上 下
23 / 38
〜神の世界へ〜

15話 びっくりさせました!

しおりを挟む
 しばらく経ち、エイミーの練習成果を見せる時がやって来た!

「エイミー、そろそろ母上と父上が帰ってくるよ」

「うん! ちょっとだけ歩けるようになったところお母様とお父様に見せる!」

(あるじさまがんばったー!)

「そうだね♪  エイミーよく頑張ったね」

「お母様、お父様、びっくりするかな~?」

 そうあれからノア兄と猛特訓した。側から見たら幼児の微笑ましい光景だけど……。本人としては頑張った!ちょー頑張った!その成果がよちよち歩きまではいった。まだ、長い距離は歩けないが、少しならいける!これでお母様とお父様を驚かせるのだ!

「あっ! 母上、父上の気配がするよ。エイミー頑張れ!」

「うん!」

(あるじさまー、ふぁいとー!)

 よし、お母様、お父様が来る!気合を入れる。
 
 ーーーそして、ドアが開いた……。

「あら、エイミー起きてたの? 2人ともおはよう」

「ノア、エイミー、おはよう」

「母上、父上、おはようございます」

「お母様、お父様、おはようございます!」

 お母様とお父様に元気に挨拶をする。挨拶は大切だもんね!

 そしてノア兄の顔を見る。ノア兄も私の顔を見て頷く。

「母上、父上、その場から動かないで下さい」

「えっ? どうしたの? ノア?」

「ここから動いたらいけないのかい?」

「ちょっとだけ待っていて下さい。 さっ、エイミー出番だよ?」

「うん!」

 よし、まずは立つ! ちょっとフラフラするがノア兄の足に掴まって安定させる。……そして、お母様とお父様目掛けて一歩、一歩、よちよち歩きで目指す。

 お母様とお父様もエイミーが何をするのか気づいたらしく、しゃがんでエイミーのことを待ってくれている。

「エイミー、頑張れ!」

「エイミー、もう少しよ!」

 お父様とお母様が応援してくれている。もうちょっとで2人のところへ着く。エイミーは確実に一歩、一歩、歩いていく。そしてついに、2人の元へ!

「お母様!お父様!」

 2人の元に着いて、エイミーは2人に抱きしめてもらう。

「エイミー! すごいわ!」

「本当! びっくりしたよ!」

「えへへっ」

「母上と父上に歩けるようになった姿を見せたいと、エイミーすごく頑張りましたよ?」

「ニー!」

 ノア兄がお母様とお父様に説明する。その話を聞いて2人はエイミーを見て優しく微笑んだ。

「エイミー、頑張ったわね♪  偉いわ」

「エイミーが私達のために頑張ってくれた事がすごく嬉しいよ」

「ふふふっ、お母様とお父様を驚かせたかったの!」

「すごく驚いたわ~」

 2人はエイミーを褒めながら頭を撫でてた。エイミーは照れながらもお母様とお父様に褒めてもらい頭を撫でられ幸せそうに笑った。

「そうえば、エイミー歩ける様になったし、滑舌も良くなったかな?」

「そうね、昨日は舌足らずな感じだったものね~。 それも可愛かったわ♪  成長は嬉しいけどもうちょっと舌足らずな口調も聞きたかったわ~」

「母上……」

「お母様……」

 お母様がそう言うが私は舌足らずな口調はもういいです。言い難いので……。ちゃんと喋れる様になって私は満足です!!

「それは、置いといて……。 エイミー、今日はおばあ様とおじい様さまのところに会いに行くわよ!」

「おばあ様? おじい様?」

「そうだよ、2人ともエイミーに会いたがっているよ」

 おばあ様とおじい様、すなわちこの神の世界のトップ。最高神。

 今から、会うの!?どうしよ、作法とかあるのかな……!?

 オロオロしているエイミーにお母様とお父様、ノア兄とルアルは不思議そうだ。

「エイミー、おばあ様とおじい様に会いたくないの?」

「ノア兄、違います! だって、おばあ様とおじい様は偉い人なんでしょ? なんか作法とかあるのかなって思って不安になっちゃったの……」

「なんだ、そんな事か~」

 あははっとノア兄は笑う。お母様とお父様も笑っている。ルアルだけ私に寄り添って心配してくれている。

「なんで笑っているの?」

「エイミー、ごめん。 だって考え過ぎなんだもん。 大丈夫だよ、おばあ様もおじい様も優しいから! ……ちょっとおじい様はお顔が怖いけどね」

「そうよ~、普通に会いに行けばいいのよ♪」

「そうそう、気楽にね!」

「うぅ」
 
 なんか考え過ぎたみたい……。確かに最高神と言えど私にとってはおばあ様とおじい様なんだよね。そう思うと気楽になる。しかし、ノア兄が気になる事を言っていた気がする……。おじい様の顔がどうとか……。まあ、会いに行けば分かるか!

「それでエイミー、会いに行くの大丈夫かしら?」

「うん! おばあ様とおじい様に会いに行きます!」

「じゃあ、少し、おめかししましょうか」

「……??」

 お母様がそう言うと今まで着ていたシンプルなワンピースから豪華な子供用のドレスに変わった。ドレスは青色の光沢感が美しい生地に花柄のレースが重なっていてスカートの部分はソフトチュールでふんわり広がっている。ウエストの部分にはリボンがついている。可憐な印象のドレスだ。

 そして、髪型も可愛らしくハーフアップにされていてゴムのところがリボンになっている。

 とびきりおめかしして、まるでどこかのお姫様だ。

「エイミー、可愛いよ!!」

「エイミー! なんて可愛いんだ!! さすが私の娘だ!!」

「ニー♪」(あるじさまー、かわいい~♪)

「うん! 完璧ね♪」

 みんなベタ褒めしてくれる。お父様は可愛い、可愛いと私を抱っこしてクルクル回ります。私も楽しくて、きゃっきゃしちゃいます。

 しばらくきゃっきゃしてるとパンパンっとお母様が手を叩き、言います。

「オーディン、エイミー、そろそろおばあ様とおじい様に会いに行くわよ?」

「おっと、そうだね。 ごめんよ、エイミーがあまりにも可愛らしくて」

 そう言ってお父様からお母様の抱っこに変わり、おばあ様とおじい様のところへ行きます!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

料理の腕が実力主義の世界に転生した(仮)

三園 七詩
ファンタジー
りこは気がつくと森の中にいた。 なぜ自分がそこにいたのか、ここが何処なのか何も覚えていなかった。 覚えているのは自分が「りこ」と言う名前だと言うこととと自分がいたのはこんな森では無いと言うことだけ。 他の記憶はぽっかりと抜けていた。 とりあえず誰か人がいるところに…と動こうとすると自分の体が小さいことに気がついた。 「あれ?自分ってこんなに小さかったっけ?」 思い出そうとするが頭が痛くなりそれ以上考えるなと言われているようだった。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

妖精王オベロンの異世界生活

悠十
ファンタジー
 ある日、サラリーマンの佐々木良太は車に轢かれそうになっていたお婆さんを庇って死んでしまった。  それは、良太が勤める会社が世界初の仮想空間による体感型ゲームを世界に発表し、良太がGMキャラの一人に、所謂『中の人』選ばれた、そんな希望に満ち溢れた、ある日の事だった。  お婆さんを助けた事に後悔はないが、未練があった良太の魂を拾い上げたのは、良太が助けたお婆さんだった。  彼女は、異世界の女神様だったのだ。  女神様は良太に提案する。 「私の管理する世界に転生しませんか?」  そして、良太は女神様の管理する世界に『妖精王オベロン』として転生する事になった。  そこから始まる、妖精王オベロンの異世界生活。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン… 紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢 座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!! もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。 全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。 作者は極度のとうふメンタルとなっております…

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。 想像と、違ったんだけど?神様! 寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。 神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗ もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。 とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗ いくぞ、「【【オー❗】】」 誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。 「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。 コメントをくれた方にはお返事します。 こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。 2日に1回更新しています。(予定によって変更あり) 小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。 少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女

かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!? もふもふに妖精に…神まで!? しかも、愛し子‼︎ これは異世界に突然やってきた幼女の話 ゆっくりやってきますー

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~

うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」 探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。 探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼! 単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。 そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。 小さな彼女には秘密があった。 彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。 魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。 そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。 たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。 実は彼女は人間ではなく――その正体は。 チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。

処理中です...