上 下
15 / 38
〜神の世界へ〜

7話 兄弟姉妹

しおりを挟む
 ソファーにみんなが座って、私はディーお兄様のお膝に座った。その様子を見てフィーお兄たまは少し拗ねていた。

「俺だってエイミー抱っこして座りたい……」

「まあ、今度抱っこしなよ」

「アンフィニ兄上、僕お隣に座りますね!」

「ノア!」

 そう言ってラル姉様とノア兄が慰めている。一方でディーお兄様はなんとも爽やかな笑顔だった。そんなに私を抱っこしたいのか!?と疑問に思うけど、そうえば赤ちゃんが珍しいんだっけ?と思い出す。

「みんな座ったわね」

 お母様がみんなに確認する。お父様とお母様が2人並んで座っていて、ラル姉様とフィーお兄たま、ノア兄が並んで座ってる。あとはそれぞれ座っている感じ。

 びっくりしたのが人数の割には座るところが足りないな~なんて思っていたらお兄様お姉様達は多分自分の力でソファーみたいなのを作ったの!手をふわって振ったらもうあるの!びっくりだね!

 そんで、私はディーお兄様のお膝に座っているけど、ディーお兄様の作った1人用のソファーのアームを触ってみた。そしたらなんとも言えない柔らかさと手触り!そして押してもすぐに元の形に戻る。手触りの良さに、すぐに元に戻る事になんだか楽しくなってきゃっきゃ笑いながら何回かした。

「私の椅子が気に入ったかな、エイミー?」

「あい! とってもいいでしゅ!」

「そうか、良かった」

 ディーお兄様は遊んでいる私の頭を撫でた。

「私の椅子がとか言ってるけど大体一緒じゃないかー」

「まあ、司る力でちょっとは違いますけどね」

「それにしても~可愛いわ~」

「本当癒されるなぁ」

 そう言ってみんなが私のことを見ているなんて、夢中でソファーの感触で遊んでいる私は気づかなかった。

「エイミー、そろそろお話ししてもいいかしら?」

 お母様のその問い掛けについ夢中になり過ぎた事に気づいた。そうえばお話しするんだった!と思い、お母様の方を向く。

「あい、ごめんなちゃい」

「ふふっ、大丈夫よ。 そうね~、どちらから話そうかしら?」

「エマ、最初に兄弟姉妹の事を教えたらどうかな? 力の事は後の方がいいだろう」

「分かったわ。 じゃあ最初に兄弟姉妹の事を教えるわ」

 そう言って、お母様は教えてくれた。

 1番目上はディヴァイン。つまりディーお兄様。司る力は創造と破壊、天空を司る。ディーお兄様は違う世界を管理しているんだって。それは後々教えてくれるって。

 2番目はエルデお姉ちゃん。大地と豊穣を司る。今度、エルデお姉ちゃんの力で作ったお花畑に連れてってくれるって!

 3番目はヘーラル。創造と破壊、宇宙を司る。ラル姉様も管理する世界があるみたい。

 4番目はインヴェルノ。このお兄様にはまだ会ってない。水と氷、冬を司る。見た目は白いんだって。後は会った時のお楽しみらしい。

 5番目はセレネ。闇と月を司る。闇属性のトップの神様なんだって。見た目はセクシーなお姉様らしい。うん、会うのを楽しみにしてる。

 6番目はアッシャムス。火と太陽、戦を司る。デカくて暑苦しいらしいから気を付けろとディーお兄様に言われました。でも、まだ会った事ないのでなんとも言えません。

 7番目はアンフィニ。創造と破壊、時を司る。フィーお兄たまの世界もあるみたい。

 8番目はエテェネル。創造と破壊、愛と美を司る。ネルお姉ちゃまの世界もあるって。あと、愛と美を司るなんネルお姉ちゃまにピッタリの力だと思った。

 9番目はルチアーノ。光と癒しを司る。見た目はネルお姉ちゃまとそっくりらしい。でも、髪色と瞳の色が少し違うみたい。会うのが楽しみ!

 10番目がデスティノ。運命と風を司る。正直、スティ兄ちゃんが運命を握っているなんてって思ったけど、お仕事はちゃんとしているらしい。

 11番目がノア。創造と破壊、闇を司る。ノア兄も神としてはまだまだ子供だから勉強の毎日みたい。

 それで最後に私、エイミー。本当にお母様、お父様、子沢山。でも、永遠の時を生きる神だからそんなに多くは無いらしい。管理する世界の方が多いから、上に立つ神としてはまだまだ少ないみたい。この話は難しいからまた今度ねって言われました。

「大体分かったかしら、エイミー?」

「あい! いっぱいおにいしゃまとおねえしゃまがいてうれちいでしゅ! はやく会いたいでしゅ!」

「「「可愛い!!!」」」

「すぐにまだ会ってないお兄様とお姉様に会えるわよ」

「みんな仕事が終わり次第来るって言ってたからね」

「みんなエイミーに会いたくて仕方ない様でしたわよ」

 早くみんなに会ってみたいな!ワクワクした気持ちがいっぱいになってくる。ニコニコが止まらないくらいご機嫌だ。

「うーん、とりあえず兄弟姉妹の事については話したから、次はエイミー、あなたの力について話すわね」

「あい」

 お母様がちょっと真剣な顔になった。さっきまでのニコニコ笑顔ではなく、私も自然と背筋が伸びる様な感じになった。

「そんなに身構えなくても大丈夫よ」

「大丈夫だよ。 エイミーにぴったりの力だからね」

 お母様とお父様が笑顔で言ってくれる。ちょっと肩の力がとれた。

「それでエイミーの力はなんですか?」

「俺らも気になります」

「母ー、早く教えてー」

 お兄様達は私の力に興味津々の様だ。だって前のめりになって聞こうとしてる。

「私達はもう知ってる~」

「エイミーが寝てる間に教えてもらったもんね!」

「ええ、もう聞きましてよ」

「僕も聞きました!」

 えっ!?。お姉様達もう私の力分かってるの!?まだ私が聞いてないのに!?でも、寝てた時にって言ってたからな……。

「おかあしゃま! おしえてくだしゃい!」

 お母様の顔を見て真剣に聞く。

「エイミー、あなたの力は、すべての万物から愛される力よ」

 すべての万物から愛される力???
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト
ファンタジー
 光間天音は気づいたら真っ白な空間にいた。そして目の前には軽そうだけど非常に見た目のいい男の人がいた。  その男はアズフェールという世界を作った神様だった。神様から是非僕の使徒になって地上の管理者をしてくれとスカウトされた。  だけど、スカウトされたその理由は……。 「貴方の魂は僕と相性が最高にいいからです!!」 ……そんな相性とか占いかよ!!  結局なんだかんだ神の使徒になることを受け入れて、九尾として生きることになってしまった女性の話。 ※別名義でカクヨム様にも投稿しております。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使う事でスキルを強化、更に新スキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった… それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく… ※小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

処理中です...