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幼少期編

26 許可をもらいましょ

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数ヶ月経って社交シーズンも終わりに近づいてきた。

「リュサリネラ様、お手紙です」

「ウィチタ!ありがと」

部屋でゴロゴロしてたらお手紙が来たよ。ブレイディからで、来週領地に少しだけ帰るから来ないかっていう内容だった。僕のところの領地は行くのに1週間かかるけど、ブレイディのところは2日で行けるみたい。王都から近いっちゃ近いんだけど、馬を魔法で早くしてるからこの日数なだけ。すごいお金がかかるらしいから、上級貴族の特権みたいなものだね。

「父様っていつ帰ってくる?レイの領地に行ってみたいんだけど」

「ルーベック様に確認いたしますので、少々お待ちください」

「わかった」

ウィチタが部屋を出て行ってから読書を再開する。今読んでいるのは兄からもらった図鑑。食べ物、植物、動物、魔物、魚、魔法、魔道具、歴史の全部で8巻。子供向けに簡単にまとめてあってわかりやすい。読んでいてわかったけど、ほとんどの名前が前世のやつと一緒だった。姿とか形も全く一緒。街並みが中世ヨーロッパ風なのに現代的な代物もあってちょっとびっくりした。いくら魔法があるからっていささか都合よすぎやしないか?

「失礼します。リュサリネラ様、当主様は今日お戻りになられるそうです」

「本当?随分早いね…ありがと」

「はい」

そのまま奥の控え室に戻って行った。最近は乳母から侍女に変わりつつある。ちょっと寂しい。

夕食の時間に父が帰ってきて、ご飯の後サロンで話をすることにした。てことで今はサロンにいるよ。

「リラン、話って何かな?」

「はい、シモンズ公爵家の領地に招待されたので行きたいです」

「シモンズ公爵の…まあいいだろう。いろんなものを見させてもらいなさい」

「何日くらい?」

「1週間くらいです、兄様」

「僕も行っていいかな?」

「私も!」

「ナードは将来役に立つから、招待をいただけたら行っていい。ルビーは王妃教育があるからダメだ」

「嫌です。研究がちっっとも進まないのよ?もうストレスでおかしくなりそう」

ケイレブ殿下は王位継承権第2位だけど兄がバジール殿下を廃嫡する発言をして念のため姉が王妃教育を受けることになった。兄の発言力どうなってるの?まあ、巷では神童って言われてるからなのかもしれないけど。それでも凄すぎです。
ブレイディの領地へは僕と兄が視察という形で訪問することになった。宝石の産地だと知った姉が虫入りの琥珀があったら買い占めてきてほしいってお願いされた。入ってる虫からいろんなことがわかるから研究が捗るんだとか。いつも何の研究をしているのかな?また今度聞いてみよ。

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