淫神の孕み贄

沖田弥子

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三者からの寵愛 1

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「神馬の儀の責任者として、ファルゼフは責務を果たした。その功労の暁には、セナを愛するという権利を我が宰相は欲した。私は皆がリガラ城砦へ出立する前に、それを許可したのだ」
「そんなに前から褒賞が決まってたのか⁉」

 ハリルは目を見開いた。セナもラシードに横抱きにされながら、驚いて目を瞬かせる。
 神馬の儀を遂行した褒賞は『神の末裔の地位』ではなく、セナを愛する権利という名称だったから。
 ファルゼフは、懐妊指導の前から僕のことを……
 申し訳ないが、全く気がつかなかった。彼がセナに触れてくるのは、国家のためと思い込んでいた。
 咳払いをひとつしたファルゼフは、眼鏡のブリッジを押し上げる。

「わたくしは決して己の地位のために尽力したわけではありません。すべてはトルキア国の未来のためでございます。そしてその命運を握るセナ様はあまりにも無垢ゆえ、わたくしがついていなければならないという庇護欲を掻き立てられるのです。それがすなわち愛情であり、性欲を伴っているということに気づいたのは、セナ様を口淫させていただいたすぐあとのことでして……」

 ファルゼフの口上が終わらないうちに、一同は寝室に到着した。召使いが重厚な扉を開ける。
 室内には紗幕が垂らされた大きな寝台が鎮座していた。
 男四人が寝そべっても、まだ余りあるほどの広大さである。
 ファルゼフが紗幕を捲ると、ラシードはセナの体を柔らかなリネンにそっと下ろした。すでに鎧を脱いでいたハリルはファルゼフに向けて、にやりとした笑みを見せる。

「眼鏡の長い話はわかった。要するにセナが可愛いから、褒美に抱かせてくれって言いたいんだろ?」
「噛み砕けば、そういうことになりますね」
「だったら抱けよ。俺たち皆で楽しもうぜ。なあ、セナ?」

 ハリルの熱い掌が火照った肌に這い、純白のローブを脱がしていく。
 露わにされた肌の上を、飢えたアルファたちが群がり、それぞれの掌で撫で回す。

「あぁ……はい……僕を、抱いてください……はやくぅ」

 腿を撫で下ろされ、腹や腋をさすられる。感じやすい内股や膝裏は特に熱心に撫でられて、男の掌が這うたびに甘い吐息が零れた。
 さらに紅い乳首を指の腹で捏ね回され、押し潰される。
 花芯は大きな掌に包まれて、やんわりと扱かれた。

「あぁ、あぁん……はぁ……ふ、ぅ……ん」

 一度に三人から体中を愛でられるので、どこもかしこもひっきりなしに感じてしまう。
 男たちの濃密な愛撫に、快楽を感じた体は燃え上がった。下腹の淫紋が、妖しく蠢く。
 セナの細腰を抱え上げたラシードは強靱な腿の上に乗せて、足を大きく開かせる。
 王の眼前に曝された蕾はすでに綻び、物欲しげに淫液を滴らせていた。

「なんということだ……。そなたの肉体はこんなにも発情していたのか。蕾がひくひくと蠢き、飢えたように涎を滴らせているではないか」
「兄さまぁ……ほしい。兄さまの硬くて太いものを挿れてください。僕の体のすべてを兄さまで満たしてください……」

 するりと、淫猥な願いが唇から零れ出た。
 兄の雄芯を咥えなければ生きていけないというほど、セナの体は情欲に塗れて切迫していた。
 妬けるな、と耳朶を食んだハリルが呟く。
 ハリルとファルゼフはセナの両脇に身を置き、それぞれが胸の尖りに手を伸ばす。
 ふたりの男にねっとりと捏ねられた乳首は、ぴんと張り詰めてしまっている。時折指先で摘ままれると、きゅうんとした甘い疼きが駆け抜けて下腹に伝わり、いっそう淫紋を躍らせる。そうしてまたひくついた肉壁が、愛液をとろとろと垂らすのだ。
 劣情に双眸をぎらつかせたラシードは前を寛げ、セナを犯すために腰を抱える。
 ぞくりと肌が粟立った、そのとき。
 雄々しい王の男根が、つぷりと肉環をくぐり抜ける。

「あっ! あ、あ、あはぁ……入ってくる……兄さまの、おっきいのが……」

 媚肉が蠕動し、雄を迎え入れようと妖しくうねる。
 ぱくりと口を開けて先端を咥えた肉環に、ずぶずぶと熱塊が挿入されていく。
 花筒はすでに、しっとりと濡れていた。
 そこを荒ぶる肉棒が犯す。ゆっくりと、濡れた媚肉を舐め上げながら。

「……そなたの花園は何度訪れても、最高の心地好さだ」

 低く呟いたラシードは逞しい屹立を奥深くまで、ずっぷりと挿し入れた。
 とん、と切っ先が奥の子宮口を突く。
 兄の亀頭を体で感じたセナはその瞬間、白目を剥くほどの壮絶な快楽に襲われる。

「ひいぃ……っ、あぁ……兄さまぁ……っ、奥が、だめ、いっちゃう……」

 きつく背を撓らせ、ぎゅうっと花筒で雄芯を締めつける。
 ひどく快感に溺れる体をいっそう追い立てるかのように、ハリルとファルゼフは胸の頂を口中に含んだ。
 ちゅくちゅくと、舌で乳首を舐めしゃぶられる。

「ひいぃん……あぁ……っ、あっあっ、そんなに……あふぁあん……」
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