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〜神の世界へ〜

23話 フェンリル家族

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 扉のノックする音が聞こえ、そしてルチアお姉様の声が聞こえた。

「ルチアーノでございます。入ってもよろしいですか?」

「お入り」

「失礼致しますわ」

 ルチアお姉様がそう言うと大きな扉は開き始めた。

 やっぱり不思議だな……。この大きな扉どうやって開いているのだろうか?自動?それとも違う?うーんうーんと悩んでいるとおばあ様と目が合いパチンッとウィンクされた。あっ!おばあ様が開けているのか!納得だ!

 そんな事で扉の疑問が解消されると、扉完全に開き、ルチアお姉様が入って来た。

「ルチアお姉様!」

「エイミー! 昨日ぶりですわね! 良く眠れたかしら?」

「はい! いっぱい寝ました!」

「ふふっ、それは良かったわ」

 今日もルチアお姉様は綺麗です!そして何故かは分からないけど安心します!

「おばあ様、おじい様、お久しぶりでございますわ。お母様、お父様、フェンリルの子を連れて参りましたわ」

「ルチアーノ久しいな」

「久しぶりだな」

「ルチアーノ、ありがとう」

「本当助かったわ~」

 ルチアーノは母と父の様子からもうアスワドが勘違いの暴走をしたのだなと思った。

「ふふっ、おおかたアスワドが暴走して、大変だったのでしょう?」

「ルチアーノ様……。お恥ずかしながらその通りでございます……」

「まあ、早くエイミーに会わせたかったのもありますし、すぐ連れて来て良かったですわ♪」

 ルチアお姉様はアスワドを見て優しく笑っていた。

「さて、早速会わせましょう。ルチアーノ」

「そうですわね、お母様」

 そう言うとお母様は立ち上がり私を抱っこしてルチアお姉様の隣に立った。

「入って来ていいですわよ」

 ルチアお姉様が言い、私は扉の方を見ていた。すると、入って来たのはアスワド程では無いが大きな狼2匹と大型犬位の大きさの狼1匹が入ってきた。

「お久しぶりでございます。神々の皆様。そして、新しい姫君のご誕生日誠におめでとうございます」

「「おめでとうございます」」

 3匹は頭を下げた。

「ありがとう。まさかあなた達の子だとは思わなかったわ!」

「この子はエマリーバ様達とは初めてですからね」

 お母様はこのフェンリルさん達のこと知っているみたい。

「それじゃあ、最初に私の娘を紹介するわね! この子が新しく生まれた女神よ。エイミーと言うの」

 お母様が紹介してくれたので自分でも自己紹介をする。

「フェンリルさん! 私はエイミーです! よろしくお願いします!」

「エイミー様、こちらこそよろしくお願い致します。私の名はグラキエースと申します」

「エイミー様、私はフェリスと申します。そしてこの子が私達の息子でございます」

「エイミーさま、よろしくおねがいします!」

 わぁ~、フェンリルの子供くん可愛い!尻尾ブンブンしてる!
 
 えっと、グラキエースがお父さんで見た目は白い毛並みでブルーの瞳。
 
 フェリスがお母さんで金色の毛並みにペリドットの様な色の瞳。

 最後にグラキエースとフェリスの子だが、グラキエースより真っ白い毛並みに瞳はオッドアイ。右がブルーで左が金色をしている。

「うん? グラキエース、息子の名前は無いのかい?」

 お父様がグラキエースに聞いた。私もそれ気になっていた。

「実はまだ名前が無くてですね……。この子は雪属性の方が強いみたいで、それでインヴェルノ様に挨拶に行った時に付けてもらおうとしましたが『考えて後で付ける』と言われまして……」

「それから、音沙汰無しで……」

 グラキエースとフェリスがしょんぼりしている。

「ごめんね……、息子が迷惑を掛けたね。インヴェルノ……後でお説教かな?」

「ごめんなさいね、グラキエース、フェリス、それにその子も。しっかりインヴェルノにはきつく言っておきますからね」

 お父様とお母様がグラキエース達に謝った。その後にインヴェルノを思いつつニッコリ笑っているが怖い時の黒い笑顔だ……。
 
 ヴェ、ヴェルお兄様、自業自得なので頑張ってください!と心の中で思っとく。

「いえ、インヴェルノ様もお忙しかったのでしょう。我々は大丈夫ですので!」

「そうです! こちらがお願いしているのです。しばし名が無くとも不便はありません!」

「でも……」

 グラキエースとフェリスは大丈夫だと言うが、私からすると名前が無いのは可哀想だ……。でも、なんでヴェルお兄様じゃないとダメなんだろ……?あっ!白虎と同じかな?聞いてみようかな……。

「ねぇなんで、ヴェルお兄様じゃないとダメなの?」

「エイミー様、我が一族はアリア様とコースマス様の一族に名を決めて頂くのです。この子は雪属性ゆえ、インヴェルノ様が適任だと思い、お願い致しました」

「へぇ~、そうなんだ」

 フェンリル族は私の家族に付けてもらうのか~。それならヴェルお兄様、早く付けてあげないと可哀想じゃないか!

「それなら妾が付けようか?」

 おばあ様が突然言った。

「お、お母様が?」

「なんじゃ? エマリーバ、別に妾が付けても良いではないか」

「アリア、やめておけ」

「なんじゃ! リテまで!」

 おばあ様はちょっと拗ねた様な感じになったが、なんで、おばあ様が付けるのやめた方がいいの?と疑問に思っていたのが顔に出てた様でルチアお姉様がこっそり教えてくれた。

(エイミー、おばあ様は名付けのセンスがあまり無いのよ……)

 うわー、そうなんだ……。それはお母様もおじい様もめっちゃ止めるね……。そんな事を思っているとルチアお姉様が言った。

「エイミーに名前を付けて貰ったらどうかしら?」




 ーーーーえっ!私!?
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