レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!

メバル

文字の大きさ
上 下
27 / 42
【青年期編】

【27】スライムスライムスライム!!

しおりを挟む
 俺は生前に子供がいなかった。
 甥っ子や姪っ子がいた。
 可愛すぎる天使たちと過ごすことが何よりの幸せだった。

「子供かぁ……どんな感じなんだろう」

 全く予想がつかない。
 だって俺、言うてもまだ16歳だし。
 生前の16歳とかイキってタバコ吸ってたくらいの記憶しかねーぜ。
 法的にはダメだけどな。

 というかタバコに関しては今も変わらずだけども。
 レーニアは最近つわりも出てきたらしく、あまり公務も出来ずにいる。
 今は体を優先してくれれば良い。
 アイツの代わりは俺が全て行う。
 マイムの体内で生成される、即効性抜群の胃薬ドリンクが最高に楽になるとかで、よくそれを飲んでいる。

 一応母子ともに無害であることは、俺のスキルで確認済みだ。
 ナスビッチは、エコーの望みで付きっきりで護衛をしている。
 本当に護衛だけか?って疑いたくなるが、未成年に手を出したら消すって言ってあるから、多分大丈夫だろう。

 グループに関しては傭兵の責任者になったらしく、情報収集やジェンノの暗部としてフル稼働をしてくれている。

「キア、魔王が復活した可能性があるって、以前レジェンダが言ってたよな?」

「ええ」

「いつ動きそうだ?」

「事実ならば1年以内に魔王軍と戦争になると思います」

「1年か……今ジェンノは大きく変わろうとしている。この流れだけは止める訳にはいかん。
 クラーヌに調べさせろ」

「承知」

「ザハルー!ザハルー!どこにいるの?」

 何だがレーニアが少し焦った素振りで俺を探している。

「どうした!何があったんだ!」

「そうじゃないの。少し不安になっただけ。
 少しだけ側に居てくれない?」

「ああ」

「あのね、恐らく魔王が復活したと思うの。
 私は勇者でもあるから、なんとなく分かるんだ。
 この子を授かってる状態でって考えると、急に怖くなっちゃったの」

「大丈夫だ。確かに俺は魔王を倒せないけど、それ以外の奴らなら俺に勝てる奴は居ない。
 俺が全て倒してやる」

「うん。そうなんだけどね。
 ザハルは子供、何人欲しい?
 私は3人欲しいんだよね。私が居なくなった後でも兄弟で助け合って生きていけるようにね」

「レーニアが望むなら、そうしよう。
 あとは願わくば、子供たちの中から勇者が生まれないことを祈るばかりだよ。
 宿命に振り回される人生なんて辛すぎるよね」

「そうだね。
 でも万が一生まれてきたら俺が支えるさ。
 鍛えもする。何代に渡ってもね。ジェンノの血は絶やさないよ」

「ふふ。でもそんなに長寿の人が居たら皆怖がっちゃうよ?」

「あーそれはそうだね。じゃー住処を変えて試練の洞窟的な物を作ろう」

「ははは。ザハルらしいね。
 ホントはね、勇者とか辞めてこのままザハルと子供達とずっと楽しく過ごしたかったな」

「レーニア……大丈夫だ!
 時間はまだまだある!今は産まれてくるこの子のためにいっぱい栄養と休眠を取るんだ。
 マイム、安定剤も一緒に処方してやってくれ」

「わかったよ」

「マイム、なんか必要な素材とかあるか?」

「実はね、ウォータースライム単体がもう一体欲しいんだよ」

「そんなの簡単に捕まるだろ?」

「そうじゃなくてね、僕のような知能を有すものが欲しくてね」

「なに?嫁探し?」

「それも1つではあるんだけど、能力共有が使えれば、より多くの治癒スライムを作り出せるんだよ」

「あーなるほどね。どこにいんの?」

「30階層には居ると思うんだけど、なかなか判別も難しくてね」

「だったら俺が行ってくるよ。分からなければ怪しいやつを片っ端から連れて帰れば良いんじゃないの?
 んで、この際マイム!スライム部隊の隊長にでもなれよ」

「え!?いいの?」

「勿論だとも。だか今はレーニア優先で行動してくれるなら、全然OKだぞ」

「うん!」

 マイムはとても清々しく、更には女性達の目がハートになる気持ちの良い笑顔とキラキラお目々で頷いた。

 何度も言うがコイツは魔物だ。
 依怙贔屓だ!!

「んじゃ行ってくるわ」

「宜しくねザハル」

「ほいほーい」

 俺は転移を使い目的の30階層へ到着。
 向かってくる敵は敢えて垂れ流しにしてるメストで、最早片っ端から死滅していく。
 害虫駆除業者みたいなもんだね。

「さてキアさんや、とりあえずスライムのみに探知を絞って一点集合かけますか」

「んー……おー。主、結構いますよ。
 軽く見積もっても100匹はいます」

「じゃーそれ全部回収で」

「承知です。バキューム使います?」

「そだね。バキュームが早そうだ」

「では主のスキルをお借りして、バキューム発動。吸い込むのは種別問わずスライムのみ」

 キアの設定した内容で階層に居るスライムが”チュッポン”と音を立てながらバキュームに吸い込まれていく。
 その光景はまるでダイ◯ンの掃除機。
 気持ちの良い光景である。

 吸い込み続けていると近くで吸引に耐えながら
「ちょっと待って!」と叫んでる特異スライムを発見。
 一旦ダイソ◯ン……ではなく、バキュームを停止し話を聞いてみることにした。

「もう吸い込まれないから大丈夫だぞ。
 話を聞こう。どうしたんだ?」

 ぷにぷにした造形はマイムと変わらないし、どこか話し方も顔?も似てるような気がする。

「怖かったー……君たちはスライムハンターか何かかい?」

「いや、仲間のスライムにお願いされてスライムを集めに来ただけだ」

「もしかして、あの子かな?たしか人間に名前を付けてもらって、マイムとかいう名前になったスライムのこと?」

「そうだよ」

「やっぱり!よかった!あの子生きてたんだね!」

「君はマイムの何にあたる魔物なの?」

「私はマイムの、そうですね、産みの親になります」

「親キター!!まじかよ!じゃーあんた、あんたも一緒に来てくれないか?アイツ絶対喜ぶから!」

「はい!って言いたい所なんですけども、私達はダンジョンで産まれてますのでダンジョンから出られないのです」

「私達って事は家族もいるの?」

「はい!全員で4匹居ますよ」

「ダンジョンから出られない縛りは俺が解除できるから問題なし。
 だったら全員来てくれる?」

「是非お願いします!それと家族ではないのですが、マイムの幼馴染も1匹居るのですが、その子もいいでしょうか?私たちと生活していますので、言葉も喋れます」

「勿論!願ってもないことだ!」

 思わぬ収穫?収穫と言っていいものか、分からんがマイム一家と幼馴染をゲットした。
 ◯ケモン!ゲットだぜ!

 結局合計で多種多様のスライム100匹とマイム母・マイム父・マイム姉・マイム弟・マイムの幼馴染で合計104匹のスライムをゲットした。

 これで任務は完了したので、転移でレーニアとマイムの居るレーニアの部屋へ戻ってきた。

「戻ったよー」

「あ、ザハルお帰り!どうだった?見つかった?」

「お前多分ビビるぞ。ほれ皆出ておいで」

 そういうと家族たちと幼馴染が俺のマジックバックからポヨンポヨンと出てきた。

「え?えーーー!!!お父さん!お母さん!皆も!なんでー!」

「なんか知らんけど奇跡的に見つかった」

「ピムちゃんもいる!」

「ピムちゃん?誰それ?」

「あ、僕の幼馴染で昔から僕が勝手に呼んでただけで名前じゃないよ」

「なるほどね。でもよマイム、もうお前自身のレベルが、大きく上がったから全員に名前をお前が付けてあげることもできるぞ」

「え?そうなの?」

「ああ。俺が名付けするよりお前が名付けしてやれ」

「ありがとう!じゃーピムはピムのままで、お父さんがベン!お母さんがタラ!お姉ちゃんがイム!弟がスラ!」

 マイムに名付けをされたスライム達はレベル上限解放を手にし、皆が等しくスキル記憶補完を手に入れたようだ。
 まぁこれは恐らくマイムの治癒に関するスキルを受け継ぐ必要があるからだろう。

 マイム、グッジョブ!

 名付けは俺並に酷いがな……

 その後マイムに回収したスライム100匹を預け、好きに使ってくれと言い残し、俺は王都に来ているクラーヌの元へと向かった。

 勿論、魔王軍の動きを把握するためだ。

 ジェンノ王国が魔王軍の動きにシビアになっている頃、ジェンノ王国を警戒する国々の1つコモル王国が、とあるとてつもない事件をジェンノ王国相手に引き起こしてしまう。
 ジェンノ王国で最も怒らせてはいけない男を起こらせてしまい、コモル王国は焦土の島となってしまうのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~

椿紅颯
ファンタジー
目標である登録者3万人の夢を叶えた葭谷和昌こと活動名【カズマ】。 しかし次の日、身に覚えのない大炎上を経験してしまい、SNSと活動アカウントが大量の通報の後に削除されてしまう。 タイミング良くアルバイトもやめてしまい、完全に収入が途絶えてしまったことから探索者になることを決める。 数日間が経過し、とある都市伝説を友人から聞いて実践することに。 すると、聞いていた内容とは異なるものの、レアドロップ&レアスキルを手に入れてしまう! 手に入れたものを活かすため、一度は去った配信業界へと戻ることを決める。 そんな矢先、ダンジョンで狩りをしていると少女達の危機的状況を助け、しかも一部始終が配信されていてバズってしまう。 無名にまで落ちてしまったが、一躍時の人となり、その少女らとパーティを組むことになった。 和昌は次々と偉業を成し遂げ、底辺から最速で成り上がっていく。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~

椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。 探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。 このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。 自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。 ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。 しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。 その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。 まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた! そして、その美少女達とパーティを組むことにも! パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく! 泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

処理中です...