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【天界編】
【22】勇者学校に入学した捨て子
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勇者学校。
それは人間界で親に捨てられ天使によって育った者が通う学校である。
因みに勇者協会とは勇者になり損ねたポンコツが天使によって運営を任されているものだ。
教育を受け能力を開花させた者は、最後に勇者になるための登竜門試験がある。
ケッツァー達が現れるまで、ここを通過したものはいなかった。
通過できたものは勇者協会に登録して初めて勇者になれる。
勇者学校は何年生単位は存在しない。
先輩後輩はあるが、例えば後輩が先に勇者になれば、如何に先輩でも勇者の指示に従わなくてはならない。
《能力が全ての世界》
これが勇者学校の実態である。
ケッツァーもこの春から勇者学校に入学。同期は20人いる。
ケッツァーは冷静に周りを分析していきライバルは2人と考えていた。
ライバルの名はフール。
もう1人の名をヴィスキという。
他の候補生と比べ能力の格が違ったのだ。
『さぁ、ケッツァーこれから頑張るのよ。お友達も作って立派な勇者になるのよ。』
『立派って、どうゆうの?』
『あ、え、そうね……困ってる人を助けるとか?』
『うん。これが仕事になるんだから報酬もらえば助けるように心掛けるよ。』
『え?あれ?育て方間違ったかな?』
『だってウリエル様いつも言ってんじゃん。
欲しいものを手に入れるには対価が必要だって。何もせずに欲しいものだけを得ようとするような奴には、なってはいけないって。』
『あー……言ったねー。
そうね、ま、まぁほどほどにね』
『うん。ありがとうございます』
遠くから誰かが話しかけてくる。
『おーい、おーい!君も同期なんだね!
私の名前はフール!これから宜しくね!
えっと、君の名前は?』
『ケッツァーだよ。宜しくね』
『なんだなんだ、もう仲良くなってる奴等が居るじゃねーか!
俺の名はヴィスキ!宜しくな!』
『私はフール!っでこっちはケッツァー君。お互い頑張ろうね!』
『勿論だ!フール、ケッツァー宜しくな!
っでお前達の親は?俺はガブリエル様だ』
『私はミカエル様だよ』
『俺はウリエル様だ』
『全員が大天使様だったのか!
何か色々奇遇だな!
講師の先生もお三方みたいだぞ。
何でも超怖いらしいぞ……ガブリエル様とか普段から怖いのに……』
『ミカエル様は女癖が悪いよ』
『ウリエル様は……適当な人だ』
何だかんだで意気投合した3人は、これから先も良くつるむようになる。
その頃天使たちは─────
威厳を持った天使が2人の天使に問いかける。
『ウリエル、ミカエル。お前達の子はどういった状況だ』
『はい、我が子フールは順調に育ちましたが、その、変態な奴に育ってしまいまして……』
『変態に育った理由が十二分に理解できるから、それは構わん』
『我が子ケッツァーは、はっきり言って化け物です。
彼以上の存在は今生出て来ないでしょう』
『俺が育てたヴィスキよりもか?』
『入学式で拝見しましたが、ケッツァーの方が別次元です』
『なるほど、しかしアイツの酒好きは誰に似たのか……
俺にまでアルハラしてくるからなぁ』
2人が声を揃えて答える。
『酒好きはあなたが原因ですよ。
間違いなく……』
『う、うむ……
何れにしても、今度は本命が来たと言うことだな。実に楽しみだよ。
さて、我々も彼らを一人前に育てようじゃないか!』
『はっ!』
それは人間界で親に捨てられ天使によって育った者が通う学校である。
因みに勇者協会とは勇者になり損ねたポンコツが天使によって運営を任されているものだ。
教育を受け能力を開花させた者は、最後に勇者になるための登竜門試験がある。
ケッツァー達が現れるまで、ここを通過したものはいなかった。
通過できたものは勇者協会に登録して初めて勇者になれる。
勇者学校は何年生単位は存在しない。
先輩後輩はあるが、例えば後輩が先に勇者になれば、如何に先輩でも勇者の指示に従わなくてはならない。
《能力が全ての世界》
これが勇者学校の実態である。
ケッツァーもこの春から勇者学校に入学。同期は20人いる。
ケッツァーは冷静に周りを分析していきライバルは2人と考えていた。
ライバルの名はフール。
もう1人の名をヴィスキという。
他の候補生と比べ能力の格が違ったのだ。
『さぁ、ケッツァーこれから頑張るのよ。お友達も作って立派な勇者になるのよ。』
『立派って、どうゆうの?』
『あ、え、そうね……困ってる人を助けるとか?』
『うん。これが仕事になるんだから報酬もらえば助けるように心掛けるよ。』
『え?あれ?育て方間違ったかな?』
『だってウリエル様いつも言ってんじゃん。
欲しいものを手に入れるには対価が必要だって。何もせずに欲しいものだけを得ようとするような奴には、なってはいけないって。』
『あー……言ったねー。
そうね、ま、まぁほどほどにね』
『うん。ありがとうございます』
遠くから誰かが話しかけてくる。
『おーい、おーい!君も同期なんだね!
私の名前はフール!これから宜しくね!
えっと、君の名前は?』
『ケッツァーだよ。宜しくね』
『なんだなんだ、もう仲良くなってる奴等が居るじゃねーか!
俺の名はヴィスキ!宜しくな!』
『私はフール!っでこっちはケッツァー君。お互い頑張ろうね!』
『勿論だ!フール、ケッツァー宜しくな!
っでお前達の親は?俺はガブリエル様だ』
『私はミカエル様だよ』
『俺はウリエル様だ』
『全員が大天使様だったのか!
何か色々奇遇だな!
講師の先生もお三方みたいだぞ。
何でも超怖いらしいぞ……ガブリエル様とか普段から怖いのに……』
『ミカエル様は女癖が悪いよ』
『ウリエル様は……適当な人だ』
何だかんだで意気投合した3人は、これから先も良くつるむようになる。
その頃天使たちは─────
威厳を持った天使が2人の天使に問いかける。
『ウリエル、ミカエル。お前達の子はどういった状況だ』
『はい、我が子フールは順調に育ちましたが、その、変態な奴に育ってしまいまして……』
『変態に育った理由が十二分に理解できるから、それは構わん』
『我が子ケッツァーは、はっきり言って化け物です。
彼以上の存在は今生出て来ないでしょう』
『俺が育てたヴィスキよりもか?』
『入学式で拝見しましたが、ケッツァーの方が別次元です』
『なるほど、しかしアイツの酒好きは誰に似たのか……
俺にまでアルハラしてくるからなぁ』
2人が声を揃えて答える。
『酒好きはあなたが原因ですよ。
間違いなく……』
『う、うむ……
何れにしても、今度は本命が来たと言うことだな。実に楽しみだよ。
さて、我々も彼らを一人前に育てようじゃないか!』
『はっ!』
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