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17.バッド・サプライズ1
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ネクタイとYシャツを、祐奈のベッドに向けて投げた。
全部脱いだ。その勢いで、祐奈も脱がしてしまった。
祐奈のベッドには、二人分の服が重なっている。
体を抱きこんで、キスをした。祐奈の肌は、柔らかかった。それに温かい。
祐奈が、ほうっと息を吐いた。
目で、キスをねだられた気がした。またキスをした。
長くなりそうだな、と思った。
「礼慈さん……。あのね」
「うん?」
「明るいです。はずかしい……」
「我慢して」
「えー?」
「顔が見たい」
「礼慈さんって、正直ですよね」
「うん。手と口で、したい」
「う、うん」
ゆっくり愛した。
祐奈の体が、びくびくと跳ねる。
甘い声で、切れ切れに快感を訴えてくる。かわいかった。
「れいじ、さん」
「うん?」
「わたしも、あなたの……」
「いいよ。俺にさせて」
スーツを脱ぐ前から、オーラルセックスがしたかった。それは強烈な願望だった。祐奈が自分で慰めていたことと、無関係ではなさそうだった。
指を入れた。少し抵抗があった。
とろっとした温かいものが、俺の指を伝ってくる。
「大丈夫?」
「う、うん。あっ、いや……。そんなに、ひろげちゃ、いや」
「きれいだよ」
「あん、あぅ……。
なか、みてるの?」
「うん」
「いやあ、やだー……」
「きれいな色だよ。形も、きれいだ」
「しらないっ! ばかっ……」
泣きだしてしまった。慌てた。
「ごめん」
「いや、もうしない……」
「ごめんなさい」
「……うそ。して、ほしい」
「手で? 口で?」
「いれて……。もう、くちは、いや」
「分かった」
コンドームをつけて、宛がった。
祐奈が俺を見上げてくる。
一年前の九月四日を、二人でなぞっているような気分だった。あの日にはしなかったことを、今は一緒に楽しむことができる。
そのことを、心の底から幸せだと思った。
「入れるよ」
「うん……」
俺の下にいる祐奈が、深い呼吸をする。
頬が赤くなっているのが、かわいかった。
「動いていい?」
祐奈がうなずく。
すぐに夢中になった。
「あっ、あん! あん、いや、……いやぁ」
ほとんど同時に、いった。
全身を、貫くような快感が通り抜けていった。
余韻を感じる間もなく、一瞬だけで終わってしまう。残念だったが、いつものことだ。
覆い被さったままで、祐奈の様子を窺った。
ぐったりしている。気絶しかけたのだろうかと不安になった。
「祐奈?」
「うー」
「大丈夫?」
「ねむたい……」
祐奈は、全身の力が抜けたような様子になっていた。
「眠いの?」
「うん。ほんとは、……してから、ひるねするつもりだったの」
「そうだったのか。ごめん」
言われてみれば、確かに、眠そうな顔をしていた。
「寝ていいよ」
「うーん。うん」
こくりとうなずくと、目を閉じた。
そのまま、眠ってしまった。
裸の体にタオルケットをかけた。
祐奈の横で、下着から身につけていった。祐奈が使ったパジャマを、そのまま着た。
ふと思い立って、袖口を嗅いでみた。柔軟剤の匂いしか感じなかった。
しばらく、祐奈の寝顔を見つめていた。
無防備な姿だった。俺のことを信じきっているように見えた。
そばにいたい。そう、強く思った。
結婚したい。
ずっと、一緒にいたい。
出会った日から、予感があった。長いつき合いになるんじゃないかと、勝手に思っていた。
祐奈を愛している。
祐奈の人生を、俺のそれと重ねてほしいと願っている。
プロポーズしよう。このまま、ずるずると同居を続けるのは、祐奈に対して誠意がないと思った。何より、俺が耐えられない。
天涯孤独の祐奈を、不安定な立場に置いておきたくない。
恋人ではなく、伴侶になりたい。
「……どうやって、やるんだろうな」
プロポーズのやり方なんて、調べたことがない。ただ、正直な気持ちを伝えればいいんだろうか?
いつ? どこで?
何を、どう話せばいい?
分からないことだらけだった。
この日から、俺は、出口のない迷宮に迷いこむことになった。
全部脱いだ。その勢いで、祐奈も脱がしてしまった。
祐奈のベッドには、二人分の服が重なっている。
体を抱きこんで、キスをした。祐奈の肌は、柔らかかった。それに温かい。
祐奈が、ほうっと息を吐いた。
目で、キスをねだられた気がした。またキスをした。
長くなりそうだな、と思った。
「礼慈さん……。あのね」
「うん?」
「明るいです。はずかしい……」
「我慢して」
「えー?」
「顔が見たい」
「礼慈さんって、正直ですよね」
「うん。手と口で、したい」
「う、うん」
ゆっくり愛した。
祐奈の体が、びくびくと跳ねる。
甘い声で、切れ切れに快感を訴えてくる。かわいかった。
「れいじ、さん」
「うん?」
「わたしも、あなたの……」
「いいよ。俺にさせて」
スーツを脱ぐ前から、オーラルセックスがしたかった。それは強烈な願望だった。祐奈が自分で慰めていたことと、無関係ではなさそうだった。
指を入れた。少し抵抗があった。
とろっとした温かいものが、俺の指を伝ってくる。
「大丈夫?」
「う、うん。あっ、いや……。そんなに、ひろげちゃ、いや」
「きれいだよ」
「あん、あぅ……。
なか、みてるの?」
「うん」
「いやあ、やだー……」
「きれいな色だよ。形も、きれいだ」
「しらないっ! ばかっ……」
泣きだしてしまった。慌てた。
「ごめん」
「いや、もうしない……」
「ごめんなさい」
「……うそ。して、ほしい」
「手で? 口で?」
「いれて……。もう、くちは、いや」
「分かった」
コンドームをつけて、宛がった。
祐奈が俺を見上げてくる。
一年前の九月四日を、二人でなぞっているような気分だった。あの日にはしなかったことを、今は一緒に楽しむことができる。
そのことを、心の底から幸せだと思った。
「入れるよ」
「うん……」
俺の下にいる祐奈が、深い呼吸をする。
頬が赤くなっているのが、かわいかった。
「動いていい?」
祐奈がうなずく。
すぐに夢中になった。
「あっ、あん! あん、いや、……いやぁ」
ほとんど同時に、いった。
全身を、貫くような快感が通り抜けていった。
余韻を感じる間もなく、一瞬だけで終わってしまう。残念だったが、いつものことだ。
覆い被さったままで、祐奈の様子を窺った。
ぐったりしている。気絶しかけたのだろうかと不安になった。
「祐奈?」
「うー」
「大丈夫?」
「ねむたい……」
祐奈は、全身の力が抜けたような様子になっていた。
「眠いの?」
「うん。ほんとは、……してから、ひるねするつもりだったの」
「そうだったのか。ごめん」
言われてみれば、確かに、眠そうな顔をしていた。
「寝ていいよ」
「うーん。うん」
こくりとうなずくと、目を閉じた。
そのまま、眠ってしまった。
裸の体にタオルケットをかけた。
祐奈の横で、下着から身につけていった。祐奈が使ったパジャマを、そのまま着た。
ふと思い立って、袖口を嗅いでみた。柔軟剤の匂いしか感じなかった。
しばらく、祐奈の寝顔を見つめていた。
無防備な姿だった。俺のことを信じきっているように見えた。
そばにいたい。そう、強く思った。
結婚したい。
ずっと、一緒にいたい。
出会った日から、予感があった。長いつき合いになるんじゃないかと、勝手に思っていた。
祐奈を愛している。
祐奈の人生を、俺のそれと重ねてほしいと願っている。
プロポーズしよう。このまま、ずるずると同居を続けるのは、祐奈に対して誠意がないと思った。何より、俺が耐えられない。
天涯孤独の祐奈を、不安定な立場に置いておきたくない。
恋人ではなく、伴侶になりたい。
「……どうやって、やるんだろうな」
プロポーズのやり方なんて、調べたことがない。ただ、正直な気持ちを伝えればいいんだろうか?
いつ? どこで?
何を、どう話せばいい?
分からないことだらけだった。
この日から、俺は、出口のない迷宮に迷いこむことになった。
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