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第2章 学園・学校編
第23話 バーデン=バーデンの危機(1) ~薔薇十字団の陰謀~
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ここはある都市の近くにある森の奥深くにある建物の中である。
暗がりの中で男が密談口調でしゃべっている。痩せぎすで目が落ちくぼんだ老人で、真っ黒な魔導士風のローブを着ている。例の黒ローブの男だ。
周りには剣で武装した仲間が10人ばかり控えている。リーダーは女騎士のようだ。かなりの美人である。
老人は水晶玉のようなものを覗いている。遠隔地と通信するアーティファクトだ。
「プラチドゥス。例の計画はどうなっている?」
「ようやくこの世に未練を持った魂が集まりつつあります。そろそろ頃合いかと…」
「よくやってくれた。で、どこの町を狙う?」
「裏をかいてバーデン=バーデンではどうかと思っております」
バーデン=バーデンには領軍が配置されている。あえてそこを狙うということなのだろう。
「なるほど。領軍ごと一気に潰すという訳か。手始めにはちょうどよい」
「今回は念のため暗黒竜も手なずけてあります。失敗することは万が一にもございません」
「それは心強い。では、結果を楽しみにしておるぞ。十字団万歳」
「十字団万歳」
◆
ある夜。フリードリヒの部屋の窓をノックする者がいる。
「アリーセか?」
「はい」
フリードリヒは、窓を開けアリーセを部屋に招き入れる。アリーセは身軽な動作で窓枠を乗り越えると部屋に入り、頭を垂れて控えている。
アリーセは、アークバンパイアであるローザの眷属にされた女性で、タンバヤ商会の情報部門のリーダーである。情報部門で諜報活動に当たる者には忍者のような訓練をさせていた。
「何かあったか」
「薔薇十字団に動きがありました。バーデン領の町を襲う計画があるようです」
「どこの町だ?」
「申し訳ございません。まだ特定できておりません」
「では引き続き探りを入れてくれ。くれぐれも慎重にな」
「御意」
そう言うとアリーセは、素早く部屋の外へ去っていった。
こういう中途半端な情報は、心配ばかりが先に立って気をもませる。
しかし、町を襲うとはどういうことだ?薔薇十字団が軍隊を持っているという話は聞かないし、仮にも軍を動かせば絶対に目立つはずだ。タンバヤ商会の情報網に引っかからないはずはない。
何か他の方法でということなのか?
それに目的は何だ。魔術的結社だから、黒の森のマナ資源が目的なのか?
その日はいろいろと考えて寝付けないフリードリヒだった。
◆
その夜。フリードリヒは夢を見た。
黒いローブを着た魔導士が大量のスケルトンやスケルトンウォリアーを召喚している。男の姿形はぼんやりしてよく見えない。また認識阻害の魔法だろう。
片手に真っ黒な球状のものを手にしている。アーティファクトか何かだろうか?
スケルトンとスケルトンウォリアーは併せて千体近くいるように見える。
それが町を守る外壁に取り付いて乗り越えようとしている。
外壁はこれと言った特徴がなく、町は特定できそうにない。
フリードリヒは、そこで目が覚めた。
先ほどの夢はかなりクリアに覚えている。おそらく予知夢であろう。
「それにしてもあの数は半端ではない。これは食客を総動員する必要があるな」
◆
数日後の早朝。アリーセが再び報告にやってきた。
「町の特定ができました。バーデン=バーデンのようです」
「なにっ!あえて領軍のいる町を襲うのか。よほど自信があるのだな」
「期日はわかったのか?」
「それが…今夜のようです。遅くなり申し訳ございません」
「いや。事前にわかっただけで儲けものだ。今すぐに出発すれば間に合うだろう」
フリードリヒは、それからすぐに食客たちを叩き起こし、出発の準備をするように手配した。
フリードリヒとパーティメンバーたちも食客館へと向かう。
「ミーシャ。お祖父様のところへ使者に行ってくれ。このことを伝えて領軍の準備をさせるのだ。ペガサスに乗っていけ」
「わかったにゃ」
ミーシャは緊張した表情をしている。
フリードリヒは、食客たちへ檄を飛ばす。
「諸君。聞いてのとおり今夜バーデン=バーデンが襲われるという情報があった。敵はスケルトンウォリアーとスケルトンがおよそ千体と想定される。今回は軍として初めての本格的な戦闘だ。日頃の訓練の成果を遺憾なく発揮せよ!」
──うーん。こういうの苦手なんだよな。
「おーーーーっ!!」
しかし、食客たちは思いのほかやる気満々の反応を示してくれた。士気は上々のようだ。
「昼頃にはバーデン=バーデンに着きたい。各々バイコーンとペガサスに騎乗せよ。一気にとばすぞ!」
それからバーデン=バーデンの町へ向けて急ぎに急ぎ、着いたのは昼過ぎだった。
敵に見つからないように、軍を郊外の森の中に隠す。
「よし。ここで昼食にする。敵に見つかるから火は起こすなよ」
ここで索敵を開始するべく、セイレーンたちに指示をだす。
「マルグリート。君たちと配下の鳥たちで上空から怪しいやつがいないか探ってくれ。」
「わかったわ」
と言うとマルグリートたちは早速空へ飛び立っていく。
続いて、使者から戻ってきたミーシャに指示を出す。
「ミーシャ。お祖父様は了解してくれたか?」
「バッチリにゃ」
「では続けてで悪いが、斥候部隊を連れて、地上から怪しいやつがいないか探ってくれ。危険だから単独行動は禁止だ」
「了解にゃ」
ミーシャも斥候部隊を連れて出発した。
しかし、敵はなかなか見つからなかった。おそらく敵は少数だからいくらでも隠れる場所はあるのだろう。
そのまま夕刻が近づいてきた。
「ローザ。夜になると鳥は夜目が利かないから、眷属の蝙蝠と交代してくれ」
「わかったわ」
フリードリヒは焦ってきた。できれば夜になって敵がスケルトンを召喚する前に制圧してしまいたい。
しかし、そのまま夜に突入してしまう。
ようやくローザが口を開いた。
「いたわ。北側の墓地よ。スケルトンがどんどん召喚されているわ」
「よし。全軍、北側の墓地へ急行する。私に続け!」
フリードリヒは、杖に跨ると飛翔して現場へ向かう。
到着してみると、スケルトンは既に外壁に取り付いている。
一体では越えられないとみて、組体操のようにピラミッドを作ってその上を上っている。間もなく外壁を越えられそうだ。
「バイコーン軍団は左翼から急ぎ突撃して街壁に取り付いているやつらを蹴散らせ!」
「おう!」
「マルタたちは、今回は竜形態での戦闘を許す。右翼から4人連携して攻撃だ!」
「わかった!」
「歩兵とダークナイトは正面から押し込む。ダークナイトを前面に押し立てていけ!」
「わかった!」「了解!」
「ペガサス軍団は上空から炸裂弾を投下後、上空から弓で援護だ!」
「わかりました!」
「魔導士団も上空から援護だ!」
「オッケー!」
「今回は殲滅戦だ。みんな気合を入れていけ!一体も逃すな!」
「「「「おうっ!」」」」
一通り指示を出したあと、フリードリヒは、千里眼で黒ローブの男を探す。奴を止めない限り、スケルトンはどんどん召喚されてしまう。
見つけた。召喚陣から少し離れたところにいる。剣で武装した仲間が10人ほど回りを固めている。
「私は頭目を止める」
と言うと、フリードリヒは、杖に跨り飛翔すると黒ローブの男のところへ一直線に向かう。イージスの盾を取り出すと、フリードリヒが進むところのスケルトンがみるみる石化していく。
敵のところに到着し杖から降りる。
皆、石化していないところを見るとアーティファクトの護符でも身に付けているのだろう。
剣士たちがフリードリヒの前に立ちはだかる。黒ローブの男を守っているのだろう。やはり奴が親玉か。
女性剣士が口を開いた。少し年上の感じの美人のお姉さんだ。剣を帯びて男装しているのがカッコいい。
「白銀のアレク様が自らお出ましとはね。でも1人でこのエリーザベト様に勝てるとでも思ったのかしら?なめられたものね」
次の瞬間、剣士たちが一斉に襲いかかってきた。
フリードリヒは左右の剣を抜き、精神を集中し、半眼となって迎え撃つ体制を整える。
強い。皆、アダマンタイトクラスの実力だ。
それが連携しながら襲いかかってくる。
フリードリヒは、気で身体強化して対抗する。
手加減をしている余裕はない。
フリードリヒは、左右から迫る敵の攻撃を受け流しつつ、隙を見て反撃を加える。
敵の腕が切り飛ばされ、首が落ち、胴が袈裟切りにされていく。その度におびただしい量の血が噴き出し、地面を真っ赤に染めていく。
残り3人となったところでエリーザベトが参戦してきた。
リーダーだけあって、一段と強い。オリハルコンクラスといってもいいかもしれない実力だ。
ここぞとばかりに、男二人が左右から同時に切りかかってきた。
右側の男はフリードリヒの胴を、左側の男は面を狙う。
右側の男は右の剣で頭をたたき割る。脳漿が飛び出しぐちゃぐちゃになった。オリハルコン制の剣の切れ味は最高だ。
と同時に左の剣で男の心臓を一突きにする。男は即死し無言で倒れた。
残るはエリーザベトだ。
少し余裕が出てきたので、「こんないい女。殺すのはおしいな」とか考えてしまう。
しかし、敵もさるもの。簡単には無力化させてくれない。
彼女の得物はレイピアだ。あまり相手をした経験がないので、戦いにくい。
苦労の末、左右の剣を駆使して相手の剣を巻き上げると、剣の柄でみぞおちに打撃を入れ気絶させた。
さて、残るは黒ローブの男だ。
「ふん。雑魚を倒したからと言っていい気になるなよ。この大魔導士プラチドゥス様に勝てるものか!」
と言うや否やいきなり上位魔法を放ってくる。
「炎よ来たれ。煉獄の業火。ヘルファイア!」
地獄の業火がフリードリヒに迫ってくる。
暗がりの中で男が密談口調でしゃべっている。痩せぎすで目が落ちくぼんだ老人で、真っ黒な魔導士風のローブを着ている。例の黒ローブの男だ。
周りには剣で武装した仲間が10人ばかり控えている。リーダーは女騎士のようだ。かなりの美人である。
老人は水晶玉のようなものを覗いている。遠隔地と通信するアーティファクトだ。
「プラチドゥス。例の計画はどうなっている?」
「ようやくこの世に未練を持った魂が集まりつつあります。そろそろ頃合いかと…」
「よくやってくれた。で、どこの町を狙う?」
「裏をかいてバーデン=バーデンではどうかと思っております」
バーデン=バーデンには領軍が配置されている。あえてそこを狙うということなのだろう。
「なるほど。領軍ごと一気に潰すという訳か。手始めにはちょうどよい」
「今回は念のため暗黒竜も手なずけてあります。失敗することは万が一にもございません」
「それは心強い。では、結果を楽しみにしておるぞ。十字団万歳」
「十字団万歳」
◆
ある夜。フリードリヒの部屋の窓をノックする者がいる。
「アリーセか?」
「はい」
フリードリヒは、窓を開けアリーセを部屋に招き入れる。アリーセは身軽な動作で窓枠を乗り越えると部屋に入り、頭を垂れて控えている。
アリーセは、アークバンパイアであるローザの眷属にされた女性で、タンバヤ商会の情報部門のリーダーである。情報部門で諜報活動に当たる者には忍者のような訓練をさせていた。
「何かあったか」
「薔薇十字団に動きがありました。バーデン領の町を襲う計画があるようです」
「どこの町だ?」
「申し訳ございません。まだ特定できておりません」
「では引き続き探りを入れてくれ。くれぐれも慎重にな」
「御意」
そう言うとアリーセは、素早く部屋の外へ去っていった。
こういう中途半端な情報は、心配ばかりが先に立って気をもませる。
しかし、町を襲うとはどういうことだ?薔薇十字団が軍隊を持っているという話は聞かないし、仮にも軍を動かせば絶対に目立つはずだ。タンバヤ商会の情報網に引っかからないはずはない。
何か他の方法でということなのか?
それに目的は何だ。魔術的結社だから、黒の森のマナ資源が目的なのか?
その日はいろいろと考えて寝付けないフリードリヒだった。
◆
その夜。フリードリヒは夢を見た。
黒いローブを着た魔導士が大量のスケルトンやスケルトンウォリアーを召喚している。男の姿形はぼんやりしてよく見えない。また認識阻害の魔法だろう。
片手に真っ黒な球状のものを手にしている。アーティファクトか何かだろうか?
スケルトンとスケルトンウォリアーは併せて千体近くいるように見える。
それが町を守る外壁に取り付いて乗り越えようとしている。
外壁はこれと言った特徴がなく、町は特定できそうにない。
フリードリヒは、そこで目が覚めた。
先ほどの夢はかなりクリアに覚えている。おそらく予知夢であろう。
「それにしてもあの数は半端ではない。これは食客を総動員する必要があるな」
◆
数日後の早朝。アリーセが再び報告にやってきた。
「町の特定ができました。バーデン=バーデンのようです」
「なにっ!あえて領軍のいる町を襲うのか。よほど自信があるのだな」
「期日はわかったのか?」
「それが…今夜のようです。遅くなり申し訳ございません」
「いや。事前にわかっただけで儲けものだ。今すぐに出発すれば間に合うだろう」
フリードリヒは、それからすぐに食客たちを叩き起こし、出発の準備をするように手配した。
フリードリヒとパーティメンバーたちも食客館へと向かう。
「ミーシャ。お祖父様のところへ使者に行ってくれ。このことを伝えて領軍の準備をさせるのだ。ペガサスに乗っていけ」
「わかったにゃ」
ミーシャは緊張した表情をしている。
フリードリヒは、食客たちへ檄を飛ばす。
「諸君。聞いてのとおり今夜バーデン=バーデンが襲われるという情報があった。敵はスケルトンウォリアーとスケルトンがおよそ千体と想定される。今回は軍として初めての本格的な戦闘だ。日頃の訓練の成果を遺憾なく発揮せよ!」
──うーん。こういうの苦手なんだよな。
「おーーーーっ!!」
しかし、食客たちは思いのほかやる気満々の反応を示してくれた。士気は上々のようだ。
「昼頃にはバーデン=バーデンに着きたい。各々バイコーンとペガサスに騎乗せよ。一気にとばすぞ!」
それからバーデン=バーデンの町へ向けて急ぎに急ぎ、着いたのは昼過ぎだった。
敵に見つからないように、軍を郊外の森の中に隠す。
「よし。ここで昼食にする。敵に見つかるから火は起こすなよ」
ここで索敵を開始するべく、セイレーンたちに指示をだす。
「マルグリート。君たちと配下の鳥たちで上空から怪しいやつがいないか探ってくれ。」
「わかったわ」
と言うとマルグリートたちは早速空へ飛び立っていく。
続いて、使者から戻ってきたミーシャに指示を出す。
「ミーシャ。お祖父様は了解してくれたか?」
「バッチリにゃ」
「では続けてで悪いが、斥候部隊を連れて、地上から怪しいやつがいないか探ってくれ。危険だから単独行動は禁止だ」
「了解にゃ」
ミーシャも斥候部隊を連れて出発した。
しかし、敵はなかなか見つからなかった。おそらく敵は少数だからいくらでも隠れる場所はあるのだろう。
そのまま夕刻が近づいてきた。
「ローザ。夜になると鳥は夜目が利かないから、眷属の蝙蝠と交代してくれ」
「わかったわ」
フリードリヒは焦ってきた。できれば夜になって敵がスケルトンを召喚する前に制圧してしまいたい。
しかし、そのまま夜に突入してしまう。
ようやくローザが口を開いた。
「いたわ。北側の墓地よ。スケルトンがどんどん召喚されているわ」
「よし。全軍、北側の墓地へ急行する。私に続け!」
フリードリヒは、杖に跨ると飛翔して現場へ向かう。
到着してみると、スケルトンは既に外壁に取り付いている。
一体では越えられないとみて、組体操のようにピラミッドを作ってその上を上っている。間もなく外壁を越えられそうだ。
「バイコーン軍団は左翼から急ぎ突撃して街壁に取り付いているやつらを蹴散らせ!」
「おう!」
「マルタたちは、今回は竜形態での戦闘を許す。右翼から4人連携して攻撃だ!」
「わかった!」
「歩兵とダークナイトは正面から押し込む。ダークナイトを前面に押し立てていけ!」
「わかった!」「了解!」
「ペガサス軍団は上空から炸裂弾を投下後、上空から弓で援護だ!」
「わかりました!」
「魔導士団も上空から援護だ!」
「オッケー!」
「今回は殲滅戦だ。みんな気合を入れていけ!一体も逃すな!」
「「「「おうっ!」」」」
一通り指示を出したあと、フリードリヒは、千里眼で黒ローブの男を探す。奴を止めない限り、スケルトンはどんどん召喚されてしまう。
見つけた。召喚陣から少し離れたところにいる。剣で武装した仲間が10人ほど回りを固めている。
「私は頭目を止める」
と言うと、フリードリヒは、杖に跨り飛翔すると黒ローブの男のところへ一直線に向かう。イージスの盾を取り出すと、フリードリヒが進むところのスケルトンがみるみる石化していく。
敵のところに到着し杖から降りる。
皆、石化していないところを見るとアーティファクトの護符でも身に付けているのだろう。
剣士たちがフリードリヒの前に立ちはだかる。黒ローブの男を守っているのだろう。やはり奴が親玉か。
女性剣士が口を開いた。少し年上の感じの美人のお姉さんだ。剣を帯びて男装しているのがカッコいい。
「白銀のアレク様が自らお出ましとはね。でも1人でこのエリーザベト様に勝てるとでも思ったのかしら?なめられたものね」
次の瞬間、剣士たちが一斉に襲いかかってきた。
フリードリヒは左右の剣を抜き、精神を集中し、半眼となって迎え撃つ体制を整える。
強い。皆、アダマンタイトクラスの実力だ。
それが連携しながら襲いかかってくる。
フリードリヒは、気で身体強化して対抗する。
手加減をしている余裕はない。
フリードリヒは、左右から迫る敵の攻撃を受け流しつつ、隙を見て反撃を加える。
敵の腕が切り飛ばされ、首が落ち、胴が袈裟切りにされていく。その度におびただしい量の血が噴き出し、地面を真っ赤に染めていく。
残り3人となったところでエリーザベトが参戦してきた。
リーダーだけあって、一段と強い。オリハルコンクラスといってもいいかもしれない実力だ。
ここぞとばかりに、男二人が左右から同時に切りかかってきた。
右側の男はフリードリヒの胴を、左側の男は面を狙う。
右側の男は右の剣で頭をたたき割る。脳漿が飛び出しぐちゃぐちゃになった。オリハルコン制の剣の切れ味は最高だ。
と同時に左の剣で男の心臓を一突きにする。男は即死し無言で倒れた。
残るはエリーザベトだ。
少し余裕が出てきたので、「こんないい女。殺すのはおしいな」とか考えてしまう。
しかし、敵もさるもの。簡単には無力化させてくれない。
彼女の得物はレイピアだ。あまり相手をした経験がないので、戦いにくい。
苦労の末、左右の剣を駆使して相手の剣を巻き上げると、剣の柄でみぞおちに打撃を入れ気絶させた。
さて、残るは黒ローブの男だ。
「ふん。雑魚を倒したからと言っていい気になるなよ。この大魔導士プラチドゥス様に勝てるものか!」
と言うや否やいきなり上位魔法を放ってくる。
「炎よ来たれ。煉獄の業火。ヘルファイア!」
地獄の業火がフリードリヒに迫ってくる。
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