人を補充して陣を左に伸ばす。3つ目は陣を敵とは逆方向に鉤型に展開する守備的な形である。
敵軍の編成は騎馬をした騎士に徒歩の従卒が従うという伝統的な編成だ。
展開スピードで騎馬だけからなるフリードリヒ中隊にかなうはずもなく、自ずと逆包囲は無理がある。
どうやら敵の指揮官は陣を横に伸ばすよう指示を出したようだ。
しかし、フリードリヒ中隊の速度についていけず、敵陣の展開は混乱し、間に合いそうもない。
「陣が混乱したところを集中的に弓で狙え! 風魔法が使える者は風で矢を運べ!」
前回の会戦と同じ常套手段である。
フリードリヒは敵から距離をとって進路をとるので敵の矢はとどかない。
攻撃はフリードリヒ中隊からの一方的な攻撃となった。面白いように敵が倒れていく。
フリードリヒは、敵中に中隊長か小隊長らしき人物がいると優先的に攻撃していく。指揮官を失って敵軍の混乱は増していく。
正面からはブルンスマイアーの第4中隊が混乱した陣を集中的に攻撃している。
──なかなかやるな。
あまり矢を使いすぎると尽きてしまう。敵陣も混乱しているし、そろそろ頃合いだ。
フリードリヒは敵陣の側面をすり抜けると後背に回り込む。
「突撃!我に続け!」
混乱した敵陣へ背後から突入する。
混乱しながらも敵は弓の射程圏内に入ったところで弓を射かけてきた。フリードリヒ中隊を多数の矢が襲う。
「マリー!」
ホムンクルスのマリーはこれを時空反転フィールドではね返す。
逆に敵の中から矢傷を負った悲鳴があちこちから聞こえてくる。
矢がはね返ってくるという異常事態に「いったいどうなっているんだ?」と敵の弓兵は首をひねっている。
──リューネブルク会戦のことを知らないのか?
どうやら諸侯軍の方は先の会戦の情報取集を怠っていたらしい。
その直後、接敵した。
そのまま速度を緩めずバイコーンで敵を蹴散らし。手にした武器で左右の敵を攻撃する。
敵の顔はやはり恐怖に染まっている。騎馬部隊と戦うなど思っていなかったのだろう。
左翼の諸侯軍は反転して攻撃を試みる者、早々と逃走を試みる者などが入り混じり、みるみるうちに混乱していく。
敵の騎士が装備している突撃槍は基本的に1対1の決闘用に進化したものだ。長い方が有利ということで長く進化した分だけ取り回しが難しく、乱戦には全く不向きである。
増してや相手は騎馬して凄まじいスピードで動き回っており、騎士同士の決闘のように正面から迎え撃ってはくれない。
敵にしてみれば「騎士道にもとる」と言いたいところだろうが、そんなことはフリードリヒの知ったことではない。
実際、この時期に北の海からデーン人がバルト海・北海方面に侵入し、略奪や侵略行為を働いて猛威を振るっていたが、彼らが騎士道など無視したというのも大きな要因である。
フリードリヒは混乱した諸侯軍に後背から何度も突撃をかける。
諸侯軍は圧力に耐えきれず、前方に押し出され始めた。
「魔法を解禁する! 敵を前方に押し込め!」
というや否や、レインオブファイアが雨あられと敵に降りそそぐ。
プドリスだな。ご褒美をあげたから張り切っているな。
ホムンクルス3人娘やネライダ、ベアトリスも負けていない。無数の炎や氷の矢が、風の刃が敵を襲う。
このドンパチを見て左翼の諸侯軍は前方へ逃れようとするが、前方には第5騎士団本軍が待ち構えている。
前後から挟撃された諸侯軍は自ずと左翼方面へ逃れ始めた。
これにより敵中央軍の左側面ががら空きとなった。今が好機である。
フリードリヒは、反転して中央軍左翼へと向かう。
「中央軍を狙う! 我に続け!」
中央軍の左側面を距離と取って進む。
「左側面から弓で狙う! 風魔法が使える者は風で矢を運べ! 矢は撃ち尽くしてかまわない」
不意に側面から攻撃を受けた敵は混乱する。
敵には弓兵もいるが、再び一方的な攻撃が繰り返され、敵は次々と倒れていく。
「矢が尽きた者は魔法を使え!」
無数の炎や氷の矢が、風の刃が今後度は中央軍を襲う。
そのまま中央軍の後ろへ抜けると、反転し後背から中央軍の左翼へ突撃をかける。
「左翼から削っていくぞ。突撃!」
散発的な弓の反撃があるが、斉射ではない矢などにやられるフリードリヒ中隊ではない。
敵左翼を蹴散らしながら前方へと駆け抜ける。反転し、今度は前方から後方へと駆け抜ける。こうして敵を削っていくのだ。
不意に炎の上位魔法ヘルファイアがフリードリヒ中隊を襲った。
「ローラ!」
ホムンクルスのローラは時空反転フィールドでヘルファイアを敵軍へとはね返す。逆に敵陣に多大な損害が出て、火が燃え広がっている。
相手の魔導士は魔法が反射されて驚愕しているようだ。初めての経験なのだろう。時空魔法の使い手などフリードリヒとホムンクルス3人娘くらいなのだから無理もない。
敵には魔導士が10人程いる。まずはやつらから始末しよう。
「敵の魔導士を狙え!」
無数の炎や氷の矢が、風の刃が敵の魔導士を襲うが、魔法障壁で防御されてしまった。10人とも相当な実力のようだ。
──前回よりもやっかいだな。
しかし、魔導士の弱点は物理攻撃と相場は決まっている。
「アダル。マリー、ローラ、キャリーを連れてやつらを殺れ!」
「承知!」
魔導士たちは必死に魔法を放ってくるがホムンクルス3人娘が展開する時空反転フィールドにことごとく反射される。
反射された魔法は魔導士たちを守ろうとしてくれた兵士たちを襲い、かえって魔導士たちの守りが手薄になってしまった。
魔導士たちのもとへアダルら4人が突撃する。
もともと魔導士など運動神経がよい者などいないから一瞬で切り伏せられてしまった。
その間に中央軍の後ろに抜けていたフリードリヒは再び後背から襲う。
「邪魔者はいなくなった。中央軍を削るぞ。突撃!」
そこで中央軍は思いがけない動きを見せた。
前方の第5騎士団本軍へ向けて一斉に突撃したのである。
少数ながらも強敵であるフリードリヒ中隊よりも一般的な編成の本軍の方が組みやすしと判断したのだろう。
それに第5騎士団本軍の方は第4・第5中隊が抜けて手薄となっている。
「おまえたち。俺を守れ!」と第5騎士団長のゴットフリート・フォン・マイツェンが命令した。
「団長。ここは左右に展開して敵をやり過ごすべきです!」と副官のラードルフ・フォン・シュローダーが進言する。
「それでは俺の守りが薄くなってしまうではないか!」
マイツェンは聞く耳を持たない。
はるかに数に勝る敵を真正面から受け止める方が自殺行為だと思うのだが、焦りのあまりそのようなことも考えられないようだ。
そうして時間を無駄にしている間に、敵中央軍と第5騎士団本軍が衝突した。
一方、フリードリヒ中隊も援護のため後背から敵を削っていた。
「フリードリヒ様!」とアダルが叫ぶ。
言いたいことはわかっている。極大魔法なりで敵中央軍を殲滅すれば第5騎士団本軍は救われる。
しかし、それでは殺し過ぎなのだ。これはあくまでも神聖帝国内の内戦である。殺し過ぎては戦後処理が困難を極めてしまう。
「殺し過ぎは良くない。本軍は正面から受け止めず、いなせばいいだけの話だ」
「それはそうですが…」
アダルは黙りこくってしまった。それがあの団長にできるだろうか?
第5騎士団本軍は敵中央軍に押し込まれていた。本陣へも敵の攻撃音が聞こえてくる。
「団長。後方へ下がりましょう。騎馬してください」とシュローダー。
「お、おう。わかった」
もはや正常な判断ができないマイツェンは言いなりである。
そこへ乱戦を潜り抜け、一人の敵騎士が突撃槍を構えて突進してきた。
運悪くそれが騎馬しようとしていたマイツェンの背中を直撃する。
「グホッ」と咳込むとマイツェンは大量の血を喀血した。
この重症ではまず助からないだろう。
しかし、第5騎士団としては幸いだったと言わねばなるまい。指揮権が冷静なシュローダーに移ったのだ。
シュローダーは叫んだ。
「これより指揮権は私に移った。軍を左右に展開して敵をやりすごす! 第1中隊は左翼、第2・第3中隊は右翼に展開せよ!」
混乱しながらも左右に展開し、中央を開けると、敵中央軍はここを駆け抜けて行った。
それを見届けたシュローダーは命令する。
「敵の反転攻撃に備えよ!」
だが、その命令は空振りに終わった。
敵中央軍はそのまま逃げ去ったのだ。
これを見ていた左右の諸侯軍も撤退を始めた。
ホーエンシュタウフェン軍は第5騎士団長を失いながらも4倍の敵を撃退したのだ。
◆
戦いが終わって、捕虜交換などの戦後処理に入る。
終わってみるとライン宮中伯軍の損害は左翼の諸侯軍を中心に4割を超えていた。これは数字的には惨敗といってよいものだ。
一方のホーエンシュタウフェン軍の損害も2割近かった。こちらも大きな損害である。
この惨敗により、ヴェルフェン宮中伯は、弟を見限り、ホーエンシュタウフェン家に寝返ることが約束された。
これによりヴェルフ家は有力な支持者を失うこととなり、パワーバランスは大きくホーエンシュタウフェン家に傾くこととなった。
そして、ホーエンシュタウフェン軍は帰路についた。
次の目標はライン宮中伯のハインリヒ・フォン・ヴェルフェンである。
宮中伯とは、本来、皇帝の側近で、現代でいう大臣に相当し、担当する部署において政務を処理していた。
やがて地方において諸侯が台頭すると、その力を抑えるために各地に宮中伯が派遣されるようになる。
ヴェルフェン宮中伯領は、下ロートリンゲン地方のライン川下流域を版図としている。
ヴェルフェンは現皇帝オットーⅣ世の兄である。
宮中伯として、自ら選帝侯のひとりでもあったが、皇帝選挙の際は、ライン諸侯の意向のとりまとめに奔走した。
いわば下ロートリンゲンにおけるキーマンであるが、皇帝の兄であるだけに、政治交渉や金銭による買収では味方につけることが難しい。
結局、軍事的に解決する道をホーエンシュタウフェン公は選択した。非軍事的交渉に時間を割いていては、ザクセン公が寝返った今のタイミングを逃してしまうと判断したのである。
◆
館のリビングルームにフリードリヒと女子連中が集まっていた。
ベアトリスが口を開く。
「フリードリヒ様。また戦争なのですね」
「今はホーエンシュタウフェン家が帝位を得られるかどうかの瀬戸際だからな。ホーエンシュタウフェン公も必死なのだ」
「私は修道女ですから、できるだけ平和的な解決をしてほしいのですが…」
「平和的な手段を尽くしてから最後の手段として戦争というのは正論ではあるがいつも正しいとは限らない。
戦争は仕掛けるタイミングも重要だ。成立が困難な交渉を長々とやっている間に相手に体制を整えられると、かえって損害が増えるということもある。
私は今回のホーエンシュタウフェン公の判断は妥当だと思うぞ」
「確かに人が死ぬ数は少ないことに越したことはありません。でも死者はでてしまうのですよね?」
「そこは攻めてくる者たちがいる以上、武力は手放せないというのが現実だな」
フリードリヒは前世の記憶で、これから何百年経っても戦争というものはなくならないことを知っている。それどころか、世界大戦時の国家総力戦のようにむしろエスカレートしていくのだ。
それに比べたらこの時代の戦争のスケールなどかわいいものだ。
が、最悪と比較してまだましという考え方も卑怯な考え方だ。それでは正当化はできていない。
しかし、前世の知識はベアトリスには言えない。
それに彼女は人が死ぬことへの良心の呵責のことを言っているのだ。それに対しては人間の業の深さとしか言いようがない。
「とにかく。我々が軍人という宮仕えである以上、上の命令には従わなければならない」
女子連中たちの表情はさえない。
フリードリヒ自身、社会的な階段を上る早道として軍人になることを選んだのだ。改めて覚悟せねばなるまい。
「なに湿気た面してやがる。あたいたちは旦那を信じてどこまでもついていくだけだ!」
ヴェロニアが発破をかける。
「そうね。考えて結論が出るような問題でもないし…。フリードリヒ様を信じるだけだわ」
とローザが答えた。
皆も少し気を持ち直したようだ。
◆
ハインリヒ・フォン・ヴェルフェン宮中伯軍は、自軍1,500に加え、近隣の諸侯の援軍2,500を併せた4,000だ。
これに対してホーエンシュタウフェン軍は前回と同じく第4・第5騎士団1,000で当たる。やはり、これ以上の数を割くことは難しいのだ。
今回は寄せ集めの軍とはいえ4倍の敵を相手にすることになる。厳しい戦いが予想される。
マイツェン第5騎士団長は、輜重の輸送などの兵站線の確保については、タンバヤ商会に委託してきた。前回の会戦で評判が良かったらしい。
タンバヤ商会で手配した輜重部隊には、今回も戦闘に手練の者を選んである。前回もそれなりに役にたったし、用心に越したことはないからだ。
フリードリヒ中隊は、今回も最右翼に配置されると事前通告があったので、全員が騎馬である。馬匹はもちろんバイコーンだ。
アウクスブルクを出発して2週間後。いよいよ会戦の地に到着した。場所はライン川東岸に広がる平原である。
事前の諜報活動により、ヴェルフェン宮中伯が自ら出陣することが判明している。向こうも必死なのだろう。
会戦の時刻となり。両軍が対峙した。
両軍とも横陣を組んでおり、正面対決の様相を呈している。
フリードリヒ中隊は、予告どおり最右翼に陣取っている。
フリードリヒは、出陣の合図に備え白銀のマスクを着けた。
敵軍は、ヴェルフェン宮中伯の本軍を中央に、その左右を諸侯軍が固める形をとっている。
フリードリヒは4倍の数の敵を相手にするのであれば、相手の陣形を崩す必要があると考えた。
まずは敵左軍の右翼に回り包囲すると見せかけて相手の出方を見ることにする。
「突撃!」
ホーエンシュタウフェン軍本陣から突撃の命令があった。
「敵左軍を包囲する形をとる! 我に続け!」
そう叫ぶとフリードリヒは先陣をきってバイコーンを疾走させる。
敵が包囲の形をとる場合、守備側では3パターンの対応がある。1つ目は包囲の更に外側から逆包囲する。2つ目は包囲を防ぐため後列から人を補充して陣を左に伸ばす。3つ目は陣を敵とは逆方向に鉤型に展開する守備的な形である。
敵軍の編成は騎馬をした騎士に徒歩の従卒が従うという伝統的な編成だ。
展開スピードで騎馬だけからなるフリードリヒ中隊にかなうはずもなく、自ずと逆包囲は無理がある。
どうやら敵の指揮官は陣を横に伸ばすよう指示を出したようだ。
しかし、フリードリヒ中隊の速度についていけず、敵陣の展開は混乱し、間に合いそうもない。
「陣が混乱したところを集中的に弓で狙え! 風魔法が使える者は風で矢を運べ!」
前回の会戦と同じ常套手段である。
フリードリヒは敵から距離をとって進路をとるので敵の矢はとどかない。
攻撃はフリードリヒ中隊からの一方的な攻撃となった。面白いように敵が倒れていく。
フリードリヒは、敵中に中隊長か小隊長らしき人物がいると優先的に攻撃していく。指揮官を失って敵軍の混乱は増していく。
正面からはブルンスマイアーの第4中隊が混乱した陣を集中的に攻撃している。
──なかなかやるな。
あまり矢を使いすぎると尽きてしまう。敵陣も混乱しているし、そろそろ頃合いだ。
フリードリヒは敵陣の側面をすり抜けると後背に回り込む。
「突撃!我に続け!」
混乱した敵陣へ背後から突入する。
混乱しながらも敵は弓の射程圏内に入ったところで弓を射かけてきた。フリードリヒ中隊を多数の矢が襲う。
「マリー!」
ホムンクルスのマリーはこれを時空反転フィールドではね返す。
逆に敵の中から矢傷を負った悲鳴があちこちから聞こえてくる。
矢がはね返ってくるという異常事態に「いったいどうなっているんだ?」と敵の弓兵は首をひねっている。
──リューネブルク会戦のことを知らないのか?
どうやら諸侯軍の方は先の会戦の情報取集を怠っていたらしい。
その直後、接敵した。
そのまま速度を緩めずバイコーンで敵を蹴散らし。手にした武器で左右の敵を攻撃する。
敵の顔はやはり恐怖に染まっている。騎馬部隊と戦うなど思っていなかったのだろう。
左翼の諸侯軍は反転して攻撃を試みる者、早々と逃走を試みる者などが入り混じり、みるみるうちに混乱していく。
敵の騎士が装備している突撃槍は基本的に1対1の決闘用に進化したものだ。長い方が有利ということで長く進化した分だけ取り回しが難しく、乱戦には全く不向きである。
増してや相手は騎馬して凄まじいスピードで動き回っており、騎士同士の決闘のように正面から迎え撃ってはくれない。
敵にしてみれば「騎士道にもとる」と言いたいところだろうが、そんなことはフリードリヒの知ったことではない。
実際、この時期に北の海からデーン人がバルト海・北海方面に侵入し、略奪や侵略行為を働いて猛威を振るっていたが、彼らが騎士道など無視したというのも大きな要因である。
フリードリヒは混乱した諸侯軍に後背から何度も突撃をかける。
諸侯軍は圧力に耐えきれず、前方に押し出され始めた。
「魔法を解禁する! 敵を前方に押し込め!」
というや否や、レインオブファイアが雨あられと敵に降りそそぐ。
プドリスだな。ご褒美をあげたから張り切っているな。
ホムンクルス3人娘やネライダ、ベアトリスも負けていない。無数の炎や氷の矢が、風の刃が敵を襲う。
このドンパチを見て左翼の諸侯軍は前方へ逃れようとするが、前方には第5騎士団本軍が待ち構えている。
前後から挟撃された諸侯軍は自ずと左翼方面へ逃れ始めた。
これにより敵中央軍の左側面ががら空きとなった。今が好機である。
フリードリヒは、反転して中央軍左翼へと向かう。
「中央軍を狙う! 我に続け!」
中央軍の左側面を距離と取って進む。
「左側面から弓で狙う! 風魔法が使える者は風で矢を運べ! 矢は撃ち尽くしてかまわない」
不意に側面から攻撃を受けた敵は混乱する。
敵には弓兵もいるが、再び一方的な攻撃が繰り返され、敵は次々と倒れていく。
「矢が尽きた者は魔法を使え!」
無数の炎や氷の矢が、風の刃が今後度は中央軍を襲う。
そのまま中央軍の後ろへ抜けると、反転し後背から中央軍の左翼へ突撃をかける。
「左翼から削っていくぞ。突撃!」
散発的な弓の反撃があるが、斉射ではない矢などにやられるフリードリヒ中隊ではない。
敵左翼を蹴散らしながら前方へと駆け抜ける。反転し、今度は前方から後方へと駆け抜ける。こうして敵を削っていくのだ。
不意に炎の上位魔法ヘルファイアがフリードリヒ中隊を襲った。
「ローラ!」
ホムンクルスのローラは時空反転フィールドでヘルファイアを敵軍へとはね返す。逆に敵陣に多大な損害が出て、火が燃え広がっている。
相手の魔導士は魔法が反射されて驚愕しているようだ。初めての経験なのだろう。時空魔法の使い手などフリードリヒとホムンクルス3人娘くらいなのだから無理もない。
敵には魔導士が10人程いる。まずはやつらから始末しよう。
「敵の魔導士を狙え!」
無数の炎や氷の矢が、風の刃が敵の魔導士を襲うが、魔法障壁で防御されてしまった。10人とも相当な実力のようだ。
──前回よりもやっかいだな。
しかし、魔導士の弱点は物理攻撃と相場は決まっている。
「アダル。マリー、ローラ、キャリーを連れてやつらを殺れ!」
「承知!」
魔導士たちは必死に魔法を放ってくるがホムンクルス3人娘が展開する時空反転フィールドにことごとく反射される。
反射された魔法は魔導士たちを守ろうとしてくれた兵士たちを襲い、かえって魔導士たちの守りが手薄になってしまった。
魔導士たちのもとへアダルら4人が突撃する。
もともと魔導士など運動神経がよい者などいないから一瞬で切り伏せられてしまった。
その間に中央軍の後ろに抜けていたフリードリヒは再び後背から襲う。
「邪魔者はいなくなった。中央軍を削るぞ。突撃!」
そこで中央軍は思いがけない動きを見せた。
前方の第5騎士団本軍へ向けて一斉に突撃したのである。
少数ながらも強敵であるフリードリヒ中隊よりも一般的な編成の本軍の方が組みやすしと判断したのだろう。
それに第5騎士団本軍の方は第4・第5中隊が抜けて手薄となっている。
「おまえたち。俺を守れ!」と第5騎士団長のゴットフリート・フォン・マイツェンが命令した。
「団長。ここは左右に展開して敵をやり過ごすべきです!」と副官のラードルフ・フォン・シュローダーが進言する。
「それでは俺の守りが薄くなってしまうではないか!」
マイツェンは聞く耳を持たない。
はるかに数に勝る敵を真正面から受け止める方が自殺行為だと思うのだが、焦りのあまりそのようなことも考えられないようだ。
そうして時間を無駄にしている間に、敵中央軍と第5騎士団本軍が衝突した。
一方、フリードリヒ中隊も援護のため後背から敵を削っていた。
「フリードリヒ様!」とアダルが叫ぶ。
言いたいことはわかっている。極大魔法なりで敵中央軍を殲滅すれば第5騎士団本軍は救われる。
しかし、それでは殺し過ぎなのだ。これはあくまでも神聖帝国内の内戦である。殺し過ぎては戦後処理が困難を極めてしまう。
「殺し過ぎは良くない。本軍は正面から受け止めず、いなせばいいだけの話だ」
「それはそうですが…」
アダルは黙りこくってしまった。それがあの団長にできるだろうか?
第5騎士団本軍は敵中央軍に押し込まれていた。本陣へも敵の攻撃音が聞こえてくる。
「団長。後方へ下がりましょう。騎馬してください」とシュローダー。
「お、おう。わかった」
もはや正常な判断ができないマイツェンは言いなりである。
そこへ乱戦を潜り抜け、一人の敵騎士が突撃槍を構えて突進してきた。
運悪くそれが騎馬しようとしていたマイツェンの背中を直撃する。
「グホッ」と咳込むとマイツェンは大量の血を喀血した。
この重症ではまず助からないだろう。
しかし、第5騎士団としては幸いだったと言わねばなるまい。指揮権が冷静なシュローダーに移ったのだ。
シュローダーは叫んだ。
「これより指揮権は私に移った。軍を左右に展開して敵をやりすごす! 第1中隊は左翼、第2・第3中隊は右翼に展開せよ!」
混乱しながらも左右に展開し、中央を開けると、敵中央軍はここを駆け抜けて行った。
それを見届けたシュローダーは命令する。
「敵の反転攻撃に備えよ!」
だが、その命令は空振りに終わった。
敵中央軍はそのまま逃げ去ったのだ。
これを見ていた左右の諸侯軍も撤退を始めた。
ホーエンシュタウフェン軍は第5騎士団長を失いながらも4倍の敵を撃退したのだ。
◆
戦いが終わって、捕虜交換などの戦後処理に入る。
終わってみるとライン宮中伯軍の損害は左翼の諸侯軍を中心に4割を超えていた。これは数字的には惨敗といってよいものだ。
一方のホーエンシュタウフェン軍の損害も2割近かった。こちらも大きな損害である。
この惨敗により、ヴェルフェン宮中伯は、弟を見限り、ホーエンシュタウフェン家に寝返ることが約束された。
これによりヴェルフ家は有力な支持者を失うこととなり、パワーバランスは大きくホーエンシュタウフェン家に傾くこととなった。
そして、ホーエンシュタウフェン軍は帰路についた。
1
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる