60 / 112
謀略の男爵 6
しおりを挟む
「効いてきたかな?」
「え……?」
立ち上がった浩一郎はテーブルを回り込み、悠々と澪の体を抱き上げた。
体は痺れたように動かない。為すがままに横抱きにされて、剥製が飾られた部屋のソファに運ばれる。
「叔父さま……何だか、僕、からだが……」
「動かせないだろう? 美味しかったかな。媚薬入りの特製チョコレートは」
息を呑んで眸を見開く。先ほどのチョコレートに薬が混入されていたのだ。妙な味はしなかったので、全く分からなかった。
「ワインに入れると怪しまれるからね。媚薬といっても体に害はないから安心するといい。少し体の自由が利かなくなって、気持ちよくなるだけだ」
「どう……して……」
ソファに横たえられた澪の髪を、浩一郎は一房摘まむ。
その表情には勝ち誇る雄の色があった。
「君のような美しい人は、ぜひ剥製にして飾っておきたいと思ってね」
澪の背筋を恐怖が伝う。
部屋に飾られた数々の剥製は、すべて浩一郎に殺された動物たちだ。
まさか澪を殺して、コレクションのひとつに加えようというのだろうか。
「でも妊娠できるオメガとなると、ただ剥製にするのは勿体ないかな。私の子を産んでよ、澪君。きっと優秀なアルファが生まれるよ」
蕩々と語られる浩一郎の計画に寒気がする。
お腹には晃久の子がいるのだ。それなのに浩一郎の子を孕まされるなんて、耐えがたかった。
「そ、んな……僕の、お腹には……」
「晃久の子がいる? でも妊娠しているか不確定なんだろう? ……触診して確かめてあげよう」
妖艶な笑みを浮かべた浩一郎の腕が伸ばされる。長い指先が、澪の胸元の釦をひとつずつ外していった。
「う……、や……」
体の動かせない澪には抗う術がない。上着を脱がされ、スラックスや下着も剥がれて、身を纏うものは薄いシャツ一枚になった。
釦のすべて外されたシャツを、浩一郎はゆっくりと左右に開いていく。外気に晒された胸が、ぴくりと震えた。
「こんなに痕を付けているのか、晃久め。このままでは剥製にできないな。消えてからでないと」
晃久に付けられた刻印は別荘にいたときほどではないが、絶え間なく澪の白い肢体に紅い花を散らしていた。浩一郎の纏わりつくような視線が首筋から胸に下り、腹や腿に至るまで這わされていく。
心は恐怖に震えているのに、花芯はまるで触れられるのを待っているかのように頭を擡げ始めていた。
「寒いかい? 乳首が立ってるね」
つん、と指先で弾かれ、甘い快楽が背筋を走る。
「んっ」
思わず漏れてしまった声に愕然とする。動かせない体は熱が籠もったように体の奥底が疼いていた。
「可愛い声だ。こうすると感じるのかい」
両の突起を捏ねられ、押し潰される。
そうされると、甘い疼きはあとからあとから湧き上がってくる。
澪は声が漏れないよう唇を閉ざして、必死に与えられる快感に耐えた。
「我慢しなくていいんだよ。声は出せるだろう」
「んん……や、いや……」
「じゃあ、これはどうかな?」
ぬろり、と尖った乳首を舐め上げられる。口腔に含まれ、きつく吸われた。それだけでもたまらないのに、浩一郎は花芯に指を絡めてゆるゆると扱き上げる。
「ひゃあっ、あっ、あっ、いや、いやぁっ」
鮮烈な快楽が走り、びくびくと体が淫らに跳ね上がる。
いやなのに、感じたくないのに。快楽に慣らされた体は雄を求めるように喘ぎ声を迸らせて、花芯からはとろりとした蜜が滲む。
「いい声だ。そのまま達してみようか」
先端に滲んだ蜜が掬われて幹に塗り込められ、いっそう滑りを良くする。浩一郎の指は淫猥な音楽を奏でる。くっちゅ、くちゅと淫らな水音を立てる花芯は男の手の中で震え、よがり、新たな蜜を次々に滴らせた。
「いや、……だめ、叔父さま、だめぇ」
快楽の淵に堕とされるのを体を震わせながら耐え、甘い否定の言葉を紡ぐ澪は、この上もなく扇情的だった。
浩一郎は猛禽類のような双眸で、震える胸の突起にむしゃぶりつく。
激しく花芯を擦り上げられて、瞬く間に深淵に突き落とされる。
「ひあっ、やあぁ、あっ、あん、んっ、……ん――っ」
欲の飛沫を吹き上げて、快楽の残滓に揺れる花芯をぬるぬると撫でられる。
「え……?」
立ち上がった浩一郎はテーブルを回り込み、悠々と澪の体を抱き上げた。
体は痺れたように動かない。為すがままに横抱きにされて、剥製が飾られた部屋のソファに運ばれる。
「叔父さま……何だか、僕、からだが……」
「動かせないだろう? 美味しかったかな。媚薬入りの特製チョコレートは」
息を呑んで眸を見開く。先ほどのチョコレートに薬が混入されていたのだ。妙な味はしなかったので、全く分からなかった。
「ワインに入れると怪しまれるからね。媚薬といっても体に害はないから安心するといい。少し体の自由が利かなくなって、気持ちよくなるだけだ」
「どう……して……」
ソファに横たえられた澪の髪を、浩一郎は一房摘まむ。
その表情には勝ち誇る雄の色があった。
「君のような美しい人は、ぜひ剥製にして飾っておきたいと思ってね」
澪の背筋を恐怖が伝う。
部屋に飾られた数々の剥製は、すべて浩一郎に殺された動物たちだ。
まさか澪を殺して、コレクションのひとつに加えようというのだろうか。
「でも妊娠できるオメガとなると、ただ剥製にするのは勿体ないかな。私の子を産んでよ、澪君。きっと優秀なアルファが生まれるよ」
蕩々と語られる浩一郎の計画に寒気がする。
お腹には晃久の子がいるのだ。それなのに浩一郎の子を孕まされるなんて、耐えがたかった。
「そ、んな……僕の、お腹には……」
「晃久の子がいる? でも妊娠しているか不確定なんだろう? ……触診して確かめてあげよう」
妖艶な笑みを浮かべた浩一郎の腕が伸ばされる。長い指先が、澪の胸元の釦をひとつずつ外していった。
「う……、や……」
体の動かせない澪には抗う術がない。上着を脱がされ、スラックスや下着も剥がれて、身を纏うものは薄いシャツ一枚になった。
釦のすべて外されたシャツを、浩一郎はゆっくりと左右に開いていく。外気に晒された胸が、ぴくりと震えた。
「こんなに痕を付けているのか、晃久め。このままでは剥製にできないな。消えてからでないと」
晃久に付けられた刻印は別荘にいたときほどではないが、絶え間なく澪の白い肢体に紅い花を散らしていた。浩一郎の纏わりつくような視線が首筋から胸に下り、腹や腿に至るまで這わされていく。
心は恐怖に震えているのに、花芯はまるで触れられるのを待っているかのように頭を擡げ始めていた。
「寒いかい? 乳首が立ってるね」
つん、と指先で弾かれ、甘い快楽が背筋を走る。
「んっ」
思わず漏れてしまった声に愕然とする。動かせない体は熱が籠もったように体の奥底が疼いていた。
「可愛い声だ。こうすると感じるのかい」
両の突起を捏ねられ、押し潰される。
そうされると、甘い疼きはあとからあとから湧き上がってくる。
澪は声が漏れないよう唇を閉ざして、必死に与えられる快感に耐えた。
「我慢しなくていいんだよ。声は出せるだろう」
「んん……や、いや……」
「じゃあ、これはどうかな?」
ぬろり、と尖った乳首を舐め上げられる。口腔に含まれ、きつく吸われた。それだけでもたまらないのに、浩一郎は花芯に指を絡めてゆるゆると扱き上げる。
「ひゃあっ、あっ、あっ、いや、いやぁっ」
鮮烈な快楽が走り、びくびくと体が淫らに跳ね上がる。
いやなのに、感じたくないのに。快楽に慣らされた体は雄を求めるように喘ぎ声を迸らせて、花芯からはとろりとした蜜が滲む。
「いい声だ。そのまま達してみようか」
先端に滲んだ蜜が掬われて幹に塗り込められ、いっそう滑りを良くする。浩一郎の指は淫猥な音楽を奏でる。くっちゅ、くちゅと淫らな水音を立てる花芯は男の手の中で震え、よがり、新たな蜜を次々に滴らせた。
「いや、……だめ、叔父さま、だめぇ」
快楽の淵に堕とされるのを体を震わせながら耐え、甘い否定の言葉を紡ぐ澪は、この上もなく扇情的だった。
浩一郎は猛禽類のような双眸で、震える胸の突起にむしゃぶりつく。
激しく花芯を擦り上げられて、瞬く間に深淵に突き落とされる。
「ひあっ、やあぁ、あっ、あん、んっ、……ん――っ」
欲の飛沫を吹き上げて、快楽の残滓に揺れる花芯をぬるぬると撫でられる。
0
お気に入りに追加
1,123
あなたにおすすめの小説
婚約者は愛を見つけたらしいので、不要になった僕は君にあげる
カシナシ
BL
「アシリス、すまない。婚約を解消してくれ」
そう告げられて、僕は固まった。5歳から13年もの間、婚約者であるキール殿下に尽くしてきた努力は一体何だったのか?
殿下の隣には、可愛らしいオメガの男爵令息がいて……。
サクッとエロ&軽めざまぁ。
全10話+番外編(別視点)数話
本編約二万文字、完結しました。
※HOTランキング最高位6位、頂きました。たくさんの閲覧、ありがとうございます!
※本作の数年後のココルとキールを描いた、
『訳ありオメガは罪の証を愛している』
も公開始めました。読む際は注意書きを良く読んで下さると幸いです!
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点
天の求婚
紅林
BL
太平天帝国では5年ほど前から第一天子と第二天子によって帝位継承争いが勃発していた。
主人公、新田大貴子爵は第二天子派として広く活動していた亡き父の跡を継いで一年前に子爵家を継いだ。しかし、フィラデルフィア合衆国との講和条約を取り付けた第一天子の功績が認められ次期帝位継承者は第一天子となり、派閥争いに負けた第二天子派は継承順位を下げられ、それに付き従った者の中には爵位剥奪のうえ、帝都江流波から追放された華族もいた
そして大貴もその例に漏れず、邸宅にて謹慎を申し付けられ現在は華族用の豪華な護送車で大天族の居城へと向かっていた
即位したての政権が安定していない君主と没落寸前の血筋だけは立派な純血華族の複雑な結婚事情を描いた物語
処女姫Ωと帝の初夜
切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。
七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。
幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・
『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。
歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。
フツーの日本語で書いています。
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる