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第2章 推理と虚実
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「結局、あの担任教師でしょ。」
部下の鈴木がキーボードのエンターキーを強く押し、回転式の椅子で回転しながら言った。
「いや、まだ分からない。」
俺は静かに答える。
「あの先輩!例の猫のやつ。犯人わかってないんですよね?」
「うん」
「じゃあ、同一人物とか、、ないっすかね?」
「それの件だが、猫の胃から見つかったあの紙。どうだと思う?」
「紙?なんすかそれ」
「あ、そっか。あれ一般公開されてなかったっけ。これ」
俺はそう言いながらデスクの中のコピーを取り出した。
「「ぁ、これをつけた警察供。僕を捕まえてみろ。これは、あくまでも練習だ。僕の本能は今にも人を殺したがっている。あぁ、愉快だ。うかけ3。ーjr」」
血が付いていて、文字が見えにくく、所々破れている。物は、科捜研によるとカンパスのB5ルーズリーフの切れ端。
「これですか。なんか所々文字が空いてますね。」
「そう、そして最後の意味不明な言葉。JR、、電車か?」
「ちょっと見してください。こういうの得意なんですよ。」
俺はクイズ好きの鈴木にコピーを、渡した。
俺は続けて喋る。
「こういうのって、猟奇的な殺人犯。いわゆるサイコパスと呼ばれる人たちにとっては当たり前らしい。」
「というと?」
鈴木はコピーをまじまじと見ながらそう答える。
「ああいう人たちは自分を見て欲しいんだよ。だから、こうやってあえてヒントを残したりしてマスコミが面白おかしくニュースや特番で取り扱うのを楽しみにしてる。だから今回はこのヒントをあえてマスコミに公表しなかった。そうなると犯人の思う壺だからな。」
「あ!解けました!いや、根拠はないですけど。この形式のクイズはよくあるんですよ。この所々抜けた文字を補ってみたんです。前後の文から予想して。まず最初の不自然な小さなあは後ろに大きなさが来ると予想して、さぁ。という文が出来ます。この時補った文字はさ。これをやると、浮き上がるのは、さ、見。最後のうかけ3とー。は、う、う、う、ーと分ける。じゃあ全部並べたら、さ、見、う、う、う、ー。これを母音に揃えます。すると。あ、い、う、う、う、ー。これをそれっぽく並べるとjrあいううーう。先輩!じゅにああいううーうって言ってみてください。」
「じゅにああいううーう、じゅにああいううーう、あ!Jr.high school!てことは、中学校!!!!」
「こんな簡単なクイズ、マスコミに提供してたら今頃中学校大変なことになってましたよ。」
「じゃあ、犯人は中学生?」
「まぁ、可能性はありますね。こんな簡単なクイズを暗号と捉えて残すぐらいですから」
鈴木は笑いながら言った。
「お前よく笑ってられるな」
「ふふっ」
※
「じゃあ言います。俺は、霧島とは中学校からの付き合いだったけど、割と仲は良かった。それとー」
そんな上辺だけの深そうで浅い話を淡々と語りながら。俺は考える。
俺の名前は中村英登。俺は、自分でもわかる大きな闇を抱えているそうだ。だから、俺は小動物を殺し、解体し、見せびらかす。家に帰ると、親は言う。
「塾に行って来なさい」
「わかった」
そう返し、あらかじめ準備してある鞄を背負って塾に向かう。俺は何故か賢い。塾の鞄の中には沢山の凶器が入ってる。塾についたことを通知するカードには細工をしといた。俺がボタンを押せば親の元へ塾から通知が届く。塾に行っていると思われている間、俺は自由だ。暗くなるまで、図書館やゲームセンターに行って暇をつぶす。暗くなったら、エンジョイタイム。俺は生き物を殺す。この殺すと言う行動には俺は快感など覚えたことはない、優位感を感じるだけだ。俺の家は全く複雑じゃない。むしろ愛されているのかもしれない。学校での環境もいいように見えるかもしれない。今まで除け者にされたりしたことはない。俺はいじめられている。除け者にされたことも殴ったり蹴られたりしたこともない。ただ俺はいじめられているのだ。この馬鹿供には、人の気持ちはわからない。特に槙野。あいつは人に暴言を吐いて、人気を集める。意味がわからない。どうして人を傷つけて優位に立つのが許されるのだ。今のあだ名はうんこだ。訳がわからない、何が面白いのかもわからない。しかし、周りの馬鹿どももいっしょに笑っている。笑わなければ、賛同しなければ、自分に回ってくるのが怖いのだ。そして何故だろう馬鹿はもてる。馬鹿に。そして人口割合的に馬鹿の方が多い。だからこそ馬鹿な奴ほど華やかな人生を送る。何のための教育なのか。まぁ、そんなことは置いといて今回の事件。俺がA公園で猫の首を切っている時、岩田に見られた。しかし、あいつは高身長な男と言っていたが、俺は157cmの低身長だ。ここが引っかかる。まぁいい。俺は今日の夜あいつを殺す。俺はサイコパスなのだろうかと自分でも思うことがある。正直俺は違う。なぜなら、俺は誰にも見られたくないからだ。だから、今小動物殺しの犯人を嗅ぎまわる警察は難航しているだろう。俺は調子に乗ってヒントは残さない。
そんなことを考えながら
「ーってことは悲しいです。しかし、正直犯人は先生。その一択しかあり得ないと俺は思うし、この会議は必要なのかという疑問が強い。霧島が死んだことで、心を痛めている人がこのクラスの中にもいるかもしれないのに、、こんな犯人探しみたいなことを、、、」
そう言い終えた。
部下の鈴木がキーボードのエンターキーを強く押し、回転式の椅子で回転しながら言った。
「いや、まだ分からない。」
俺は静かに答える。
「あの先輩!例の猫のやつ。犯人わかってないんですよね?」
「うん」
「じゃあ、同一人物とか、、ないっすかね?」
「それの件だが、猫の胃から見つかったあの紙。どうだと思う?」
「紙?なんすかそれ」
「あ、そっか。あれ一般公開されてなかったっけ。これ」
俺はそう言いながらデスクの中のコピーを取り出した。
「「ぁ、これをつけた警察供。僕を捕まえてみろ。これは、あくまでも練習だ。僕の本能は今にも人を殺したがっている。あぁ、愉快だ。うかけ3。ーjr」」
血が付いていて、文字が見えにくく、所々破れている。物は、科捜研によるとカンパスのB5ルーズリーフの切れ端。
「これですか。なんか所々文字が空いてますね。」
「そう、そして最後の意味不明な言葉。JR、、電車か?」
「ちょっと見してください。こういうの得意なんですよ。」
俺はクイズ好きの鈴木にコピーを、渡した。
俺は続けて喋る。
「こういうのって、猟奇的な殺人犯。いわゆるサイコパスと呼ばれる人たちにとっては当たり前らしい。」
「というと?」
鈴木はコピーをまじまじと見ながらそう答える。
「ああいう人たちは自分を見て欲しいんだよ。だから、こうやってあえてヒントを残したりしてマスコミが面白おかしくニュースや特番で取り扱うのを楽しみにしてる。だから今回はこのヒントをあえてマスコミに公表しなかった。そうなると犯人の思う壺だからな。」
「あ!解けました!いや、根拠はないですけど。この形式のクイズはよくあるんですよ。この所々抜けた文字を補ってみたんです。前後の文から予想して。まず最初の不自然な小さなあは後ろに大きなさが来ると予想して、さぁ。という文が出来ます。この時補った文字はさ。これをやると、浮き上がるのは、さ、見。最後のうかけ3とー。は、う、う、う、ーと分ける。じゃあ全部並べたら、さ、見、う、う、う、ー。これを母音に揃えます。すると。あ、い、う、う、う、ー。これをそれっぽく並べるとjrあいううーう。先輩!じゅにああいううーうって言ってみてください。」
「じゅにああいううーう、じゅにああいううーう、あ!Jr.high school!てことは、中学校!!!!」
「こんな簡単なクイズ、マスコミに提供してたら今頃中学校大変なことになってましたよ。」
「じゃあ、犯人は中学生?」
「まぁ、可能性はありますね。こんな簡単なクイズを暗号と捉えて残すぐらいですから」
鈴木は笑いながら言った。
「お前よく笑ってられるな」
「ふふっ」
※
「じゃあ言います。俺は、霧島とは中学校からの付き合いだったけど、割と仲は良かった。それとー」
そんな上辺だけの深そうで浅い話を淡々と語りながら。俺は考える。
俺の名前は中村英登。俺は、自分でもわかる大きな闇を抱えているそうだ。だから、俺は小動物を殺し、解体し、見せびらかす。家に帰ると、親は言う。
「塾に行って来なさい」
「わかった」
そう返し、あらかじめ準備してある鞄を背負って塾に向かう。俺は何故か賢い。塾の鞄の中には沢山の凶器が入ってる。塾についたことを通知するカードには細工をしといた。俺がボタンを押せば親の元へ塾から通知が届く。塾に行っていると思われている間、俺は自由だ。暗くなるまで、図書館やゲームセンターに行って暇をつぶす。暗くなったら、エンジョイタイム。俺は生き物を殺す。この殺すと言う行動には俺は快感など覚えたことはない、優位感を感じるだけだ。俺の家は全く複雑じゃない。むしろ愛されているのかもしれない。学校での環境もいいように見えるかもしれない。今まで除け者にされたりしたことはない。俺はいじめられている。除け者にされたことも殴ったり蹴られたりしたこともない。ただ俺はいじめられているのだ。この馬鹿供には、人の気持ちはわからない。特に槙野。あいつは人に暴言を吐いて、人気を集める。意味がわからない。どうして人を傷つけて優位に立つのが許されるのだ。今のあだ名はうんこだ。訳がわからない、何が面白いのかもわからない。しかし、周りの馬鹿どももいっしょに笑っている。笑わなければ、賛同しなければ、自分に回ってくるのが怖いのだ。そして何故だろう馬鹿はもてる。馬鹿に。そして人口割合的に馬鹿の方が多い。だからこそ馬鹿な奴ほど華やかな人生を送る。何のための教育なのか。まぁ、そんなことは置いといて今回の事件。俺がA公園で猫の首を切っている時、岩田に見られた。しかし、あいつは高身長な男と言っていたが、俺は157cmの低身長だ。ここが引っかかる。まぁいい。俺は今日の夜あいつを殺す。俺はサイコパスなのだろうかと自分でも思うことがある。正直俺は違う。なぜなら、俺は誰にも見られたくないからだ。だから、今小動物殺しの犯人を嗅ぎまわる警察は難航しているだろう。俺は調子に乗ってヒントは残さない。
そんなことを考えながら
「ーってことは悲しいです。しかし、正直犯人は先生。その一択しかあり得ないと俺は思うし、この会議は必要なのかという疑問が強い。霧島が死んだことで、心を痛めている人がこのクラスの中にもいるかもしれないのに、、こんな犯人探しみたいなことを、、、」
そう言い終えた。
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