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【青年期編】
【26】魔王誕生と新しい芽吹き
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場面は変わって最北端に位置する魔王城。
歴代の魔王の肖像画が飾られてあり、先代の魔王の肖像画もそこにはあった。
前回の魔王と勇者の戦いは相討ちということもあり、世界はバラバラに活動を始め現在の形である混沌の世界が誕生している。
結局の所、勇者と魔王が共に存在している時が一番世界の均衡が取れていると言ってもいいんだろう。
今この世界に勇者は誕生した。
魔王はまだ誕生していないというのが、現状ではあったのだが、ここ最近で魔王城付近が慌ただしくなってきたとの情報も俺の耳には入ってきている。
魔王は色んな産まれ方をするらしい。
魔族の腹から産まれたり、人の腹から産まれたり、卵から産まれたりと……
まったく一過性のない産まれ方である。
此度の魔王はどうやら雷鳥の卵から羽化しそうだとかで、魔王城付近にある雷鳥の卵は超の付く厳戒態勢で守られている。
その中でも明らかに別の挙動をしている卵が存在した。
黒光りをし、亀裂の走った場所は真紅に染まっている。
ここにいる全ての魔物が確信する。
《魔王様はこの中におられる》
さらにこの予兆にはもう1つの吉兆があった。
雷鳥は雷鳥でも赤い稲妻を放つ雷鳥は100万分の1という、誠に稀な雷鳥が産まれることがある。
その雷鳥が50年前に誕生し、今回産んだ卵に宿ったのが魔王様だったのだ。
魔王誕生は秒読みと迫っていた。
後、数日もすれば、既に成長された魔王様が拝める。
ここから先は出来る限り卵にとどめておく作業が必要になる。
魔王城における各細工の職人たちが羽化を遅らせるための作業を、昼夜問わず勤しんでいる。
「後どのくらい遅らせそうだ?」
そう話しかけてきたのは2代に渡って魔王を支えてきたダラル閣下であった。
この男もまた幾度も転生を繰り返している魔王直属の配下である。
先々代の勇者に関しては、このダラルにより致命傷を負い魔王との戦いに敗れている。
それほどまでに強い戦士である。
レベルの上下変動はないものの、80とまず人間では全く太刀打ちできない。
「はい。長く伸ばせても7日程かと」
「7日か……願わくば10日程延ばせればよかったのだが、致し方ない」
「申し訳ございません」
「いや、構わぬ。親衛隊、近衛兵など王の護衛をする者達に、王の生誕の準備をさせるように伝えといてくれ。
俺は各部隊長たちを長い眠りから解き放つ」
「畏まりましたダラル閣下」
慌ただしく各々が動き出し、魔王軍全てのものが今か今かと魔王の誕生を待ちわびていた。
それもそのはず、ここ何代かでの最高傑作が産まれそうな予兆があり、自然と期待が高まってしまうのは仕方のないことだろう。
各部隊長を起こしに来たはいいものの、今直ぐに起こせそうなのは精々2人か。
ガンズとモルバのみ。
まぁ仕方あるまい。
前回の戦いで塵も残らず消え散ったのだからな。
「起きろ!ガンズ、モルバ!魔王様が目覚められるぞ」
魔王が目覚める。その一声でガンズとモルバは直ぐに目覚めた。
「これはこれはダラル閣下。魔王様がお目覚めになると聞こえましたが、いつでしょうか?」
「7日後だ」
「お前たちも部隊編成を急げ。直ぐに号令が掛かってもいいよにな」
「御意」
魔王誕生まで2日。
雷鳥の卵は鼓動が大きくなり、はち切れそうな程に躍動する。
「もう間もなくか……」
「はい。もう卵に近寄ることすら出来ません。
とてつもないメストで、近寄れば私のような弱兵は一瞬で塵となりましょう」
「だろうな。俺たちでも怪我をする。
残り2日、我々はこのまま王を見届けよう」
ダラルが立ち去ろうとした時、どこからともなく声がした。
「ダラル、馳走を用意しておけ」
ダラルは瞬時に誰からの声か理解できた。
「承りました!我が王よ」
「待て。わしは……豚骨ラーメンを所望する!!」
「何それー!!知らん知らん知らん!王よ!
それはなんですか!?」
「豚の骨で出汁を取った世界最高に美味いラーメンよ」
「ぶ、ぶたは、は、はい、ま、まぁ分かりましたが、ラーメンとは?」
「ラーメンはラーメンじゃ!少しはググって勉強せろ!じゃあわしは寝る」
「ググって?ってなんだよ……衛兵!魔王城に居る全シェフに豚骨ラーメンなるものを作らせよ!王の所望する食事だ」
「何ですかそれは!?」
「知らん!」
と、こんな無茶ぶりをした此度の魔王はほんの1週間前まで、とある博多のラーメン屋でラーメン屋の修行をしているフリーターであった。
「油野!まかない食ってこい!」
「ありがとうございます!ラーメンいただきます!」
「またかよ。お前ラーメン以外食うことなさすぎたろ」
「たまーに焼き飯食いますよ!でもラーメンには敵わないっす!」
「おう!食ってこい!」
「はい!お先に頂きます!」
大好物のラーメンを一口すすった所で出口のない暗闇に閉じ込められた。
「え?なにこれ?どこ?」
「わしらは歴代の魔王たちだ。
焦るでない。そなたは魔王としてこの世界に転生したのだ。これよりは魔王として存分に生きるが良い」
「うるせーわ!!ラーメン返せ!こんな消え方、親方に申し訳ねーだろうが!戻せ!!」
「戻りたければ勇者を倒した時に考えてやろう」
「考えるじゃねーだろ!勝手に連れて来ておいて、約束しやがれ」
「わ、わかった。約束しよう」
「ならばさっさと生まれて、勇者殺して、元の世界に戻ってやる!」
「魔王よ。そなたに名を授けよう。
そなたの名は”ロウガン”
これよりはロウガンとして生きよ」
「ロウガン……俺はまだ20歳なんですけどーーー!!!
ネーミングセンスがクソすぎるでしょ!」
「頑張るのだ。ロウガンよ。
新たな王よ」
「いや、フル無視だしコイツら!」
―――――運命の時――――――
遂に新たな魔王が誕生した。
起きるや否や魔王はラーメンを探し食ってみたがクソ不味く絶望をしたという。
魔王ロウガンは一刻でも早く現代に戻るために勇者を殺すことを決意したのだった。
―――その頃ジェンの王国では―――
「お喜びください!陛下、ザハルさま。
女王陛下のご懐妊でございます!」
「ふふ、ザハル、とうとうお父さんになっちゃったね。
どんな気持?」
「まだ実感はないけど、そうだな素直に嬉しいという気持とレーニアに対して、ありがとうという気持かな」
「私もザハルにはいっぱい感謝してるよ」
「護衛にマイムを付けようか?」
「マイム君か、お願いできる?」
「分かった。伝えておくよ」
「ありがとう」
「戦になってもレーニアは暫く出ないように。
俺が全て片付ける」
「うん。宜しくね」
魔王が誕生した年に我が子を授かった。
しかしまだ、俺たちは魔王が誕生したことを知る由もなかった。
歴代の魔王の肖像画が飾られてあり、先代の魔王の肖像画もそこにはあった。
前回の魔王と勇者の戦いは相討ちということもあり、世界はバラバラに活動を始め現在の形である混沌の世界が誕生している。
結局の所、勇者と魔王が共に存在している時が一番世界の均衡が取れていると言ってもいいんだろう。
今この世界に勇者は誕生した。
魔王はまだ誕生していないというのが、現状ではあったのだが、ここ最近で魔王城付近が慌ただしくなってきたとの情報も俺の耳には入ってきている。
魔王は色んな産まれ方をするらしい。
魔族の腹から産まれたり、人の腹から産まれたり、卵から産まれたりと……
まったく一過性のない産まれ方である。
此度の魔王はどうやら雷鳥の卵から羽化しそうだとかで、魔王城付近にある雷鳥の卵は超の付く厳戒態勢で守られている。
その中でも明らかに別の挙動をしている卵が存在した。
黒光りをし、亀裂の走った場所は真紅に染まっている。
ここにいる全ての魔物が確信する。
《魔王様はこの中におられる》
さらにこの予兆にはもう1つの吉兆があった。
雷鳥は雷鳥でも赤い稲妻を放つ雷鳥は100万分の1という、誠に稀な雷鳥が産まれることがある。
その雷鳥が50年前に誕生し、今回産んだ卵に宿ったのが魔王様だったのだ。
魔王誕生は秒読みと迫っていた。
後、数日もすれば、既に成長された魔王様が拝める。
ここから先は出来る限り卵にとどめておく作業が必要になる。
魔王城における各細工の職人たちが羽化を遅らせるための作業を、昼夜問わず勤しんでいる。
「後どのくらい遅らせそうだ?」
そう話しかけてきたのは2代に渡って魔王を支えてきたダラル閣下であった。
この男もまた幾度も転生を繰り返している魔王直属の配下である。
先々代の勇者に関しては、このダラルにより致命傷を負い魔王との戦いに敗れている。
それほどまでに強い戦士である。
レベルの上下変動はないものの、80とまず人間では全く太刀打ちできない。
「はい。長く伸ばせても7日程かと」
「7日か……願わくば10日程延ばせればよかったのだが、致し方ない」
「申し訳ございません」
「いや、構わぬ。親衛隊、近衛兵など王の護衛をする者達に、王の生誕の準備をさせるように伝えといてくれ。
俺は各部隊長たちを長い眠りから解き放つ」
「畏まりましたダラル閣下」
慌ただしく各々が動き出し、魔王軍全てのものが今か今かと魔王の誕生を待ちわびていた。
それもそのはず、ここ何代かでの最高傑作が産まれそうな予兆があり、自然と期待が高まってしまうのは仕方のないことだろう。
各部隊長を起こしに来たはいいものの、今直ぐに起こせそうなのは精々2人か。
ガンズとモルバのみ。
まぁ仕方あるまい。
前回の戦いで塵も残らず消え散ったのだからな。
「起きろ!ガンズ、モルバ!魔王様が目覚められるぞ」
魔王が目覚める。その一声でガンズとモルバは直ぐに目覚めた。
「これはこれはダラル閣下。魔王様がお目覚めになると聞こえましたが、いつでしょうか?」
「7日後だ」
「お前たちも部隊編成を急げ。直ぐに号令が掛かってもいいよにな」
「御意」
魔王誕生まで2日。
雷鳥の卵は鼓動が大きくなり、はち切れそうな程に躍動する。
「もう間もなくか……」
「はい。もう卵に近寄ることすら出来ません。
とてつもないメストで、近寄れば私のような弱兵は一瞬で塵となりましょう」
「だろうな。俺たちでも怪我をする。
残り2日、我々はこのまま王を見届けよう」
ダラルが立ち去ろうとした時、どこからともなく声がした。
「ダラル、馳走を用意しておけ」
ダラルは瞬時に誰からの声か理解できた。
「承りました!我が王よ」
「待て。わしは……豚骨ラーメンを所望する!!」
「何それー!!知らん知らん知らん!王よ!
それはなんですか!?」
「豚の骨で出汁を取った世界最高に美味いラーメンよ」
「ぶ、ぶたは、は、はい、ま、まぁ分かりましたが、ラーメンとは?」
「ラーメンはラーメンじゃ!少しはググって勉強せろ!じゃあわしは寝る」
「ググって?ってなんだよ……衛兵!魔王城に居る全シェフに豚骨ラーメンなるものを作らせよ!王の所望する食事だ」
「何ですかそれは!?」
「知らん!」
と、こんな無茶ぶりをした此度の魔王はほんの1週間前まで、とある博多のラーメン屋でラーメン屋の修行をしているフリーターであった。
「油野!まかない食ってこい!」
「ありがとうございます!ラーメンいただきます!」
「またかよ。お前ラーメン以外食うことなさすぎたろ」
「たまーに焼き飯食いますよ!でもラーメンには敵わないっす!」
「おう!食ってこい!」
「はい!お先に頂きます!」
大好物のラーメンを一口すすった所で出口のない暗闇に閉じ込められた。
「え?なにこれ?どこ?」
「わしらは歴代の魔王たちだ。
焦るでない。そなたは魔王としてこの世界に転生したのだ。これよりは魔王として存分に生きるが良い」
「うるせーわ!!ラーメン返せ!こんな消え方、親方に申し訳ねーだろうが!戻せ!!」
「戻りたければ勇者を倒した時に考えてやろう」
「考えるじゃねーだろ!勝手に連れて来ておいて、約束しやがれ」
「わ、わかった。約束しよう」
「ならばさっさと生まれて、勇者殺して、元の世界に戻ってやる!」
「魔王よ。そなたに名を授けよう。
そなたの名は”ロウガン”
これよりはロウガンとして生きよ」
「ロウガン……俺はまだ20歳なんですけどーーー!!!
ネーミングセンスがクソすぎるでしょ!」
「頑張るのだ。ロウガンよ。
新たな王よ」
「いや、フル無視だしコイツら!」
―――――運命の時――――――
遂に新たな魔王が誕生した。
起きるや否や魔王はラーメンを探し食ってみたがクソ不味く絶望をしたという。
魔王ロウガンは一刻でも早く現代に戻るために勇者を殺すことを決意したのだった。
―――その頃ジェンの王国では―――
「お喜びください!陛下、ザハルさま。
女王陛下のご懐妊でございます!」
「ふふ、ザハル、とうとうお父さんになっちゃったね。
どんな気持?」
「まだ実感はないけど、そうだな素直に嬉しいという気持とレーニアに対して、ありがとうという気持かな」
「私もザハルにはいっぱい感謝してるよ」
「護衛にマイムを付けようか?」
「マイム君か、お願いできる?」
「分かった。伝えておくよ」
「ありがとう」
「戦になってもレーニアは暫く出ないように。
俺が全て片付ける」
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