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〜始まり〜

8話 覚悟を決めました

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 いっぱい泣いたえいみは、落ち着きを取り戻しつつ考えていた。神に生まれ変わるか、人としてまた生きるかを。どうしたって悩む。グルグル思考の渦にのまれていく様だった。そんな時エマリーバが言った。

「えいみさんもし私の娘になるのなら、えいみさんのお母さんの様な愛情たっぷりにあなたを守り愛します。 だから私の娘になってください!」

「!!」

「私はやっぱりえいみさんに娘になって欲しいです。 だからもう一度言っとこうかなと……///」

 エマリーバは最後照れならそう伝えてきた。こんなにも私のことを望んでくれているなんて……。照れくさくて、でもそれ以上に嬉しい!!だから決めた。

「決めました」

「では、どちらを選びますか?」

 少し不安そうなエマリーバ。そんな顔しなくてもいいのに。だから自然と笑みが溢れた。

「エマリーバ様、私を娘にしてください!」

「っ!、はい! ぜひ喜んで♪」

 エマリーバと笑い合う。正直、神になることは不安なところもある。色々大変なこともあると思う。でもエマリーバを信じてみようと思った。何より大切にしてくれそうだから。

「それじゃあ、神に生まれ変わる準備を整えなくては!」

 そう言ってエマリーバは張り切り出した。準備って何するの?なんかテンション高くてちょっと怖いよ……。

「あの~準備って?」

「見た目を決めるのよ!ずーっと基本その姿で生きていかないといけないから、ちゃんと決めた方がいいですよ!」

「確かにそうですよね……」

「まあ、一人前の神になれば変化の力で見た目は変わって見せれるけどね」

 見た目かぁ。確かに変な見た目のままずっとなんて嫌だ。ちゃんと考えなくては。

「まず、男性と女性どちらがいいかしら?」

「性別も選ぶんですか!?」

 ずっと『娘になって』と言われていたから女性に生まれ変わると思っていた。

「そうそう性別も選べるのよ。 ……あっ、娘になってって言ってたから勘違いしてたよね? ごめんね」

「いえ、びっくりしちゃって」

「人の感覚だとそうよね~、でもえいみさんは特別かな」

「どういうことですか?」

「ほとんどは神に生まれるべきとして生まれてくるから聞くことはないけど、人から神になんて滅多にないからね。」

 そうだよね、滅多になさそう……。というより全くなさそうだけど。そこスルーしとく。

「思い切って逆の性別にするも良し、このままでもいいし、好きな方選んでください♪」

「このまま女性で!」

 食い気味に言った。だって25年間女性で生きてきて今から男性になれないでしょ!絶対、絶っっ対違和感だらけになる!

「分かりました、では女性で」

「はい、それでお願いします」

「あとは、容姿でなりたい姿とかありますか?」

「容姿ですか?うーんこれといってなりたいっていうのは無いですね」

「そうですか、どうしましょう?」

 2人して悩み始めた。うーん、だってなりたい姿とか憧れのモデルさんとはいるけどそのままの見た目になりたいとかはなんか違うと思うし……。

「それなら人の様に私の見た目に似た感じにしてもいいでしょうか? 人の親と子は似てるじゃないですか、どうでしょう?」

「逆に、いいのですか?」

「はい! 見た目がどうとかでは無いですけど、人と同じ様な感じてちょっと憧れていたんです!だからもし良ければ嬉しいです!」

「じゃあそれならそれでお願いします///」

「はい!」

 すごく照れくさい。それにこんなに美人に似てる様してもらうなんてちょっと平凡な私からすれば気が引けるけど、エマリーバ様がすごく喜んでいるから、まぁいいかっ!

「じゃあ、それでは転生しますが、どう生まれてくるか気になりますよね?」

「はい」

「神はいくつかの生まれ方があります。 まず1つ目が自然に生まれてくること。 この場合すでに大人の姿になっています。 2つ目は親から生まれること。 この場合は親の力から生まれる場合と、人と同じで親のお腹から産まれることがあります。 力から生まれた時は大体が大人の姿です。 お腹から産まれた時は子供の姿です」

 エマリーバ様は私は神に転生したら子供だって言っていたからお腹から産まれるのかな?一応聞いてみよ。

「ちなみに私はどう生まれるのですか?」

「えいみさんは私の直系にしますので私が責任を持って産みます!」

「……」

 ちょっと顔が引きつる。自分を産むってそんな宣言されたことない。普通ないよね……。

「お、お願いします」

「はい! がんばります!」

 エマリーバが張り切っている。お願いしますとしか言えない。

「それじゃあこれから転生させます。 今からえいみさんの魂は私の中で眠りの状態になります。 そして、神の器と魂が整い次第、私から産まれます」

「はい」

 ついに生まれ変わるのか。ちょっと緊張してきた。

「心配することはありません。 ただちょっとひと眠りするくらいの気持ちで、ね?」

「はい、ありがとうございます」

「それじゃあいいですか?」

「お願いします!」

 そう言うと私の体が光出した。その途端眠気が襲ってきた。ぼんやりする意識の中、エマリーバの声が聞こえてきた。

「えいみさん、安心してください。 私は絶対あなたを守ります。 そして、次に会う時は私の娘。 ゆっくり眠りなさい、私の愛しい娘よ」

 そう聞こえたと思ったら、暖かいものに包まれた感じになって幸せな気持ちで眠りに落ちた。



 
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