4 / 6
第4話 看破の魔眼
しおりを挟む
学園に入学して間もなく、レギナルト・フォン・ゼ―ヴェリングは、向かい側から歩いて来る少女のステイタスを見て刮目した。
俺の琥珀色の左目は「看破の魔眼」と呼ばれるものだ。
鑑定魔法はジョブとそのレベルしか鑑定できないのに対し、看破の魔眼は、筋力、俊敏さ、魔力量などの見る者のステイタスの詳細にいたるまで見破ってしまう。
このことは秘匿されており、ごく一部の者にしか知られていない能力であった。
少女のジョブは「聖魔術師」だが、なんとかその横に「(聖女)」とグレーアウトして表示されている。
俺の知る限り、このような表示があるのは1人だけだ。
それにあのギフト…
聖女は、神の祝福を受けてギフトと呼ばれる特殊スキルを身に宿している者をいう。
ギフトには、治癒、豊穣、解呪などが知られている。
聖女は聖魔術師が聖女となるため、教会に囲われ修道女となるのが通常だった。
少女のステイタスには、やはりグレーアウトしているが、治癒のギフトともうひとつ復活のギフトという聞きなれないギフトがあった。
治癒のギフトは、回復魔法の上位版のようなもので、回復魔法が怪我しか治癒できないのに対し、治癒のギフトは病気や中毒などのあらゆる状態異常も回復できるものだ。
それにしても復活のギフトか…もしかして死者を復活させるとか…いや、まさかな…
俺は学園の終業後、直ちにこのことを皇帝の側近に報告した。
その翌日。
皇帝から皇城に参内せよという使者がやってきたので、急ぎ皇城に向かう。
待っていたのは、皇帝とごく少数の側近だけだった。
それだけ極秘事項ということだろう。
皇帝の側近が口を開いた。
「報告のあった復活のギフトだがな。調べたところ死者を復活できるものだった。最も死んでから1日以内という制約はあるようだが…」
「それは…」
そのようなギフトを持っていることが知れたら、人々が殺到して大変なことになりそうだ。
「ステイタスがグレーアウトしているということは、まだ覚醒していないということか?」
「おそらくそうだと思われます。本人も自覚していない様子でしたし…」
「しかし、このまま市井に放置という訳にはいかぬ。教会に知られぬよう我らで確保するのだ」
「確保と言われましても、どうすれば? 関係者はできるだけ増やしたくありませんし…」
皇帝がそこに鶴の一声を発した。
「なに。簡単なことだ。其方がその者を娶ればいいのだ。剣聖の一族の保護下にある者にそうそう手出しはできまいて」
「はあっ! 本気でおっしゃっておられるのですか?」
「もちろんだ」
皇帝の本気の命令に逆らう訳にはいかない。
俺は渋々皇帝の命令を承知したのだった。
俺の琥珀色の左目は「看破の魔眼」と呼ばれるものだ。
鑑定魔法はジョブとそのレベルしか鑑定できないのに対し、看破の魔眼は、筋力、俊敏さ、魔力量などの見る者のステイタスの詳細にいたるまで見破ってしまう。
このことは秘匿されており、ごく一部の者にしか知られていない能力であった。
少女のジョブは「聖魔術師」だが、なんとかその横に「(聖女)」とグレーアウトして表示されている。
俺の知る限り、このような表示があるのは1人だけだ。
それにあのギフト…
聖女は、神の祝福を受けてギフトと呼ばれる特殊スキルを身に宿している者をいう。
ギフトには、治癒、豊穣、解呪などが知られている。
聖女は聖魔術師が聖女となるため、教会に囲われ修道女となるのが通常だった。
少女のステイタスには、やはりグレーアウトしているが、治癒のギフトともうひとつ復活のギフトという聞きなれないギフトがあった。
治癒のギフトは、回復魔法の上位版のようなもので、回復魔法が怪我しか治癒できないのに対し、治癒のギフトは病気や中毒などのあらゆる状態異常も回復できるものだ。
それにしても復活のギフトか…もしかして死者を復活させるとか…いや、まさかな…
俺は学園の終業後、直ちにこのことを皇帝の側近に報告した。
その翌日。
皇帝から皇城に参内せよという使者がやってきたので、急ぎ皇城に向かう。
待っていたのは、皇帝とごく少数の側近だけだった。
それだけ極秘事項ということだろう。
皇帝の側近が口を開いた。
「報告のあった復活のギフトだがな。調べたところ死者を復活できるものだった。最も死んでから1日以内という制約はあるようだが…」
「それは…」
そのようなギフトを持っていることが知れたら、人々が殺到して大変なことになりそうだ。
「ステイタスがグレーアウトしているということは、まだ覚醒していないということか?」
「おそらくそうだと思われます。本人も自覚していない様子でしたし…」
「しかし、このまま市井に放置という訳にはいかぬ。教会に知られぬよう我らで確保するのだ」
「確保と言われましても、どうすれば? 関係者はできるだけ増やしたくありませんし…」
皇帝がそこに鶴の一声を発した。
「なに。簡単なことだ。其方がその者を娶ればいいのだ。剣聖の一族の保護下にある者にそうそう手出しはできまいて」
「はあっ! 本気でおっしゃっておられるのですか?」
「もちろんだ」
皇帝の本気の命令に逆らう訳にはいかない。
俺は渋々皇帝の命令を承知したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる