夜更かしな天使さま

雨宮大智

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祝福

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 「夜更かしな天使さま、いらっしゃいますか」
 少年シンクがそういうと、天から声が聞こえてきました。

 「シンクね。どうしたの?」
 「こんばんは、天使さま。天使さまがよく行われる『祝福』とは何ですか」
 「幸せと喜びを招くことですよ」
 優しい口調で天使さまが伝えました。

 「天使さま、それは僕にもできますか」
 「もちろん、できますとも。心から祈ればよいのですよ」
 「祈ってみます。……この世界がもっと素晴らしいものになりますように……」
 シンクは深く静かに祈りました。

 世界は変わりました。

 その晩のことです。
 シンクが「地上の天使」となったのは。
 そのことは、天使さま以外、誰も知らなかったのです。

(結)
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