つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

沖田弥子

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初夜 3

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 胸への愛撫に喘いでいたら、節くれ立った指が奥の窄まりを撫で、つぷりと挿入された。

「あっ、あ……、んあ……」

 硬いものを体内に埋め込まれる感触に全身を震わせる。内壁を探る指は、くちゅり、くちゅりと淫靡な水音を立てた。突起を啄む鴇の唇から艶めいた息が漏れる。それすらも情欲を掻き立てられた。

「濡れてる……。安珠の体は濡れるんだね。ここに俺の肉棒を挿れて、中を優しく擦ってあげるよ」
「や、やだ……そんなの……」
「安珠の中は早く欲しいって言ってる。ほら、聞こえる? ぐちゃぐちゃに音立ててる」

 増やされた指は、いやらしい動きで濡れた蜜壺を掻き乱す。乳首を甘噛みされれば、きゅうと引き絞られて指を締めつけた。

「あっん、ん、んぅ……」
「可愛いね。ちょっと限界かな」

 身を起こした鴇はスラックスと下穿きを脱ぎ捨てる。天を穿つ雄芯は隆々と存在を示していた。
 快楽に濡れた眸で、安珠は大きく開いた己の足の狭間に割り入る鴇の顔を見た。
 この男が初めて、僕の体の中に入る。
 わずかな灯りに照らされた精悍な男の顔は、真摯さを滲ませていた。
 ぐちゅ、と蕾に硬くて熱い先端が押し宛てられる。

「挿れるよ」

 一瞬の緊張に、体が硬く強張る。ぐうっと腰を推し進められ、切っ先は肉環をくぐり抜けていった。

「あっ……、あ……、あぁ、鴇、入って……」

 ずくり、ずくりと太いものが狭い隘路を掻き分けて押し入ってくる。引き攣れるような痛みが媚肉に走り、耐え難い圧迫感に目眩がする。

「いっ、いた……、やめ、……あっ、あぅ、入る、おっきいのが……あぁっ」
「くっ……きつい。安珠、力を抜いて」

 初めて侵入を許した花筒は、長大な熱杭を呑み込まされて苦痛に喘ぐ。痛みを緩和させるための本能が働いて、より奥から濃密な愛液が滴り、硬い楔を淫らに濡らす。
 眦から涙が零れ、こめかみを伝い下りた。呼吸を乱れさせていた安珠はもう、雄を受け入れた衝撃に体を震わせることしかできない。
 ずんと重く、奥深くを穿たれる。男の硬い下生えが尻についた。
 熱い腕にきつく抱きしめられて、浅い息を継ぎながら睫毛を瞬かせる。

「とうとう、入ったよ。とてもきもちいい……。安珠を俺のものにしたよ」

 深い息を吐いた鴇は感極まったように呟いて、濡れた眦に唇を押しつけてくる。
 この行為は、そんなにも感動的なものなのだろうか。胸が喘ぐほど苦しいのに。

「鴇……苦しい」
「馴染めば大丈夫だよ。激しくしないから。一緒に気持ち良くなろうね」

 男の体の重みと蜜壺を穿つ楔が、時間をかけて無垢な体に刻まれていく。華奢な体を抱きしめていた鴇は、少し身を起こして安珠の顔を窺った。

「そろそろ、動いてもいいかな」
「……え。動く?」
「そう。こんなふうに」

 男の腰がゆっくりと前後する。そうされると挿入された楔に花筒を擦り上げられて、肉体の快楽を呼び覚ます。

「あ……あ……」

 じゅく、ずく、と濡れた媚肉を硬い雄芯が愛撫する。幾度も擦られて、穿たれ、雄の味を知った蜜壺はきゅうと熱杭を食い締めた。
 しかも鴇は、快感に蕩けていく安珠の表情を瞬きひとつ見逃すまいとするかのように見つめているのだ。羞恥が湧き起こり、両腕で顔を隠すがやんわりと外されてしまう。

「隠さないで、見せて。安珠のきもちよくなっていく顔」
「あ、あん……きもちよくなんてない……」
「嘘ばっかり。きゅうきゅうに俺の肉棒をしゃぶってるよ。美味しいの?」
「んんぅ……」

 いやらしい腰遣いで花筒を掻き回されれば、甘い喘ぎ声が漏れてしまう。とうに痛みは去っていた。初めてなのに、男に貫かれたこの体は悦んでいる。昂ぶっていく熱を持て余して、安珠はいやいやと首を振った。
シーツを掻く手を取られ、指を絡めてつながれる。唇を塞がれて舌をねじ込まれ、すべての抵抗は封じられてしまう。
 甘い拘束に囚われながらも淫らな抽挿はやまない。ずくり、ずくりとひと突きごとに快楽を送り込まれ、愉悦の波に攫われて腰が揺らめいた。

「んく、……あ、はっ、鴇……! 何かくる……っ、ん、あっ、ぁ、やぁ……っ」
「いいんだよ。そのまま、いって」

 獣のような息遣いで犯され、獰猛な熱杭は最奥を鋭く穿つ。
 体の奥底から駆け上がってくる衝動めいたものが、重く背筋を通り抜けた。

「あっ、ひぁっ、あ、あ、あ……っ」

 がくがくと腰を揺さぶり、肉筒に収められた雄芯を引き絞る。絶頂を極めた体はきつく背を撓らせた。瞼を白の紗幕に覆われる。同時に体の奥深くに穿たれた雄芯から白濁が迸り、しっとりと花筒を濡らしていく。
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