職業勇者はボランティアではありません！(改訂版)

【序章】

【7】玩具の勇者

　ケッツァーとロイは大都市キエフに来ていた。
　依頼内容が内容だったので呆れながらも重い腰を上げたのである。

　依頼内容:大都市キエフに行き運命の仲間を死ぬ気で探せ。
　報酬⇒仲間。失敗(放棄含む)の罰⇒天誅。

『何この内容……絶対ウリエル様だよ。
　この適当な内容……昔からだもんなー』

『天使とは思えない適当さだな、あの方は……
　ケッツァーよ、根気よく探すしかないぜ……これは』

『そんな余裕を、あの方が与えてくれると思うか？見てみろ期日を……』

『は？10時間以内！？いやいやいや、無理だろ！！』

『だろ？これを何と言うか分かるか？
　ウリハラ(ウリエルハラスメント)だよ。
　出会ったときから、こんな感じ。
　慣れましたよ、いい加減……
　もしかしたら俺の性格の根幹を作ったのは、ウリエル様かもなー』

『う、うん、恐らくそうだと思うぞ。俺でもそうなる自信がある』

『じゃー探そうぜ。スキル、ゴッドアイ！』

　このスキルは未来を予見する目であるために、予見した映像の人間を探せたり、予見した事実を回避できたりするので非常に優秀なスキルなのである。(ちなみに使えるのはケッツァーだけらしい)

『はい！みっけー！
　よし！ロイ、早く終わらせようぜ、この不毛な依頼をよ』

『そうだな、行くか』

　この新たな仲間は、また民衆を困惑させる仲間になるのである。