1 / 21
夢の扉
しおりを挟む
一度でもその扉を叩いた者は、誰もが必ず己の夢を叶える。扉は東の国の魔女ガラの屋敷にあるという。
ちんけな片田舎で燻るジャン・クラウスは扉の噂を知って旅立った。僕は大金持ちになろう……。
雨の日も風の日も歩いた。歩きに歩いた。
一年後、扉の前に着いた。
ノックを一回――バーン! 凄まじい音がして扉が開き、部屋の中に吸い込まれた。
目の前には見知らぬ青年がいた。
「やった!」
「えっ?」
「今度は君だ。誰かがこの扉を叩くまでね」
閉まる扉の陰に青年が消えた。扉を押したり引いたりしたが開かない。
「どういうことだ?!」
「五年ぶりの空! 自由だ! 夢が叶った!」
歓喜の声が聞こえた。JKははっとした。
一度でも扉を叩いた者は――。
ちんけな片田舎で燻るジャン・クラウスは扉の噂を知って旅立った。僕は大金持ちになろう……。
雨の日も風の日も歩いた。歩きに歩いた。
一年後、扉の前に着いた。
ノックを一回――バーン! 凄まじい音がして扉が開き、部屋の中に吸い込まれた。
目の前には見知らぬ青年がいた。
「やった!」
「えっ?」
「今度は君だ。誰かがこの扉を叩くまでね」
閉まる扉の陰に青年が消えた。扉を押したり引いたりしたが開かない。
「どういうことだ?!」
「五年ぶりの空! 自由だ! 夢が叶った!」
歓喜の声が聞こえた。JKははっとした。
一度でも扉を叩いた者は――。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
透目町の日常
四十九院紙縞
ライト文芸
日常と非日常が隣り合い混ざり合う町。
なんにも起きなくてなんでも起こる田舎町。
そんな町で起こる「私」の日常。
※一話完結型の短編集ですので、気になったタイトルからお読みください。
およそ原稿用紙1枚の短編集
柊 真詩
現代文学
なんかもう、ジャンルも定まってない様々な短編小説集です。どれも、およそ原稿用紙1枚の文量で超さくさく読めます。1週間に1作くらい増えます。
この作品はノベルアップ+様、小説家になろう様にも同時投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる