職業勇者はボランティアではありません！(改訂版)

【序章】

【11】恋人は淫乱勇者

　朝起きると俺の下半身がモゾモゾする。

『ん？なんだ？んー！？何してんだお前！！コラー！やめなさい！ダメ！それ以上は……』

『ふぅー。スッキリ！ねぇケッツァー……スッキリした？』

『け、汚された……こんな事されたら、お前を女として意識してしまうじゃねーかー！』

『いいよ！むしろ、して！』

『は！？何言いだしてんだ！？』

『だって私、ケッツァーの事愛してるもん！だから飲めるよ！』

『こらこらこら！下ネタ全開は止めなさい！』

『ケッツァー、私の彼氏になって！そして毎日飲ませて！汚して！』

『だから、止めろというのに！！彼氏には……うん、なるよ。こちらこそだ。ただし、俺以外にヤリマン禁止だぞ！！』

『やったぁ！！勿論だよ！！ケッツァー汁があれば何も要らない！』

『汁っていうなよ！』

『あの、ケッツァー、フール……喜ばしい事だが、9割ピー音なんですが……。頼むから使える言葉選びしてもらえます？』

『ねぇロイ……私も熱くなってきちゃった……』

『言った側から！イルネスちゃん、あっちに行こうね……』

　《天誅！！！！》

『ギャーーー！！ウリエル様ー！！私は被害者ですよ！』

『フールも相変わらずだね』

『ミカエル様！！！』

『やっと意中の人と願いが叶ったんだから、少しは大人しくしたらどうだい？』

『またまた、ミカエル様ー、あなただってスーパーヤリチンじゃないですかー』

『な！？こら！フール！今それを言っちゃダメ！！！』

　《天誅！！！！》

『ギャーーー！！』

　《ちょっとミカエル、どういう事かしら？》

『いや、違うぞ！もう100年前の話だ！付き合って50年はお前1人だ！』

『……いいよ。信じる。でも、裏切ったら……』

『も、勿論です！！』

　ミカエルはフールに小声で囁く。

『こら！フール！これ以上ウリエルを怒らせないでくれ。お前の行動にも目を瞑るから……ね。あと、ケッツァーの事も』

『取引成立ですね』

『あ、そうだ。重要な話があって来たのだった。今度天界で俺とウリエルの就任祭があるから、お前ら来いよ。あーロイとイルネスは留守番してなさい』

『あ、はい。分かりました。天の御加護を……』

『承知しました。天の御加護を……』

　呆れたようにロイが呟く。

『どうでもいいけどさ、冒険進めない？さっさと、魔王軍中枢まで行こうぜ。お前らなら負けないだろうよ』

『ミカエル様とウリエル様の<主天使>就任祭が終わったら行くか』