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【序章】

【15】フゾウVSヴィスキ

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 先に到着したのは魔王軍。
 到着して早々にパッソアの腐造に取り掛かる。

 10分程遅れてケッツァー達が到着。
 たったの10分。
 その、たったの10分で美しき聖地パッソアは変わり果てた姿で、異臭を漂わせていた。

『なんだと……!?この美しき聖地を……!許さん!絶対に許さん!!』

『フール、シールドを。ロイ、イルネスはシールドから出るな。
 フール、シールド内で全力展開。俺はアイツを殺る。おい!ヴィスキ!好きに暴れろ!』

『感謝する。おい、糞野郎。人々の笑顔を奪う行為と人々に愛される飲み物を奪った行為は、万死に値する。チリ1つ残さず消してやる』

『ケッツァーではないようだな。
 貴様に用はない。消えろ』

 そう言うと、特大の大玉を放った。

腐り玉プートリド・ボール

 ヴィスキもスキルを発動。

血だらけの処刑ブラッディ・メアリー

 放った光は特大の腐り玉プートリド・ボールを包み込み綺麗に掻き消した。

『なんだと!?貴様!何者だ!!』

『お酒の味方!ヴィスキだよ!』

『おのれ……名も知れぬ相手に!こうも簡単に……』

『もういいか?お前は死ぬ運命だ。
 最後は、せめてもの救いで散らせてやるよ。スキル、幸福の叫びシャンパンコール

 そのスキルは美しかった。
 下から上へほとばしる泡は花火のように繰返し弾ける。
 泡から泡へと包まれながら綺麗に消えていったのだ。
 そんな状況を見て町からは歓喜の声が渦巻く。
 それは、スキル名通りに人々が幸せを感じた瞬間であった。

 その側でケッツァーはバッテーリオを秒殺していた。
 残った魔王軍はロイ、イルネス、フールにより全滅させられる。

『町を浄化する。スキル、薔薇色の踊りロゼ・ダンシング

 このスキルにより、町全体を薔薇の花が揺れながら踊っているように咲く。
 香りもほのか甘い香り。

 人々は見とれる。その美しさに。
 人々は微笑む。その妖艶さに。
 人々は癒される。その香りに。

 町は綺麗に浄化され町中の酒が復活する。
 復活と同時に人々は、ある共通語を叫ぶ。
 《 " 乾杯 " 》と。

 勇者ヴィスキ、完勝!
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