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第二章 エウクラトア聖王国

23話 連絡……

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 ウーラノスの加護が今だにあると言うアリーシア。こうなったらウーラノスに直接聞けたらいいのにと思った。

「ねぇ、アリーシア?」

「なんでしょうか? アマネ様」

「これって直接ウーラノス様に聞けないの? 加護ってまだこの国にあるの?って」

 ウーラノスに聞けたら苦労はしないと思うの。私の問いかけにアリーシアはうーんと悩んだ。

「基本は僕からではなくウーラノス様からのご連絡ですから……。 今、答えてくれるのかどうか分かりませんね」

「そっか……」

 でも待てよ、前にウーラノスが分からないことがあったら僕かアリーシアに聞いてと言っていた気がする……。聞いてと言うならば連絡してもいいのではないのかなと私は思った。

「ちょっとダメ元で連絡してみるよ!」

「えっ? あ、はい」

 アリーシアは今連絡するの?といった顔をしている。それに、ギョッとしているのはマーエル達。

「ア、アマネ様!?」

「うん? なぁに??」

「ひょっとして……、い、い、今からウーラノス様と連絡を取り合うのですか!?」

 しどろもどろになって言うマーエル。私は簡単に言った。

「そうだよ?」

 なんでそんなに慌てているのかなって思っている私。私の精霊達は慌てたりしていないよ。

 私の答えに、更に慌てるマーエル達。セスクとナディアに至っては固まっている。

「みんなどうしたの? そんなに慌てて……」

「どうしたの?じゃありませんわ!! だってウーラノス様とはわたくし話したことありませんし、直接見たことなどありませんわ!!」

 いつでも優雅に微笑んでいるナレスに大きな声で言われた。

「あれ? みんなウーラノス様と会ったことないの?」

「「「「ないですよ(わ)!!」」」」

 声を揃えて言われました……。

「ナレスも会ったことないのね……。 てっきりウーラノス様とは会ったことがあると思っていたよ」

 だってさ、この国を監視するお仕事とかさ、ナレスにいたってはこの国の建国時にも絡んでいるしさ、直接ウーラノスから依頼されていると思うじゃん!

「わたくし達精霊は、アリーシア様を通してウーラノス様のご意志をお聞きするのですわ。 畏れ多くて、まともに話せるか不安になるくらいに緊張いたしますわ!」

「ナレスの言う通りですよ。 アマネ様がいるからウーラノス様はみんなと話すんです。 アマネ様、ウーラノス様は神様ですからね? 気軽な存在ではありませんよ」

 確かに神様と気軽になんて話せないか……。てっきり私に接してくれたようにみんなにもしているのかと思ってしまった。

「そうなんだね。 分かった、これからは気をつけます……」

 反省する私にアリーシアは言った。

「皆の前では気をつければいいということです。 実際、ウーラノス様はアマネ様からのご連絡は嬉しいでしょうから、アマネ様がお一人の時にご連絡するのがよろしいかと……」

「分かった。 だけど、ルフス達なら側にいても大丈夫だよね?」

 もうルフス達はウーラノス様と直接会ったことあるし……。あれ?あの時はルフス達、緊張していなかったような……?

 私がちょっとだけ思い出しているとアリーシアはルフス達は大丈夫だと言った。

「ええ、ルフス達なら問題ないでしょう。 すでに直接会っていますので」

 お許しが出たところでウーラノスにいつ連絡しようか悩む。

「ウーラノス様にはいつ連絡しようか? 私が一人になる時っていったら寝る前とか?」

 だけど、事は急いだ方が良さそうな感じだし……。

 私が悩んでいるとイエルが提案する。

「アマネ様、隣の部屋でご連絡するのはいかがですか?」

 イエルがそう言い、視線で扉の方を見た。今気づいたけど隣にも部屋があるみたい。

「こちらがメインの部屋ですが、あちらも話をする時などに使うのです」

 ははーん、秘密のお話をする部屋ね!

「なら、その部屋を借りるわ」

 そう言うとセスクが扉の方へと行き開けてくれた。

 アリーシアもこの件については気になるみたいでウーラノス様と話した後にまたご連絡ください!と言って一度アリーシアとの連絡を切った。

 とりあえず、今回は私一人で隣の部屋へと行き、ウーラノスに連絡をした。

 アリーシアに連絡した時と同じように水鏡を通じて連絡する。

 私はちょっとだけ、本当にウーラノスに繋がるのかなと思って魔法を使った。

 すると、意外なことにすぐに繋がった!

「アマネ! 久しぶり!」

「ウーラノス! 久しぶりね! 今大丈夫?」

 ウーラノスは出た瞬間から輝かしい笑顔を見せてくれた。というか、神様のところにも連絡できるのねと思った。

「うん、大丈夫だよ! それより、アマネからの連絡嬉しいよ」

「私はちょっとだけ驚いているよ。 まさか本当にウーラノスと連絡できるとは思ってなかったから!」

 いや、まじで私の魔法便利過ぎない?

「アマネの魔法は僕よりの力だからね! それに僕への連絡はちゃんと繋がるようにしているに決まっているでしょ!」

 あっ、ウーラノスのおかげもあったのか!それなら納得だわ。

「それより、僕に何か聞きたくて連絡してきたのでしょう?」

「そうそう! 実は……」

 私はウーラノスにこれまでのことを話した。キーラが弱っていたこと、キーラのお気に入りの人が教会に捕らわれていること。その事について大精霊達が気づくことができなかったこと。それから、アリーシアの推測についてなどを話した。

 私の話を聞いているウーラノスも険しい表情をして聞いていた。そして、こう言った。

「アリーシアの推測通り、僕の加護が裏目に出てしまったのかもしれない……」


 


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