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17.バッド・サプライズ1
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「西東って、人の顔をまったく気にしないよな」
「気にしないわけじゃないけど。
メイクの濃さと人格には、何の関係もないってことは、分かるよ」
「そうだよな。
こう言っちゃ、あれだけど。京本さんは、メイクに命を賭けてるっていう感じの気合いがあったもんな。
社内に、京本さんのファングループみたいなのがあったんだよ。
あの事件の後で、即解散してたけどな」
「そんなものがあったなんて、知らなかった」
「西東のも、あるよ。そっちは、解散してないっぽい」
「解散してほしいな。それは」
「いや、だからさ。結婚したら、嘆くだろうなって」
「その人たちは、知ってるのかな。
俺が本当は何が好きで、どういう人間なのか」
「知らないだろ。たぶん……。
ちなみに、何が好き?」
「恐竜」
「えっ? それ、冗談とかじゃなくて?」
「うん」
「えー。ぜんぜん、知らなかった。人に言わない方がいい?」
「言わなくていいよ」
「プロポーズする人は? そういうこと、知ってるのか」
「知ってる。俺のことは、ほとんど分かってくれてると思う」
「よかったな。いい出会いがあったってことなんだな」
「うん」
「いい返事がもらえるといいな」
「ありがとう。
ごめん。だらだら、話しちゃって」
「いいって。それより、プロポーズの結果は、俺には教えてくれよな」
「分かった。ありがとう」
終業後。
まっすぐ部屋に帰ろうと思っていたが、思い直した。
マンションのエントランスに入る前に、電話をかけた。
「なーに?」
紘一の声は、不機嫌そうだった。
「今、まずかった?」
「そんなことないけど」
「歌穂さんに、プロポーズした?」
「……はあ?」
「してない?」
「してないよ! してたとしても、言わないよ!」
「なんだよ。そこまで怒らなくてもいいだろ」
「ごめんね。あんまり、心の余裕がない」
「なに。何か、あった?」
「ない! もう、切るから」
「えぇ?」
切られた。忙しかったのかもしれない。
悪いことをしてしまった。
玄関で靴を脱いだ。スーツの上も脱いだ。
寝室に入った。
祐奈が、自分のベッドで眠っていた。
俺の気配を感じたのか、「ううん」とかわいい声を上げた。
祐奈の横に寝そべった。
キスをした。祐奈は抵抗しなかった。
祐奈の目が、薄く開いた。俺を見てくる。
「祐奈」
「なあに……?」
「さわってもいい?」
「う、うん」
華奢な体に、手で触れていった。
パジャマの中に手を入れようとして、躊躇った。
ちゃんと起きているのかどうか、よく分からなかったからだ。
「直接、さわっていい?」
「うん」
下着の上から愛撫した。祐奈は、感じているように見えた。
少なくとも、嫌がっているようには見えなかった。
眠そうな顔をしている。そのことだけが、妙に気になっていた。
パジャマの中から手を抜いて、祐奈を抱きよせた。
「祐奈。起きてる?」
「あっ……。れいじ、さん?」
ようやく意識がはっきりしてきたらしい。
俺を見て、驚いたような顔をしていた。
「びっくりした?」
「おかえりなさい……」
「寝てたの?」
「うん。夢の中でしてるみたいに、思ってたの」
「そうだったのか」
「ごめんなさい」
「俺の方こそ、ごめん。寝ぼけてたんだな。
疲れた?」
「……ううん。すこし、よこになりたかったの」
「ごはんは、まだ? まだだったら、俺が作るよ」
「だいじょうぶ。つくってあります」
「つらい時は、無理しなくていいから」
「でも……。もう、せいりじゃないし」
「風邪かもしれない。熱は?」
「ううん。たぶん、ない……」
自然と顔が近づいて、キスをしていた。
祐奈は、とろんとした目で俺を見ている。
「これ、捲っていい?」
「いい、よ」
パジャマを下着ごとたくし上げて、胸にキスをした。
「あ、あん……」
「いや?」
「ううん。するの……?」
「ごめん。そういうつもりじゃなかったんだけど。
してもいい?」
「うん」
「いいの?」
「いい……。したいの」
くらっとした。甘えてくるような様子は、かわいいとしか思えなかった。
「下だけ、脱がせていい?」
こくこくと祐奈がうなずいた。幼い仕草だった。
短いセックスをした。
下半身は裸のままで、祐奈を抱きしめた。
「痛くなかった?」
「わかんない。ぼうっとしてて……」
まだ、ぼんやりしたような顔をしていた。
祐奈のパジャマは、前が開いていた。下着も上に上がっている。どちらも、俺がしたことだった。
裸の胸を、白い手が隠そうとする。タオルケットを広げて、祐奈の全身を隠すようにかけた。
「ありがとうー」
にこっと笑った。かわいかった。
飽きずに見つめていた。
「下着、つけてください」
「ごめん」
「見ちゃ、いけないのに。見ちゃう……」
「別に、見られてもいいけど。見て、楽しいものだとは思わない」
「そんなこと、ない。礼慈さんの体って、きれいですよね」
「そうでもないよ」
「そうかなあ……」
「ひどい格好だな。Yシャツだけ着てる男って、どう思う?」
「かっこいいです」
「目が曇ってるな。
靴下を脱ぐのを忘れた」
「かわいい。見せて」
「君の感性は、おかしい」
下着を履いて、靴下を脱いだ。
ベッドから下りる。スーツをクローゼットに掛けてから、祐奈のところに戻った。
「シャワー、浴びられる?」
「行きたい」
「分かった。体を起こして。手伝うから」
「はあい……」
二人でシャワーを浴びて、夕食を食べた。
頭の高い位置で、お団子のような髪型にした祐奈が珍しくて、ずっと見ていたら、「見すぎです」と叱られた。
「気にしないわけじゃないけど。
メイクの濃さと人格には、何の関係もないってことは、分かるよ」
「そうだよな。
こう言っちゃ、あれだけど。京本さんは、メイクに命を賭けてるっていう感じの気合いがあったもんな。
社内に、京本さんのファングループみたいなのがあったんだよ。
あの事件の後で、即解散してたけどな」
「そんなものがあったなんて、知らなかった」
「西東のも、あるよ。そっちは、解散してないっぽい」
「解散してほしいな。それは」
「いや、だからさ。結婚したら、嘆くだろうなって」
「その人たちは、知ってるのかな。
俺が本当は何が好きで、どういう人間なのか」
「知らないだろ。たぶん……。
ちなみに、何が好き?」
「恐竜」
「えっ? それ、冗談とかじゃなくて?」
「うん」
「えー。ぜんぜん、知らなかった。人に言わない方がいい?」
「言わなくていいよ」
「プロポーズする人は? そういうこと、知ってるのか」
「知ってる。俺のことは、ほとんど分かってくれてると思う」
「よかったな。いい出会いがあったってことなんだな」
「うん」
「いい返事がもらえるといいな」
「ありがとう。
ごめん。だらだら、話しちゃって」
「いいって。それより、プロポーズの結果は、俺には教えてくれよな」
「分かった。ありがとう」
終業後。
まっすぐ部屋に帰ろうと思っていたが、思い直した。
マンションのエントランスに入る前に、電話をかけた。
「なーに?」
紘一の声は、不機嫌そうだった。
「今、まずかった?」
「そんなことないけど」
「歌穂さんに、プロポーズした?」
「……はあ?」
「してない?」
「してないよ! してたとしても、言わないよ!」
「なんだよ。そこまで怒らなくてもいいだろ」
「ごめんね。あんまり、心の余裕がない」
「なに。何か、あった?」
「ない! もう、切るから」
「えぇ?」
切られた。忙しかったのかもしれない。
悪いことをしてしまった。
玄関で靴を脱いだ。スーツの上も脱いだ。
寝室に入った。
祐奈が、自分のベッドで眠っていた。
俺の気配を感じたのか、「ううん」とかわいい声を上げた。
祐奈の横に寝そべった。
キスをした。祐奈は抵抗しなかった。
祐奈の目が、薄く開いた。俺を見てくる。
「祐奈」
「なあに……?」
「さわってもいい?」
「う、うん」
華奢な体に、手で触れていった。
パジャマの中に手を入れようとして、躊躇った。
ちゃんと起きているのかどうか、よく分からなかったからだ。
「直接、さわっていい?」
「うん」
下着の上から愛撫した。祐奈は、感じているように見えた。
少なくとも、嫌がっているようには見えなかった。
眠そうな顔をしている。そのことだけが、妙に気になっていた。
パジャマの中から手を抜いて、祐奈を抱きよせた。
「祐奈。起きてる?」
「あっ……。れいじ、さん?」
ようやく意識がはっきりしてきたらしい。
俺を見て、驚いたような顔をしていた。
「びっくりした?」
「おかえりなさい……」
「寝てたの?」
「うん。夢の中でしてるみたいに、思ってたの」
「そうだったのか」
「ごめんなさい」
「俺の方こそ、ごめん。寝ぼけてたんだな。
疲れた?」
「……ううん。すこし、よこになりたかったの」
「ごはんは、まだ? まだだったら、俺が作るよ」
「だいじょうぶ。つくってあります」
「つらい時は、無理しなくていいから」
「でも……。もう、せいりじゃないし」
「風邪かもしれない。熱は?」
「ううん。たぶん、ない……」
自然と顔が近づいて、キスをしていた。
祐奈は、とろんとした目で俺を見ている。
「これ、捲っていい?」
「いい、よ」
パジャマを下着ごとたくし上げて、胸にキスをした。
「あ、あん……」
「いや?」
「ううん。するの……?」
「ごめん。そういうつもりじゃなかったんだけど。
してもいい?」
「うん」
「いいの?」
「いい……。したいの」
くらっとした。甘えてくるような様子は、かわいいとしか思えなかった。
「下だけ、脱がせていい?」
こくこくと祐奈がうなずいた。幼い仕草だった。
短いセックスをした。
下半身は裸のままで、祐奈を抱きしめた。
「痛くなかった?」
「わかんない。ぼうっとしてて……」
まだ、ぼんやりしたような顔をしていた。
祐奈のパジャマは、前が開いていた。下着も上に上がっている。どちらも、俺がしたことだった。
裸の胸を、白い手が隠そうとする。タオルケットを広げて、祐奈の全身を隠すようにかけた。
「ありがとうー」
にこっと笑った。かわいかった。
飽きずに見つめていた。
「下着、つけてください」
「ごめん」
「見ちゃ、いけないのに。見ちゃう……」
「別に、見られてもいいけど。見て、楽しいものだとは思わない」
「そんなこと、ない。礼慈さんの体って、きれいですよね」
「そうでもないよ」
「そうかなあ……」
「ひどい格好だな。Yシャツだけ着てる男って、どう思う?」
「かっこいいです」
「目が曇ってるな。
靴下を脱ぐのを忘れた」
「かわいい。見せて」
「君の感性は、おかしい」
下着を履いて、靴下を脱いだ。
ベッドから下りる。スーツをクローゼットに掛けてから、祐奈のところに戻った。
「シャワー、浴びられる?」
「行きたい」
「分かった。体を起こして。手伝うから」
「はあい……」
二人でシャワーを浴びて、夕食を食べた。
頭の高い位置で、お団子のような髪型にした祐奈が珍しくて、ずっと見ていたら、「見すぎです」と叱られた。
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