BlueRose

雨衣

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「会長さんはなんたってあんなに風紀を毛嫌いしてるんだろ~ね~?」

時は少し戻って会長の変わりに頼まれた資料を持って風紀委員室へ行く途中だった。

風紀委員室は生徒会室と少し離れたところにあるため、移動が面倒だったりする。

その途中で、2年生の教室の前も通るのだが…

「すっごい注目されている気がするねぇ~?」

まだ朝のホームルームが始まる前だがほとんどの生徒はもう学校に着いている時間だった。

廊下を歩いてるだけなのにコソコソと声が聞こえるのである。

注目される原因は何となくわかっているが、あまり影でコソコソと言われていると凄く!物凄く気になるのである。

「ん~、早くここ通り過ぎるかな~?」

そうと決まればと早く歩こうとするところで声をかけられた。

「会計様!!」

声をかけられたのだから答えなければ…
タイミングが悪くないかな?

「はい~?どうしました~?」

こえをかけたのは…
見たことあるな?
あ、僕の親衛隊の人だ!2年生の!

「あ、あの!
今日、部屋へおうかがいしてもよろしいでしょうか?」

「いいですよ~?来る時は電話でもしてくださいね~!」

そう言うとその先輩は嬉しそうに微笑んだ。

「それにちょうど良かったです~?」

そう、あの件があるからね。
調子に乗って作りすぎたアレ

「そ、それって…」

僕は先輩の耳に近ずいてこういった。

「新作スイーツいっぱいありますよ~?」

「た、楽しみにしていますぅ…。」

あれ、凄く顔が真っ赤になった?
太るとかかな?スイーツ美味しいし?恥ずかしいことはないわよ~?

「では、先輩そろそろ行きますね。
また、放課後お願い致しますね~」

先輩に手を振って、また風紀委員室へと向かうのだった。

コンコンと風紀委員室のドアをノックして返事を待つ。

「はい、空いているので入ってきてください。」

と、声がしたので遠慮なく入らしてもらおう。
早く帰らないと授業が始まってしまうしね?

「失礼しま~す!
書類を出しに来ました。」

風紀委員室に入ると朝の見回りがあるのか、あまり人がいなかった。
すると、風紀委員長である二階堂瑞稀先輩が来てくれた。

「ああ、新歓の書類だな、ご苦労だった。
新しい会計だな?いつもは副会長が届けに来るのにどうしたんだ?」

「はい、よろしくお願いします!
ええっと~、副会長さんは今、転校生を迎えに行っていて変わりに引き受けました。」

会長さんのくだりは言わなくていいだろう。
何故か犬猿の仲らしいし?

そんなことより副会長って言ったあたりで後ろでガタッと音がしたんだけど?

挙動不審な蓮さんがこちらをじぃぃと見てるんだが?それでいいのか蓮さんやい

一応、鬼の風紀委員とか呼ばれているんだろ?
分厚い猫の皮がはがれてきとるぞい?
これは涼真と祐樹に聞いた話なんだけど、学園では風紀委員モードなるもので過ごしていて、普段から違反に厳しく、容赦なく取り締まる様子から周りから鬼の風紀委員と呼ばれている、らしい。

まあ、それは置いておくか。

それから風紀委員長さんと一言二言交わして風紀委員室を後にした。

「転校生はどんな子だったんだろう?」

そう思いながら生徒会室に戻るのだった。
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