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幼少期編
50 マルス先生とスパルタ授業(上)
しおりを挟む僕の最近の悩み。それは魔力量が増えない事。魔力増加とか魔力枯渇とかしてるんだけど、なかなか【英雄級】まで上がらないんだよね。魔力量が上がらないから【プロビデンスの目】も制御できないまま。
「うーん、増えないなぁ…」
「また悩んでおるのか?」
「え?!」
1人ぶつぶつ言ってるとマルス先生が突然現れた。急に来られるとびっくりする。やめて欲しいなぁ。
「お久しぶりです。マルス先生」
「うむ。久しいの、リュサリネラ」
お互いに挨拶をして魔法の授業に入る。といっても僕は既に【闇】の魔法は全部【学問理解】で学習済み。だから、他の属性の魔法とか、魔物とか他の人が知らない様な事を教えて貰ってる。あとは武術?
マルス先生の話が本当かどうかは【学問理解】ですぐわかるし、作り話でも面白いから損はないよ。
「今日は先に短剣の技を磨くぞ。それから魔力量について話そうかの」
「先に武術、ですか……」
「そうじゃ。寝ない様に頑張るんじゃよ」
今日の授業は精神力も鍛えよう的な奴らしい。先に武術かぁ、絶対寝る。寝る自信しかない……。
マルス先生は、武術は自分や仲間を守る為にある!とかですごいスパルタなんだよね。寝ない様に何か対策練っておかないと、【学問理解】の持ち腐れになっちゃう~………逆にしてくれないかな?
「さっ、早速やるぞ」
考え事してる間に空間魔法の中。こうなったらもうとことんやるしかない。僕はアイテムボックスから短剣ヒュオディスとソリディスを取り出した。使ってて気づいたんだけど、2つとも黒の本体?に模様が入ってるんだけど、ヒュオディスは模様に紫ベースに銀色が混じってて、ソリディスは紫ベースに金色が混じっててなんか格好いい。この違いに気づいた時、厨二心をちょこっとくすぐられた。
「今日教えるのはこの3つじゃ。気を引き締めてやるんじゃぞ」
短剣の技ってだいたい隠密系なんだよね。だから、【闇】とすごく相性がいい。今日の技は高いところからすれ違いざまに相手の首を切りつけるのと、背後からの切りつけ、あとはカウンターっぽい奴。僕が作った影の中に入る魔法を使いながら技を習得していく。ある程度形になったらすぐに実戦で戦って覚える。この実戦が凄くハード。相手はマルス先生が作ったゴーレム。これ普通のゴーレムじゃなくて、若い頃マルス先生が実際に動いていた通りに動く考える頭を持ったゴーレムなんだよね。つまり、父を教えていた頃の動きなんだよ。
最初は全く歯が立たなかったけど、最近は何とか互角に戦える様になってきた。けど、体力がめっちゃ削られる。
短剣の技の習得が終わると次は細剣の技と体術を習得し、武術の稽古が終わる頃には僕はすっかりヘトヘトになっていた。いつもならこれで終わったりもするんだけど、今日はこれから魔力量についての講義がある。もう寝たい……けど、悩みでもある事だから聞かないと………。
うとうとしてたらマルス先生に回復魔法をかけられて講義を受ける事になった。身体が元気になっても心が疲れてるから眠いのは一緒なんだよね。というか、心なしかマルス先生楽しそう…?
あれは鬼だ……スパルタめ…!
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